18日に出たあの話題作もやり始めました。赤っぽいほうを購入。
(↑でピンとこない方は覗かないほうがよろしいかと思います)
以下ネタバレです。
- ①・バッジ取得数9/18(CR4/8、S★S2/5、LR3/5)での感想
- めちゃ面白いゲームである
- ストーリーについて
- 「テラスタル」のバトル・それを有するジムリーダーの演出はまだ面白さがわからない
- 批判されるプログラム(の粗雑さ)は、実際プレイしてみると批判をためらう異様な凄味がある
- ②・1124追記;EDロールを見たところでの感想
- 大傑作である
- 物語・バトル構成・システムを活かした演出ともにすごかったが、システムの基礎構築は雑だしプレイ体験をいくらか損ねてる
- ③・1127追記;むしジムにヒノヤコマで挑んで敵テラスタルのクソ強さを味わえる人はすごい
- ④1129;渡邉『なぜ『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は「オープンワールドRPGとして評価できない」のか?』
- ⑤1205;DS版『ポケモンDP』を3DSLLで始めた
- ⑥1208;IGNは流石に恥を知れよ
①・バッジ取得数9/18(CR4/8、S★S2/5、LR3/5)での感想
めちゃ面白いゲームである
・めちゃ面白い。
・『ポケモン』てすげー!
・シリーズ初期しかやってない人ほど驚くのではないか。(ぼくは驚いた)
自由度の高いモンスター育成・編成RPGとして
・ゲームプレイは『赤緑』~『ルビサファ』で止まっていた自分からすると、『SV』はまったく別種のゲームに思える。
・「チュートリアルシークエンスが終わる前でまだ"宝探し"がはじまってないうちから、パモ(今作のピカチュウ枠*1)もいてピチュー(ピカチュウの進化まえ*2)もいて、さらに"宝探し"開始地点と直につながる近所にはメリープ(羊かわいい系でんきポケモン*3)も、コリンク(猫かわいい系でんきポケモン)だっていたよな。同じようなのまとまり過ぎでは? 顔つきは違うけど、それに加えてぱちぱちオドリドリ(鳥かわいいでんきポケモン*4)、ズピカ(オタマジャクシかわいいでんきポケモン*5)だって居るしな」
「鳥ポケとか犬ポケとか、序盤の町周辺にいったい何種類いるんだよ?」
と感じたのは一瞬だった。
・現行版のありようのほうが正統進化におもえる。
・青で『ポケモン』に入った身としては、モンスターごとに設定された各タイプとはクリア後の対人戦におけるお楽しみ要素であって(せいぜいジムバッチ集め終わったあとの、四天王戦でちょっと選べる余地が出てくるくらいなもので)、「このジムで戦うにはこの特定のポケモンをGETする(だってこのジムの弱点をつけるタイプって、このポケモンしかここまでの旅で登場しないんだもん)/手持ちポケモンをレベリングして高めた地力でゴリゴリ押し通す」的なパズル/力技育成RPGとしての記憶が根強いけど、もはやそういう窮屈なゲームではない。
・はじまりの街を出たぼくらはすぐに物理パーティも作れるし、特攻パもつくれる、状態異常パだってつくれる。それも、ねむらせてからの一撃で攻めるタイプの状態異常攻めパだって、どくややけどの継続ダメージでちくちくするタイプの状態異常・耐久パ(ぼくの目指した方向だ。)だって、お好きなように。
かわいい路線もカッコいい路線も簡単だし、(すでに6匹挙げたでんきとか、あるいはくさ・むし・ひこう辺りは楽勝だろうけど)最初は厳しいかもしれないけど、中盤まで進むあいだに、タイプ統一パーティとかも組めそうだ、というか、組める。なんなら既にドラゴン統一パーティさえ出来るんではないか。*6「こうしたいけどその構想を叶えるポケモン達が周囲にいない」という状況がぜんぜん無い。
・「初期パーティのモブポケモンが進化してくれた結果、相棒とタイプかぶりが生じたのでパーティ構想外となり、他パーティを見繕う」という経験をはじめてした。
・しかも二回。
・「むしジムがいちばん弱いジムっぽいし、鳥ポケモンは一匹くらいパーティにほしいよな」とヤヤコマ(ノーマル/ひこう)を初期パーティとして連れていったところ、ヒノヤコマ(ほのお/ひこう)となり、相棒のホゲータ(ほのお)とかぶってしまった。
・ヒノヤコマに代わる鳥(ひこう)ポケモンとして、どく攻撃持ちのウパーとシナジーがありそうな、相手が状態異常だと大きなダメージをあたえる「たたりめ」を覚えているフワンテ(ゴースト/ひこう)を入れたところ……。
・バトルは見てるし映像作品も見てるから、プレイしてないシリーズのポケモンについても多少知識があり、その結果「ファイアローの進化前ポケモンは君らだったのか……! そうやって見ればたしかに"矢"って名前にはいってる……!!」みたいなアハ体験ができる。
レベリングの楽しさ
・レベリングも楽。
・いや、RPGらしいレベル上げの面倒さ自体は変わってない(「がくしゅうそうち」なしにゲーム開始時点からデフォルトで戦闘非参加の手持ちポケモンへけいけんちが入るようになったなど、快適方向へのマイナーチェンジはある)。同じ敵と何度も戦って経験値を稼ぐこととなる。
・けれど、手持ちポケモンより少し強いけどこちらがタイプ有利を取れるモンスターが、どんなレベルのどんなタイプのモンスターを育てる場合でもどこかしら居るので、気持ちとして楽になる。
・とはいえ/だからこそ、タイプ一致技で相手タイプの弱点を突きにくいドラゴンタイプの子育ては相対的に面倒くささが上がった。
「こういうモンスターが生息してそうなここに行ってみよう」という感覚
・「あのモンスターがいそうなあの地域に行ってみよう」、「ここにはこのモンスターがいたから再訪しよう」という見立て・土地勘で動ける感じ。
・慣れればどうしたってレベル上げは作業になっちゃう、それ自体は避けられないことである。でもその時間を、ほんとうに楽な作業として過ごすか面倒くさい苦行として過ごすかは、プレイヤーのほうで考え選択する余地がある……という感じ。
・でもあまりにいろんなタイプのポケモンが無数に居すぎて、『赤緑』時代のほうが(森にむし・くさポケモン! 暗いおつきみやまにいわポケ、こうもり、月っぽいポケモン! 発電所にでんきポケモン! とか)土地と生息ポケモンのタイプとの連関はハッキリしていたかもしれない……。
・『SV』はでも、土地とタイプとの一致というよりかは「川にはカワウソ系とかアヒルや淡水魚! 浜にはカニ! 海には魚や海鳥!」みたいな種族別の一致をよりだいじにしていそうな感じはある。
・砂嵐ふきすさぶ荒野にいくと、タンブルウィード的ポケモンがすげえ勢いで転がっていたりする。(西部劇で見かけるあのころがる草です)
・でんきポケモンここまで野にいっぱいいる理由は説明つけようがなくね!?
⇒後述する「嫌われ者としてのピチュー」真実デデンネずかん説明の強調から察するに、たぶん『都市で進化する生物たち』的現象がおこってる。
⇒また、でんきポケモンがかわいいやつが多いのもたぶん、同著的な現象がおこってる。
⇒現代都市文明と共に暮らさざるを得ないでんきポケモンは、人間が愛玩できる見た目や性格のやつ以外は淘汰されてしまったのだ……。
ストーリーについて
・すごく好感持てるキャラ造形と、メインクエストを進めることがそのキャラとの仲を深めることとイコールになる構成とによって、ゲームプレイする手をぐいぐい加速させてる。
全キャラとにかく高い好感度
・ネモさんもかわいいし、ペパーくんも愛らしい。校長も親しみと敬意が持てる。
・アイテムをいっぱいくれるけど店で買えるものであるネモさん、雑魚敵と戦えばいくらでも増やせるLPをくれるカシオペアさんより、手料理やら一緒に苦楽をともにしたひと時やらをくれるペパーくんや校長の好感度はそりゃあ高くなる。
・なんなら所謂「伝説ポケモン」からして――パッケージイラストを飾る作中重要ポケモン・コライドン/ミライドンからして――、そういう数多の愛らしいキャラのうちの一体なんすよ!
