すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

ゲーム日記;『十三機兵』『デス・スト』『サブノ』

 ゲームをプレイしているとそちらに夢中になってしまって、日々を文字にするための余暇時間がなくなってしまう。

 更新途絶えすぎてアレなうえ、そのうちアップする日記からゲームプレイ記録を(とりあえず書けたところまで)抜粋。3作やって240時間か……。

(日記記事として清書して再アップするさい、何を書いてて何を書いてないのか俯瞰したいという気持ちもあります)

 当然ぜんぶネタバレです。『十三~』はほぼ進度報告だけですね。ノベルゲーってプレイ日記としてはなにを書くのも躊躇われてむずかしいなぁ。

 

 

0910(土)

 ■やってるTVゲーム■

  『十三機兵防衛圏』プレイメモ①(プレイ時間0~7時間)

 プロローグを終え、キャラクタ自由選択可能になったプレイアブルなドラマパート「追想編」は各キャラの最初のロック到達+新キャラ2人登場させたところまで。

 「崩壊編」は第一エリア4WAVE目まで進め、みんなのレベルが5くらいになったところまで。

   ▼ADVパートの活劇的な演出・小道具選びがよい

 かなり立派な巨大メカ/怪獣モノをやっていて、活き活きした光景がひろがっていました。

 たとえば海にそった道を霧がかった雨のなか傘をさして画面水平方向へと永らく歩くシーンがありまして、ここには――かつて藤村『映画研究塾』さんが言われていたような――「活劇」の逆算思考が見受けられるんですよ。

 横に横に歩くのは、突如あらわれて海を占拠する巨大メカがどれだけ大きいかを伝えるためであり、その巨大メカが落ちてくる上下運動の衝撃をより大きくするためであり、そして傘をさしているのは(そのキャラが雨に濡れないためのリアリズムではなく)それが空に舞うことによって巨大メカが落着した勢いで生じた風の強さを可視化するためにある……というような気配があります。

 

   ▼RTSパートは周回しやすいシンプルさで良い

 「崩壊編」はなんか、序盤数ウェーブを無限に周回してしまっております。

 第一エリア第一ウェーブで得られる経験値が、兵器改良・新兵器導入や拠点の特殊機能(拠点の基礎レベルアップとか、経験値ブーストとか)を育てたり取得したりするのに充分な量があるんですよ。

 そのうえ戦闘自体がサクサク快適であり、その快適さの要であろう戦闘風景のシンプルな記号化のおかげで「凄い敵を倒そう」みたいなモチベーションも今のところ別に湧かないので、いくらでも周回してしまえる。

 敵味方ともにとにかくシンプルな記号となっていて、戦闘アニメーションみたいなものも――たとえば『スーパーロボット大戦』シリーズが原作再現などに気を吐いているのとは正反対に――、ビームとか爆発のエフェクト等はあるけどそれ以上細かい細部は戦闘中に表示されないので、スキップ機能がついてないのも納得なのだった。

 

   ▼ADVパートの物語の束ね方がだいぶグネグネしてて凄い

(↓もしかしたら未プレイヤーの興をそぐかもしれない内容)

 「追想編」で物語進行が予想以上に自由でびっくりしてしまった。

 アドベンチャーパートでは、キャラを動かし他者と会話したりマップの小物を調べたり拾ったりでき、そうすることで重要な知見を見聞きしたり閃いたりして、頭のなかにとどめていくこととなります。得たキーワードを頭の中で吟味したり、それを念頭に他者へ質問をしたり事物を調べたりすることで、新たな局面へとすすめる……というインタラクティブなパートであります。

 現在進行系でながれる世界に対してアクションすることで、時間の針を進めていくこととなるわけですが、視点人物の何人かは記憶喪失におちいっているらしい。アクション・リアクションの連鎖として進んださきで、視点人物はプレイヤーの知らない近過去を回想したり、回想したさき(ここもインタラクティブな形式である)でさらに(視点人物さえよくわかってない)夢で見た内容(未来未来、SFSFしたもの)を振り返ったりする。

 回想や夢見、伝聞などをつうじて、時系列のよくわからないエピソード群をぐねぐねと束ねており、そのどれもがプレイアブルであるという点で「いま・ここ」で流れていく現在時制的な時空間でもある……ということで、なんともヘンテコな感覚です。

「はたしてこれは全国の大多数へ売ることを目的としたエンタメでやっていい語り口なのか? 実際おもしろいから良いし、売れてるから正解なのだが、でも実物がないスタート段階で、どうやって企画が出され、GOサインがおりたんだろう?」

 と不思議でしかたない。

 

 

0912(月)

  『十三機兵防衛圏』プレイメモ②(プレイ時間7~13時間)

 「追想編」は、プロローグで出てきたキャラがロックされるまで進めたところで出てきた新キャラがロックされるまで進め。みんなロックされたところで網口くんを第一ロックを解除、鞍部くんの第一ロックを解除。

 「崩壊編」は、第一エリア5WAVE目まで。

「こちらはこちらで追想編の進行度でロックがかかるんだ!?」となる。

 

 「追想編」はだいたいのひとのプロローグを終えて第一ロックが解除された程度だけど、だいぶ世界設定が見えてきたするし、結構な部分がすでに話題にされた気がするが、よくわからない部分もけっこうある。

 どのようにつながるのかという点でさらなるサプライズがあるんだろうか。

 謎が謎をよぶ展開になってきた。ふつうにこわいぞ。

 

 

0913(火)

  『十三機兵防衛圏』プレイメモ③(プレイ時間13~15時間)

 「追想編」はミステリーファイル3個開放が解除条件の冬坂さんの第一ロック、6個開放で解除される薬師寺さんの第一ロックを読んだ。そして、郷登くんが出てきたのでプロローグを読み、第一エリアW5クリアで解除の緒方くんの第一ロックを読んだ。

 「崩壊編」は第一エリアW6をクリア。

 

 いろいろと状況が明らかになっているけれど多重化もまたどんどん進んだ。どう結びつくのか逆に昨日より分からなくなったような気がする。

(↓未プレイヤーの興をそぐだろう内容)

 「崩壊編」第一エリアW6では、戦闘前の会話で機兵第二世代のバックグラウンドが語られ、面白かった。ようするに「重機(を兵器として転用したメカ)なのだ」というお話で、これ単体ですごく面白いのだが。

 全体で見るとたぶん、後々判明することの伏線となっているのだろう。

{町を襲う怪獣……はある層からダイモスと呼ばれており、ダイモステラフォーミング用の機械であり。比治山編プロローグでちらりと沖田が言ったりしていたとおり、主役勢力が自動工場で機兵をつくらせた。自動工場ではダイモスが作られており(というのがどこかで語られていたような気がする)、つまりダイモスと機兵がルーツを同じくする存在だ……ということが両者の重機性によってほのめかされる}

 

 手持無沙汰になると同程度の進行度までプレイ中の人の感想などを見て感情をわかちあいたくなるのだが、2年前のゲームだし週一連載の作品でもないから既プレイヤーの全編とおした感想(とその集積としての検索候補)にまず当たる。

 最近になって『たいようのマキバオー』を読み・感想を求めに行ったときはひどいネタバレを踏んでしまったが、今回はべつに致命傷じゃないだろうものだったので助かった。

 

 ぼくは今作をPS4Proでやってて、こういうビジュアルの強い作品はハイスペック機でやるべきだろうと思うのでそれで全然よいんですけど、スイッチであったら出先のスキマ時間で「崩壊編」をちまちまレベリングできたのかなぁとも思いました。

 でもこういう「絶体絶命!」の時限式「最終決戦」を周回レベリングしていいのか? しかもイージス作戦についてなんか不穏な話を聞いてしまったというのに? みたいな疑問もあって、むしろレベリングせず一発勝負で挑むべきなのでは? みたいな気持ちもある。

 

 

0915(木)

  『十三機兵防衛圏』プレイメモ④(プレイ時間15~21時間)

 「追想編」は第一エリア8WAVE目までで解除できるところ大体。

 「崩壊編」は第一エリア8WAVE目までクリア。

 

 宿直明け後の日中の仕事がいそがしく、ちょっと物を動かしたり体を動かしたりなんだりした。結果、夕食まえにひと眠りするレベルの疲労があったのだけど、夕食食べてから寝るまでプレイしてしまった。

 

 

0916(金)?

  (完)『十三機兵防衛圏』プレイメモ⑤~44時間

 全クリした。(クリアまでかかった時間は44時間らしい。さすがに一日中ゲームをしたということはないので、日付を間違えているんだと思う)

 めっちゃ面白かったしよく出来てる凄い作品だと思います。

 追想編について。エピソード終盤の色々な人がセクター0へ行ったり来たりするパズラー部分はぼくにとって結構どうでもいい部分で、「ううむ……」となってしまった。

 プロローグで良い位置にいた十郎と五百里クラウドシンクの登場の仕方といい物語の収束法といい「うおおおお!」と身を乗り出す感じで□機兵起動まで行ったり、あるいは東雲さんのように「おおお……」となかなか凄いかたちで迎えるかたもいたりしたのですが。

 何人かのキャラについては、(物語的なクライマックスが最後の起動部分には無かったりするからか)感情が乗り切らないまま「To the last Battle」を迎えたりして、「え、このひとのエピソードはこれで終わりなのか……」と思ったりしました。

 この辺の感触は、「崩壊編」最終エリアでも覚えて、前段で出ていた強敵は登場せずにただただ大勢のダイモスが出るだけの持久戦となっていて、「まだアイツが出てきてないから先は長そうだ……!」とか思っていたらなんか終わったので「え、これで終わりなのか……」と拍子抜けしました。最後にド派手な大玉やスターマインで〆めずにおわった打ち上げ花火みたいな感じ。不完全燃焼だ……。

 

 

0918(日)

  『十三機兵防衛圏』クリア感想を友人グループへLINEする

 『十三機兵防衛圏』クリアした!

 ADV+RTSで、全クリまで44時間かかったけど、RTS上手い人ならたぶん30時間台でイケるんじゃないかな。

 分岐や寄り道のない、かなり一本道に近いシナリオなのだけど、かなりパズラーな物語でもあり。

 住む年代の異なる13人のプレイヤーキャラをザッピング動かすADVパートと、さらにその13人一堂に会して巨大人型ロボットに乗り込み怪獣と戦うRTSパートとを並行・交互に進めていって、最終的に1枚の大きな絵図があらわれる……というもの。

 各イベントをキャラ別や時系列順に組み直して俯瞰できるモードがゲーム内に用意されているくらいにはお話は入り組んでいます。

 連休にやるにはもってこいだと思った。

 

 時代や趣味のことなる各キャラの視差が楽しいゲームで、たとえば戦時下大日本帝国に生きる主役のひとりは、怪獣をアメリカの新兵器だと思うし、自分たちの乗り込むロボに危険性があることを知っても、散華の精神でむしろ喜んで搭乗する。

 いっぽう1980年代に生きる主役のひとびとは、前述のようなSF的異様について、80年代当時のSF映画にたとえ、ーミネーター』を彷彿とするような恐ろしいサスペンスに悩まされる人もいれば、海のものとも山のものともさだかでないうちから.T.』的な異文化交流ジュヴナイルを見出すひともおり。

 また、おなじ80年代SF映画といっても、あるひとは日本のをかける少女』的な恋愛ロマンスを爆走するひともいる。

 

0923(金)

 ■ゲームのこと■

  『デス・ストランディング』再プレイ記①チャプター1~2
   ▼雑プレイが別の一面を見せてくれもした再プレイ

zzz-zzzz.hatenablog.com

 blogでは以前めちゃ楽しそうにプレイ日記を書いてたのに、以後3年間も積んでた『デススト』を再プレイしました。前回は12時間くらいやって、ゲーム内の進度としてはチャプター2の「バイクを充電できるようになった」ところで投げだしましたね。

 章からすればあと14章と、残すところ2/3ですが……単語数だと4/5以上あるのでした。マジかよ。200語/時でもあと40時間はかかるわけで、その時間があれば『デススト』クリアできそうなんですが、先人も仰ってました、鉄は熱いうちに打たないとと。ぼくにとって英語熱はそうそう高まることないものですしね。

 その時期のぼくは、ゲームをせずにチャイナ・ミエヴィル氏のエッセイをひーこら言いながら勝手に訳出したり、夏に読んだ小説の短編集の感想を書くためにいろいろと本をポチポチしたり読んだりしたのでした。

 そのおかげで上述リンク先のとおり、ミエヴィル氏のエッセイ邦訳記事も『なめ、敵』の感想文もアップできたのですが、そこに至るまでに次の年の春までかかり、『デススト』は見事なまでに座礁しました。

 前回の初プレイ記録同様、今回の日記もいろいろ面白がりましたし実際それらは嘘いつわりのない素朴な感想なのですが、いつなんどき投げ出して数年放置するかわかりません。そのくらい不安定で緊張感のある言説であるとして読んでいただきたい。

 なお、ゲームデザイン的なお話をするし、(そのほかの創作に関する感想文などでしてきたように)あたかも作り手が意図しているかのように語ったりもするだろうけど、その意味合いはインテリジェント・デザイン的な用法にちかいものですね。

 つまり「ぼくが感じる美点やそうでもない点などは作り手も重々承知で制作しているだろう」という前提のもとに言う「このような意図のうえでデザインされているのではないか」というお話であり、ただしくは「このゲームをこうプレイしてぼくはこう感じた」と書くべきことです。

 『デススト』制作陣のインタビューや解説などを読んだり聞いたりしたうえで何か言ってるわけではありません}

 

 その続きからやったのですが、操作方法がおぼつかない。

 ということで最初からやり直すことにしました。覚えていたつもりだったイベントシーンもかなり忘れてた(ことがこの再プレイでわかった)のでやり直して良かったです。

 

 初回プレイの配送業は、とにかく石橋(R1ボタン)をたたいて渡る慎重な仕事でした。とにかく単発式センサー"オドラデク"で測量をしまくって、路面状態が「○」のところしか進まないつもりで仕事をこなしていきました。

 ですが再プレイの今回は、けっこうざくざく走っていってます。既プレイ箇所にたいする"舐め"とそして「早くストーリーを進めたい」という気持ちが、雑なプレイを誘発させ、そうしたことで「エッじつは雑に行っても案外そこまでコケない足腰があったんだ!?」という新たな気づきを得られ、さらにガサツで速い現状の配送スタイルが導かれました。これもある種の怪我の功名ってやつでしょうか。

 ただ、黒い雨が降るなかをふよふよしたりジュクジュクしたり爆発したりする恐ろしい幽霊じみた座礁(BT)コレがうようよしている場所についても、ザクザクプレイを選んでしまい、かなり痛い目を見ています。今回の再プレイによってはじめて、BTにプレイヤー(サム)の存在が気づかれたさいのイテレーションについて――BTが地面を黒いぬかるみに変えて近づきサムを泥濘の中に引きずり込むあの展開について――、その先の先がどう転がっていくかを知り、非カットシーンでの臨死体験(ゲームオーバー)を何度かしました。

 けっきょく配送の速度はあがったけど、失敗によるリセット&リロードも増え、プレイ速度じたいは初回プレイとそこまで変わってないか、むしろ遅いまである。十中八九、急がば回れってやつでしょうねこれは……。

 

   ▼地獄の入り口が、イベントシーンではなく、プレイアブルパートの汎用エリアでひらきかねない潜勢力

 そんなわけで逸る気持ちで雑プレイしたことにより、サムとBTがエンカウントした際の、地面にペタペタ手形をつけてBGがサムに迫るシークエンスから一歩すすんだ次のシークエンス(=辺りが黒いぬかるみと化して、より人らしい具体的な実体をもったBTが泥濘の下へ引きずりこもうとする)の、さらに次のシークエンス(=沼が大規模化して川になり小池になり、クトゥルー的な/タコっぽい異形が襲いかかってくる)にはじめて見舞われることとなりました。怖え~。

 blogで話題にしたなかだとR・A・ラファティ作品(の怖いやつ)とか『ゴジラ対ヘドラ』とおなじく、主役が異様な速度で動くものに曝されるのは本能を刺激されますな……。

 さらにすごいのは、シークエンスの変化によってBTの脅威が戦力増強されるだけではないところ。{いや、ふわふわ状態も沼状態も池状態も、姿かたちや行動パターンについて一定の脈絡をもたせエスカレートさせつつも全然ことなる(=プレイヤーキャラクターの移動を間接的あるいは直接的にうばい、引きずり込もうとする)というそれだけでも正直いって充分すごいんスけどね}

 zzz_zzzzが小池シークエンスと遭遇したのは、風力発電所に向かう手前の森林地帯でのことだったのですが、いや~まじで驚きました。黒い池と化したエリアにもともと生えていた緑の木々が、どんどん呑み込まれて消えていく(!)んですもの。

 プレイヤーが殴っても微動だにしない(だろうし、そもそも何かしようという気さえ起きない)「背景」にさえ動的に干渉してくるクリーチャ/現象が、非イベントシーンのプレイアブルパートでゲームに出てくる……

 ……これ自体におどろき心動かされるのは、ぼくが一番やってたゲームがPS2周辺で「"現行ハードでできること"に疎い」というジェネレーションギャップによる部分はあるんだろうと思います。

 PS4モンスターハンター:ワールド』の一モンスターが、プレイヤーが足場としている最中の大きな大きなオブジェクトを壊して沼に沈めてみせた(ふりかえるとこれも沼と破壊だ……)ように、マシン・ソフトスペックや技術的には実装可能な要素なのでしょう。

 そうなってくると重要なのは「そういう要素・ギミックを採用することで、なにを演出・達成したいのか?」で、『デス・ストランディング』の黒い池シークエンスはそうした部分が美味しかった。

 ぼくが今回沈められた森は、プレイヤーが拾える落とし物の重量や地形の入り組みかた・そして風などによって移動がいちじるしく下がるステージで、「プレイアブルパートでBTに初めてつかまれるとしたらここだろう」という舞台。

 プレイヤー以外のオブジェクトも黒い池に呑み込まれるというギミックが、最も映える舞台をそういう局面できちんと持ってくる演出力が堅実だし。

 そして何より、作品をゲームをより一層魅力的なものにしています。

 小島秀夫監督(監督という肩書きからしてなぁ……)と氏の指揮したその作品は、とかくイベントシーン(ムービーパート)の多さなどが悪い意味で話題にされがちだと思います。

 でも、この黒い池の演出・構成はどうでしょう?