・伝説のポケモンの名前を検索欄に入力するだけで、「ミライドン 夢女」「コライドン かわいい」みたいな候補が出てくる。
・これはゲームそのものではなくて、それを受け取った人々のお話になるけど。
たぶん両バージョンの主筋はおなじで、やるモンスターが各ドン変わるだけだと思うんだけど、おなじことをしてもミライドンはスパダリ方向として見られ/コライドンはヤンキー・動物系やんちゃ彼氏方向として見られ……と、それぞれ違う性格が見い出されているらしい。
・見た目の印象はマジで大事っすね。
・ポケモンに動物系も何もないと思うのだが(だって動物なので)、ちょっと面白い。
「褒め」の姿勢が劇中現実のありようとして説得力ある
・あまりに高い好感度が(「やりに行ってる」「あざとい」と白ける)ヘソ曲がり精神を圧倒し、全方位にただただ萌えている。
・しかも何か、ネモさんにしてもペパーくんにしてもその他さまざまな人々にしても、これだけユーザーフレンドリーな造形なのに、口癖を通り越して記号的であろう独特の語彙などもあるのに、細部やら言葉遣いやらに「こういう人」という生っぽさがあり、不思議。
・とにかくみんながおれを褒めてくれるのだけど――ゲーム内学校の授業を受けたり、学校外の大人により営まれている町を回ったりした感じ――この世界自体が「こういう"褒め"の姿勢を基本としよう」という感じで構築されてるっぽくて、妙に感心してしまった。
・数世紀前はたぶん、決闘裁判としてのポケモンバトルとか、代理戦争としてのポケモンバトルとかがあったんだろうなぁ。
オタク方面の解像度がたかい
・Youtuberというか、vtuberのリスナーがスタッフにいる。知らないと「うおおおおおお」コメントは出せない。(ゲームで「うお」れるとは思わなかった)
・そりゃあ笹木をリリースイベントに呼びますわ。
・いや笹木ってだれ? いきなり名前出されてもさ……。
・↑みたいなオタクの言語的思考的反復横跳びを、しばらく不登校だったボタンさんというキャラがする。
・そりゃあさすがにオタクはスタッフに居るだろう。
高いのに、悪い意味でのオタクっぽさを感じない
・でも『ポケモンSV』には、悪い意味でのオタクっぽさを感じない。『ゼルダBotW』でさえ感じた臭さがない。(『SV』でも「パンはパンでも食べられないパンは~?」とかたんパンこぞうが言い出したりするのだが、しかし)もう「きんのたま」とかを素では言わない気がする。
王道をならうだけでなく、見直し味を調整するバランス感覚
「子ども主人公の一人旅」は面白いが、正気に帰ると危険性や保護者の放任性が気になる。そこについて『SV』は……
・今回の旅は、課外授業で「宝探し」と称して各地を自由に回るカリキュラムがある学院にかよう主人公が、その授業をついに受けることとなった……という流れ。
・「グランド・ツアー」というよりも、「(寮暮らしの)学生の夏休みの自由研究」にちかい一人旅なのかなぁ?
・各地には先生たちがおり(べつにカリキュラムとしてほうぼうにいるわけではないようだが、ひとによっては見守りの意図をもっているっぽい)、とくに、一見すると「学校に常駐する長老ポジション」だろうように思える丁寧語の先生がめちゃくちゃアクティブで、旅先でたびたび遭遇することとなる。
・どこでも学校の先生と遭遇することにより、妙な安心感が出ている。
・べつにずっと陰から見守ってるとかそういう仕様ではない(だろう)のだが、「子供を危険な旅に行かせるのか?」的な心理的ストレスから解放されている。
・昨今のアニメ映画がそこをどう処理しているかどうかで賛否が分かれていたのを見たばかりだったので、「そこについてモヤモヤしない、良い塩梅を選んでてすげえな『SV』……」となった。
・(余談?)心理ストレスというと大げさで、より正確には「申し訳程度でもフォローや言い訳がほしくなるところ」にエクスキューズがあるって感じか?
ネモさんの造形もすごい
・そういう意味でネモさんも、最近みかけるようなお姉さんキャラっぽくもあるのだが(あるいはTLで話題の『ハンター×ハンター』ヒソカっぽくもあるのだが)、最近みかけるお姉さんキャラ(や『H×H』ヒソカ)が完全な年上で立場も上の存在でありココ・ヘクマティアリティもまた高いキャラであったのに対して、(とりあえず中盤まですすんだ現段階では)ネモさんは全然そういう陰や狂気性を背負ってない。
・ネモさんはただただからりとキラキラしている。そこが独特で、すごいと思う。
・各ジムを張って主人公の動向をこまかくチェックし場合によっては先回りさえする……という、大枠だけ抜き出すとゼロ年代のヤンデレみたいな感じのひっでぇひっでぇ粘着ムーブをしているらしいのだが、実際にその姿を見てみると不思議なことに、パルデア地方の青空のように爽やかなのだった。
・だからといって、「主人公は、さまざまそだててる有望株のひとりにすぎない」みたいな超然として乾ききってる感じでもない。ほんとうに不思議。
・ココ・ヘクマティリアリティ=『ヨルムンガンド』の少年の手を引いて別世界を教えてくれるお姉さんキャラ、ココ・ヘクマティアルっぽさを指す造語。(高校からの友人T氏から泉光『図書館の大魔術師』をオススメされ、逆にぼくは『チェンソーマン』をオススメしたときに言ったきり、今日までの2年間つかうことがなかった)
・もちろんここから物語がどう転ぶかはわからない。
・ネモさんについて、ここまでと正反対の側面が見えたり、あるいは今後この性格がもたらす負の面が描かれてみたりするかもしれない。(スター団がすでにそのネガ的な感じではある)
・しかしたとえそうなったとして、現時点でのネモさんを魅力的だと思ったり、「存在感のある、良いキャラだ」と思ったりする自分がいなくなるわけではない。
・そういう展開が来たら、むしろ、「ふつうの人になっちゃったな」と勝手に落胆したりするかもしれない。
・ネモさんの存在感と上述の感触について見ていくと、「いわゆるところのキャラクターの"掘り下げ"とか"深み"、"厚み"って何?」というような疑問にかられる。
シナリオ自体がふつうに面白い
・キャラの魅力ばかり印象にのこるし書いてしまうのだが、シナリオ自体がふつうに面白い。
・各地に点在する独立したイベントを消化するのではなくて、それぞれがちゃんと連関している。ふつうに前情報とちがう実状の開示や謎・ヒキがあり、経糸がきっちり編まれているのだ。
・ネモさんの背中を追いつつの「従来の『ポケモン』といえば」なジムリーダーバッジを獲得して回るチャンピオンロードのほかに設定された、2種のバッジをめぐる冒険も――ペパーくんとタッグを組み巨大なヌシを求め戦う秘伝レシピ探し、レジェンドルートも。謎のカシオペア氏に指図されつつ、不良のスター団アジトを荒らす、スターダスト★ストリートも――、各ランドマークでのイベントがそれ単体で完成されつつ、「ペパーくんはなぜレシピを探しているのか?」とか、「スター団はなぜ結成され、現在のかたちになったの?」とか、ひとつのイベントでは明かされきれず後のイベントへ持ち越される物語的パン屑をキッチリ撒いてくれる。
シナリオとオープンワールドとが合ってる
・べつに、「予想だにしないツイストがある」とか「精緻な伏線張りと回収がある」とかではない。
・ではないけど、よく考慮され・きちんと組み立てられたお話がある。
・「何者にもなってない」人のはじめての冒険というメインシナリオと、どこへでも好きなように行けるオープンワールドゲーとの絡みもうまい。
・冒頭やらPVやらにあったとおり、とにかく「宝物」がキーワードとして出てきて、さまざまな「宝物」のありようが描かれる(描かれつつある)。
・今作独自システムの「テラスタル」も、そんな「何者にでもなってもいい」「さまざまな良さがある」シナリオと結びついて印象的だ。
・生徒にたいして「さん」付けだったり敬語でしゃべったり授業なのに「絶対」を教えたりしない、おしつけがましくない大人のありようとか。(おそらくクリアに必須ではない些細なウンチクであるために)強制イベントではなく自主選択制であろう授業のスタイルとかも、メインシナリオに連なるサブシナリオとして奉仕してる感がある。
・フィールドに立つ敵トレーナーもそんな感じで、さまざまな「宝物」を紹介してくれる。
・「このポケモンが いちばん かわいい!」「いちばん かわいいのに 友達は わかってくれないの!」とバトル前に言うトレーナーが出してくるポケモンがピチューデデンネで、(デデンネについて見た目しか知らなかったので)バトル中はてっきり「"そういう"人をエミュレートしてるのか?」と思ったのだが、バトル後に述べてくれる「ピチューデデンネが嫌われる理由」を聞き、「なるほどそりゃ嫌われますわ……」となった。
・自分ではうまく電気をたくわえられないので、ひとさまから盗電する害獣……。
「テラスタル」のバトル・それを有するジムリーダーの演出はまだ面白さがわからない
・「テラスタル」はシナリオとの絡みこそ面白い一方、バトルをからめた演出面で面白みを出すのに苦労している感じがある。
・つかえば基礎ステータス増のスペシャルバトル……みたいなものではないから、せっかく専用モーションが差し込まれたうえテンションあがる専用BGMに変わっての戦闘となったところで、テラスタルしてないこちらのタイプ一致こうかバツグン技で相手テラスタルポケモンが一発轟沈することもあり、せつない。
・くさタイプジムリーダーのテラスタルは、ジムテストにリーダーの性格、周辺に生息するモブポケモンでのタイプ見せ……とすべてが噛み合ってて良かったが、それゆえにPVで使われてネタバラシされてて何とも言えない。
・とにかく先手が取れるポケモンがテラスタルしないと悲しいことになる。
・テラスタルで何か見せ場をつくるとしたら、先手がとれるか絶対に一発は耐えるかするポケモンで、高威力のタイプ一致わざをぶちかますとかになるのかなぁ。
・つぎに訪れる、中盤のジムリーダーらしいノーマルタイプジムに期待がかかる。(テラスタルタイプ一致「はかいこうせん」とかを積んでもらって、全てを灰にして歩き回ってほしい)
・周囲のポケモンより(自分の手持ちポケモンより)レベルが高かったりする、野良のテラスタルポケモンのほうが怖いし、こうした存在感こそがジムリーダーのテラスタルポケモンに期待していたものだとも思う。
・『剣盾』キョダイマックス的な特別感があれば……と思うが、そちらの要素は自然の驚異ヌシとか、正道から外れた不良集団スターモービルへ割り振られたんだろうな。
・レギュレーションのなかで見せる、教育的側面のあるなかでの強さという意味では、今作のジムリーダーはアリだな。(なお中盤以降がどうなるかは未プレイなのでわからない)
・改めてシリーズに触れてみて、「トレーナーとのバトルにおけるバトル前に一言⇒バトル後それに引っ掛けたオチ的一言……という構成って、地味に快感だなぁ」と思った。
批判されるプログラム(の粗雑さ)は、実際プレイしてみると批判をためらう異様な凄味がある
・バッジも半分くらいあつめた程度の現時点ですでに傑作である。
・傑作なのだが、しかしプログラミングについては、低スペックなのを隠したり取り繕ったりせず、むき出しにしているので、正直さいしょは面食らった。
・ゲーム開始最初に出てくる「ランドマークのお披露目ショット」からして、コンマ秒単位で粗⇒密へテクスチャ張り直しする位置にカメラを置いている 。
・オープンワールドならではの味であるはずの、高台から周囲を眺望するショット。これをイントロダクション・シークエンスでやりながら、そうして強制的に見せるのが遠景のガビガビ低画質モデルなのは――「粗雑だ」「これでGOサインを出すな」というネガティブな(しかし妥当な)評価とか「開き直りかw?」といった愛嬌笑いとか、そういうものを通り越して――古来の意味でのすさまじきことのように思える。
・『サイバーパンク2077』(の発売初期?)におけるPS4の壊れたナイトシティの、プレイヤー都合で訪れたり訪れなかったりするどこかじゃなくて、「誰もがぜったいに観せられる部分でコレ」ってところがすさまじい。
・すさまじい。
・怖いよ。どうなってるんだ?
・納期の力ってすげー!
②・1124追記;EDロールを見たところでの感想
大傑作である
・大傑作でした。
・再三のお話になりますが、『赤緑』~『ルビサファ』あたりで「こういう作品/シリーズね」と見積もり見切りをつけた人(つまり僕zzz_zzzzですが)ほど、手を出すべきな気がします。
3ルートについて
・「レジェンドルート」、「スターダスト★ストリート」、「チャンピオンロード」の順でバッジを取得した。
・「チャンピオンロード」は物語やバトル自体はてらいの無いまっすぐな道という印象だったけど、各キャラ魅力的。他ルートは素朴に面白い。
「レジェンドルート」最高
秘伝のレシピによってペパーは、愛犬から②目の光を取り戻し、③声をまた聞かせてもらえるようにし、④芽がでなくてもなお、⑤頑張り続けて、ついに「ボール遊び」ができるまでの元気を養わせる。
ボール遊びは、プレイヤーが任意でひらける体力回復アクション「ピクニック」で手持ちポケモンに対してできることである。おおお……。
ピクニック自体は前述のとおりゲーム上実益があるんだけど、ボール遊び自体はやったからどうというものではない。
「バトル以外にも色々な宝がある」というのが本当に色々示されているなぁ。
5つの秘伝レシピを集め終わったところで、ついにペパーは、『SV』世界のモンスター研究の権威であるオーリム博士と主人公とが連絡を取り合っていることを知る。
そこでペパーは眉間にしわを寄せて、博士に対して不満をいう。
曰く、ペパーと愛犬の日々は、裏を返せばかれの保護者であるオーリム博士が研究に没頭して家に帰らない日々ということでもあるのだと。
「電話なんてこっちには寄こしたことないくせに」
主人公は、ペパーとの出会いの場である灯台にもどる。そこはオーリム博士の研究所でもあり、その室内で主人公とペパーはテレビ電話越しに博士と対面する。
直接会うことはなかったし、姿を見ることもなかったし、声だって聞かなかった人物との関係{が変わる(かもしれない)}……
……ペパーの親子関係から、生死以外にも様々な断絶があること、伝説のレシピ以外にもそれを回復する道はある(かもしれない)ということがわかるけれど、伝説のレシピに対してこちらの動きはなんとも早急だし、実感も伴わない。
映画『エイリアン』により不気味な表現としておなじみとなった、無人の暗闇のなか勝手に動き光る電子機械という小道具に表示されるオーリム博士のたちふるまいは――表情はもちろん身振り手振りも細かく動く『SV』世界の登場人物のなかだと――異質に硬い。
こういう性格のひとなのか? それとも表に出さないだけで、ペパーとの関係について思うところがあるということなのか? はたまた『SV』の絶対タイトであろう開発状況によって詰め切れなかっただけなのか?
▼「レジェンドルート」ヌシバッジ全収集後のバトルが面白い
元気になったペパーくんとのバトルは、数レベルだけこちらが有利ななかでのバトルであったが、たいへんな泥沼となった。
図鑑未登録の新顔たちだが、みんな、ヌシ相手にダブルバトルで共闘してきたペパーくんのポケモンの進化系であろう。
これまでの冒険の経験とそこでつちかってきた絆がためされるバトルというわけで、たいへん面白い構成だ。ペパーくんの手持ちポケモンはここまでのヌシ戦において弱すぎて途中退場していったかたがたなので、印象がうすいところも(ポジティブな意味で)凄いところだ。
何度もたたかうライバルはふつう、何度も対戦相手としてバトルを重ねるために「このポケモンを持ってる・育ててる」と印象付けられ、知らないポケモンが出ようと「あのこの進化系ね」と"人読み"が発生して察せられてしまうものだけど、ヌシと戦うさい視界の隅にうつるペパー君の手持ちポケモンはそうもいかない。
ペパー君の手持ちポケモンについてここに至るまでで知れる機会がこういったかたちであることは、バトルで勝つことが目標ではなく通過点である「レジェンド・ルート」と非常に合っている。ヌシバトルで共闘してくれたポケモンを「バトルにおける役に立たない助っ人」ではなく、「友達ペパー先輩の相棒たち」「こんなポケモンと一緒に旅してるんだペパー先輩。岩塩とか何か食材っぽさがある~」というような具合に見ていた人にとっては、このバトルは楽勝であったはずだ。
zzz_zzzzは?