 それまでのイベントシーンで言われたり遭遇したりしてきたけど、変化の瞬間はプレイヤーキャラクターの意識喪失などによってカットされ、伝聞や(爆発のクレーターなどの)事後風景という間接的なかたちでしか拝めてこなかったビーチやら対消滅(ヴォイド・アウト)。その暴力性やそれによって世界を変えられていくさまが、プレイアブルパートのしかも汎用イベントで仔細に展開されてる/され得る……というこの構成は、作品世界にイベントシーン的「額縁の向こうで展開されるお話」とことなる厚みや距離感をあたえていますし、プレイ体験をいっそう印象的にしています。

 

 

0924(土)

  『デス・ストランディング』再プレイ記②チャプター1~2前半
   ▼世界設定やゲーム内テクストの作りこみがやっぱり良い

 『デス・スト』はゲームを進めていくたびに、世界設定がちょこちょこ解明されていき、ゲーム内の用語集・NPCとのコミュニケーションログも多くなっていく作品です。こういう仕組みじたいは今作の開発ではなくて(もちろん)、結構なゲームがそんな具合のことをやっている気がしますね。

 『十三機兵防衛圏』もまた充実していたし、もっと若い世代向けだろう『星のカービィ ディスカバリー』にだってそういう要素がありました。

 『デススト』がすごいのは、『MGS』の無線などでおなじみだった知識の盛り込みようが、オリジナルの未来世界においても饒舌に発揮されていること。

 

 最初の配達依頼品からして「オキシトシンをえらんで、この荒廃した作品世界に点在して暮らすことがどれだけ寂しいことかを掘り下げてくれたり、「エボデボ・ユニットを運んでくれ」云々と進化生物学の説明をしてくれたり。あるいはポストアポカリプス世界で自活するひとびとを「プレッパーズ」と呼んでくれたりする作品は、やっぱり頼もしい。

natgeotv.jp

 もちろんプレッパーズなんてのがさっとお出しされるとおり、『MGS』でだいぶクサいと言われてた陰謀論やら文明論やらにあったような小島史観・小島センスはプレイ序盤の現時点でやっぱり変わらず見え隠れしている気がするし、既プレイヤーから(ネタバレ回避のため詳細についてぼくはシャットアウトしてるけど)小島女性観について困惑・難色・罵倒の声も漏れ聞いているし、なんなら既に「ブリッジリンク、略してBLだ! BLの輪をどんどん広げてこう!」みたいな悪ふざけ・クサいところもいろいろあります。

 そういったわけで、広く深い知見をお持ちである本物の有識者のかたがたのお眼鏡にかなう作品かは存じません。でも凄い書き込みの作品だとぼくは思う。

 

   ▼ミッション間やシナリオ⇆プレイの繋がりもちゃんとしてる

 これはもう、斬新とかではなく堅実な作品づくりについてのお話であり、「おさえるところをきちんとおさえてくれてて、プレイしてて楽しいなぁ」というだけの感想。

 

 さて『デススト』のストーリー進行方法であるクエスト受託。このクエストについて巷で話題になったのは、とかくクエス依頼者のオッサンたちがほうぼうでプレイヤー(キャラ)の仕事を褒めてくれることでした。

 たしかにエリア1はそんな具合だったものの、エリア2からはちょっと雰囲気がかわっていく(※)から今後どうなるかはわからないんですけど、「プレイしてて楽しいのは、NPCオッサンからの好印象だけじゃないな」と思いました。

 4K画質でレンダリングされるに足る高精細な風景である『デス・ストランディング』劇中のアメリカは、アメリアメリカしたものがとりあえず今のところはうかがえない(たとえば今作は「スタート地点の東海岸に、倒れた自由の女神がある」とか「荒れたアスファルトに置いた廃車がイエローキャブだ」といったランドマークらしいランドマークを現時点では登場させてない、ただ漠然と「荒廃した」未来世界です。

 点々と存在する町も規模がちいさく、人の姿は見えずコミュニケーションできたとおもったら通信映像ごしで、町・施設は外観内観ともにどこもおなじような工場の一ユニットのような無骨な代物。

 かわり映えしない荒廃し寂しい世界のなかで唯一おおきな達成感を得られるのが(=ゲームプレイヤーにとっての報酬が)、この依頼者たちからの過剰なくらいの"褒め"というわけなのだ……

 ……というのが初回プレイ時の印象。

 改めてプレイしてみて、それ以上にエスト同士のつながりの強さが印象に残りました。

 直上の項の「饒舌さ」にもかかわってくるんですけど、このクエストには……

・じぶんが何を依頼されているのか?

・依頼者が何のためにそうしたいのか?

・それを運んだ結果どんな成果があるか?

 ……が非常にはっきりと明示されていて、さらには、

・なぜこの時期にこの依頼を自分に頼むのか?(事物の前後の繋がりについて)

 さえ設定されています。

 プレイヤーキャラクターがこなしているお仕事は、一言で言ってしまえば点と点をつなげ地図をつくっていく工程で。それ自体は大枠こそ既存のオープンワールドゲームにおける(『Far Cry2』の各種電波塔の到達や『ゼルダの伝説BotW』のシーカータワー起動による)未開地図のアンロックと変わらないのですが、地図地図アンロックと任意のメインクエストの達成とが等号でむすばれるシステムにより、人と人同士のむすびつきや物や技術の流れをつくりだすような大きな仕事のロードマップを進めているかたちとなっていて、やりがいがある。

 (まじでプレイヤーがどこへでも好きなように行けるタイプの)オープンワールドらしいオープンワールドゲーだと、こういう筋道って付けづらいだろうから{もちろん、特定エリアまでで人的・物的に封鎖されているために、特定アイテム(『ゼルダ』のパラセールなど飛行手段とか)や特定フラグを立ててからでないとそれ以上進めない、みたいなことはできるでしょうが……}、こういう腕の良い料理人が厳選した素材による料理を順繰りに味わわせてくれるフルコースディナーみたいな作品って大事だな……と思いました。

 

(※)

 エリア1は、プレイヤーがなし崩し的に一員となったコミュニティ"ブリッジズ"が統治する地域で。メインクエストを数件こなして移動することとなる湖をはさんだエリア2はその管轄圏外、それぞれ孤独に自活自衛をする"プレッパーズ"が点在する別の社会です。そんなプレッパーズたちの間を、OPでちらっと現れたフラジャイル率いる配送業"フラジャイル・エクスプレス"が、つないでくれていた……と。

 

 

0925(日)

  任務が直列から並置へ移るとともに、話題も多義的・相対的になる第2エリア;『デス・ストランディング』再プレイ記③チャプター2終盤~3序盤

 第一エリアをしばらくうろちょろしたあと端っこに到着してイベントをこなし、第二エリアへ移り最初に提示された3人のプレッパーズにたいする依頼をこなしカイラル通信網をひきました。

 ここまでは任務を一つクリアすると新たな任務を紹介されるような、直列式の進行だったのですが、今回は一気に3つの任務と3つの通信地が紹介。

 この3つの通信地にいる主人たちの、同じトピックにかんする三者三様の言及がおもしろかったです。まさに並置されるのがピッタリの言論。

 ミッション以外で話題にされることはブリッジズ主導のUCAと、フラジャイルの人物像・会社像で、とくにメイントピックであるフラジャイルについての違いが良かった。

 

 ぼくは、距離的にも一番近そうだし道もなだらかそうな地域に住んでいる"エンジニア"氏のミッションを最初にこなした――たぶん他プレイヤーの多くも、ここを一番に選ぶんではないか?――ですが、この人がいちばん穏当で、これまでのプレイから拝めるフラジャイル像と齟齬がない。

「フラジャイルのことを悪く言う人もいるが、そんなのデマだよ、そんなことするようなひとじゃない」

 というようなことを言う。

 一方ほかふたりはフラジャイル(・エクスプレス)を大なり小なり「暴力事件を過去におこした危ないひと(団体)」として捉えていて、それも(いわゆる見解の相違・「そういう解釈をする」という意味ではなく議論の余地ない単なる事実としてとらえていて、

「あのフラジャイルと組むなんて、お前たち(プレイヤーキャラやPCが依頼を受けるブリッジズ)は何を考えているんだ?」

 とこちらへ逆質問をしてきたりする。

 この二人のちがいについてはいわゆる"解釈の違い"ってかんじで、一方の"エルダー"氏は「ブリッジズもお里が知れるな。UCA連盟なんて誰が入るか、都合のよい夢をかかげて……」という旨で全否定。{通信はつなげるけど(地図解放はするけど)、ほかのUCA加盟地とちがってカイラルプリンタを使った物品生成などのテクノロジーは不許可、その恩恵を拒否します}

 もう一方の"クラフトマン"氏は、否定は否定なんですけどちょっとだけ中立的で、事件についてフラジャイルと(BTをわれわれプレイヤーキャラクターにぶつけてボス戦をもたらしてきた)ヤベぇ黄金仮面ヒッグスとを分けたうえで

「まぁフラジャイルも(巻き込まれた面だってあろうし)災難っちゃ災難ではあるが……」

 と情状酌量を見せます。

 じゃあ「話の分かる、"エルダー"氏より好感度高い存在ですね?」っていうと、意外とそうとも言い難い。

 というのもこの酌量の幅が思いのほか広い

 『デススト』世界の荒野にはふわふわ漂うBTのほかに、ミュールと呼ばれる餓鬼的な実体たしかな生者の亡者もいまして。このミュールは、道中のプレイヤーキャラクターを襲撃し、徒党を組んで配達品を奪って貯めこむ野党集団です。そんなかれらにたいしてもクラフトマン氏は、

「かれらはもともと善良な配達員で、それが(配達仕事をこなしているうちに脳の報酬系が変化していって)次第にああなってしまったのだ……"害をなすから"といって安易に暴力に走ってはいけない、ましてや殺すなんて……」

 と、敵であるミュールにも理解をしめしちゃうんですね。中道が過ぎるよ……!

 クラフトマン氏は、(非殺傷とはいえ)武器をつくってるプレッパーズであるとダイハードマンから説明(ブリーフィング)される人物で、プレイヤーが氏のもとを訪れるのは(ゲームの進展・クリアに必須であるとはいえ)「ミュールへの対抗手段を得たい」という欲求が少なからずあると思うんですよ。

 対抗手段もそこまで整わないうちに交戦した過去の苦い記憶のあるプレイヤーは、クラフトマン氏は「そうは言っても痛めつけられてきたし、いやな障害だよ」とちょっと反発したくなっちゃうし。

 あるいは、ゲームを進めたことでミュールが障害ではなくなってむしろ「さまざまな資材を貯めこんだ、おいしい相手(ボーナスキャラ)」とまで見做(みな)すようになってきたプレイヤーにとっては、

「殺してないよな?」

 とじぶんのふるまいをチクチク刺してくるような氏についてやっぱり反発したくなっちゃう……プレイヤーを肯定し快感をあたえるだけの都合の良い存在じゃない、個性をかんじる強い主張をするキャラで、とても良い。

 

 

0927(火)

  『デス・ストランディング』再プレイ記④チャプター3後半~5幕開けまで

 プレイの進行度はチャプター3を終え、4を終え、5に入ったところまで。

   ▼チャプター3、K4南配送センター前後

 K4南配送センターを繋げたことで、ブリッジズの工学系科学者ママーが自律運転ドローン・ポーターを完成・配送試験運転を成功させ、提供されたドローン1台をつかって一つの任務を自動でこなしてもらえるようになった。

 下半身だけのいでたちのロボ(※)が、平らになった腰部分に荷物を積んでウキウキと弾んだ足取りで、ブリッジズのあの長く急なスロープを登っていく。

(※小島監督の過去作『MGS』シリーズで言うところのメタルギア月光や、zzz_zzzzになじみ深いところで言うところの『虐殺器官』の肢だけ給仕ドローンみたいな具合のメカだ)

 ママーが言うには、ドローン・ポーターの仕事の達成度は道中の整備がしっかりなされているか否かに左右されるそうで、国道復旧はそういった意味でも大事なようだ。

 南配送センターのトーマス・サザーランドは(さて『MGS5』では、『24』ジャック・バウアー役などをつとめたキーファ・サザーランド氏が演じたけれど、このトーマスはサザーランド家と異なる相貌だ。誰に似ているかというとエドガー・ライト氏に似ている。「ほんとうに裏方の映画監督なの? 役者さんでは?」と思うくらい非常に整ったハンサムに見える写真もあれば、陰気で少し不潔なヒゲ面のオッサンに見える時もあり、どちらにしても笑うと隙っ歯が見えてチャーミングである、不思議な顔つきをしているイギリスのオタク映画監督さんですね)、ドローンに不信があるようで、「すべてテクノロジーに任せていいのだろうか? やっぱり人間がかかわってこそだよ」みたいなメールをよこしてくる。

 「人間vs機械」とまとめてしまうと陳腐に聞こえてしまいますが、主役キャラがイベントシーンで言ったことにたいして、別の視点を提示してくれる存在が作品内にいるのはえらいことですし、しかもそれがゲームのサブテクスト・システムによって行われるというのは物語の経済効率的にじつに良い感じ。

(トーマスのキャラについては、次の項でもふれます)

 

 K4南配送センターから国道のとどかぬ岩だらけの地帯を越えて山のうえの気象観測所へ行く。つないでみると、時雨の気象データと予報を手錠端末から閲覧可能になった。また、時雨をふせぐ雨避けやセーフティハウスを作れるようになりもして、時雨や座礁体に対抗するための手段がちょっとずつ整っていくさまが嬉しい。

 さらにはフローターという、空中浮遊式の荷物カゴ兼キックボードを手に入れた。原動力はカイラリウムで、次の配送先は"時雨農場"だと云う。カイラル通信・立体プリンタ以外にはよくわからなかったカイラリウムについて、さまざまな活用法が見えてきた。

 フローターは結構クセのある挙動で、ブレーキが効きやすい一方、傾斜を下ると簡単に猛スピードになってしまって、ちょっと突き出た岩が進行方向にあればクラッシュしてしまう。

    ▽監督の交友の幅広さが、逆に作中世界の広さにつながってるような;「タイムフォール・ポーターを届けろ!」の面白さ

 "時雨農場"までカイラル通信網をつなげると、K4南配送センターまで「タイムフォール・ポーターを届けろ!」と依頼されました。

 依頼主はトーマスで、時雨農家が小麦ビールを作っているとの噂を聞いていたかれはQpidで繋がるや否やこの依頼を出したのだと云います。

 それまで届けてきたのが未来の最先端というような物品ばかりだったので(いや、プレッパーズ3人つないだあとの任意配送で、ピザを届ける依頼もこなしたんだけど)、こういう嗜好品(でも時雨農業の成果物?)が出てきたことで、世界のひらけた感覚があって、この依頼じたいが良いんですけど。

 届けてみてからしばらくしてプレイヤーキャラクターのプライベート・ルームへやってきたところで、ようやく異変に気づきます。

「あれってK4南配送センター/トーマス・サザーランド(じぶん自身)への贈り物じゃなかったんだ!?」

 プライベートルームに配された飲み物が、モンスター・エナジーからタイムフォール・ポーターに変わっている!

 ゲーム内メールBOXをひらいてみると、依頼主や送り主のふたりからこの依頼にかんするメールが届いていたことに気づきます。

 トーマスから(件名;「タイムフォール・ポーターで疲れを癒して!)は、

「よかったら飲んで、疲れを癒して!

 👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍👍」

 と『デススト』構文の連絡が。時雨農家から(件名;「世界最速のビールを味わってくれ!」)は「タイムフォール・ポーター」という銘柄の来歴が語られていました。

 時雨農家氏いわく、ポーターとは18世紀のイギリスで生まれたビールの名前で、テムズ川を使ってロンドン市内に運ばれた荷物を市内に配送していたポーターが愛飲したからそう呼ばれるようになったのだと。

 さらに未読メールを上から下へ消化していったところ、トーマスの配達依頼メールの存在にもようやく気づけました。

「ビールを楽しむなんて、ロボットにはできない、人間だけの特権だろ?」

 配送依頼メールはそんな言葉で〆められています。

www.oricon.co.jp

 トーマスは他人の空似ではなく、ほんとうにエドガー・ライト氏のキャメオ出演らしい。

 ロボットに不信感と人間の仕事に信頼をいだいているひとであり、茶目っ気ある性格で、実はイギリス由来らしいビールを求めたりふるまったりする……そんなトーマスが、イギリスパブ飲み歩きSF映画ールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!などを監督したエドガー・ライト氏にあてられているというのは、なかなか良い間テクスト性で、作品世界を豊かにしているように思う。

(日本語ボイスでやってるのと英語ボイスでやったとしても本人の声を覚えてないしリスニングもダメダメなので、トーマスのセリフがブリティッシュ・イングリッシュかどうかは存じませんが……)

 

   ▼ミュールの気持ちがわかってきた;モブNPCの登場タイミングが良い

 配送仕事もだいぶ慣れました。

 慣れてきた結果として、センター内をちょぼちょぼ歩いていた現実の肉体をもった自分以外のポーターを轢いてしまった

 

 さてプレイ当初、初心者のよたよたプレイでも「さすが伝説の配達人!」とめちゃくちゃ褒められるので一旦「ええぇ……」と温度差にひいてしまう『デススト』ですが、ゲームを進めていくと「あれってべつに、作品世界的には変なことではないんだな」というのがわかってきます。

 サム自体、初期ステータスでも常人よりも配達上手というのはもちろんあるんですけど、やっていくと、「サムのどこが常人離れしているって、身体能力ではなくて、平然と外を出歩きまくっている精神性にあるのだな」というのが見えてきます。

 『デススト』世界というのは、空は時雨(タイム・フォール)という、じかに触れるとその部分の時間が猛烈にすすんでしまう(時雨にうたれたのが草木なら一瞬で花咲き枯れるし、生物なら皺がれ骨になる)異常気象が覆い、宙には座礁(BT)というじかに触れると対消滅というなんかすげぇ爆発をおこす特異現象がふよふよしており、地には配達依存症という症状を発症した野盗"ミュール"が野を歩き街を襲ってくる……という終末世界。

 人々は建物の奥に籠っているのが普通なんですね。

 

 外を出歩くひとは皆無で、配達人となると自分(サム)以外だれもいない。

 ほうぼうにあるノットシティのセンターやシェルターへ、あるいは他プレイヤーの手による建造物へプレイヤーが近づくと、人やメカが出迎えてくれるけど実はそれは全て幻、青白く透けたホログラムの投影像でしかない。

 ホログラムとは初対面のときこそ距離を置いたり、ボディコンタクトしようと近づいたりする。でも素通りできると気づいたあとは単なる背景小物となり、世界の寂しさをより一層強調する事物と化します。

「さすが伝説の配達人だ!」

 何を届けても同じセリフを返すだけの住民たち。外のホログラムと何が違うんだろうか?

 ……そんな寂しい日々が当たり前となったところでポーターが活躍しだすタイミングの妙!

 最短経路にホログラムが立っていてもそのまま突っ切ってしまうのがベターなんですよね。べつにぶつかってもすり抜けられるし、接触したからといってホログラムが何か悪感情を表すわけでもありませんから。

 今回もそうしてみたところ、打音と悲鳴があったので素朴に「エッ」と驚いてしまいました。

 轢いてみて、自分が見慣れたホログラムと「ホログラムではない別の新顔」との違いに気づけなかったこと、初対面のときの感情をいまは持てていないことに気づかされる。そうしてこんな疑問もわく。

 能力値の上昇だけのために、ただただ物を届けてるだけの自分は、ミュールと何が違うんだろう?