モンスターボールがひらかれ実像があらわれたことで「あ~この子(の進化まえ)とたしかに共闘した気がする~」とおぼろげに記憶がよみがえる戦いとなった。ポケモンバトルとしては、姿が現れるまえにピンと来なければ無益である。
ということで「(対戦トレーナー名)は(対戦相手の手持ちポケモン名)をだそうとしている!」という地の文から「このタイプかな?」と見当をつけて対抗ポケモン(だろうもの)をお出しする……という一般的ポケモンバトルをおこなったところ、すべて裏目って、ボコボコにされた。
***
「楽勝であったはず」とは言い過ぎかもしれない。
ペパー君は、初手ステルスロックを放って、残り交代枠のポケモンに一定ダメージを入れる戦法を取ってくるし。かれの手持ちポケモンはそれぞれの弱点を突けるタイプのポケモンに対してメタれるわざを覚えている。
ペパーの持つポケモンのタイプなどがぴんと来る人でも、というか人だからこそ苦戦することもあるんじゃないか?
正直ペパーくんは、チャンピオンである{そしてペパーくんが負けた相手でもある……と思ったけど、ポケモンバトルの腕前についての話はないか? バトルまえに言ってるのはマスティフが闘犬(だけど、バトル好きの度合いとしてはさすがにネモさんには負ける)という話か。}ネモさんより強いと思う。
かれが幅広いわざを覚えさせているのは、最初「さまざまな荒野を独り旅するつもりの人だから?」と思ったけれど、ステルスロックの出番は野生ポケモンとのバトルでは無いだろうはず。
ネモも同じくステルスロックばら撒き戦法を取るので、彼女との戦闘経験から勉強したことなのかもしれない。
「スターダスト★ストリート」おつかれさまでスター……!
▼「S★S」ボスの弱さが逆にドラマチック
「LR」ボスとちがって、「S★S」ボスはそこまで強くない。手もちモンスターのレベリングはする必要があるけど(ただしここまでのバッジを取得できたなら、それ以上の上乗せは不必要な程度のステータス設定)、見かけのタイプ通りの素直な技構成。
タイプ一致の効果抜群わざを素直に選んでいけば完封できてしまう。
つまり対人バトルなんて全然してきてないし、考えてもいない人のわざ構成で、それがこのボスの純朴な性格を表現/補強するものとなっているのだ。
バトルの前も後もいたいけな人物のいたいけな物語が展開されるんだけど、このバトルはそこと齟齬なくマッチしていて、情感を盛り立てさえする。
先日プレイした『デス・ストランディング』の過去の戦争の悪夢巡りが、最後の戦場がいちばん簡単になっている構成を思いうかべた。
バッジ全取得後のグランド・ルートについて
・素晴らしかった……!
・ストーリー面でも、ポケモンバトルというシステムを生かした演出面でも、大傑作だと思う。
▼「エリア・ゼロ」周りの、ゲームフリークの若さ・守りに入らない貪欲さがすごい
・舞台といい生息モンスターの選定といい、『メイド・イン・アビス』があきらかに参照されていて、あの底知れない脅威・驚異をきちんと描き出しているのがすごい。
・「エリア・ゼロ」奥底に居ることがゲーム序盤から示唆される、「ポケモンかどうか分からないポケモン」は、現物を見てみるとそこまで異様でもないし、こわくもない。
・むしろ怖いのは、既存のポケモンが――それこそ『赤緑』の序盤から登場するようなポケモンが――おなじみの姿のまま登場し、であるのに異様な舞台・雰囲気と完璧にマッチしているところ。
・「ポケモンは最初から奇妙だったし不気味だったし脅威だったし、今もそうだ」というルネサンスが行なわれている。
・しかし、『ゼルダの伝説BotW』がジブリ作品をイメージソースにしてそうなのに対して、『MiA』て。
・市川春子氏や竹氏のデザイン起用といい、音楽でのトビー・フォックス氏の起用といい、これまでもすごい人選がなされてきたと聞いていたけど、未だに『ポケモン』は新しい血を入れ続けていて、既存の世界についても新しい目で振り返り続けているらしい。すさまじい。
・オタクにとっては言わずと知れた大正義なかたがたですが、ジブリとは知名度が違うじゃん。
・あるいは任天堂スタッフインタビューを聞くと、デヴィッド・リンチ作品の名前が複数回でてきたりするのだけど、それでもまぁ「リンチはある時代・界隈なら絶対とおる道」って感じがするじゃん。
▼「CR」で見たネモさんの芯の強さが、異常空間での清涼剤になる
・上でも言ったとおり物語としてキャラとして面白かったのは「レジェンド・ルート」ペパー君や「スターダスト★ストリート」ボタンさんなのだけど、ここにきてチャンピオン・ロードの良さが遡及的に理解できてきて、「ネモさん……!!」となった。
・ビジュアル的にも音楽的にも明らかにトーンが変わった異常空間でも、ネモさんは変わらず「いつものネモさん」であり続け、とにかく頼もしく、こちらの心に安定をもたらしてくれる。
・コライドン/ミライドンの問題はこのルートで解決される。コライドン/ミライドンとのかかわりは、単純接触時間としては主人公を除くとペパー君が長いと思うのだが、他ルート主役たちも大きな役割をはたしている。
3者が一堂に会したことで、主人公&(挫折しようと模索し続け立ち上がり続ける不屈の)ペパーではわからない面について注目・言及がなされるようになり、解決へむかうのだ。
「どうしようもなくなったら、周りの人に頼りましょう」
という劇中なんどか提示されたテーゼがきちんと実をむすぶ構成となっていて良い。
・ネモさんはコライドンの雄姿を唯一みた人物で、じゃれつかれまくってるボタンさんは沈黙を守り過去を語らないコライドンの心理を唯一おもんぱかれる人物である。
・ネモさんをつい戦闘狂ととらえてしまうけど、実のところそれ一辺倒ではなくて(たぶん可愛いもの、キモかわいいもの好きだと思う)、戦わない(戦えない)コライドンを延々撫でまわし肯定し続けていてもいて、そこもすごくよい。
▼寄り道してる人ほど不安になるし支えにもなるバランス感覚
・「宝探し」が提示された作品だけど、この最終局面では、プレイヤーが自主的にいろいろ冒険したことが一方では不安の引き金となり、一方では励みとなる。
そこも面白いと思った。
・エリアゼロの奥底にいるらしい博士から「4つのロックを解除してくれ」と請われるが、これは、出発地点であるアカデミーで歴史学先生と会話を重ねることで彼女から知らされる、血なまぐさい「4つの封印」とどうしても重ねて考えたくなるトピックである。
・ラスボスの手持ちパーティは強いし実践向きだ(※)が、すでにちらっと言った通り、実はそこまで異様でもない。戦闘力にかんしても多少のタイプ変化はあれども元ポケモンを汲んでおり、その元ポケモンは図書館(アカデミー内)や研究所のオカルト雑誌によって明示されている。
・ほうぼうを回ってポケモンと戦ったりGETしたり(生物学の先生@アカデミー任意イベント)、雑誌の内容を紙に書いたり「スクショタイム」(@ナンジャモちゃん「チャンピオン・ロード」)をしたりした人が、「これまでのフルコース」(@ペパー「レジェンドルート」)として振り返れば、攻略の糸口はつかめる。
・(※)「せっかくのテラスタルも、先手取れないことには宝の持ち腐れ」問題に対して、博士は素早いうえに火力があるやつをテラスタり、テラスタルじゃなくてラスボスポケモン専用にちかいブーストもちもので全体的なステータスをブーストして、ぼこすか暴力をふるってくれる。
物語・バトル構成・システムを活かした演出ともにすごかったが、システムの基礎構築は雑だしプレイ体験をいくらか損ねてる
・ということでめちゃくちゃ面白かったし大傑作だと思う。
・ぼくじしんのプレイに関して言えば、ごく一部のフィールドでだいぶ重さを感じたし、フィールドにめり込んだポケモンとかもいくらか見かけた。なんかイベントシーンの地面にモンスターボールがことあるごとにめり込んでるのもまた気になった。ライドポケモンがガクガクするみたいな経験も一度だけした。でも進行不能バグには遭遇しなかった。
・数百種類のモンスターをその場で瞬時に出現させアニメさせ戦わせて無数のエフェクトやモーションが描画できるシステムは偉業だと思う。「ポケモンはダメ、それにひきかえ」と比較にだされる他作で、それだけ多様なキャラクターが出て色々するゲームって存在するの?