 なかなかゾッとする体験でしたが、ひとによっては「あっこれはクラフトマン氏のメールに書かれていた"他ポーター"ってやつだな!」と察しがついて「おれのがんばりが本当に他のひとへ勇気を与えているんだな!」と力になるケースだってありそうです。

 

 ポーター出現はイベントシーンがあるようなキマったものではなく、ぬるっと湧いてふわっと日常に馴染んでしまうのですが。サブテクストを通じた布石を用意したうえでの丁寧な展開であり、そしてzzz_zzzzにとって、そこらのイベントシーンよりもよっぽど印象的なシークエンスとなりました。

 

   ▼チャプター3、ジャンク屋のくだり

 時雨農家のつぎの、「ジャンク屋」ら辺のくだりについて。

 ここら辺でちょっとプレイを変えてきました。というのも……

saize-lw.hatenablog.com

ガチャを持たない売り切りのゲームが持っている根本的なジレンマは「売り切った以上はユーザーがゲーム内容の全てを潜在的には体験可能でなければならないため、シミュレーション体験の要である分岐の選択に重みが無い」ということ

売り切りのゲームではこの選択肢による分岐はその気になればいつでもやり直せるものでなければならず、一回性の人生において生じるものと同じような選択の重みを持ちません。というのも、とりあえず「ヒロインと一緒に勉強する」を選んで適当にストーリーが進んでエンディングまで行ったあと、セーブデータをリロードすれば先の選択肢まで戻って「ヒロインと別れて買い物に行く」を再選択できてしまうからです。ギャルゲー以外でも同じことが言えて、アクションゲームならもう一回ステージをやり直せば道中のギミックに対して別のアクションを試して分岐できます

 ……を読み、「たしかに"セーブ&リセット&ロードをすればいい"という甘えがぼくのなかにはあるな」と思い、極力リセットしない・下準備を整えすぎないような気持ちになったためです。

 ただ、うえの記事を読んでなくても、ジャンク屋周りのメインクエストは物資をどんどん使い減らしモジモジ動くジリ貧プレイになったんじゃないかなぁとも思います。

 南配送センター~ジャンク屋間の大地は、一見すると(岩は色々ありそうなものの)まっ平らに見える。配送任務も時間制限イベントなので、軽装で挑みたくなる(し実際いどみました)。

 でも実際いってみると、ハシゴをかけても地上へ戻ってこれないような深い断絶をいくつもはさんだ地形で、バイクをすててオンライン共有ハシゴを歩くととなり(※)、亀裂の狭いところを探してジャンプして、それでも目測見誤り滑落してしまうような罠めいた地形と任務なのでした。

 じっさいには広地の端にはバイクが走れるスペースがある。

 ただそちらを進もうとした場合、間近にあるミュールの大きな基地とかち合うリスクを背負わなければならない。そしてもちろん、プレイヤーはそもそもそこに通行可能な平地があるなんて知らない。

「最短距離&敵の視界外である安全をとるか? 移動手段&敵に襲われる危険や、"探したけど結局いきどまりだった"徒労に終わるかもしれないリスクをとるか?」

 という2択を、タイムリミット式依頼のなかでえらばなければならない)

 ジャンク屋にたどりついてみると彼はUCAへの加入をこばむので、カイラルプリンタによる装備の新調ができないし、ブリッジズの拠点とちがって狭いプレッパーズの住居なのでプライベートルームもそなえておらず、体力スタミナ武器弾薬のリフレッシュ・補充もできない。

 そんな状況で、座礁体のウヨウヨいる地域で失せ物さがしや、手で持ちつづけなきゃすぐ壊れてしまう繊細な代物を運ぶ配送依頼など……4つくらいをやらなきゃならない。

 べつにマップが封鎖されたとかではないので、もちろん、南配送センターなどへ戻って準備し直すことはやろうと思えばできます。できるのだけど、「あの行程をもう一度はちょっと……」と気おくれしてしまうんですよね。

 といったわけで『デス・ストランディング』は、物資補充の面倒くささ(という目先の欲望操作)でもって、場合によってはより面倒くさい事態を招きかねない「物資に乏しいなかでのメインクエストの連続受注」をプレイヤー(であるzzz_zzzz)に行わせることに成功していて、チャプター2のボス戦と比べ物にならないくらい大きな緊張感と達成感を味わえました。

 イベントとして強制的に武装を解除するなどによって緊張感を高める演出は『MGS』シリーズでしばしば拝めましたし、なんなら今作でもありましたが、それに対していくつか問題が生じてちゃうよなぁと思います。

 「裸でプレイさせられてる」ということにお仕着せ感をいだいてしまうということもあるでしょうし、もう一つ、「実はこれ、緊張感をいだかせるうえで逆効果なのではないか?」ということです。

 裸とか、敵多数の窮地とか孤立無援とかなんでもいいですが、ゲームのイベントとして強制的に陥る"危機的状況"って、もちろん看板としてはピンチだし、実際プレイヤーである自分はハラハラドキドキやるんですけど。その一方で"可能なかぎり多くの購入者を満足させる"メジャータイトルである以上、「裸でも(どんなプレイヤースキルであろうと)クリアできるようゲームバランスがしっかり調整されている」状況だし、「そんな調整がなされているにちがいない」という楽観がうまれてしまう状況でもありますよね。

 それを考えると緊張感というのは、強制的な"裸の窮地"シチュエーションにおいて生じるのではなく。むしろ、プレイヤーが任意でいくらでも(ステータスや装備などを)"盛る"ことが可能な状況において、プレイヤー自身の主体的選択により安全策を取らなかった結果として危険に陥った場合にこそ、より大きく・本当らしい緊張感が生じるのではないか?

 

 ……そんなことを『デススト』ジャンク屋まわりで思いました。

 

    ▽チャプター3、ジャンク屋のダイアログ

 ただ、「ジャンク屋」のイベントシーンは、ダイアログが悪目立ちしているようにも思えました。背景小物が背景小物として説明されすぎていると言いますか。

 

   ▼チャプター3尻、依頼の発端が陳腐すぎるけど、この時間制限クエストもおもしろい
    ▽依頼の発端の「さぁゲームの始まりです」感なに?

K6へカイラルプリントできない物資を届ける依頼を受けたところ、なんだかアレな介入がはいり、タイムリミット型のサスペンスになりました。

 この介入がだいぶアレで、いつも繰り返してきたバンク映像・シークエンスと異なる、生身のセンター員があらわれて直接配送品を渡すというもので、「なんかイベント起こってるな」という感じなのがつらいし。ここでちらっと書き込まれた黄金仮面ヒッグスの造形が、『ダークナイト』のジョーカーから格をなくしたような、つまり「さぁゲームの始まりです」みたいなことを言い出しそうな道化タイプで、さらにつらい。

 あやしい人物から持ち込まれたあやしい配送依頼品の中身が、ゲームの持ち物欄をみると「核爆弾」と明記がなされ、爆発条件さえ書いてあるのもひどくつらい。

 すでに持ち物欄でネタを明かしてしまっているから、途中の配送センターまで行ってサムが「ヒッグスだ!」とのちに気づく下りも「やっとソコ!? そりゃそうだろ!」という感じでつらい。

 おそらくヒッグスだと気づくくだりは道中にある(フラジャイルが待機している)特定のセンターで休まなければ起きない任意イベントなのではないか? とは思います。つまり「気づくくだりこそイベントシーンだけど、その気づきを得るシチュエーションを作ったのはプレイヤーなのだ」ということなのではないか? と。

 あれだけ接触恐怖症で、人とかかわりの希薄なサムにこのチャプターでは変化がおきるのだけど、その変化がまずプレイヤーのアクションを発端にしているのはエラいことだ。「ムービーゲー」と揶揄される今作だけど、実際プレイしてみるとインタラクティブだと思う。

 そんなわけでエラいことだとは思うのですが、プレイヤーが知れる情報・予想できることと、ゲーム世界のキャラが知れる情報・考えられることとの間に生じた(つらいタイプの)齟齬のせいで、どうしても悪い意味で「志村~うしろ~うしろ~」て気分になってしまいました。

 

    ▽タイムリミット任務における完了方法の事前の導線が良い

 脚本部分についてはけっこうツラく感じた部分があったんですけど、そうして始まるイムリミット任務、この任務完了のしかたとそれをさっくり行なうための事前の導線が良い

 これまでさまざまなものを運んできたサムですが、今回は荷物を届けないこと――クレーター湖に物を投げ捨てることで事態を収拾させます。

 道自体は平坦だしゴール手前まではそれまでの依頼で周回済みの既知のルートなんですが、寄り道したり第三者にからまれたりしたらふつうに任務失敗してしまうだろう程度の時間設定です。

 クレーター湖のはっきりした場所や、投棄のしかたを今回の任務になってはじめて学び、とくに投棄方法は湖の手前まできたときのチュートリアルメッセージで「なるほど!」となりつつ、うまく投げられなくてまごつきながら事態収拾を達成しました。ゴール手前であたふたしまくって面白かったです。

 

 さてクレーター湖はジャンク屋の家のまえに転がされたジャンク品の投棄場所として事前に話題に出されていたもので、投棄についても「時間があればゴミ捨てをよろしくお願いします」といった旨をジャンク屋から言われもしていました。

 だからつまり、善意をはたらかせた人々は、クレーター湖の場所やその投げ入れかたもこの任務にたどりつくまえに分かっていて、だからこの事態についてもササっと解決できたはずなんですよね。ぼくは面倒くさかったのでやりませんでしたから、前述のとおりゴール直前でまごつき焦りました。

 前項で感じた「面倒くささによるレベルデザイン」といい、チャプター3のジャンク屋周りは、任意でこなしてもこなさなくてもいい部分を利用したゲームデザインがすごく光っていた印象。

 

   ▼チャプター4、迷子になる

 フラジャイルのくだりがいったんひと段落ついてK6に到着、リンクさせたところ外に出ると、ティザーPVで見た、謎エネルギー(カイラルパワーとDOOMSの特殊能力?)の座礁隊による第一次世界大戦下的戦場に巻き込まれるチャプター4が始まった。

 チャプターの前半はある程度の幅はあるけれど大枠は一本道の舞台を、遮蔽物に身を隠しながらすすむウォーキング・シミュレータ要素のつよいシークエンス。

 さすが小島監督といいますか、戦場/戦闘の表現が面白い。

 『戦火の馬』などでおなじみの戦車が不意にあらわれて轢かれたりするのですが、一方この戦車の進行にあわせて進むことで移動式の盾としてあつかったりもできる。歩兵戦車的な顔をしっかり覗かせてくれる。

 また、そうやって追従させることで、その戦車側面にはりついたタコ的座礁体に目をむけさせたりして。演出力もさすがでした。

 そういうシステマティックな軍事行動の仕組みを見せつつも、全体としてはカオティックな戦場で、その空気の醸成がすばらしく、たとえば、

「錯綜した戦況だ、左から弾幕が張られていたと思ったら、今度は右からくるじゃないか……」(でも両方から撃たれるなんて、せっかくの「戦場」らしさが、プレイヤーを痛めつけるフィクショナルな空間らしくなってしまってイヤだな……)

 と思ったら、ただたんにぼくが来た道を引き返しただけだったとかいうひどいミスも起きるくらい混沌としておりました。(『デススト』の功績か?)(zzz_zzzzが方向音痴すぎるだけでは?)(ぜったい現実の戦争で兵士になりたくねぇ……)

 

   ▼チャプター5はじまり

 ママーと直接対面する。

 ママーの過去は、がれきに身体の自由をうばわれて顔だけ露出し、そこへ時雨が降ってきそうだったものの、とあるものとの偶然のむすびつきによって九死に一生を得たというもの。

 とあるものと悪意あるむすびつきによって、頭だけ保護されてそれ以外を時雨にさらされつつも走り歩き続けたフラジャイルのエピソードと対照的だ。

 

 

0928(水)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑤チャプター5序盤

 大嵐(スーパーセルでとばされた物資を取りに滝つぼへ行って四苦八苦し。そこでジップラインの気持ちよさを知ったので、K6から時雨農場まで敷設し、来た道を戻って丁字にジップライン網をひろめて気象観測所につなげました。

 

 滝つぼのすぐ近くで流れの強い広い川を渡り切って、さあ帰ろうかというところで「あ~これジップライン網をつくる利点を教えてくれるようなアレか?」と遅れて気づき、後悔しながら戻ったら踏ん張りゲージ管理をミスって川中でコケ、背中に積んでいた荷物が流されてしまう。

 川中でコケたことは過去にもあるのですが、今回は配送仕事で手に入れたラッコフードを装備していました。コケて痛がるはずのサム(zzz_zzzzが操作するプレイヤーキャラクター)は、「ラッコフードすげ~」と特殊装備の強さを教えられるも「これどうやったら立てるんだ……?」と不安になり、「○」路面で立てるとわかったので、そこまで泳ぎ→立って⇒「△」の水流つよく、はずれた積み荷が流されている領域に向かおうとする⇒ふんばり足りずに水面で倒れラッコ状態に⇒「○」まで泳ぎ……と四苦八苦して、けっきょく積み荷が流れに流れたさきの岩に当たって壊れてゲームオーバーになりました。

 

 さて、ここまでの『デススト』においてイベントシーンが終わってプレイアブル・シークエンスに戻ってきた直後などでかかる音楽(声入りの歌)は、周囲の音が聞こえなくなったりなど個人的にはノイズとしか思えなかったのですが。

 いまのように装備が整い周囲のルート開拓がすすんで「そこまで注意をはらわなくても往来できるようになってきた地域」については、"環境音しかない"ことが逆にノイズとなってきました。"環境音しかない"というか、"環境音ない(なくなった)"と云うのが正しいか。

 とくにジップラインでの移動なんて、{バイクやトラック運転の国道走行では、コースアウトしないよう(とくに電力自動給電路からハミ出ないように)気を遣う必要があったのに対し}ボタンプッシュですべてが済みますから(一方、いくつも跨ぐとそれなりに時間がかかる)、外部からの刺激がなくなり環境音がフラットになっています。

 みとリゼ雑談配信がやるということで再生したまんまプレイしたんですけど、なかなかちょうどいい具合。

「学校でサークルに所属していたとき、ラジオ聞きながら長距離移動したなぁ」

 とか、

「そういえばオーディブルポッドキャストは自家用車通勤のかたがたに愛用されているなんて話を聞いたな」

 とか思い出しました。

 

 

0929(木)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑥チャプター5
   ▼「血液パックの輸送」依頼が告知する交戦の予感

 北の山の配送センターをつなげた次のセンターへの配送依頼は、血液パックの輸送。

「おお……」

 となりました。「なにを輸送するか」でどんな(ひどい)ものが待ち構えているか、負の好奇心をあおる依頼で興味ぶかい。反UCA勢力との戦いがここから激化してくるわけか……。

 もっとも、ダイハードマンからの詳細説明で「くわしくはよく分からないけどテロが云々」といった言及はあるので、予兆を取りこぼしてしまうプレイヤーを出さないような情報提示がなされているんですけれども。

「そうは言っても、(メモリーチップをいくつか拾ったことで)こちらはリバーストライクRIDEを作成できるようになっているんだから。投げ槍が雨となろうが躱せるだろう。

 それに、いざとなれば前段で作成解放された、アサルトライフルやショットガンといった馴染み深い"現実的な"銃火器も持ってるし……」

 と思っていたのですが、ふつうに銃弾の雨がきて痛い目をみました。

 こっちも強い武器などが配られれたのだから当然のゲームバランス調整なのですが、「あっちも武装強化されてるのかよ~!」と素朴におどろいてしまった。

 

 さて配達の「いいね!」により報酬系が狂ったミュールたちのなかで、なぜ都市部であるレイク・ノット・シティ周辺(ゲーム序盤)のミュールは投げ槍程度の穏便な存在で、マウンテン・ノット・シティ周辺(LKCより後に訪れる場)のミュールはこれだけ過激に武装しているのか? という疑問は、いくつか理由がかんがえられそう。

 ヒッグスに共鳴するようなテロリストが今襲ってるのがここであるとか。これは、時限式じゃないと変なことになってしまいそうだ。

 あるいは前者はトラックなどで大量輸送をするだろうから電気ヤリで止めることが最優先で、後者はそうじゃないのかもとか。もしくは都市部は目が多いので、強い武器を持ちだしたら強い反発を招くのかもとか。

 それとも前者は餌が得られやすい一方で、後者は一度の餌を逃したら飢えるから確実に獲ろうとなったのかもとか。

 

   ▼先行プレイヤーとの進捗差がもたらす罠;マウンテン・ノット・シティへ向かうさいの先行者のジップライン敷設位置

 血液パックを届けると、奥地「マウンテン・ノット・シティ」へ反物質爆弾を配送する依頼を受けました。

 核爆弾のつぎは反物質爆弾とは。しかも部外者からイレギュラーにおしつけられた前者と違って、今回は通常の依頼です。

 反物質爆弾は、対消滅(ヴォイド・アウト)などのブリーチや座礁体や時雨の現象を「なにか利用できないか」と考えた層によって生み出されたもので。その防護装置は、実験室での取り扱いには耐えうるものの輸送までは考えられていない仕様のため、取り扱いには繊細な注意が必要。ようするにニトロ(『恐怖の報酬』)や核爆弾(『合衆国最後の日』)などみたいな「揺らしたら爆発するよ!」というアレで、それを劇中世界に合わせてうまいこと採り入れていますね。

 配送地までの道のりはでこぼこした沼地で、しかも引き続き(というかより一層)ミュールがたむろしています。背の高い草むらはたくさんあるうえ時間制限もないため、ジャンク屋までの道のりよりも楽チンそうだ。

 配送地にむかう途中まではカイラル通信圏内で、他プレイヤーの設置した建築物がそれなりに立っているのも嬉しいところです。未知の領域を自分で探索し、安全なルートや楽ちんなルートを思案したり試行錯誤したりしたい向きにはうれしくないネタバレですが、

「まぁほかの未開地配送がそうだったように、"通信網がひらかれた恩恵"を受けないかたちで次配送地を設定できもするわけで。

 今回はそうしてないということは、"ここまでは使っていい"というのが作り手の判断なわけで、それにもかかわらず利用しない選択をすることは、ある意味で作り手が手をかけたゲームデザインを味わわないということでもあるわけだから。

 だから……ネッ

 とありがたく使わせてもらいます。

 結果としては反物質爆弾をなんどか暴発させてゲームオーバーしました。

 

 前述の他プレイヤー設置によるジップラインを有効活用しようとしたのですが、これってけっきょく大なり小なり(十中八九いまぼくが挑戦している依頼よりも先まで)進捗したプレイヤーが建てた、かれらにとって有用な建築なんですよね。配送さきまできれいにジップライン網がつながっていれば違うんでしょうけど、ゴールにたどり着く前に途絶えるうえ合間をじぶんのジップラインで埋める必要もあるような歯抜けの未完成状態ではそうとも限らない

 目的地まで最短経路をとるようにであろう敷設された先行者のジップラインは、ミュールの警戒網を突っ切るラインを取っており、ロープウェー中のプレイヤーキャラクターへミュールのセンサーによるオレンジ色の波が打ち寄せ、注目の的となってしまいます。

 敷設場所にまごついたりプリント中の待機時間にミュールが四方八方から押し寄せ、逃げている間に爆発させてしまったのが初回。再チャレンジして実銃をもちだしたらエイムがひどすぎて結局かこまれ臨死し身包みはがされたのち、反物質爆弾を取り戻し、その過程で空(から)にできたミュールのトラックをうばい退散しようとしたところ凸凹道で爆散したのが二回目。

 けっきょくホログラム岩と草むらをコソコソ進むことでクリアしました。

 序盤装備であるボーラガンはエイム下手にとって優秀で、弾が大きい{点ではなく面(というか線というか)}し、一発で相手を沈黙させてくれる(伏せた相手へ追い打ちの蹴りは必要だが、しなくてもそれなりの時間行動不能にしてくれる)うえ、つまり沈黙時に発生するバレットタイムを効率的に生み出せるから、落ち着いて事態にのぞめる。

 

    ▽イベントシーンに多義的な含みを持たせるプレイアブルパートの体験

「あなたたちは繋げなくていいものまで繋げてしまう」

 反物質爆弾を届けたところ、ほかの地域とちがってサムへ強い否定のことばが投げ捨てられます。マウンテン・ノット・シティは、アンチUCAのセンター長が仕切っている地域であったのでした。

 センター長が言った「繋げなくてもいいもの」としては、たとえばヒッグスの悪行へ利用されてしまったフラジャイル・エクスプレスや、そのフラジャイルと手を組んだ結果おなじくヒッグスにまたまた利用されてしまったブリッジズ(につなげられたことで、核爆弾投棄をしなければならなくなった主人公)にたいするできごとなど、イベントシーンだけ振りかえれば「悪意(のある行為)などとつなげられてしまうセキュリティホールが生まれてしまう可能性」が連想されますが。

 しかしこの道中(プレイアブル・パート)を経たことで、「ある人にとって良い行ない(先行プレイヤー敷設の最短最速ジップライン)が別の人にとってはそうでない{歯抜けのジップライン網によりミュールの警戒網ド真ん中へ落とされて、乗り物もなしで徒歩(かち)で挑まねばならない自分}」という事例も思い浮かんで、多義的に響きます。これはうまい。

 

   ▼雪山を右往左往し、山外の既設を見直しジップライン網を敷設する;MKC周辺のプレッパーズ接続へ

 マウンテン・ノット・シティへ行ったところ、「ママーのもとへ行け」ということになりました。

 ママーのいる地域に戻るには、来た道を引き返すより山を越えた気象観測所へ行くほうが距離的にははるかに短い。けれど、山越えルートはこれまで踏み入れたことのない積雪地域です。

 ただの山を登るのさえ靴底と体力がすり減っていくのに、雪山だなんて! いったいどれだけひどいこととなるのか?