・すくなくともぼくは『ポケモンSV』をプレイしていて、『ゼルダBotW』みたく「雑魚モンス、代わり映えしないな」と思ったことはなかったし、『Outer Wilds』や『サブノーティカ』をPS4Proでプレイしたときみたく強制シャットダウンに悩まされることはなかったよ。
・再三となるが、大傑作だと思う。
▼プレイヤー主導のコモン戦だけじゃなく、イベント戦でもカメラ位置おかしいのが怖い
・大傑作と思うのだが、それはそれとして本当にテストプレイしたのか不安になるレベルのしょうもない画面構成になるバトルシチュエーションがいくつかあった。
・プレイヤー都合で任意で起こって開始場所がコントロールできないコモン戦闘はしょうがないよ。
・でもクリエイター側で自由に設定できるはずのイベント戦で、何故こんな味方ポケモンはおろか自ポケモンさえロクに映らないような変な位置にしかカメラが置けないんだ?
・ひとつだけなら人間のすることなので、そういうこともあるだろうとあきらめはつく。でも、(ラスボスではないとはいえ)クライマックスで何戦にもわたってそんなありさまなのは、マジでどうなってるの……。
でも絶対に本当の本当にキメるべきところはキマってるし、キマってない部分も「プログラミングのせいで赤点である」みたいな酷さじゃない。プレイしないのはもったいない。
・センセーションやゴシップは印象に残るし広まってしまうから、バグ動画・バグ画像ばかりが拡散されてるけど、それで引かずプレイしてみて本当によかったと思う出来でした。
③・1127追記;むしジムにヒノヤコマで挑んで敵テラスタルのクソ強さを味わえる人はすごい
増田記事を読んだ。
前編「システムの実装やレベルデザイン的な管理などは雑だけど、それでもタイムリーな今日的テーマをいま発表したいがためにやむをえない犠牲だったのだろう」「雑に思える仕様のいくつかは、意図的なものなのかもしれない」
後編「今作が取り上げたテーマは生ぬるく、現実離れしていたよ」
……というような話なのかなぁと読んだけど、正しいかどうかわからない。
「ぼくの書いてる文章を他人が読んだら、このくらいふんわり流さざるを得ない部分があるんだろうなぁ」みたいなことを思いながら記事を閉じた。
前編の記事は「なるほどなー」と思うところもあったし、(分かりそうなところは)「そうっすよねー」と分かる所もあるし、論点はちがうけどzzz_zzzzも結論としてはそう思った部分もあります。
〔後述の検証のため改めて最初からプレイしてみて、ついでにポケセンの道案内をはじめて使って「たしかにポケセンの導線こわいな」と思ったし、さらに増田氏が言うように、それが「雑」というよりも、東に行こうと西に行こうとレベルいくつか飛ばしの格上へ進みたくなるような作りが意図されていそうだと思った。
{というか、「プレイヤーがどう進んでもいいように、近所に配された東西のジム2つと西側で一番ちかいヌシ1つは同じLv帯に設定されている感じなのかなぁ?」と思う}
むしジムクリアしたバッジ取得数1のひとが、むしジムのある町のポケセンで次に攻略するオススメ地域を聞くと、スター団ピーニャがボスをしている「あく」タイプのアジトを教えられるが、かれが連れているポケモンはLv.20~21で、それより弱いポケモンを連れているランドマークは、ほかに3つある。{ジムリーダーめぐりで1つ、ヌシめぐりで2つ}
あくアジトとむしジムリーダーとのlv差は6。
ぼく自身は、むしジム{ジムクリア後のライバル・ネモからの電話で「ペパーは今どうしてるかな?」とのセリフからペパーの主導するヌシ攻略へ行き}⇒岩崖ヌシ{ヌシまでの道は、くさジムへ向かう道だったので}⇒くさジム…とすすめていって、くさジムのすぐ近くにあるスター団メロコがボスをしている「ほのお」タイプのアジトが目につき、そこに挑んでLv.ミスマッチに遭遇した。
メロコはlv.26~27のモンスターを連れているボスで、それより弱いポケモンを連れているランドマークは、やっぱり他に3つある。{ジムリーダーめぐりで1つ、ヌシめぐりで1つ、スター団ボスでも1ついる)
ほのおアジトとくさジムとのLv差は10。むし⇒ヌシ⇒くさと行った初プレイ時は、手持ちポケモンはなんだかんだlv.20台前半くらいにまでは育ってた/育ててたから、「厳しいけど勝てないわけではない」という差で、実際勝ったけど。
(正確なメンバーは、キルリアLv.21、フワンテLv.22、ホゲータ進化形Lv.26、ヌパー進化形Lv.24、パモ進化形Lv.24、ミニーブ進化形Lv.25という構成。ほのお有利なランドマークが多かったからホゲータが育ってたけど、ほか御三家はそこまで育ってないだろう。
みず御三家クワッスはタイプ有利だから、Lv.が低くても案外ぼくより苦戦しないかもしれない。くさ御三家ニャオハのパーティがどうなるかは怪しいところだ)}
ちなみにくさジムをクリアした町のポケモンセンターで、次に進むべきランドマークとして紹介されるのはスター団「ほのお」アジト。よりlvがひくいうえに、「チャンピオンロード」つながりであるナンジャモ率いるでんきジムはオススメされない。
zzz_zzzzはつぎに大空のヌシ・あくアジトとめぐって、「各ルートそれぞれ同時進行ですすめたほうがよさそうな気がするな」となった。〕
ただ、『ポケモンSV』のシステム関係の実装は甘いもの(雑なもの)で、これをすべて何か「意味あるゲーム体験のための意図的な創意工夫である」とポジティブにとらえるのは難しい所があると思いました。
後編の記事については、こまかいニュアンスなど前編ありきの記事なのでリンクを張ってくれるとありがたかったけど、無くても読めるのでそうしなかった理由も分かる。
ただ、続編の記事で増田氏が「ない」と言う部分は、当該エピソードで重要な要素として扱われているもので、いまいち文意がつかめなかった。
また、前編の記事について、ヒノヤコマを連れてむしジムの敵「テラスタルのクソ強」さに驚く経験もまたよくわからなかった。後述するとおり、最低Lvのヒノヤコマで3タテ出来るし、ヒノヤコマをフル登板させる限り、テラスタイプ一致技をくらう機会は皆無と言ってよい珍事なので……。
ヒノヤコマがいりゃ むしジム完封できる
図鑑埋めに新顔野生ポケと一度きり戦い、道なりに見かけるトレーナーと戦うだけで、主力ポケモンはジムリーダーに挑む前にlv.14~6まで育つ
最弱のむしジムに向かうまでの道中をふりかえる。
ジムに辿り着くまでに不可避のイベント戦は5戦あり(主要3シナリオの一本のライバルネモ、モンスターボール使用チュートリアルの野生ポケモン、主要3シナリオの一本の相棒ペパー、主要3シナリオの一本の敵役スター団、スター団)、エリアに生息する野生ポケモンは36種くらい居て(進化系ふくむ。36まで粘るのはかなりアレだが、30くらいはべつに辛くはないと思う。単にバトル回数という観点でいえば、道中で目につくアイテムを拾ったりなんだりしてれば普通にこれくらいの戦闘機会は訪れると思う)、任意で戦えるうち道なりに進むと目につくポケモントレーナーは、計11人(南1番エリアで5人、南2番エリアで4人、むしジムテストで2人)。
これだけ戦ってれば、先頭でメインを張ったポケモンはlv.14~16ら辺になる。
▼そこからさらに3人ほどトレーナーと戦えばヤヤコマはヒノヤコマに進化する
ちょっと道をはずれたところにいるポケモントレーナーをもう1人か3人ほど倒す。するとヤヤコマ(ノーマル/ひこう)はlv.17になりヒノヤコマ(ほのお/ひこう)になる。
(ヤヤコマ⇒)ヒノヤコマがlv.17の時点で自力でおぼえるわざは、敵ポケモンの攻撃をよわめる「なきごえ」、「つつく」、どんな素早い相手にも先手がとれる「でんこうせっか」、相手の守備技をすり抜け攻撃できる「フェイント」、「ひのこ」、「じたばた」そして「ニトロチャージ」の7つ。うち4つを戦闘でつかうことができる。