 しかもそこはカイラル通信網圏外であり、しかもこの暗黒領域は複数のコミュニティが区分けしているから、この地域の落とし物を拾って届けたとしてもまだ暗黒がのこるという具合。

 圏外ではジップラインなどの建築を立てられないから、「やっぱこちらの道はきびしいや、マウンテン・ノット・シティへ戻って既存ルートから帰ろう」と思っても簡単には引き返せません。そこもイヤなところです。

 MKCまではわりとなだらかな地面だったので、高低差のある土地を昇り降りするさい役に立つ梯子やロープパイルはそこまでの量をもってきてません。足りるかどうかも心配です。

 じゃあ既知のルートを引き返すのはどうでしょうか?

 プレイヤーに許容されたカイラル通信使用帯域はギリギリで、ショートカットのジップライン網を引ききるほどの余裕はありません。残弾数もそれなりにあるし、もう勘所もわかっているから帰れはするでしょうけど、面倒くさいのは面倒くさい。

 ……どちらを進むにせよ、未開地域のセンターを見つけてカイラル通信網をつなげ(そして拠点の主と仲良くな)ることでカイラル通信使用帯域を増やさないと話にならなそう。とりあえず、まだ出会ってことのない「ロボット工学者」の落とし物をひろったので、それを届けに雪山をすすむことにしました。

 管轄が密集しているということは、それらが開けさえすれば少ないジップラインで配送し放題、通信使用帯域もドカンと増やせる可能性があります。ウハウハですね。活路はここしかねえ……!

 

 行ってみたところ、これが大変でした。

 予想どおり足取りが重くなる悪路だったんですけど、雪が思いのほか興味ぶかい存在でした。雪は水分が塵などとからまり凍ったものであるというなじみ深い物理的当然と、『デススト』世界の特殊な雲が周囲をおおって「時雨」という特殊な雨を降らせている設定が組み合わさった結果、『デススト』の雪山は、雪山は雪山でも「時雨(タイム・フォール)」由来の雪山となっておりまして。

 つまり雨が降ってても降ってなくても、雪を歩いているだけで装備や荷物が傷んでいく! 面白いしなるほどだけど、物資がカツカツの今は通りたくないよ……。

 時雨が降るということはつまり座礁体もふよふよ浮いているということで、重い体で逃げるのは大変。

 オドラデクのセンサーで路面状況を確認したいが、するとその音を聞いて座礁体が近づいてしまうし、じゃあ使わなければ、雪の下の岩につまずいたりする可能性がある。

 なかなか面白い地形でした。

 

   ▼通信量制限によるジップライン網の張り直しが楽しい

 ジップラインを張りまくったら早々にカイラル通信使用許容量が枯渇してしまったことで、どこにジップラインを張って(=カイラル通信量との相談)どのジップラインを改良するか(=素材との相談)、手持ち物資とにらめっこするのが楽しくなりました。

 もともとのジップラインの有効範囲が直径300mで、改良すると350mになるのですが、この50m差が意外と大きい。

 いろいろ見渡してもう数本建てられるキャパシティを捻出する。その数本が、あるランドマークから別のランドマークまで安全快適に行けるために張らなきゃならない余裕であったりする。

 

 

1001(土)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑦チャプター6~8幕開けまで

 8時くらいに目覚めて、途中昼寝したりしながら26時30分までプレイ。

 8章はじまりのイベントシーンは半分寝ながら進めました。(セーブしたかどうか覚えてなかったし、途中でプレイアブルになったところでセーブしようと思ったら出来ない区間だった)

 そろそろボス戦かな? という気配がしたので、カイラル通信使用制限量をふやすためにいろいろウロチョロしました。

 「ピーター・アングレール」氏へのピザ配送依頼の3つ目と4つ目をこなし、地図上では存在を把握しつつも素通りしていた「コレクター」氏のシェルターを初訪問……するつもりが、迷いに迷いました。

 

 

1002(日)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑧チャプター8(前回からメインの進捗は無し)

 9時から休憩はさみつつ16時くらいまでプレイ。再プレイしてから合計74時間やりました。

 クリアまでのプレイ時間について、『十三機兵防衛圏』の感想を漁っていたとき、

「おなじ"40"時間でも、『十三機兵』は大体ストーリーを読み進めてその時間、『デススト』は土地をプレイヤー自身が回りまくってその時間だから」

 という声を聞いていたので、「エッそのくらいの時間でクリアできるものなの!?」と驚いてしまいました。「そろそろ終わりなのかな?」という気もするのですが……う~ん、どうだろう?

 2度目の大嵐(スーパーセルで飛ばされた物資を回収しに行き、つづいて「ファーストプレッパー」氏のシェルターで依頼を受けてカイラル網をつなげました(UCAにはまだ未加入)。

 

   ▼ドミノ・ピザが不変だとしたらそれは配送人のたゆまぬ努力によるものなのではないか?;あるシェルターへのピザ配送3回目~5回目まで

 きのう3・4回目、きょう5回目の配送をこなした、「ピーター・アングレール」氏へのピザ配送依頼でへとへとになりました。

 サウス・ノットシティをUCAに加盟させたとき、アングレール氏へのピザ配送依頼が出たのは気づいていたのですが、南東からほぼ北の中央への長距離を(雪は降ってないけど丘と言うには険しい)山や時雨地帯を超えての行程で、その当時はとてもじゃないけど受けられませんでした。

 10/1(土)はレイク・ノットシティから配送センターまで復旧させていた国道を、そこから小山や時雨地帯を超えてサウス・ノットシティまでつなげたので、ようやく挑戦! 途中、国道から脱線しそうになりましたが、時間的には楽々いけました。

 1・2回目同様の機械音声による塩対応で帰路についたらお礼のメールがこれまで同様に来て、内容も結構似ている。プライベートルームで一息ついたら新たなメールが来て、今度は南東の「時雨農場から運べ」と云う。

 時雨農場からアングレール氏までの道のりは、ミュールの支配域を縦断したさきの山をのぼって、そこへ流れる大きな川の向こうに行ってようやく国道へ合流でき、あとはこれまでと同様に行けます。川を渡るルートがあやふやですが、ジップラインを張ってある領域なのでそこもだいじょうぶ……

 ……と思ったら、「今回は祝いの席だからお酒を持っていけ」と付け加えられました。しかもこのお酒、たいへん繊細だから手で持つしか運べない代物であると。

 ジップラインは右手の手錠端末にジップをひっかけて滑るので、「左手はお留守だからそちらで荷物をもてば、片手はジップ片手は荷物で進めるのでは!?」と思ったんですけど、実際やってみるとプレイヤーキャラーのサムは、プレイヤーがL2ボタンを押しているのもなんのその、左手に持った酒を地面へ勝手に置いてジップラインにぶらさがる。いやいや持ってくださいよ!

 ……まぁ酒を離した左手が代わりにリュックをつかんで支えているとか、そういう動作がなにかあれば「まぁ仕方ないか」と思えたでしょう。でも左手を宙にぶらぶらフリーにさせているからL2ボタンを押す指がぷるぷるしてくる。なんなの。

 

 小島氏の前監督作『METAL GEAR SOLID V』。くだんのゲームで哀悼がささげられた伊藤計劃さんの著したSF小説『虐殺器官』では、アメリカに暮らす主人公がじぶんの生きる文明社会を「ドミノ・ピザの不変性」と表現していたわけですが、『デススト』のピーター氏周りは、「ドミノ・ピザだってそれを届ける誰かがいて、届けるための道を誰かがつくってくれていて……」とそうした言葉からこぼれおちたものを思い起こさせてくれますね。

 

 

1003(月)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑨チャプター8(前回からメインの進捗は無し)
   ▼いっぱい荷物を配送するシステム上の利点と、親密度上昇をロック/アンロックするフラグ管理とでボタンをかけちがえた時期が微妙にストレス

 ハートマンの研究所からさきはまだ進めず、医者氏や小説家の息子氏、ファースト・プレッパー氏の親密度をかせぐための依頼をこなすことにしました。

 かったるかったし、今なおかったるいですね。

 ようやく仕様(の微妙なジレンマ)がわかってきたのでまとめると、カイラル通信使用可能量をふやすには各コミュニティからの親密度をかせぐしかなく、より多くそれをかせぐ方法は落とし物や配送物を(より綺麗に・より速く・より多く)届けることであり、プレイヤーキャラクターを導いてくれるダイハードマンは(それとはまた別の観点から言ってくれたことではありますが)「とある地点Aからとある地点Cへストーリー上要請されたさい、道中のB地点もたずねて依頼を聞いて、(目的地が一緒だったり噛み合う依頼があればそちらも一緒に)こなしていこう」という旨の指南してくれたりもしました。

 他方でこの親密度はそもそも上げられるか否かについて別軸でフラグ管理がなされていて、コミュニティの住人からのメールを読んでいるか否かがその方法となるんですけど、メールはある(不特定の/あるいは任意の)依頼をこなすと一通とどく、みたいなシステムになっているようです。そしてそのメールは外でうごきまわっているときに届くこともあれば、各拠点のプライベートルーム(入室・退室時にそれぞれロード時間がかかる)で休んだときにようやくメールが届くこともある……

 ……つまり、量をこなさなければならない・いっぺんに一杯こなすとボーナスがつく{親密度は(ボーナスがつくか不明だけど)それでも量をこなさないと上がらない}配送システムの基本と、一個一個依頼をクリアして休んでを繰り返さなきゃならない親密度のアンロックシステムという、トレードオフになっているようで微妙にそうはなっていない関係が、絶妙なかったるさを生んでいるんですよ。

 

 メールを読まないと親密度上昇がアンロックされないこと自体は、作品世界・物語的にも合ってて良いんですよ。

 ゲームにおける敵キャラとして登場するミュール――荷物をだれかから誰かへ届けることではなく、ただ荷物を持ち運ぶことだけが生きがいとなってしまった、ならず者集団――との対置として、プレイヤーキャラクターやプレイヤーは人(と人同士の)の思いやバックグラウンドを読んだうえで仕事をのぞむのだと。

 

 いっぺんにいっぱい届けても親密度が微動だにしないときのモヤモヤは、「こんなに尽くしてるのに!」という自分勝手な反感で、「おおこれは(ミュールが陥っていると云う)配達依存症っぽい」と思うものの。

 しかし、「いくら"そういう"時じゃないからといって、これだけ届けてあれだけ賞賛してくれたのに、心はピクリともしないというのは……」みたいなこともまたどうしても感じてしまう。

 

 

1004(火)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑩チャプター8(メインは進捗なし)

 そこそこの配送をして映画監督、フローター飛脚でどうにかなるなかなかの配送をしてサウス・ノットシティ、バイク2回とフローター飛脚1回かかる大変な配送をしてノース・ノットシティが親密度★5になりました。

 コレクター氏もつぎで★5かなぁというところ。

 

   ▼コレクター氏の、劇中世界のみょうちくりんさを思い出させる過剰な"褒め"

 コレクター氏は『ファミ通』元編集長の浜村弘一さんがモデルなのですが、うえで言ったエドガー・ライト監督がモデルのビール好きで車好きのサザーランド氏とちがって、浜村氏であることが明示的な存在。

 配送とメール本名もハマムラ!を交わしているうちに「殿堂入りだ!」と口癖のかれが元雑誌編集者であることがわかり、劇中『ファミ通』を所望したり、ついには『ハマムラ通信』創刊の決意をかためたりしているところまで来ました。

 

 さてプレイヤーが繋げ立ち上げていく「アメリカ」の面々は、大別するとインフラ系の「実務」枠と「知的研究」枠さらには「文化」枠と三分化できる気がします。

 つまり、一方に配送センターや発電所などの各センター長、医者やエンジニア、時雨の観測・予報をたてる気象観測所といった生活にかかせないインフラ関係のひとびとがいて。

 もう一方に地質学者や生物学者、あるいは今でこそ時雨を活かした農業の可能性を求めることとなったけど元は時雨の環境への影響を調べる学者だった「時雨農家」などの今は直接的に利点が見えづらいし芽が出ないままかもしれないけど、未来に役立つかもしれない研究畑のひとびとがいて。

 さらには、なくても死なないけど生きる上での癒しや励みとなる「音楽家」や「映画監督」といった文化をたしなむひとびとがいる……気がします。

 

 この「文化」枠は、ともすればオタクくささや内輪くささを帯びるカテゴリが結構多い。フィギュアを集めるルーデンス・マニア氏がいたり、『MGS』のセリフを言う元MC職の人とその配偶者のコスプレイヤー氏がいたり。とりわけコレクター・ハマムラ氏は格別の芳香です。

 劇中世界では"遊び"が大きな位置を占めているので、こうした配分は当然っちゃ当然なんですが、ハマムラ氏のキャラの強さはちょっと興ざめする。なんか着ぐるみを脱いだ中の人がしゃべりかけてくる感覚といいますか。でも終盤まできて、ハマムラ氏の浜村さんらしさは「だからこそ良いのだ」と思えるようになってきました。

 親密度が高まっていくとハマムラ氏はプレイヤーキャラクターを題材にした本を作ろうとくわだてます。

 あまりにも戯画的なこの展開は、プレイヤー(プレイヤーキャラクター)の活躍や評判がどれだけ一過性であるかやみょうちくりんであるかを明らかにしてくれ、「ひるがえってほかの”褒め”はどうだろう」と立ち止まらせる力がある。

 

 ジップラインもらいたてのころにはステータス不足で登場していなかった(あるいは気づかなかった)他プレイヤーのオンライン・ジップラインを見やり、南~南東のジップライン網を再形成しました。カツカツだったカイラル通信利用量制限に、ある程度の余裕ができました。

{具体的には南配送センター~エルダー~ジャンク屋/映画監督、ジャンク屋~時雨農場/気象観測所}

 フローターを並べてスピードスケルトンでランニングしたり、バイクで往復したりしました。

 

 

1005(水)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑪チャプター8
   ▼大作SFを自分たちでやってやろうという意気と仕事ぶりが良い

 ハートマンの研究所から地質学者、古生物学者にUCAへ加盟してもらいました。

 カメラマンから続いてきた話題が実を結びつつあり、それがなんとも大風呂敷!

 時雨農場からとどいたメールでは、ハラリピエンス全史』で取り上げられたようなトピックが今作にマッチするかたちで登場していて(※)、そこでも「おお」となったものですが。『デス・ストランディング』は、さまざまな分野の知見を横断してマクロな世界を描きだす往年の大作SFを「自分たちでやってやろう」という気概があり――その志の高さにまず胸を打たれてしまうんですけど――まだクリアまでたどり着いてない現時点ですでに「高いのは意識だけじゃないぞ、ちゃんと手足の実仕事がともなっているぞ!」と満足してしまえるだけの世界を拝めてますね。

 

ただまぁ、ハラリ氏については……

意外に思われるかもしれないが、ユヴァル・ノア・ハラリの著作における事実的な妥当性は、学者や主要な論文などによる鑑定をほとんど受けてこなかった。

指導教官としてハラリの博士論文「ルネサンス期の軍事回顧録:戦争、歴史、アイデンティティ、1450-1600年」の研究指導をしたオックスフォード大学のスティーヴン・ガン教授は、ハラリが本質的にファクトチェックのプロセスをどうにかして回避していると認めているが、これは驚くべきことだ。

   カレント・アフェアーズに初出ののち、クーリエへ日本語記事掲載、Darshana Narayanan『ユヴァル・ノア・ハラリの危険な「科学ポピュリズム」を斬る』2

 ……その著作・研究のテケトーさ加減を批判する声も近頃よく聞きますね。ここについてはどうなんだろうな……調べてないからわかんないっす……)

 

   ▼カスパー・フリードリヒの崇高美と違えた、『デススト』の陰気な雪山

 配送地域はひきつづき雪山なのですが、冷気はいっそう増しています。

 「なるほどハートマン研究所でヒートユニット(湯たんぽ)の技術提供を受けるわけだ」と納得しました。

 日の光のとどかない雪嵐が吹きすさび視界が暗くかすむ雪山で、BTの黒い影が幾人も浮いている。目を凝らしているともっと大きな黒い影もぼうっと見えて。近づいていくと、朽ちた巨大建築であることがわかってくる……という、ベクシンスキの絵画みたいな光景が出てきてすさまじい。

 ルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ンスターハンター:ワールド』では、ピクチャレスクの巨匠カスパー・ダーヴィド・フリードリヒの絵画を思い浮かべずにはいられない崇高な自然がひろがっていましたが、『デススト』の雪山はもっとおどろおどろしく陰気な光景。

 映画シフィック・リム』でもフリードリヒを参照したことが映像特典で明言されていて、

「マシンスペックの上昇と大予算化によって、どんな光景でも描けるようになってきた気がするけれど。

 そうなってくると今度は、どんな光景でも思い浮かべられるわけではないヒトの限りある想像力が気になってくるな……。素晴らしい光景・素晴らしいゲームシステムが収斂進化的に似通ってしまうぜいたくなマンネリズム……」

 みたいに思っていたんですけど、『デススト』の独特の風景を見ていると、「とれる道は全然ひとつじゃないんだな、いろいろあるんだな」と安堵してしまう。

 

 

1006(木)

  『デス・ストランディング』再プレイ記?チャプター?