「ニトロチャージ」はほのおタイプの威力50のぶつりわざで、自身もほのおタイプであるヒノヤコマが放てばタイプ一致で1.5倍ボーナスがかかり、さらにほのおを弱点とするむしポケモンに当たれば「効果はバツグン」でさらに2倍がかかって、威力は3倍の150となる。
ちなみに「宝探し」本編開始地点であるテーブルシティ~むしジムのあるセルクルタウンをつなぐ南2番エリアのポケモンセンターでは、5人のポケモントレーナーを倒すと褒章として「つばめがえし」(ひこうタイプで威力60のぶつりわざ。必ず当たる)の収録されたわざマシンが貰えたり。セルクルタウン近くの滝ちかくでは「エアカッター」(ひこうタイプで威力60のぶつりわざ。さらに1.5倍ダメージとなる「急所」に当りやすい)を収録したわざマシンがおかれていたりして。
これらのわざをひこうタイプのポケモンを覚えさせて、むしタイプのポケモンに放てばどちらも「ニトロチャージ」以上の威力となるが、リンク先の増田氏が手に入れてるか不明なので考えないことにする。
(「トレーナーと戦ってレベルを上げていた」増田氏が前者を取ってないとは考えづらいけど、まぁ省く)
ポケモンのステータスはおなじLvであっても、ポケモンそれぞれの性格や適性、バトルを積むと上がる努力値などによりバラつきがでるけど、今回ぼくが連れたヒノヤコマは物理攻撃力も物理防御力もプラマイ補正が入らない性格の子です。
▼ヒノヤコマlv.17がいれば相手むしテラスタルわざを食らうことなくむしジムを3タテ勝利できる
これでむしジムに挑んでみると、ジムリーダーの所持するポケモン3匹(マメバッタlv14、タマンチュラlv14、ヒメグマlv15)ともにヒノヤコマのほうがLv.は高いしすばやさも勝り、最初のむしポケモン2匹を「ニトロチャージ」でワンパンKOして、ノーダメで3匹目のヒメグマと戦うことになった。
ヒメグマは名前のとおりかわいい小熊のような見た目をしていて、その中身についてもそれまでの2匹と違い、むしタイプのポケモンではない。ノーマルタイプのポケモンですね。
だからヒノヤコマの攻撃は、どれも弱点を突きはしないけど効果がイマイチな悪手でもない、すべて「こうかあり」=わざ説明とおりの威力となってしまう。
「ヒメグマを出そうとしている」と分かった時点でノーマルタイプに効果バツグンである「かくとう」タイプのわざをもつポケモンへこちらも交代するという選択肢も見えてくるが(後述のとおり、本当に東だけ行ってあまりレベリングもしなかった場合、かくとうポケモンにもかくとうタイプのわざを持つポケモンにも出会わないし育たないので、その選択肢は取れない)、ヒノヤコマでそのまま戦う場合は、単純にいちばん火力が高い「ニトロチャージ」を放つことになるだろう(ヒメグマは1ターン最初でむしタイプにテラスタルするので、結果としてタイプ一致効果抜群わざとなり最高打点をだすこととなる)。
さすがはむしジムの最後の切り札ヒメグマ、バフがかかった威力150の「ニトロチャージ」をくらっても耐えてみせ、むしテラスタルの冠をかぶって反撃に出てくれる。
テラスタルとは戦闘中に一度だけつかえる特殊アイテムで、その光にあてられたポケモンはスワロフスキーのような鉱石的な装いとなり、本来のタイプとはまた別に設定されたテラスタイプへと変化する。
ポケモンのタイプとわざのタイプが一致すると威力が+0.5倍されると既に述べたけど、テラスタイプとわざのタイプが一致しても威力が0.5倍ぶんがプラスされ、そしてそれらは別々の勘定で加算される。
(テラスタル前のタイプとテラスタイプとが一致しているポケモンが、タイプ一致わざをつかえば、元の威力+0.5倍+0.5倍の2倍の威力になる)
むしジムリーダーの所有するこのヒメグマは、むしタイプの初期威力40(→連続ヒットで80→三連続ヒットで120)のぶつりわざ「れんぞくぎり」を覚えており、むしテラスタル状態でつかえば初回60の技となる。攻撃対象が「くさ」「エスパー」「あく」タイプという弱点属性であれば1.5倍に2倍をかさねて120もの大技となる。それが二度三度と当たっていくたびに更に倍になる。こわすぎる。
でもそうしてむしテラスタルの冠をひからせてヒメグマがヒノヤコマに放つのはむしタイプ技じゃなくてノーマルタイプのぶつりわざ「みだれひっかき」。テラスタル中ももとのタイプと一致するわざの威力は1.5倍されるから普通にこちらのわざも強いのですが、増田氏のように、「敵のテラスタル糞つよい」と思うことは正直ない。
氏の記事にはなにか語り落としがあるか、記憶違いがあるのではないか。
▼ノーマルに強そうな別ポケモンに替えた可能性は?
ノーマルのタイプ有利を取れるポケモンへ交代したのだろうか? ノーマルに「効果バツグン」となるのはかくとうタイプだが、実はむしジムに行くまでで捕れるポケモンの36種程度のなかには、かくとうタイプのポケモンも居なければ、かくとうタイプのわざを、Lv.17あたりまでで自力習得するポケモンさえ居ない。(わざマシンマシンで「けたぐり」を作れるくらい)
{Lv.18まで含めれば、パモの進化形のパモット(でんき/かくとう)のつっぱり(威力15*2~5回のぶつりわざ)がある。増田氏が行った言のない、東のヌシ側――南3番エリアには、かくとうポケモン・マクノシタがいる}
そして仮に交代できたところで、かくとうタイプのポケモンはむしタイプのわざは1/2軽減なので、むしテラスタイプわざは1.5倍*1/2で0.75倍威力となり、けっして「クソ強い」とは感じないはず。
むしタイプが弱点となる、くさ・エスパー・あくタイプのポケモンは居る。「御三家」ニャオハ、ヒマナッツ、ミニーブ、ラルトス、オラチフの4種。(そちらとは正反対の東のヌシ側――南3番エリアまで含めると、バネブーも視野にはいる)
「最後の敵だし、こっちも大将を出して〆ておくか」とニャオハに替えるパターンは割とありそう。
図鑑埋める・道で目につくポケモントレーナーと戦う以上のレベリングをせずヤヤコマで挑むとたのしい
さてヒノヤコマで挑むと楽勝だったむしジムなんだけど、lv.15のヤヤコマで挑むとまったく様相が変わってくる。
ヤヤコマはジムリーダーのむしポケモン1匹目・2匹目ともにほぼ2発あてて/1発ずつもらって倒して進み、lvを16に上げたうえで体力を5~6割のこした状態(具体的には最大HP44のうち25,6)で最後の3匹目ヒメグマ(本来はノーマルタイプだが、むしへとテラスタルする)と戦う。
ヤヤコマは1~3ターンがんばって倒れる。
ヒメグマから最初にくりだされる一回でランダム2~5連撃する「みだれひっかき」1発で沈んだり、それを耐えたとしてもその後のむしテラスタル「れんぞくぎり」1~2発で倒れることとなる。進化まえのヤヤコマの時点でヒメグマよりもすばやさに勝るので、倒れるまでのあいだに1~3回攻撃できる。
{「みだれひっかき」は、一発の基本値がノーマル・威力18命中率80のぶつりわざで、タイプ一致により1.5倍=27。80%の確率をすり抜けたあとの2~5回ヒットのこのわざの、各ヒットの確率分布は2~3回目が35%ずつ・4~5回目が15%ずつ。期待値は[{54*0.35+81*0.35+108*0.15+135*0.15}*0.8]=67。(ただ内部計算まで調べない自分としては、ゲーム中は等確率で出ると考えて[{54*0.25+81*0.25+108*0.25+135*0.25+135*0.25}*0.8]=103くらいに見積もってしまうかな)
ヒメグマの「みだれひっかき」は、4発以上当てればHP26のヤヤコマを削りきるから、ヤヤコマは24%くらいの確率でこのわざにより倒される。
「れんぞくぎり」は、むし・威力40のぶつりわざで、当たるたびに威力が倍となり、最大160まで膨れ上がる。むしテラスタル状態のヒメグマが放つとテラスタイプ一致で1.5倍され初回60の技となり、連続であてれば120、三連続で240(でいいのかな?)}
この1~3回をどのように使うか?