 書き忘れてなにを書こうとしていたのか覚えてない。

 

 

1008(土)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑫チャプター8終盤~9

 タームベルトまえの最終中継地点のビジュアルがすさまじい。

 見た目にフォトリアルというだけでなく世界設定や物語をとにかく地道に積みかさねてきたからこそ、こういう(意図しかなさそうな)ゴシックな意匠があらわれても「偶然さしこんできた」と思えるといいますか。

 

 つづくタームベルトの渡りかたがまた素晴らしかった

 それはタイムフォール/座礁体というゲーム内の現象にたいして、事象を分析し「対策できないか(気象観測所)」それどころか「有効活用できないか(時雨農家)」と考え・動いてきたUCA員やプレッパーズたちの延長線上にあるプレイアブルな有効活用であり、そしてさらには配達するために移動しつづけ、移動するためのモノを作りつづけるこのゲームらしいアクションであり……。

 なにもないクレーターを作り出すものとして現れたデスストランディング現象は、生者をどこかへ引きずり込む幽霊現象(エピソード2あたり)、周囲一帯の自然物さえ沈める災害風力発電所あたり)、現在を沈めるいっぽう瓦礫を浮きあがらせる謎現象(ポート・ノットシティ戦)ときて、あらたな一歩へとすすめた感慨がある。

 

 タームベルトを抜けた先もまたすごかった。

 ついに舞台は都市の瓦礫を行くグランドゼロへとなり、しかも海をモチーフにしてきた作品らしい異界である。

 そしてなにより、そうした異質なビジュアルが、装備過積載で挑もうとすると道中が面倒臭くなるような(背負った積み荷の頭をかすめてしまったり、フローターのロープが切れてしまったりするような)入り組んでいて高低差のある舞台を生み出しており、ゲーム体験に新味をくわえているのが素敵だ。ゲームとしてすばらしいのだ。

 

 ただし、道中をすすんださきにある巨人BTとの闘いは、途中で作業的になって飽きてくる。浮いてきたビルをぜんぜん活かせずに終わったので、もっと良い感じに倒せるスマートな解法があったりするのかもしれない。

 またヒッグスとの闘いは、小島ゲーではよくあるイベントシーンでもカメラが動かせる仕様が、ふしぎな情感を生んでいた。

 画面左にサム・右にヒッグスの体力ゲージが表示された格闘ゲームシークエンスでは、黒い液体をバチャバチャかぶった二人は鏡像のように見えてくるのだが、そんな鏡像性をゲームシステム的に補強している。

 このシークエンスのカメラは360度まわすことができ、アングルによっては体力ゲージの表示位置と実景としてのふたりの立ち位置が正反対となってしまう。

 

***

 

 クリフとのバトルもあった。

 今回の戦場は、ベトナム戦争というか『地獄の黙示録』。

 高床式の家のしたを進むと、背負いまくった積ミ荷の頭がぶつかって落ちる。安全に進もうとすると強制的にパワーダウンがかかるという、「千利休の和室みたいなゲームデザインなのかな?」といっしゅん思ったが、おそらくぼくのプレイングがへたなだけなんだろう。

 クリフとの戦いも今回が最後。初回(バトル中に血液がなくなってゲームオーバーした)、第二回(ゲームオーバーしなかったが、舞台上の血液袋と虫を集めまくった)とクリア成績はC判定だったけど、今回はA判定で終われました。

 ぼくのプレイングが向上したわけではなく、ゲームデザイン的に勝ちやすいマッチメイクがなされていたからだと思う。

 ベトナムの戦場は広いうえに茂みが豊富で、こちらは隠れ放題で攻め放題、建物上階から撃たれたりするWW2ヨーロッパ市街の前回・狭く入り組んだ塹壕で対面しなきゃいけないWW1塹壕の前々回のほうが、明らかに難しい。

 ゲームシステム的に「倒しやすい」存在であることで、直後につづくクリフやクリフの物語にたいしてストレートに哀れみやすくなる、興味ぶかい連関をなしていた。

 

 

1009(日)

  (完)『デス・ストランディング』再プレイ記⑬チャプター10~14

 クリアまでの総プレイ時間は105時間とかそこらでした。

 

 エンディングの「棒」と「なわ」についてダイアログで説明してしまうところは何だかなぁと思いました。エピグラフとして使われたためどうしても気になる要素について、直接劇中で言及されるクドさというか。

 そうして言及されたイベントも「なんかクイックタイムイベント的なものが来て、なんか物語が進んだ」という感じで面白くない。

 話題にされる「もの」の、既存の利き手道具の使い方から逸脱したイベントアイテム臭さが好きじゃない。ここまでの数十時間を、十字ボタン右で利き手道具メニューをひらいて道具を○ボタンで装備してL1ボタンで構えて(銃やロープパイル、建設道具など)□ボタンで自分に向けて(リペアスプレー)、R1ボタンで作動させて……と動かしてきたぼくとしては、今回の「もの」も既存の利き手道具とおなじ操作性で動かさせてほしいし、そこで、R1を押すかそれとも放置するかを選ばせてほしい

{そういった方向では本当のフィナーレも、「イベントだなぁ」と思いました。

 ここでもう一人のプレイヤー/プレイヤーになれなかったプレイヤーであるヒッグスが過去に示した「棒」性について、ジャンク屋の恋人が示してくれたような「棒からなわ」へ転じる選択を取らせてくれてもよいと思ったし。

 あるいは、配送品やじぶん引いてはBBをケガしないよう傷つけないように転ばずにすすめてきた我々が、ここでついに意図的に転んだり高所から落下したりなどして配送品を傷つけることを選ばせてくれてもよいとおもった}

 ただ、

「そもそもエピグラフ(という作品世界外と思われるもの)ではない劇中で"棒となわ"のお話ってどこかでなされていたんだっけ?」

 という疑問がイベントシーン中とくに浮かばなかったのは、メタ的な趣向があるからでしょうか。

 

 クリア後に関連サイトを巡ったら、「ぼくはこう進められたけど、たぶん分岐があるんだろうなぁ」と思った、イベントシーンとイベントシーンの合間に挟まれた、とある人物が去り行くのに対するくだりが一本道(特定のアクション以外はゲームオーバーにつながるイベント)だったと知ってびっくりしました。

 ぼくは一発で正解アクションを行なえてそのまま素朴に「うおおおっ!」と盛り上がったのですが……プレイヤーによっては「えっ、こっちのアクションが素通りになったんだけど!?」となったり、ゲームオーバーとなったり、その後もピンとこなかった結果「アメリに対して○○しよう!」みたいなヒントメッセージを出されたりなどして、ご都合感をおぼえたかたもいるとのこと。

 そこで思いを強めたのが、「棒となわ」のお話は「棒をなわとして使えるか?」なんてお話というよりも、「棒」であれ「なわ」であれ何であれ「"このように機能する・動く"ことしか認められていない"もの"や"こと"が、それ以外の道を歩めるか?」というようなおおきな疑問(と回答)のひとつなのだろうということでした。

「あなたはジャンク屋じゃない」

 ジャンク屋はカイラル物質アーティストである恋人にそう言われる。

「とてもジャンク屋とは思えない仕事だ」

 (10/10にやった)指名依頼で、ジャンク品から見事に改修・試作された代物をみたブリッジズの幹部はそうほめる。

 上の疑問や回答は、階級社会であったり(『キングダム・オブ・ヘブン』)、武士道であったり(『ラスト・サムライ』)、遺伝子であったり(『メタルギア・ソリッド』)、多世界モノであったりさまざまなかたちで描かれてきたものだと思うのですが、そうしたテーマはむしろ(けっきょくそれも作り手がプログラムしたこととはいえ)「if」が劇中現実として描ける余地の多いゲームという媒体でこそより際立つのかもしれません。

(東先生ら辺のお話は読んでなかったり忘れたりしているので、周回遅れの話をしてそうだ……)

 

 

 ■考えもの■

  「現実」ってどうしても強いよな;「無限の可能性は大体ない」ので、有限性(不可能性)を認める話は強いよな

 上のようなところを踏まえ。

 「媒体ならではの味を追求」とか「物語構造との一致」とか「ジャンルの限界を云々」とかみたいな観点から、たとえば「さまざまな選択肢のあるゲーム」の話題は「といえど全てはプログラミングされた見せかけの自由度なので」とかいう風に。あるいは、「紙とペンさえあればどんな時代のどんな物量のものだって描けるし、読者に想像させてしまう小説など創作」の話題は、「創作は無いものをあたかも"在る"かのように騙っているだけのウソ八百なので」とかいう風にトピックが移行していっちゃうのを、すくなからず聞いたり自分でも考えたりするわけなのですが。

 結局このトピックのさきは「現実最高/虚構否定・不要」という結論になっちゃうような気がして、「それはそう。たしかにそうなんですけど、でもなんだかなぁ」と未だになっちゃいますね。

 

 「NTR」や「BSS」って強い。強いけれども……みたいな。

 いきなりなに?

 ようするに物語のなかの主役たちがどれだけ仲睦まじくなろうとも、「物語のなかの(素敵な)人物」と結ばれるのは「おなじ物語世界のなかの登場人物」であって、読者であるお前ではない。だから「NTR」や、そもそも寝てすらなくてこっちが勝手に好意をいだいただけで蚊帳の外にいる「BSS」は、物語の視点人物の境遇と読者とがより一致していて、ウソが(より少)ない……

 ……みたいな認識⇒論理⇒結論です。

 

 もちろん「夢はあるよね」みたいなお話もできなくはないし、なかなか強いと思うのですが。

 たとえば「夢は実在するし、その夢を叶えられる主役はいる/でもそれは自分ではない」ということ「を知る≒身の程を知る」お話は強いし、そこまで行かなくても、「のでその人に託す」お話「そうした存在が出てこれるような土台を作る/可能性を維持する」お話とかもまぁ、ウソがないの構造だと思うのですが……

 ……でもだからといって、そういうもっともらしいはなし以外を「ありもしない夢や欲望をふくらませた、願望充足である」みたいに捉えられるのも、それはそれでどうなんだろう?

 

   ▼夢のない話は「現実直視」か? より良い未来を得る可能性を放棄した「現状追認」の場合もあるのでは?

 「どこかに夢をかなえる主役がいる」のであれば「それがお前である」ということだってあるはずですよね。

 そういう人が「誰かに託すこと」を追求してしまったらむしろ責任転嫁の現実逃避で、「夢ではなかったはずのもの」が(それを生み出す主役が生まれなかったため)現実にありえない夢である世界となってしまう。

 たとえば(ちょっと時系列が前後するけど)オットー・リリエンタールライト兄弟が、「フランツ・ライヒェルトさんまじパねぇっすわ、これこそが真の実現可能な飛行スタイルだわ……」と自分の研究をやめてしまいエッフェル塔での墜落死亡事故により「人類って飛べないんだ……夢ばっか見てないで弁えよう。現実を見なきゃ」と以後だれも飛行機作成を挑戦しない世界ができてしまったとして、そうして弁えられた「現実」ってなんなの? ということですね。

 

 まぁそういう主役からしたら「きれいな夢も、実現しようとすると色んな苦労があるのがわかってきて、いざ実現してみたらさまざまな問題も生まれてきて、良いことばかりじゃないんだよ」というような「(多様な)現実を見る」お話になっていったりするの(が強いん)だろうけど。

 

 でもなんだかなぁ。

 

   ▼『デススト』の話に戻す

 ふたたび『デス・ストランディング』の終盤の自由度のなさについて。

(と言っても、うえの「考えもの」は、とくに『デス・ストランディング』と関係ない所へ行ってしまったな。

 「ふたたび」とか言ったけど、「"考えもの"をふまえて」とかではないです)

 上で言ったとおり、ぼくは分岐のない一本道シナリオと、シナリオ合間のプレイアブルパートの「こういう動きをするまで次に進めない」お仕着せ感が、あんまり性に合わなかったんですね。

 もしかすると、プレイヤー/国道復旧・配達人としては――何かを建てたり運んだりした「誰か(サム)」の物語としては――タールベルトを渡る方法を考え出すというプレイヤーの創造力が発揮されたくだりの末路(=せっかく見つけた・考え出したタールベルトの"道"を、プレイヤーは最終的に降りなきゃならない)や、他ブリッジリンクプレイヤーのものや自分が建てた設備が猛烈に壊れてしまう時雨のはげしい「復路」の体験でもって、「プレイヤーである"誰か(サム)"のトピックはこれでもう終わりですよ。ここからは特定のサムの話題をしていきますよ」ということなのかもしれません。

 かもしれませんが、でも肌感覚としてさまざまなことが釈然としなくって、よくわからなかったな。

 エピローグの道のりはシステム的に足取りは軽やかになるのだが、「あれだけ軽やかにあそこへ行けてしまっていいのか?」とか。

(「いろいろ行けるけど、あそこにしか行く以外ストーリーは無い」というような作りに、どうせなっているんだろうけど)

 面白かったし、筋書き自体にことさら疑問はなく、不満だって別にそんな無いのだけれど……なんか最終盤の要所について、語り口がじぶんと合わず、うまくノりきれない。そんな終盤のゲーム体験でした。

 

 

1010(月)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑭チャプター15;クリアしてから、バックパック改造やトラック作成できることに気づく

 110時間くらい?

 親密度を★5にあげる/国道をぜんぶ復旧させるまではゲームします。メモリーチップもじぶんの気力があれば取っていこうと思います(こちらは面倒くさいのでググる

 まず東部をメロメロにしました。メインストーリー最後の依頼でライオン的BT数頭が出てきて逃げ切れずヴォイド・アウトを起こしてしまった北東部が痛々しい。完全に移動不可能エリアになるんだ……。

 ジップライン網を完成させ、サクサク攻略。

 

 中部へと移りまた親密度上げをしていくのですが、こなしそびれていたサム指名依頼に気づき、いくつか終了しました。

 それによって、スティッキーガンという、遠くにある物品を引き寄せられるカメレオンの舌のような武器を作成可能となったり、バックパックの改造やトラックを作成可能となったりしました。

 クリア後になってようやく、「トラックってミュールから奪う以外にもあったんだ……」と知るという……。

 

 

1011(火)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑮チャプター15

 115時間くらい。

 ブリッジズ製トラック、優秀すぎるでしょ……。積載量がすさまじいうえ、屋根も完備されてて時雨(による物品の劣化)もふせげてすごい。(何百kgの配送依頼って、フローターやバイクで何往復もする必要なかったんだ……)

 何トンにもおよぶ国道修復素材を一挙に積んで、未復旧だった国道を立ち上げ、傷みに傷んだジップライン網を修繕/強化していきます。ブリッジズ製トラックの、車部分と荷台部分とが分離せず一体になったバン的なよそおいもあって、

「なんだか白いバンとかで町なかを往来する各種インフラ業者さんになった気分だな」

 と楽しくなりました。

 

 

1012(水)

  『デス・ストランディング』再プレイ記⑯チャプター15;全拠点親密度MAX

 全拠点の親密度がMAXになったので、いったんこれで終了しようかなぁと思います。

 

 

1103(木)

 ■ビデオゲーム

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ①プレイ時間0~13時間

store.playstation.com

 11/18までのセール価格で6割引き1200円だったので買いました。

 それは何ですか;

 『サブノーティカ』は2018年1月に発売されたオープンワールドアドベンチャーゲームです。

 消火器をしまい脱出ポッドから出てみると、崩壊と虚無が広がっている。

 ついさっきまで乗っていた母船は、炎と黒煙を上げて大破し横たわっており。そしてその混沌なんて些細に見えるくらい、さわやかな青空と青い海がどこまでも果てしなく広がっている。

 他の人の安否がどう、というよりもまず、生きていけるかがそもそも分からない。

 ポッドを出る直前にはハッチを横切る何かが見えたし、生き物がいないわけではないだろう。宇宙服を潜水服代わりに踏み出してみよう。食べ物は、飲み物はどこだ……

 ……というゲームです。

 

 『サブノ』の翌年2019年5月に発売された「『Outer Wilds』が面白かったなら」と様々おすすめするなかで次点にあげる声を聞いたり「『OW』も良いんですけど、オープンワールドゲーTOP3を決めようとなると別腹の作品になっちゃうんですよね……」と『OW』を次点にあげ・今作を傑作オープンワールドゲーとしてイチオシする声も聞いたりと、気になっていた作品でした。

 

 プレイ初日のきょうは仕事休みということで、とりあえず13時間50分やったんですけど、面白いっすね……!

 

 プレイしてみた感想;

   ▼何を獲ればいいのかから手探るサバイバルが楽しい

 『Outer Wilds』のイントロダクションシークエンスを終えたプレイヤーは、異星での探検仕事がどんなものか想像したと思うんですよ。

 そこでぼくの想像したリアリティラインでのサバイバルが『サブノーティカ』という感じですね。

 見渡す限り海が広がる異星に不時着したプレイヤーは、息を止めている間じゅう逐一減っていく酸素量と相談しながら潜水し、海のなかのさまざまな資源を取ったり、同じように不時着した母船オーロラ号の残骸や脱出ポッドを探しつつ、故郷へ帰る手立てを考え・整えていきます。

 プレイヤーには酸素量のほかにも、体力・餓え・喉の渇きという3つのゲージが設定されておりまして、これが探索をより楽しくしてくれます。

 

 海を泳いでいくことで、採れる水棲物と採れない水棲物と、採れないどころか近づけば体力をうばわれる危ない水棲物との違いについて、身をもって覚えます。採れる水棲物も千差万別、一味も二味も……

「こちらは腹がふくれるけど塩気がありすぎて逆にノドが渇く魚」

「あっちはポッド内のファブリケーターにかければ飲料水となる水気の多い魚」

 ……文字どおりちがうのだと記憶していきます。

 

 そうしているうちに脱出ポッド付近の明るく鮮やかな浅瀬に馴染んできて、酸欠死(ブラックアウト)や飢え死に・渇水死などとの縁がだんだん遠くなってきます。

 鉱石を手に入れ自然物にまじって点々とする残骸を拾い集めて、未来のハイテク3Dプリンタ"ファブリケーター"にかけ、より長く潜るための酸素ボンベを作ったりより速く泳ぐためのフィンを作ったり、万物を調べるスキャナを作ったり、ポッド内の故障設備を直せるリペアツールを作ったりして、生きるに困らない日々を手に入れました。

 通信設備が直る。

 救難信号が届く。

 ヘッドマウントディスプレイに表示された救難アイコンは浅瀬の外のはるか遠くで、その針路上には、背の高い水草が立ち並ぶ緑の海や、水深何百メートルあるかわからない真っ暗な海底洞窟といった存在が見えてくる。

「地球での類推をすれば触ると毒がありそうな気がする、あのクラゲ性の動植物はさわっていいものだろうか?」

「ここは一見ふつうだが、火山性のガス流が噴出して危なかったな」

 憶測や経験則を駆使しながら未知の世界へと冒険していきます。

 

    ▽スキャンの楽しさ;事典的知識を得るのが目的・報酬かと思いきや、実物へ触れる時間の増加による実体験的知見の拡充もある

 新天地に向かうことで新たな問題に直面するのなんて「(ちゃんとレベルデザインされてる作品であれば)そりゃそう」ではあり、以下もまた「そりゃそう」かもしれませんが、素朴に「良いなぁ」と感じたので特記します。

 いったんルーチンとして定まったふるまいや関係性が、装備設備の充実によりガラリと変わってくる作品でもあるところが、13時間超プレイして楽しかったところ。

 

 とりわけ「おおっ!」となったのは、スキャナを開発できたあと。

 とにかく泳いで近づいて採る(Xボタンをワンプッシュ)だけだったあの魚に、追走してスキャナの光を当てつづけ(R2ボタンを長押しし)、その詳細を知る。

 すぐ腹に入れられたり物品へ加工できたりする「主役」的な魚や植物はもちろんのこと、背景のにぎやかし・障害物に思えたオブジェクトさえ、スキャン対象であり。

 そうして得られるスキャンデータには、何か特定のアクションで素材を採れる有用性がわかったり、ゲームプレイには無関係であるフレーバーテキストを読めたりなど……様々な情報が詰まっています。

 とはいえ、辞書をただただ読んでいって楽しいかといったらそうでないように、最初は楽しかったスキャニングも、慣れればマンネリ化した作業と化す可能性はあります。

 とりあえず13時間やったくらいでは飽きが来ない。

 なんといいますか、上の説明を聞いたかたは、簡単な図式として……

①スキャンする(=一定距離を保ちエイムし続ける面倒・死の危険を背負う)

②スキャンデータというフレーバーテキストを得られる(=ゲーム内ヒントを得られる)

 ……というリスク&リターンを想像されると思います。

 たしかに概ねそういう仕組みですし、これはこれで面白いんですけど*1、プレイしてみるとそこからはみ出る部分があって面白いんですよ。

 

 とにかく遠巻きにするだけだったあの危険物について、詳しい情報を得るためスキャナ片手に近づいて(近づき続けて)みる。そうして初めて見えてくる世界がある。

 このシークエンスでとくに好きなのは"ストーカー"という肉食魚。

「危険なアレは、有害ってだけじゃなく、なにかクラフト素材になるらしい」

 スキャニングすればそんなデータが得られるんですけど、そこは実は(ゲーム序盤である今のところはまだ)どうでもいい。

 ここで面白いのが、事典的データを得るために"ストーカー"を密着追跡してみることによって――点ではなく線や面で触れあってみることによって――事典的説明では省かれた"ストーカー"の具体的な生態をプレイヤーは自主的に学べるんですよ。そうすることによってぼくはこの"ストーカー"を「近づくとプレイヤーの体力を減らすお邪魔キャラ」じゃない、「こういう習性・生態である魚」だと思えるようになる。