まず、最高打点を叩き出して相手を倒す・より多く削るというのがひとつの道としてあると思う。
ヤヤコマの覚えるわざのうち、「つつく」がひこう・威力35のわざ(タイプ一致1.5倍で47)で、「でんこうせっか」がノーマル・威力40のわざ(タイプ一致1.5倍で60)。「ひのこ」がほのお・威力40のわざとなる。
ダメージ至上主義のトレーナーは、最初のターンでいちばん高威力である「でんこうせっか」で殴るだろうけど(殴った結果、むしとなったヒメグマには60でしか刺さらず)、その後はちょっと考えてしまうところだ。
こちらのタイプ一致技であり、むしタイプとなった相手の弱点である「つつく」(むしの弱点だから威力はさらに2倍されて94)の印象が大きいけれど、タイプ不一致「ひのこ」もまた弱点を突ける(威力2倍で80)し後述する副次効果もあって存在感を増すが、こちらの体力の減り具合によっては「じたばた」も見えてくる。
「じたばた」は残り体力によって威力が変化するノーマルわざで、7割くらい残ってるときは20(タイプ一致で30)だけど、6割以下になれば40(タイプ一致で60)、35%以下になれば80(タイプ一致で120)、20%以下で100(タイプ一致で150)、10%以下で150(タイプ一致で225)、4%以下で200(タイプ一致で300)となる。
体力次第では「じたばた」が有力手になり、じっさい運が良ければヤヤコマだけで倒せたりするのだ。どのくらいの割合残っているのか、計算するのが楽しくなってくる。
ただ、ただ打点の高い技を放てばそれでいいか? と悩んでみるのもまた面白い。
威力としては永遠の3番手である「ひのこ」だが、このわざは10%の確率で状態異常「やけど」をたまに引き起こす。
やけど状態となったポケモンは、最大HPの1/16のダメージを毎ターン負い、さらには相手へ繰り出すぶつりわざのダメージが1/2まで半減されてしまう。非常にこわい状態異常だ。
さて、さっきまでは最高打点を出すことを考えていったけど、もしヤヤコマで倒しきれなかったときどうなるだろう?
『ポケモン』には最初の最初にもらえる「御三家」と呼ばれるステータス的にすぐれた相棒ポケモンがおり、その子を差し置いてヤヤコマが経験値を多く稼げる先頭バッターとなりlvがいちばん高いということはあまり無いだろうけど、仮にヤヤコマがパーティのエースだった場合、他のポケモンはLv.10~14あたりとなる。
その程度のLvのモンスターだと、「れんぞくぎり」が増田氏の言うようにまじでクソ怖い。
ヤヤコマ以外のパーティをLv.12ウパー、lv.12コダック、Lv.10タマンチュラ、くさタイプの「御三家」Lv.14ニャオハ、Lv.12グルトンで挑んだところ、むしタイプの攻撃を1/2にするじめんタイプのLv.12ウパーが1・2回反撃できるかどうかという感じで、他は1撃で沈んでしまう。一撃でやられてしまうモンスターのなかではコダックが素早さに勝って一度こうげきできるくらい。
(まぁでも、「むしテラスタル」がクソ強いのか、タイプ一致「れんぞくぎり」がクソ強いのかと言ったら後者だけど、まぁ、まぁ、そんな何から何まで否定するのもですね……)
ウパーとコダックの3度の攻撃で削りきれる体力になっているだろうか?
(ヤヤコマの「つつく」でこれだけ削れて、威力が94だから……えーと……ウパーの「ポイズンテール」が威力50で2回放てて同じくらい削れるはずで、コダックの「みずのはどう」が60で、あっでもどちらもタイプ一致だからもっと多く削ってくれる見込みで見ていいか?……)
もしそうじゃないなら、やけどしてくれることを願って「ひのこ」を放ち、後続の被弾をへらす援護をしたほうがいいんじゃないか?
……そういう考えも妥当性があるだろう。
どちらを取るか、そしてさらに最初のプランを押し通すのかそれとも舵を切り直すかなどでこまかく揺らいだりするのはとても楽しい。
増田氏はまっすぐ西のジムに行かず、最初に東のヌシ側に行ってね?
増田氏のプレイ感想にはほかにも気になるところがあって、「無難に西ルートへ行った」旨の言があるけど、じっさいには東のヌシ側に行ってませんか? ってこと。
フキダシが黒い・強敵トレーナーは多分だけど西のむしジムへ向かう道中にはいないのでは。
東のヌシ側、南3番エリアであれば、結構すぐ近所にいるんですね。
南3番エリアのポケモンステーションから遠方・くさジムの建つボウルタウン方向へ道なりにすすんだ先にいる最初のトレーナーとして、「強いボクと 勝負を!▶」と黒いフキダシで呼びかけてくるトレーナー「ビジネスマンの ヒロハル」がいる。
周囲の野生ポケモンがLv.10のなか、このトレーナーが連れているのはLv.17のプリンと、Lv.17のメェークル。ヒロハルのポケモンはLv.が高いだけでなく、戦闘中にターン消費せず自動使用される「もちもの」を備えていて、そこも手ごわい。
ちなみに、ヒロハルの先につづく道はかわらず南3番エリアで、しばらくガケガニなど新顔ながらLv.自体は11~14台の野生モンスターが出る。かれの手持ちであったメェークルもLv.14などの野生の姿で拝めた。
{ヒロハルのさらに奥にいるトレーナーの少年もLv.12のヒマナッツとウソハチ、げいじゅつかのマナミもLv.12のビビヨンと西門周辺と同じくよわい。道なりに進んでいけばもう少しLv.が上がるけど、その先の町ボウルタウンのくさジムリーダーの手持ちポケモンがLv.17(むしジムより1高いだけ)だから推して知るべし。
ただ、ヒロハルから南東へ数歩はなれた南5番エリアに入ると野生ポケモンのぐんと強くなり、Lv.16のメェークルやポケモン捕獲のチュートリアルモンスターであったグルトンやらがLv.18ら辺となった姿、Lv.20の新顔スカンプーとかが混在する。
「そのあとはポケモンセンターに目的地を聞きながら進んでいったのだが、野菜のポケモンが想像よりもすごいスピードで強くなっていく。2つ目のジムテストを受けた段階で順番が違うと悟った。」というお話は、「段違いにつよいモンスターの生息域が境なしにぬるっとつながってることにより、そうと知らないまま迷い込んで"その外れ値的強さがつぎのステージの標準だ"と勘違いしてそこで適応すべくめっちゃレベルを上げてしまったので、そのさきのジムの弱さに拍子抜けした」というお話なのかなぁと思う}
そうであれば『ポケモンSV』は、増田氏(とかあるいはぼくとか)が思ってる以上に、そうと感じさせずに寄り道ふらつきをさせてくれるゲームだし、レベリングも(ぼくなんかも「それなりにする必要はあるなぁ」と思ったし「でも面倒くさくはないな」とも思ったけど、)思った以上に勝手にさせてくれる作品なのかもしれないな~なんて風なことも思ったり。
ぼくも記憶を頼りにして実際どうだったか裏取りなどせず適当に書いてしまうんですけど、この辺を適当にしちゃうと、けっきょく(ちゃんと話したい)本題についても「はたしてどこまで素直に聞くべきか?」なんて身構えなくていい身構えを発生させてノイズになっちゃうのかもしれないなぁと思いました。
気をつけたい(でも面倒くさい)。
{はたしてそれっぽいことを言って煙にまこうとしてるのか?(増田氏がそんな人には思えないけど……) それとも本心から言ってるけど雑なだけなのか? みたいな疑念が生じ、払わなくていい見極めコストを払わねばならなくなるというか……}
***
あとゲームとどんどん関係なくなっていく話題ですが、最近の日記について、「だ・である」体むずかしい……ってなりました。
普段つかってないから、すげえ浮いてしまうのだ。
バカボンとかハム太郎ならまだマシで、ニコニコ大百科や解説・考察動画でたまに見かけたり、高橋ヒロシ『クローズ』シリーズの「地の文」に感じたりするような難しさが沸いてしまうのである。
(「だ・である」というより、「のだ・のである」が悪さをしている気がするけど、なんだかわかりません)
「他人さまのことを意識した文章を、私的なブログで書く必要はあるのか?