 "ストーカー"にしばらく付き合ってみましょう。

 するとその鋭い牙の餌食となっているのが、プレイヤーだけでないことが見えてくる――NPCである小魚などもストーカーにより血煙を海に浮かべさせられている

 ここについては(正直この時点ですごいと感じちゃうんですが)「肉食動物ならそうか」「今のAAAタイトルの凝りようは異様(らしい)し、よくプログラミングされてるゲームならそのくらいは当然やるものか」と思わなくもないもので(いや『サブノーティカ』はAAAタイトルではないんだけど……。その辺を比較対象として認識している時点で、ぼくが今作をどのくらい気に入ってるかがわかりますね)、まぁスキャンデータの記載から想像できるものとも大差ありません。

多くの捕食者と同様に、飢えたストーカーに餌を与えると一時的に注意をそらせる可能性がある。

 さらに付き合っていきましょう。

 なんと"ストーカー"が上げさせるのは血煙だけでないことさえ見えてくる――砂煙をあげて海底をいじくるその長い口のさきには、宇宙船の残骸(!)が咥えられて転がされている

ストーカーはチタン鉱床へ惹きつけられるようで、キバに負荷をかけ鋭くする傾向がある。

 「住処がチタンの産出しやすい地質なのかな」みたいに考えるのが妥当そうなスキャンデータの情報と、海底に落ちたチタン混合の船殻をころがすことでキバを研ぐ実態とには大きなギャップがありますよね。その「実態」に出会うだけの時間や機会を、スキャン行程が作ってくれたかたちになります。

 知識欲が満たされるのはけっきょく変わらないのですが、満たされかたが意想外の角度で楽しかったです。

 

 直近で述べた"ストーカー"の驚きの姿は、プレイしていくうえでも有益な情報なんですけど*2、それ以上に「すげえ習性を見れたわ」と、動物番組を見たりなどして得られる類いの素朴な感動がじんわり湧きます。

 

 ただまぁ、ストーカー以外でそういう驚きが得られてないので、ンスターハンター:ワールド』におけるジュラトドス戦(リンク先、自blog日記に置いたプレイ日記)のカービィ ディスカバリー』における1-1「草原のビルディング」(リンク先、自blog個別感想記事)が自分にとっての驚きのピークだったみたいに、これもまた序盤にちょろっとあっただけの"外れ値"的事象だったりしないか不安はあります。

 『サブノーティカ』はあくまで資源採集・クラフトによる装備充実系オープンワールドアドベンチャーゲームであり、『OW』のような謎解きパズル系アドベンチャーゲームではないから、「こういう水草の森ほかの地域でも見なかったけ」とか「あれ、この沈没船、ぜんぜん違う方角でも見たような……」といったデジャヴに、すでに襲われてはいる。

(「このドアはふさがってるな。周囲を360度ナメ回してみよう……アッこのクラックから船内へ入れるぞ!? 水中遊泳できる3Dゲーならではの謎解きだな!」

 という驚きが、

「このドアもふさがってるな。周囲を360度ナメ回して……エッこの船体もここにああいうクラックが空いてるの……?」

このドアはふさがってるけど、船体のどっかにクラックがあるんだよね

 という作業に変わっていってしまう感覚といいますか。コンパスなしで動いたがために、再訪であることに気づかなかっただけかもしれませんが、たぶん違う場所の違う船だと思う)

 でもストーカーみたいな体験があったおかげで、以降スキャニングする気持ちもぜんぜん違っているんで、偶然であれ意図的であれこの出会いに感謝したいと思います。

 

   ▼通信で小耳に・痕跡で窺い知るそれぞれの物語

 『Outer Wilds』ファンへおすすめするかたがいるのも納得の感触で、時折まいこむ通信を頼りに、海上や海底さまざま散らばる母船同乗者の記録や他脱出ポッドを探して、事態や世界の輪郭を徐々に徐々にはっきりさせていく(ことになるのだろうと思うのですが)過程が楽しいです。

 

 うえで「はっきりさせていくことになるのだろう」と言ったとおり、物語の大枠は今のところはまだまだ全然わかりません。

 サバイバルもひと段落ついてくると、作業的な時間(の長大化)が気になってきます。

・キロメートル台の遠くで光る、深い深い信号発信地点をめざすことによる、移動・潜水時間の長大化

・「探索時間を確保するための送風ポンプ&パイプの設置・するための材料集め」時間の増加

 ……といった部分が面倒くさくなってくる。

 この辺はたぶん、乗り物が手に入ると改善されるんでしょうし、乗り物の進歩に合わせて探索地である自然も険しくなり、乗り物の快適さをそこなうほど自然が強大になったときには更なる便利アイテムが作れるようになり……って具合に、革新とマンネリを続けていくことだろうと思うのですが。ダレるっちゃダレる部分ではある。

 

 それでもなお興味が持続して探索をつづけられているのは、通信などから窺い知れる各船の人々のようす一つ一つが、掌編的にまとまっていて短期の物語的充足がえられるうえ、次に何が出てくるのか気になるくらい各記録のバリエーションがけっこう豊かであることに起因する*3んじゃないかとおもいます。

 巨大な宇宙船なのでかなりの数の脱出ポッドがありそうなうえ、その船の外のこともあれこれあるみたい。

 

 たとえば機材をととのえたプレイヤーのもとに、救難信号を受けた他船の船長からの通信が序盤も序盤で届きます。

こちら貿易船サンビーム号のアベリー・クイン。オーロラ号、聞こえているか? 以上。

応答なし、か。アルテラの船だからな。どうせ、エンジングリスが切れたとかの救援要請だろ。援助の申し出なんて無視してるんだ。

オーロラ号、こちらはそちらの恒星系から離れている。そちらの座標に到着するまで1週間以上かかるだろう。それでも本当に救援は必要か? 以上。

 いらだちを隠さず疲労もにじませ疑念をぶつける他船サンビーム号船長の声には、日本でも総務省/消防庁が、増加する救急搬送と搬送者のうち入院しなかったひとがどのくらいの割合かを述べたうえで「タクシー代わりに救急車を常用することは控えてください」と発表したことなどを思い起こさずにはいられません。

(万国万星系共通のトピックなんだなぁときょうみぶかかった)

オーロラ号、サンビーム号より再度連絡する。先ほど周辺で大量の船体破片が拡がってた領域を発見した。

状況はこれほど酷いのか…一体何人が犠牲に…知らなかったんだ…

 ゲームを進めていくと、このサンビーム号船長から続報もきます。くだんの船長は事故現場へ近づいたことで詳細を知り、事態のあまりの深刻さに当初の態度を恥じ入り、言い訳をしつつこちらに向かうわけなんですね。

 この船長の顛末は、時間差のある一方通行の通信ゆえに生まれる時限式ミッションの登場など、この作品ならではの語り口をふくんだりするものの、そこを抜かせば筋書き自体はさほど複雑じゃないかもしれません。素朴な物語・人物造形といえるかも。

 ですが、「身に覚えがあるような、思わずわが身を省みてバツが悪くなるような」という、良い意味での素朴さだとぼくは思います。

 

[惑星の大気圏に突入]

カサル:我が創造主。世界を慈しみ、かつ維持する者よ。我が喜びを求めるものに、今日という日、我に日々の喜びを授けたまえ。

[外部温度が危機的レベルに近づいています]

カサル:人生、真実、愛、我に道を示したまえ。我に力を、我は一つ。断続的に繰り返したまえ。

 不時着/墜落直前の記録のなかには、あるいはこんなものもあります。

 自身の信仰に則りただただ述べて、ただただ祈るだけのそれは、ゲーム攻略に何の利点もなさそうに思えます。紋切型の筋書きという声もあるかもしれません。

 でも、実際ゲームをプレイして立ち会ってみると、なんだか妙に心をざわつかせるものがある。

 映像作品のなかで大画面にうつされたら「紋切型だ」と思ってしまいそうだし、かといって群衆ショットのいち人物にされたら、そんな紋切型の背景さえ思いを馳せない。

 そんな存在が、ゲームというメディアのサブストーリーとして・読まれるかわからない環境ストーリーテリング的一断片として置かれたとき、妙に心をざわつかせるのはなぜなんだろう。

 

 ゲーム(における環境ストーリーテリング的な事物)は、プレイヤー自身が情報を勝手にフレーミングしたり編集したりするよう仕向ける力をはたらかせやすくて、その結果、大写しでありつつも群衆ショットでもあるような、なんかいい塩梅の「物語」が立ち現れるのかもしれません。

 

   ▼酔わないけど、目の疲労度は大きそう(翌1104起きたら目が真っ赤)

 そんな感じで楽しく13時間超プレイしたわけですが、翌朝おきたら目がちょっとゴロゴロしてます。両目ともめっちゃ血走っている!

 いちばんオーソドックスな魚でもすぐ視界から消え、捕まえるのにけっこうグリグリ視点移動しますから、意外とけっこう目に負担がかかっていたのかもしれません。

 

 

   ▼PS版はセーブ破損系バグがあるとかないとか

 この日記へリンクを張るために関連記事を読み直してから気づいたのですが、PS版にはセーブデータが破損する深刻なバグがあるんですって。ただ……

 ……「現行バージョン1.12ではセーブ関係のバグに対応しました」というお話もあり。じゃあ大丈夫なんじゃんと思いきやPSstoreできょうDL・インストールしてみたソフトのバージョンを見てみるとver.1.11(えぇぇ……?)、21年1月以降も「データ壊れた~」という声もあり。

 けっきょく直ってるのか直ってないのか、よくわかりませんでした。

 

 

   ▼プレイ日記

 ①サバイバルで生死をさまよい、②ホームである脱出ポッドNo.5の復旧するため生死をさまよい、③救難信号でさまざま行って生死をさまよい、④オーロラ号を探検して生死をさまよい、⑤コンパス作成入手によって、ゲーム機外で紙地図をつくりはじめ、信号アイコンの表示されないランドマーク類をさがした。

 救難信号については、サンビーム号の顛末がおわって、「思った以上に大きな話っぽいなぁ」となる。

 ①食べるものを手に入れるも、のどの渇きに耐えられず死んだ。

 ②鉱石類をもとめて奥地にすすみ、そのまま酸欠により死んだ。

  深い洞窟で、催眠生物にハメ殺された。

  深い洞窟で、酸欠により死んだ。

  深い洞窟の奥の火山性噴流により熱で死んだ。

 

 

1105(土)

 宿直明け日で仕事休み。

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ②プレイ時間13~25時間

 救難信号まわりを順調にすすめていたが、後半で音沙汰なくなってしまった。

 信号に向かう道中の海底をぜんぶ舐めて進むことを覚え、さらには適当な方角へ直進してホームへ戻りまた別の方角へ直進して……と、紙地図をマッピングすることにした。沈没船をさまざま巡って、シーモスの耐圧モジュールやストレージ追加モジュールを手に入れ、冒険が快適になった。

 水深300mまでもぐれるようになったシーモスから出てさらに下を素潜りして、今まで見たことない動植物と出会い、素材を得た。なんとプローンスーツもつくれるようになった。

 ……ジャンプ力(概念)がひくい!? ピーキーだ。深海へ行ったら帰ってこれなくなりそうだ。

 

 正確な位置情報がHUDに表示されない、手がかりのみの救難ポッドをもう一度探しに行く。オーロラ号の尻から北西へ1km(!)。紙地図の紙幅が足りず、うまくプロットできなかった。それらしい地形は見つけたものの、ポッドそのものにはまだ出会えていない。

 シーモスに乗って、オーロラ号尻からもういちど道中の底を浚いつつ進んでみよう……としたら轟音が!

 オーロラ号尻の茶色く濁った海に、リヴァイアサンがいたのを忘れていた。

 耐久値が満タンの100からどんどん下がっていくシーモス。50を割ったくらいのところでリヴァイアサンはアギトをゆるめ、どこかへ行った。

 外に出てリペアツールを取り出し修理……している間にもう一度リヴァイアサンが!!

 大破するシーモス。アップグレードモジュールも藻屑と化したのだろうか?

 探そうと近づいたら、リヴァイアサンがまた叫ぶ。

あなたは死亡した。

所持品をいくつか失った。

 おおお……。

 

 シーモスは前にも大破させたことがあり、水圧に耐えられなかった初代シーモスは海底に破片が落ちて残っていた。サンゴのかけらなど地面に落ちたオブジェクトはゲームオーバー後もそのまま残っていたりするので、アップグレードモジュールもそんな感じで海底にころがっているかもしれない。

 意地きたなく再び泥の海にもどったが、暗中模索の五里霧中、残骸さえ見つけられなかった。

 ブラッドオイルはホームの農場で栽培できたようだ。

 エアロゲルの素材となるゲルサックは、植えたけれど増えてくれない。

 使いどころを考えながらやらなきゃいけないな……。

 

 

1106(日)

 仕事休み。

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ③プレイ時間25~38時間

 救難信号まわりは音沙汰ない。耐圧シーモスをうしなったので深海のレア素材を採ることも難しい。潜水艦サイクロプスを中心として、ここまでで設計図は完成したけど実物をクラフトしてないものをいろいろつくる。

 紙地図マッピングをさらにすすめた。

 陽光がわずかに海を青く染めている深度の海底で、土煙をあげつづける巨大生物"シートレーダー"とも出会った。

 かすむ視界にぼんやり映る異形らしい異形で、リヴァイアサン級にボロボロにされてしまったあとだったから、より一層おそろしかった。

 

 サイクロプス完成。まじで潜水艦で興奮しました。

 いくつもの隔壁やはしごで区切られた、操舵室、小型乗物収容室兼・魚雷(デコイ)装填発射室、壁に消火器が備えられた機関室!

 機関室は、エンジンの両側に3つずつ配されたパワーセルを動力としていて、エンジンがくそデカすぎるために右舷側左舷側とドアが二つあり、両側のパワーセルを変えるには部屋を行き来しなきゃならない(笑)

 ……という記述から察しの良いかたは勘づかれたりするのかもしれませんが、操舵室でできることは本当に操舵のみに限られていて、プレイヤーは複数の部屋を行き来して操舵手・兵器装填手・機関士を一挙にやる必要がある。

 はたして高速運転をつづけているとなのか、知らないうちに船体をぶつけたなのか分からないけど、航行していたらエンジンで火事が起こる。するとプレイヤーは舵を離して、先述の壁にそなえられた消火器を手に取ってじぶんで消さなきゃならない。(消火器はクラフト可能な消耗品なので、じぶんで新品を用意しなきゃならない)

 操舵じたいもかなり独特だ。

 操作は中央に置かれたアナログ素材の舵(LスティックやL1ボタンR1ボタンで船の進行を操作できる)のほか、Rスティックによる視点移動でカーソルを合わせて×ボタンを押す、タッチパネルメニューによるものもいくつかある。メニューは舵をはさんだ両側の窓に表示され、ぜんぶのメニューが視界に収まることはない

 左にはエンジンを始動させ操船速度を1速2速3速と変えるメニューがあり、右では艦首や底面などにしかけられたカメラへ切り替えたり静音運転モードにしたりするメニューがある。舵をはなした右後方には、前照灯/室内灯をON・OFFできるアナログ素材のボタンが。

 しばらく運転して、適当に止まって海底探索して戻る。すると艦内は真っ暗で、酸素も減り続ける。

 ……船の動きだけ止めて、エンジンを1速のまま切らずにいたから電力が消費され続けてしまったのだ(!)

 Blazing Sails』による『にじ海賊王決定戦』を観たときに、「へぇ~複数人でチームを組んで、操舵とか大砲発射とかそれぞれ別々の仕事をしながら操船するゲームってあるんだ~すご~!」と思いましたが、あちらが4人でやっていた分担作業を『サブノーティカ』では一人でやらされる。

 ……深く潜れるといったって、とてもじゃないけどこれ運転するのは……。

 暗雲立ち込めるビルドでした。

 

 

1107(月)

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ④プレイ時間38~45時間

 救難信号まわりは滞ったが、最後にまた進展があった。

 今回の目標は、未探索の沈没船を見つけて乗り物用アップグレードモジュールを入手すること、乗り物版「改造ステーション」を見つけることである。

 深度強化モジュールとストレージモジュールを追加したシーモスを失って以降、とにかく探索が面倒である。乗り物改造には「改造ステーション」とはまた別に、乗り物版「改造ステーション」が必要なようで、しかしそれがどこにあるのかがわからない。話題にはでているから、どこかでdigりこぼしたのかもしれない。

 いちどポッド自体は見つけたけど、そこの記録にあった「洞窟」が未探索である。

 下へのびる洞窟をすすんでいって太陽の光がとどかなくなったさき、蛍光ピンクのクラゲ群"ジェリーシュルーム"が満たした底で、先達による朽ちた建造物の土台があるのは見つけていた。

 その先を探してなかったので、なにかすることにする。

 土台は水深マイナス200mよりさらに下。なので一人用潜水艇シーモスの無強化スタンダード版では水圧にたえられず壊れてしまう。

 ジェリーシュルーム洞窟入り口の浅瀬に拠点を構築し、ソーラーパネルなど発電源を設置。クラゲ群の地下に拠点を築いて、パワートランスミッターを通じた電力網によって二拠点をつなげば、安定した探索ができるのではないか?

 せっかくだから地下の拠点はつくったことないスキャナールームにしよう……

 ……とやるも、パワートランスミッターの仕様について理解不足で、うまく電気をとばせない。

 とりあえずトランスミッターをつくるための金も足りなくなるし、シーモスを水深マイナス200mギリギリで止めて、洞窟内の頁岩を浚っていくことにした。

 その過程で磁鉄鉱や、火山性噴流口を見つける。噴流口のむこうには、先達による旧土台がまたあらたに見えもする。

 

 このあたりで、洞窟内拠点をどう築くかについて再考しはじめた。

 磁鉄鉱も手に入れたことだし、耐圧シーモスを持っていた時代に得た植物でエアロゲルもいちおう一つは作れるから、熱発電機をビルドできる。

 拠点ビルド位置にしてもどうだろう?

 そもそも海に出たプレイヤーの活動領域は、[シーグライドを使用したキャラの速度/酸素供給オブジェクトに戻れるだけの酸素がある時間]となる。シーモスで行ける限界のちょっと先にある土台あたりに拠点を築いたら、せっかくの"酸素供給オブジェクト"が近い位置で重複するかたちになってしまう。

 浅瀬の拠点ソーラーパネル発電)~シーモス(水深マイナス200mぎりぎりで停止)~洞窟の拠点火山性噴出口ちかく。電力は浅瀬拠点からもらうのではなく、熱発電機で得る……

 ……とつなぐと、さらに活動領域がふえるのではないか。

 噴出口を渡った奥にある、先達の朽土台あたりで拠点を築いてもいいけれど、事故ったらおそろしいので、手前でビルドすることにした。

 

 練り直したプランどおりにビルドは進んで、ついにスキャナールームが完成した。すご~! 便利すぎて今までの素材集めとは何だったのか切なくなる。

 地味にうれしいのがドローンカメラ。探索範囲が増えるのはもちろん、ドローンそれぞれの位置がHUD表示されるアイコンとして割り振られてるのが良い! リモート操作可能なビーコンとしても使える。「迷子になったら困るからビーコン作らなきゃな……でも面倒くさいな……」と思っていたので非常に助かった。

 

   ▼ある感情を(再び)喚起するさいの冴えたやり方

 噴出口の向こうのさらに奥では、非常に荒廃した先達の拠点があった。道中見かけたいくつかの朽ちた土台にフジツボ類が着いていたように、先達の拠点も赤錆に染まったうえにフジツボ類が湧き、さらには毒々しい蛍光ブルーの海草が何本もぶら下がって揺れている。

 土着の動植物に侵食された廃墟である。

 いままでがだいたい物損・無人・風化系だった廃墟群のなか、たぶん初めて見ることとなるタイプで、素朴にぎょっとしたし不安になった。

 蛍光の海草は、接触すれば気が遠くなってしまう毒草である。最悪死に至る。

 ダメージ床的オブジェクトによって移動へ制限をかけられた拠点。その内部には、たくさんのデータが置かれている……斯様にリスク&リターンの設定された舞台だと思うけど、その障害が毒草というのがすばらしい。

 

 この毒草は前段のクラゲなどとちがって、この洞窟(の奥地)まで来て初めて出会った存在ではない。ホームからちょっと進んだ水草の森の底にあいた洞窟に棲息していて、序盤で「深い海・闇の中っておそろしい」と苦手意識を植えつけた存在なのだ。

 それが大活躍するランドマークが、ついに満を持して登場したというわけなのです。

 これって凄く正しい(けど難しい)作品デザインだと思う。

 

 プレイ当初のインパクトが一、二を争うくらいに大きかったりするじゃないですか。何も知らない状態から「こういうことができるんだな」「ああいうことはやっちゃダメなんだな」「そういう作品なんだな」と掴んでいく印象の強さ。

 たとえばラゴンクエスト3』ナジミの塔の「じんめんちょう」は、脅威である以上に驚異の存在じゃないですか。マヌーサ使われたうえメラやられてパーティがぼろぼろになった衝撃の出会いを経たあと、のちの旅で「ひとくいが」があらわれたところで"衝撃ふたたび!"とはならず、「あぁマヌーサ使ってくるタイプかな」「その上位互換か~」みたいな過去の事例からの類推モードになっちゃう。メラの上級魔法メラやメラゾーマをつかうべつの敵が出てきたところで、じんめんちょうのトラウマがよみがえるかというとそうでもない。

 あのとき感じたあの大きな感情の動きは、いったいどこにいってしまったんだ? むしろ思い出補正なのではないか? いま流れ作業で捌いているこの「強い"はずの"モンスター」とおなじく、実際にはたいして面白くなかったんじゃないだろうか?

 応用問題をやっていくうちに、流れ作業をしているうちに心も脳も動かされなくなって、本当にあじわったはずの原初の感動さえ信じられなくなってしまう……。

 『サブノーティカ』をここまでプレイして、

「なるほどあるシーンである感情を煽りたいとき、作品内ですでに同様の感情を強く喚起させていた場合は、作品世界にたいしてそのような感情を覚えさせた張本人を呼び出せばいいんだな」

 と目からウロコが落ちました。

 

 まぁでも時間は不可逆である以上、初見のような反応は二度とできないわけで、「なにかプラスしなきゃ馬鹿の一つ覚えのマンネリにつながってしまう」というのもよくわかるんですよ……。

 今回なかなか不安な気持ちで探索した洞窟ふかくの先達の拠点にしたって、上で述べたように「ほかの舞台とは違う」オリジナリティに身構えさせられたのだし、本当にまるきり同じではこういう感情にはならなかったでしょう。

 

 また、「ガワ」をとっぱらって「ダメージ床の配置の妙」としてだけ見れば、他所よりも凶悪になったアップグレード版であるとも言えそう。

 そうと感じず新鮮にのぞめたのは、もちろん「以前みたのとは異なる」舞台での植生となったビジュアルの違いもあるでしょう。それをふくめ計3つほど理由がうかびました。

 次に、プレイヤーキャラクターが接触しやすい場所に毒草が生えているけれど、それがアクションゲーム的都合というよりも作中世界的必然に見えること。

 最後に、毒草の数量自体は増えるどころかむしろ減った*4ため「ダメージオブジェクトの増量・ダメージ増加=上位変奏」という短絡的類推がおよばないこと。とくにこの最後の点が大きいのではないでしょうか。

 

 あらたな救難信号を受信したうえ、入手したデータの記述から救難信号以外の拠点についてそれらしい手がかりも得られた。

 俄然おもしろくなってきたところで明日以降の自分に託す。

 

   ▼ゲームデータ関連の恐怖;真っ暗な目覚め、洞窟が消え鮮やかな海だけが見える

 セーブデータ破損バグがあるらしいのは最初のメモで書きました。

 実際プレイしてみると、それほど深刻でないバグは結構みかけています。

 最初は気のせいかなと思いました。空気が満ちる建物室内で、なんか魚がふよふよ泳いで見えるとか。

 ゲームオーバー後画面が真っ暗になるとか、ゲーム内リセット⇒リスタートだと画面が真っ暗になるとかあったので、「おお、これは……」とおそるおそるプレイしてたのですが、スキャナールームでドローンを動かしたところ、スキャナールーム以外のオブジェクトが消えて、暗い洞窟であるはずの背景が淡くかがやく青い水中だけになるバグが登場。

 けっこう進めてからのバグで、セーブしないのはもったいない。ゲーム再起動してもダメだったらオンライン上にバックアップしたデータでやり直すしかない。

 結果、問題なくセーブできてたので進めましたが、怖すぎる。

 グラフィック読み込み関連がまじで悪いみたいで、メジャースタジオのメジャータイトルでは味わったことのない剥げた世界がお目見えして面白い。

 バグのなかには、正直ゲームプレイするうえでありがたいものもあったりして(笑) たとえば遠く離れた遠景でも、拠点などプレイヤーの作成したオブジェクトが遠近法を無視して原色で表示されるなどのバグは、方向音痴であるzzz_zzzzにとって嬉しい代物です。

 

 でもそれ以外は、どうだろうな……。

 数十mさきの地形が読み込めてなくて、目と鼻のさきでようやく表示されるとかヒヤリハット

 酸素供給ポンプとつなぐことで酸素を水中に出せるパイプ。それを数百mまで伸ばした結果、ある深度を境にレンダリングされてる管とされてない管とができてしまって、酸素を吸いたくてもパイプが不可視化されてどこに存在するのかわからず死んだりとか(インシデント)

 そんなかんじで「かんべんしてくれ~」てバグも色々あります。

 今のところは大丈夫だけど将来が心配になる不具合として、自由にクラフトやビルドができるのは良いんですけど、処理が思った以上に重くなってるらしいということ。

 大きなものとしては、ゲーム中盤(だろう)からビルドできたりクラフトできたりする建物「多目的ルーム」やスキャナールーム、乗り物サイクロプスをひとつずつ並べただけ。そのていどのオブジェクトを追加しただけのフィールドにて、およぐ魚をヒートナイフでジュっとしただけで(フィールドに調理済みオブジェクトが一つ出現することになるプロセスで)、ゲームが一瞬フリーズしたりする。

 がんばってくれPS4、がんばってくれ『サブノーティカ』! って感じです。

 

    ▽(うがった見方)読み込み・位置バグ関係にたいする開き直り劇中テクストがすごい

 ビルダーでベンチを作ったときのこと、

警告:エンドルフィン値が低下しています。座って瞑想を行ってはどうでしょうか。

問題は存在を捉えようとした場合にのみ現れるのことを覚えておいてください。

   (「のこと」は原文ママ

 といったメッセージが流れます。

 これは「"呼吸ってどうやってするんだっけ"などと考えると呼吸のやりかたがよく分からなくなってパニックになる・なので、頭をからっぽにしましょう……」というようなお話なのかなぁと思いますが、いろいろなバグに遭遇した後になって現われたこのメッセージについて当初、「長時間プレイによって生じる映像バグはバグじゃないんだよ、"幻覚"という仕様です。リフレッシュしてください」という風に読めてしまう。

 

 

1108(火)

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ⑤プレイ時間45~50時間

 あらたに届いた救難信号の場へ水深マイナス250mあたりに拠点を築き、そこに電力をとおすため四苦八苦し、そこからさらにくだった底でポッドを見つけ、周囲を見渡し、未知の領域へつながる入り口を見つける。

 「ソーラーパネルで低速運転できれば」と思ったのだが、日照度はゼロで意味がなかった。前回おとずれた洞窟内のように、地熱も周辺に見当たらない。イオリアクターをビルドし、それを初めて運用してみることにする。

 植生ゆたかな土地で、周囲に有機物はたくさんあるから、かなり良い感じの電力が意外なほどすぐ貯まる。

 前回の要領で、シーモスを最初の拠点代わりにして、そこから息の続くところにちゃんとした不動拠点をビルドして活動領域を伸ばせばよかったのだが、最初からギリギリの往復はこわくてできなかった。

「こういうときのためのサイクロプスなのでは?」

 とは思うものの、敵がそれなりにいる領域に近づいたことがないので、怖くてできない。デコイとかもまだ作れてないし、危ない橋は渡れない。

 サイクロプスは運用方法がいまだによくわからない。使わないことにはその勘所も身につかないのだが、とにかくロストしたくないために軽率に動かせない。ロストしたくないというか、あの素材集めをもう一度したくない。サイクロプスはそのビルドの大変さゆえ、『サブノーティカ』におけるラストエリクサーになりつつある。

 

 前回はスキャナールームのドローンカメラのありがたみを知ったわけだが、ドローンとの交信可能範囲は500mほどらしく、水深250mの拠点1からだと未知の領域については入口へたどり着くまでで精いっぱいだった。

 

***

 

 救難信号の場からさらに奥へ進むのは、またもうひと段階の物資調達が必要だと思われた。

 上記の探索はいったん保留にして、前回おとずれた先達の拠点旧跡にて手に入れたデータが示唆する別の拠点をさぐった。

 「ここからウンチャラの方角へ某km。水深マイナスごにょごにょm」という記述をもとに移動してみる。

 「ここ」はデータの残された「拠点跡から」で良いと思う。ドローンを現地に滞留させているので、基点から測りやすいはずだ。

 余裕綽々で進んでみたところ*5、なかなかの困惑が待っていた。

 そりゃあ昔は行けなかっただろう深度だけど、べつにそこまでの海では全然ないのだ。あきらかに浅い。探してみたら人工物が見つかったが、それはとっくのとうに来訪済みの救難ポッドだった。

 基点にしたドローンの番号をまちがえているのかもしれない。そのくらいだったら簡単で良いけど、「あの洞窟の階層から出発して」ということなのかもしれない。それだとどのくらい面倒くさい道程になるのかわからない。

 

 

1109(水)

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ⑥プレイ時間50~54時間

 きのうの紙地図プロットによる手探り探索はいったんやめる。気がめいってしまったのだ。

 ジェリーシュルーム洞窟を再探索し、取りこぼしが無いかを探った。ストーリー的な漏れは無いようだったが、進展はあった。最初の探索時、「なんか新たに見たオブジェクトっぽいけど、スキャナかざしても反応がないな……?」と不思議だった代物がある。

 部屋の中央にデンと置くタイプのビルド品がいろいろあると知ったので、再び調べてみると、あまりに大きすぎてスキャナの範囲外になっていたんだと判明した。

 スキャンできたのはこれまでのデータで名前だけ聞いていた「水ろ過機」で、おそらく塩とコーラルチューブ採取の日々から解消されるものと思う。

 

 ホームに戻り、紙地図プロットの手探りはもちろん前回おとずれた救難信号の場もまたそこそこに、よそを探索することにする。

「昨日たずねた救難ポッドとおなじく、水深マイナス500mにある別の舞台に関する信号がHUDに表示されてるけど、これってなんだったっけ?」

 現地にいってみると、実は「行った気になっていただけで、ほんとうは行ってなかったところ」だったと判明。新たなデータと、設計図などを手に入れた。

 遠方で、新たな拠点を建てるのにちょっと苦労した。

 

 大型水槽の設計図も手に入れたので、ホームを大きくリフォームしようと思う。

 素材を集め、大型水槽を完成させ、水ろ過機も途中までビルドして(大型水槽とかぶっているのだが、建てられるらしい)、足りない素材を厚めに出ようとしたところ、突然あたりが水浸しになった。

 壁に穴が無数に空いている。

 大型水槽と水ろ過機が干渉したとか? なんにしても解体しようと思ったらろ過機のどこをかざしても解体ボタンが表示されない。壁の補修をしたが状況は改善されない。

 しばらくして「拠点の強度がさがったので、補強材をビルドしなきゃいけないのだ」とわかった。隔壁がつけれるのでつけた。水が引いていった。隣の大型水槽&ろ過器部屋はどうだろう? 隔壁をあけるとそちらは水が満タンだった。なるほど隔壁スゴいな……。

 基礎もつくって強度をたかめ、一安心。

 

 ホームの修繕が終わったあと、大型水槽を手に入れたさきほどの水深マイナス500mランドマーク②へ再訪する。素材を空にしたうえでの、シーグライドで行けるところまで行く"死に戻り"探索である。サバイバルとはなに?

 結果、こちらのランドマークにも新天地があることを知り、その先でパッドが示唆したとおりのものを拝んだ。すごい。

 

 そうこうしているうちに新たな無線も入ったので、「さらに進めるのは大変だなぁ」と思いながら無線機のあるホームへ戻ると、帰路に未踏の沈没船を発見。ついに乗物改造ステーションの設計図を手に入れた!

 驚きだったのは周囲にはもう一隻沈没船があったこと。そちらはなんと既に訪れた船だったのだ!!

 ほんの数十メートル探索範囲がせまかっただけ。ただそれだけの差のせいで、ぼくは実プレイ時間約25時間/ゲーム内時間にして100日余ものあいだ、耐圧200m一般シーモスを水駐して素潜り&拠点ビルドする日々を送るハメになってしまったというワケ……。

 五里霧中の海中探索のおそろしさを知った。

 

***

 

 記録された通信を再生する。

 異星のノイズだらけのことばだった。

 ほとんど解読不能な通信はその後も逐一入り続け、そのなかで、

「不明物を1つ発見。駆除する」

 といった文言だけがきれいに解読された。オーロラ号の救難ポッドも、デガシ号の乗組員も、ことごとくが廃墟だった。生存者はいない……じぶん以外には。

 この不明物の1とはつまり?

 

 

1110(木)

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ⑦プレイ時間54~60時間

 乗物改造ステーションをつくり、シーモスの深海耐圧モジュールを最大版mk3まで強化、ストレージを2つ追加して、魚雷もつける。プローンスーツはワイヤーアームとドリルを配する……という、各種アップデートを済ませました。

 水深マイナス500mにあるランドマークのうち、最初に訪れた救難ポッド①から未踏領域をすすみます。耐圧シーモスたのもしすぎる~!

 物語はいろいろ点と線がつながってきて、またまた面白くなってきました。

 

   ▼探索範囲の、物理的な階層と物語・時系列的なレイヤとの重ね方がすごい

 この星にはさまざまな時間が堆積していて、ざっと……

 近未来;救難にきてくれる他船(ゲームを進めると出てくる)、謎の異言語の信号

 現在進行形;プレイヤー(もちろん!)

 近過去;不時着し大破炎上中のオーロラ号(主人公たちが乗ってきた船)、その乗員・乗客らが出ていった脱出ポッド群

 過去;デガシ号とその乗員による拠点群

 大過去;ひとけがない、異星人(原住?)の高度文明

 原始;リヴァイアサンなどいまも海で元気に生きる海獣たち

 ……このような具合の人々がいて、それらの作ったものが残されている。

 上の5群がいるのは多少の例外はあるけれど、だいたい空・海表面・浅瀬・深海・大深海と、それぞれがいた時制とほぼ一致していて。そしてプレイヤーがより深くもぐるためには、今いる階層にある設計図や物資を粗方そろえておく必要がある。

 なので探索の行程は、結果(大破したオーロラ号、海底に沈む救難ポッド)から原因(オーロラ号がなぜ大破したのか。救難ポッドの人々は何をしていたか。オーロラ号はなぜここに来たのか)へむかって、複数回/階層を遡及していくこととなります。

オーロラ号まわりの「結果⇒原因」追求の旅が終わりにむかうと、デガシ号の物理的な存在やオーロラ号とデガシ号をむすぶ物語的関係性が見えてきて、今後えられる情報は「デガシ号はなぜここにきたのか、なにをしていたのか」が主なトピックとなる)

 

    ▽端境期の処理がすごい;ゲームプレイを「分冊された連載物語の、続きを読む権利を得ること」にしないテキスト提示

 ここで優れているなぁと思ったのが、それぞれの階層・物語を移行する端境期の処理

 オーロラ号とデガシ号の区別がついていないときは、両者の記録をおなじ「異星にやってきてしまった集団」の箱に入れてしまって、「ポッドで脱出後、すぐ亡くなってばかりかと思いきや、なんかテキパキと生活基盤を築けたひともいるんだな……?」とぼんやり読んでしまう。

 ぼんやりしたまま探索を進めて更に情報を得ていくと、「いやコレそれぞれ別の集団じゃん!?」と勘違いに気づかされます。

 

 ゲームにおける物語って、ともすれば"続きを読むための手続きが面倒くさい読み物"になってしまいかねないと思うんですよ。

 以前訳出した記事のなかでドン・カーソン氏が"サクヌッセンム巡り"と称した、狭義の環境ストーリーテリングである"パン屑さがし"タイプの作品は、読む対象がプレイヤーの介入する余地ない"過去に起きた物語"である以上、そうなってしまう危険性は高そうだ。

 プレイヤーの選択による分岐が用意されていないいわゆる「一本道シナリオにおいて、プレイヤーのや(れ)ることは、分冊された連載物語の次巻へ進むための権利を得ることだけ。……その場合、イベント合間のプレイパートって必要なんだろうか? TSUTAYAでビデオを借りて、観て返しに戻り、既刊を離すのと入れ替えに続刊を取るのさえ面倒くさいから、TSUTAYAはいま縮小されつつあるのではないのか?

 この疑問に対する答えはいまのところzzz_zzzzじゃわからないんですけど、『サブノーティカ』は、別々の軸でうごくストーリー含有物をタグ付けあいまいなまま等置することでプレイヤーがそれぞれを物語として編集し直す余地を生み出していて。このおかげでじぶんは一本道のシナリオをただただ読んでいくだけの受け身な存在ではなくなっていて、おもしろいです。

 

***

 

 といったところで、先日の異星言語の通信をふりかえる。

「不明物を1つ発見」

 オーロラ号やデガシ号だけでなく、ハイテク異星人もどうやら息絶えたらしい。

 ……となるとこの通信は、だれが行なっているのか?

 

 

1112(土)

  PS4『サブノーティカ』プレイメモ⑧プレイ時間60~74時間

 前回の探索で緑の世界に拠点をビルドした。そこからくだって水色の世界、さらにくだって赤くて暑い、溶岩世界を見た。

 赤の世界をすすんでいくと涼しげな青く透き通った石を見つけた。

 藍晶石だ。

 これがあれば、プローンスーツの活動深度をさらに深くできる水深耐圧モジュールmk.2がつくれる。

 ドリルアームでガリガリ収穫していくと、爬虫類っぽいクリーチャが嚙みついてくる。ドリルを岩からクリーチャへ向け応戦、離れたところでスキャンしようとスーツを脱ぐと、赤熱する岩をはきだしてきた!

 トカゲを避けつつ歩いていると、ヴォンという音と青白いエネルギー波。

 自他ともに瞬間移動したりさせたりするクリーチャ"ワーパー"もいるらしい。シーモスで出会った経験からすると、乗物にのってさえいれば強制空間転移も食らわずにすむっぽいが……と思っていたらホワイトアウト、生身の状態で投げ出され、乗り手を失ったプローンスーツが自由落下しているのが見える。

 溶岩を跳び越え害獣をやりすごして奥へ奥へ進んでいくと、新顔の骨化石を見つけたのでスキャン。そのちかくに大きな穴があることをたしかめたものの、そちらを探るのはプローンスーツの耐圧深度をこえてしまうだろうこともわかった。

 

 手持ちの飲食物も心もとなくなってきた。一旦ひきかえすことにしたが、ささっとまっすぐ進んできたつもりでいたのに、帰り道がわからない。また、行きの道ではすらすら降りられた崖も、プローンスーツのジャンプ力では慎重に針路をえらばないと難しい。

 青い世界まできて登り口をさがしているうちに暗転、水が尽きて死んだ。

 拠点へじぶんだけリスポーンする。

 放置されたプローンスーツの回収に向かって再び青い世界へむかう。「なるほどこちらへ行くべきだったのに、あちらへ行ってしまったんだな」と納得するも、プローンスーツを着たところで「ちょっと資源も回収しておくか」と欲をだし、結果また迷って死ぬ。

 面倒くさいので嵌めていた耐圧モジュールを外して帰って、アップグレードの素材にしようと思ったら、無装着で耐えられる深度にもはやいないことを忘れており、あわてて嵌め直す。素材をあつめておくというのは悪いことではなかったと思う。(いまあつめるべきかはあやしいが)

 再リスポーンによる3度目の挑戦では、拠点からドローンを出してビーコン代わりにし、迷わずたどり着けたものの、スーツの動力源であるパワーセルの電力残量が0になり、にっちもさっちもいかなくなってしまった。

 パワーセルの蓄えはない。

 ホームに置いていたシーモスをせっかくだからこの拠点までもってくることにして、遠方でも何だって作れるよう、素材の種をさまざま詰め込んでから緑色の世界の拠点へもどる。

www.youtube.com

 採取の過程で、タカアシガニじみた外殻のクモみたいなクリーチャ”ブラッド・クローラー”が、二匹、横に寝ながら足を合わせている姿を何度か目撃した。

 上述リンク先の動画ほど長いものではなかったけれど、おおむね上のとおりの行動が拝め、ぼくも「交尾か? なんかすごいな」と思ったが、英語圏のファンダム(wikiみたいなやつ)のBehaviorには記載がない

 はたしてプログラミングされたものかそうでないのか分からないけど(これだけ複数回みれたからには、意図的なもののようにも思うが)、すごい良いと思う。

 

 "シートレーダー"とも再会した。

 今回は飲食物も酸素量も心配ないから、平然と近づいて素材あつめする。

 スキャンされた事典情報どおり、シートレーダーはその長い肢で鉱石を掘り起こしていた。

 でもこんな無数かつ凄い頻度で頁岩が次から次へと露わになるなんて!

 思ってもみなかった光景に「ありがてぇありがてぇ」と採掘していたら、クソでけぇウンコを拾わされることになってニヤニヤした。(バイオリアクターのよい源になるらしい)

 

   ▼UIというかボタン設定に難がありませんか?;操作ミスで数十分~時間の作業がパー

 前回ビルドした拠点のスキャナールームを拡大したところ、永らく視認できていなかった"結晶化した硫黄"の居場所がわかった。つまり潜水艦サイクロプスの耐圧モジュールそしてプローンスーツのジャンプ力強化モジュールのクラフト作成に必要な素材がすべて入手できるようになったということだ。

 もちろん素材集めをする。

 いくつかのオブジェクトでおこなえるインベントリの移動操作が、どれも似たようなインターフェースである反面マチマチで……

  • 個人の手持ち(やアイテム倉庫)=R2ボタンでインベントリ間を移動・Xボタンでアイテムとして使用(カーソルに食用可アイテムが合わさっていれば、その場で食し、消費する)
  • 採取・食用アイテム土壇=R2ボタンでインベントリ間を移動・Xボタンでアイテムとして使用(カーソルに食用可アイテムが合わさっていれば、その場で食し、消費する)
  • 乗物モジュール=Xボタンでインベントリ間を移動・R2ボタンでフィールドに置く{乗物モジュール*6はフィールドに残らないので実質「捨てる」ボタン

 ……と、ちょっとした罠があるんですね。なんでそんなことを知っているかというと、罠にひっかかって悲しい思いをしたからです。

 数十分・1時間単位で集めてクラフトしたアイテムが、ほんのワンタッチで野に放たれ永久に戻ってこなくなる徒労感。

 あるかもしれないセーブ破損バグ、バグがなくてもやたらと時間がかかるセーブ・ロード(PS4ProのHDDで3~4分費やすのせいで、セーブをすることがあまり少ないので「じゃあリセットするか」となってもめちゃくちゃ古いデータだから、しでかしてしまうとただただ萎えますね。

 

   ▼深海オープンワールドゲーならではの進行;獲得トロフィをみてみると……

 プローンスーツの耐圧モジュールを作り直し、ジャンプ増強モジュールもつくり、ようやく赤い世界にひらいた下層をめざすことができる。

 水深マイナス1.2km台の赤い世界に拠点を築く。

 パワートランスミッターを完全に理解した。赤い世界は平熱が50℃なのでそのまま地べたに置くでも熱発電機は半分のパワーで動き続けてくれるみたいなのだが、青い世界に向かう口に近い溶岩流(70℃)に熱発電機をおき、パワートランスミッターを何本も立てに立てた。

 稼働中のパワートランスミッターは通電先まで一直線の可視レーザーを伸ばす。これを道しるべ代わりに使うのだ。

 目論見は成功した。これで帰り道も安心である。酸素供給ポンプからつなげたパイプが、距離如何で途中から未ロードとなって消えるみたいなことがあったけど、さて今回はどうだろうか。

 

 自他ともに瞬間移動したりさせたりするクリーチャ"ワーパー"がたくさんいて非常にうっとうしい。でも「これがいるということは、異星人の建造物が近くにあるということか?」と進む。すると、緑の光が。異星人の建造物にたどり着いた。

 さまざまな遺物があり、コンソールをいじっていたらワープゲートの電源がついた!

 ゲートをくぐると建造物から水が抜かれたり、プローンスーツの足での移動ができなくなったりした。バグこわすぎる。

 建造物の一部はバリアで閉ざされており、青いカードが必要らしい。

 

***

 

 トロフィも色々とってきたので、「どのくらいの取得率なんだろうなぁ」と見てみる。

 トロフィとは――PS3あたりからのユーザーには説明不要の要素ですが――、ゲームで何かをしたプレイヤーに贈られる勲章で、トロフィの取得数によってゲーム本編が有利に進められるとか、そのハードのサービス利用時になにか優遇措置がはたらくとかってことは(たぶん)無い仕様です。

 ゲームメーカーによって、ゲーム内でどういったことをすれば・どのトロフィを貰えるかを指定でき、ゲーム進行度に応じて銅・銀・金とトロフィがグレードアップしていったりやら、たとえばRPGであれば敵へ与えたダメージが9999カウントストップまで行ったやりこみプレイヤーにトロフィが授与されたりします。

 『サブノーティカ』のトロフィも、進行度の目印的トロフィと、やりこみ珍行動宛てトロフィの2セットから成るみたいですね。

 zzz_zzzzとおなじだけ進めたひとは購入者のうち25%くらいらしい。序盤の進行度トロフィも大差ないから、最初に合わなかったひと以外は、途中脱落せずにプレイしてしまうみたい。すごい。

 ……そうして見ていて気になったのが、今回手に入れたトロフィの上に、「?」のまま取得できてないトロフィがあること。

 なんか訪れるべきランドマークを飛ばしてる!?

 

 

1113(日)

 仕事休みで宿直日。

  (完)PS4『サブノーティカ』プレイメモ⑨プレイ時間74~77時間

 きのう辿りついた、溶岩世界の拠点に水ろ過機プラス1台、医療品生成器をビルドし、電力が足りなくなったので熱発電機をつくる。

 せっかくなので、前回とおなじくパワートランスミッター稼働中のレーザーをガイドライン代わりに使うやりかたで、道がわかりにくい異星人の巨大施設へ向かう下層の洞穴のほうの溶岩流に熱発電機をおいた。

 

 ワープゲート先にビーコンを置こうと思って先日のハイテク異星人施設にむかったところ、入り口がバリアでロックがかかってしまっていた。

 ワープゲート先から戻って入るしかないのかもしれない。いくつかのゲートの位置は把握済みだし、あとでそちらから向かうことにして。

 とりあえず建物の周囲や、この階層などに他の施設や出入口はないか探してみることに。

 ゲーム世界外の情報を利用したメタ的な攻略になってしまうけど、

「進行度順っぽいトロフィに抜けがあるのだから、ぼくがつなげた道は順路に思えて順路ではなく、さきに訪れるべき施設ちかくの出入口があるのではないか?」

 という考えです。

 水深マイナス1.3km世界をうろうろしていると、四角い建物の壁が展望台みたくガラス張りになっている建物を見つけた。

「こういうタイプのハイテク異星人施設もあるのか」

 と眺めていると、きのう見かけたアーティファクトと同じものがある。

「これ、正面玄関にバリア張られて入れなかったさっきの建物じゃん! 外から見るとこんな感じだったのか」

 ぐるぐるしているとするりと建物内に降りられてしまった(!?)

 マップ読み込み失敗か何かによる、すり抜けバグだったりしないだろうか。なんなんだこれは……。

 

***

 

 ワープゲート先のビーコン設置をすませ、北東の島へ再訪する。海中にひらいたハイテク異星人版ムーンプールからプローンスーツでそのまま入って、探し漏らしがないか確認する。

 すると来訪忘れた区域があって、謎の機械で謎の認証を受け、「感染が云々」により拒否された。初来訪時に認証をうけていたら結果はちがっていたのだろうか? ほかの施設で知ったことから察するに、べつに変わらない可能性が大きそうだけど。

 また、物騒なアーティファクトのスキャンデータと、PDA「異星人の施設の場所」を入手。

 後者のデータによれば熱発電所が水深マイナス1200m。ワープゲートのある施設がそれだと思っていたけど、もっと深いところにあったはず。発電所発電所で別にあるのか……?

 次回はそこをさがしてみることにする。

 

 

1114(月)

 宿直明け日。

  (完)PS4『サブノーティカ』プレイメモ⑩プレイ時間77時間~84時間

 熱発電所さがしから開始しました。

 きのう得たPDA情報を再読。熱発電所は火山地帯のなかにあるらしい。

 太陽のとどく浅瀬を泳いでいた時に「火山活動が活発なエリアで……」みたいなPDAアナウンスがあった気がするけど、はたしてどこのことだったか……?(オーロラ号が墜落したあたりから南へ行った――ホームからみて南東の――リーパーリヴァイアサンがうようよしている泥海地帯だっただろうか?)

 再アナウンスはされないだろうし、けっきょくzzz_zzzzが知っているそれらしい地域は水深マイナス1.2km台の赤い世界しかないので、とりあえずそこを探し回るしかありません。「浅瀬からの直通洞穴しかない」、とかだったらイヤだなぁ……。

 

 適当に泳ぎまわっていると、下層水深マイナス1.5km台で見たリヴァイアサン級がこのマイナス1.2kmの赤い世界でも周遊していることを知りました。

 モクモクといくつも煙を上げている小山で泳いでいたところを襲われた。

 

 救急物資を巻きに赤い世界内の拠点へもどる。

 拠点の一室であるスキャナールーム、その室内に表示された周辺の3Dホログラム地図をよく見て、手掛かりがないか再考します。

 凹みは1.5km台へつながるところ、凹はさっきの小山くらいしか目立ったものがない。懸念していた"浅瀬から直結式の地形"も、それらしい柱は見かけない。とりあえず小山か……?

 小山をもう一度探し回ってみると、緑に光る穴を見つけました。

 

***

 

 『サブノーティカ』の探索要素って、虱つぶしに近い手探りHUD位置情報など数値的にきっぱりした"答え"のアンロック頼りなところがあるなぁと思っていたんですね。

 『Outer Wilds』にはたくさん、『ゼルダBotW』にもそれなりにあったタイプの冒険要素がじつはあんまり無い。ゲーム内サブテクストの非デジタルな情報を読んだりヒントとして読み解いたりして、ランドマークや進入方法にかんする手がかりを、こちらから主体的に探り当てる……みたいなアクションをした覚えがほとんどありません。

 ここまで進めてきて、

「そういった要素は『サブノーティカ』にもあるし、それが前半にないのは製作陣のアイデア不足では全然なくて、むしろ"豊富なアイデアをどの段階で味わわせるか?"をよく吟味した結果なのだな」

 というのがようやくわかってきました。

 

 『サブノーティカ』のランドマークを探し当てるためのプロセスは、ふりかえってみると各局面・装備に応じて多彩です。

  • 最初期は、目視によりオブジェクトがどんなものか一つ一つたしかめていく手探りアクション・サバイバル。(酸素量が限られるので、移動の基本は海面上で、怪しいところを見つけたら垂直に潜る、点の探索になる)
  • ホームの基本設備が修繕されたら、HUDに追加される数値的な位置情報や、酸素供給ポンプ&パイプによる肉眼用の目印による手探り探索。
  • コンパスが完成後は、(ゲーム外の紙地図へメモしていく)方角&距離数値マッピング(コンパスが作れるころには装備がととのい酸素容量も増えているから、目的地まで海底をさらいながら進める"線の探索"がほぼ可能となる)

 ↑ここまでが無限定の広所における探索で。

 ↓ここからが有限の閉所における探索となり……

  • 洞窟内に行ったら、ビーコンやドローンカメラ(、パワートランスミッター)に補助されながらの手探り探索。骨化石の細部にかんする記述などスキャンデータにより具体化・文字情報化される、人工的な痕跡の有無情報もちょっとしたヒントになる。
  • そのさらに下の溶岩世界では、PDA情報のすくないヒントを頼りに、あやしい地形目星をつけて探す

 ……というような具合。

 海という、広大なうえに視野のせまい空間が舞台である『サブノーティカ』では、アナログな情報をたよりに探すには対象範囲がひろすぎて難しい、ということなんでしょうね。

 

***

 

 熱発電所の探索を終え、マイナス1.5km台の施設がなんであったかのPDA情報も得ました。最重要施設のロックされた扉をあけにいくぞ。

 

   ▼建物めりこみバグに遭う

 きのうの最重要施設への再侵入は、やっぱり建物のロード不良によるすり抜けバグだったみたいです。今回もう一度試してみた結果、壁にめり込んで身動き取れなくなっちゃいました。

 バグだということはわかりました。でもワープをくぐる面倒に耐えられないので、今回はすり抜けバグ再挑戦していいか……?(リセット&再ロードのほうがあきらかに時間的ロスもでかいんですけどね)

 今度はめり込まなかったけど、ワープゲートが並んだ上階ではなく、その下に来てしまった。

 がらんとした空洞だ。プレイヤーが入れないはずだから作りこまれてない舞台裏にきてしまった?

 そのとき脳内にひびく声。

 ……いやここが、ブルータブレットでロックを解いたさきの、最重要施設の最奥なのでした。え、せっかく手に入れたタブレットの使い道は……?

 変なところに来なくてよかったけど、たぶんセリフの順序がいちぶ前後してしまったな。

 

   ▼これまで探索してきた蓄積が、(記憶)地図が活きる最後のクラフト

 最重要施設には、特注の生成器があり、これまでと違った素材がもとめられます。

 面白いのは、その素材はPDA事典の「利用可能な物品」欄の外にあるものだということ。

 プレイヤーはここにきて、探索範囲にあるモノをどれだけスキャンしてきたか、スキャンしたPDA情報から居場所を思い描けるか、探索を有利にするものでない(とされる)ものについても採取してきたか、などが試されることとなります。

 

   ▼ついに強制シャットダウンバグに遭遇する

 メインクエストの9割5分が終わった、惑星脱出のための素材あつめ中のこと。

 クラフト必要素材をもとめて最重要施設へ再訪しました。こんどは建物すり抜けではなく、正規のワープゲートからです!

 結果、プローンスーツの歩みが遅くなったり(バグだろうけど毎度おこる、仕様と言う他ないもの)、水中なのか大気中なのか謎の状態になったり(バグだろうけど頻回の、仕様と言ってよいもの)、「いつものアレが起こっているなぁ」と思ったら今回はPSオプション画面に切り替わって強制終了となりました。

 採取・クラフトしていた1時間がパーに……。

 

 再起動・再スタートでは、「この素材をどこかでいっぱい貯蓄していた気がするな……」とホームのロッカーをチェック。その記憶は正しく、二の舞とならずにすみました。

 

   ▼エンディングへ;無声映画へわりあい接近する気がする環境SL系ゲームの演出

 脱出するための手立てがととのいました。出発です。

 OPでは天窓をエイのような異星原生物がたたきましたが、EDでも鳥型(ちょっとカラフル)の異星原生物が天窓に複数います。

 運転中には壁面機材のパネルがはずれて中の配線がむき出しになるなどのトラブルもありつつ(これもOPと同じだ)、このところの探索でクラフトした装備がそれ以上の被害を抑制、ついに星から離脱します。

 ついぞ地図アイテムを得られなかったプレイヤー(プレイヤーキャラクター)は、ここにきて、自分が不時着した海を俯瞰し、惑星の丸さ青さを一望する。

 とにかく止まらず、ぐんぐんドンドン突き進む。

 プレイヤーがここまでクラフトし操縦してきた乗り物は、潜水用のもので飛ぶ仕様ではなく、ちょっと飛べもする乗り物でも燃料に限りがあって(そして水中においても)それなりの上昇運動しかできなかったので、このスムーズかつ長い移動ショットは、これまでの挙動とおおきなコントラストをなして気持ち良い。

 

 ダイアログはPDAアナウンスがぽつぽつあるだけで、尺としても結構あっさりしたイベントシーンなのですが、すごく満ち足りています。

 狭義の環境ストーリーテリング的な語り口がつよい作品はもしかすると、現在時制のダイアログに頼りにくい性質上、サイレント映画にも近しいようなプリミティブな視聴覚的表現・運動を作品内の演出として盛り込んでくるのかもしれないなぁ、なんてことを思いながらエンドロールを見ました。

 

 

 

 

 

*1:たとえば今作と同年同月に発売したンスターハンター:ワールド』"痕跡あつめ"は、一定量採取するとゲーム内攻略本がつくれるシステムですが、クエストをやってれば採取するしそのうちアンロックまでポイントが貯まるという、積立預金的なシステムで。

 『サブノーティカのスキャニングはそれと比べると、もっとちゃんと駆け引きのあるシステムという感じがします。

*2:船の残骸をひとつ取得・分解すると、チタニウムが一気に4つ手に入る。フィールドの地面にぽこんとできた自然物石灰岩をひとつ採掘して得られるチタニウムは0~1つで、しかも小さいし背景と同系色だしで見つけるのが面倒くさいから、いろいろ楽チン。

*3:さいしょ「因(よ)る」と書いたんだけど、しばらく経ってから読み直したら「困(こま)る」と誤認して「え? どういうこと???」と自分で書いたくせに文意が取れずフリーズしちゃったので改めました。こういうタイプの悪文もあるのか……。

*4:多分。

*5:はぶいたほうが文意がわかりやすいので、はぶきましたが。実際の旅の行程はけっこう時間がかかってます。

 先達の拠点跡の記述を読んでzzz_zzzzはまず「メタ読みだけど、さすがにこれはサイクロプスの出番だな」と思いました。そんなわけでサイクロプスのアップグレードモジュールをいくつか(耐圧深度強化とバリア)こしらえ、物資も詰めまくり、棚も新たに増設して、「さあ行くぞ!」と意気込んだんだけど、

「現地で右往左往してもあれだな……」

 と秒で萎えてしまい。いつも通りシーモスで進み、ビーコンを置いてからにしました。

*6:シーモスとプローンスーツのはとりあえず。サイクロプスのモジュールがどうなるかは分からない。