もっと嘘偽りない自分の感想やらを書いたほうがいいのでは?」
みたいな話はほうぼうで聞こえ、ぼくじしん最近どこかのなにかでまた耳にして「たしかに~!」と思い、あと単純にMPが無くていろいろ取り繕うのは面倒くさいので(笑)、「です・ます」調じゃない、メモ帳からそのままコピペするような感じでプレイ日記を残したんですけど、これはこれで自分から離れているんではないか? なんて思ったり。
④1129;渡邉『なぜ『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は「オープンワールドRPGとして評価できない」のか?』
IGNに掲載された渡邉卓也さんの記事を読んだ。
「『ポケモンSV』はオープンワールドRPGとして出来が悪い」と評価する記事みたいなんだけど、具体的な記述を見ていくと、それを通りこして渡邉記事は「従来式RPGの水準にさえ至らない」と言っているようにしか読めない。
ネガティブな面を述べるレビューは大事だと思うけど、10点中7点のゲームについてのお話とは全く思えないものを、文春、東洋経済、IGNと複数メディアで延々するのはすごいことだと思う。
冒頭でネモが紹介する景観のひどさをはじめとしたプログラミング面での実装の雑さについては、ぼくもこのプレイ所感で書いた通り「そっすよねぇ」という感じですし、この記事のいうとおり、土地・町の作りこみやサブクエストについてはたしかに寂しい面もあるんですが{複数冊テキストが用意されているけど置き場自体は数刊ずつまとめてある『オーカルチャー』とか、続き物っぽいけどぼくが読んだのは一巻こっきりである『カルボウの冒険』(だっけ?)とか、なんか各地にもっと点在していて良いものなのでは? という感じがしなくもない。
(ただ、『ポケモンSV』の情報提示の体系は「学校にお役立ち情報がだいたい集約されていて、各地に実体がある/知識を生かせる」……というかたちとして読めなくもなくて、これはこれで一つのまとめかただと思う)}、「そこまで言われるほどひどくない」とぼくは思う。
渡邉氏の評価にはいくつか語り落としがあるし、記事内で論旨が矛盾してると思う部分もある。
「ポケモンS・V」はほかのオープンワールド作品と異なり、レベル変動性ではない。出てくるポケモンのレベルは固定されているのだ。
たとえばこの、地域によって固定された敵ステータス(Lv.)の高低が、実質一本道にしているという話題について。
なお、特定地域のポケモントレーナーすべてを倒すと特別な報酬が得られたりするが、何が得られるか提示されないのでやる気を起こしづらい(おまけに有用なものは一部だけだったりする)。そもそも、そこにいるポケモントレーナーが強いのか弱いのかもよくわからないので挑むのも手間である。レベル変動性であれば、常にちょうどいい相手と戦えるのだが。
渡邉氏は、その後の文章で敵シンボルのひとつであるポケモントレーナーについて「強いのか弱いのかもよくわからない(ので挑むのも手間)」とこのように言うのだけど……片や敵の固定された強弱について文句を言い、片や敵の強弱不明性について言うこの論旨について、書いてる本人やこの記事を読んだだろう編集さんは、おかしいと思わなかったんだろうか?
道具がなんとなく落ちているのも探索の動機を弱めてしまう。本作では「キズぐすり」など店で買えるものが落ちているケースが大半なのだが、これではプレイヤーの収集欲をあまり掻き立てない。
そして、このフィールドに落ちている道具やわざマシンの話題もおかしい。
たとえばむしタイプのポケモンを有するむしジムがあるセルクルタウン。
この周辺のフィールドに落ちているのは、(記事上でも言ったけど)「エアカッター」の収録されたわざマシンであり、イントロダクションシークエンス終了後の本編出発地点~セルクルタウン間をつなぐポケモンステーションで、ポケモントレーナーを特定人数(※全員ではない)倒すと褒章として与えられるのは、「つばめがえし」の収録されたわざマシンだ。
これらはむしタイプのポケモンの弱点となる「ひこう」タイプのわざで、これらのわざの基礎威力60は、周辺で圧倒的多数見かけるひこうタイプのポケモン・ヤヤコマがジムポケモンと同Lv15までで覚える「ひこう」タイプのわざ(「つつく」威力35)よりも倍近く強い。
そのほかくさジムまでの道のりで見かけるひこうタイプポケモンは、鳥ではないハネッコ(くさ/ひこう。ひこうわざの習得はlv24の「アクロバット」までなし)、ミツハニー(むし/ひこう。威力40のかぜおこし習得)がたぶん次点となり。
ちゃんとした鳥ポケモンとしてはムックル(ノーマル/ひこう。南2番エリア。そんな見かけない。lv9で威力60「つばさでうつ」習得)、オドリドリ(でんき/ひこう。南1番エリア棲息。あまり見かけない。Lv13で「エアカッター」を習得)、ヤミカラス(南1~2番エリアでも出るらしいが、むしジムとは反対・東の南3番エリアのほうがよく見かける。Lv15で威力60「つばさでうつ」を習得)、ココガラ(南1番エリアでも出るらしいが、むしジムとは反対・東の南3番エリアのほうがよく見かける。Lv16で威力60「ついばむ」を習得)などがいて、前者3羽はLv15までに威力60のひこうわざを覚えるけど、これらは遭遇率がちょっと~相当ひくいと思う。
あるいは、スター団「ほのお」タイプのボスのアジト近くの野には、みずタイプのわざのダメージを上げ・ほのおタイプのわざのダメージを数ターン半減させる天候変化わざ「あまごい」を収録したわざマシンが落ちている。
「あまごい」のような天候変化わざは、先述のむしジムに対するヒノヤコマのような同Lv.ないし格下相手に、先手を取ったうえで効果バツグンわざを放って1・2撃でたおせてしまうような対決では、あまり恩恵が感じられないかもしれない。
けれど、「ほのお」ボスのように、ふつうのポケモンよりも体力がはるかに多く、素早さをどんどん上げていく(味方ポケモンの被弾が避けられない)能力をもち、そしてさらには「ひでり」というほのおタイプのわざのダメージを増し・みずタイプのわざのダメージを半減させる天候変化特性をもったモンスターがいさえする構成の戦場では、かなり大きな効果を発揮する。
クリアするだけならわざマシンは大して必要ないし、そもそも有用なわざマシンはごく一部。だいたいはクリアしたあと攻略情報を見つつ、通信対戦で必要なものだけ集めればよいのが現実だ。
これらのわざマシンは、そのジム攻略時点だと、落ちているものやトレーナー複勝報酬品以外には手に入らず、「ポケモンの素材」を集めてどうにかなるものではない。
渡邉氏のこの記事では、片や『ゼルダの伝説BotW』のオープンワールド性の活かされた武器取得システムが褒められ、片や『ポケモンSV』の「なんとなく」置かれたアイテム配置による探索のつまらなさが語られるわけなんだけど……
……くだんの作品のアイテム配置などをふりかえってみて、その妙を「(おまけに有用なものは一部だけだったりする)」の一言で雑におわらせてしまうこの記事から読めるのは、渡邉氏が「ほとんど一本道に近い」世界でも探索しきれず『ポケモンSV』のゲーム性を持て余し「"レベルの高いポケモンで強い技を打つ"だけ」のゲームとしてしか遊べなかったということなのではないか? と思う。
というかね、『ポケットモンスター』でいちばんバリエーションがある要素って何かといえば、フィールドに生息するポケモンなわけじゃないですか。
そもそもタイプ相性さえ一覧表が明示されないなか、スタート地点~むしジム間で30種類以上のポケモンを手に入れられる状況で(確率はそうとう低いけどつまり、ひとによってはむしの弱点をつけるひこうタイプもほのおタイプもいわタイプも一頭だって入れていない……という可能性も無くはないシチュエーションで)、むしジム事務所内に挑もうとしているモブトレーナーの連れているポケモンを見てみるとヤヤコマ(ひこうタイプのポケモン)である……という様子について、なにも触れないこの記事とはいったい何なのか?
既存のオープンワールドの限界点・問題点に非言及・無批判な渡邉評
この記事やこのひとが語るオープンワールドってなんなの? と反感を抱いた。
スター団のアジトが正面からしか入れないことを批判しながら、『ゼルダの伝説ブレス・オブ・ザ・ワイルド』だって同じ問題をかかえていることは言及しない。
『ゼルダBotW』も、たとえば神獣へは特定の攻略イベントをクリアしないと入れなかったり、イーガ団アジトは、登攀能力さえあれば頂上の広間に別角度から辿りつけるにもかかわらず「順路」でイベントフラグを立てていないとただだだっ広い広場があるだけであったり……
……とたいがい、裏口がない一本道なんだけど、この記事が言う「良いオープンワールドゲーム」って、いったい何なんだろう?
「オープンワールドなのにターン制バトルだ」という旨で批判する一方、『スカイリム』などを由とするこの記事が言う「良いオープンワールドゲーム」の時間の流れかたとは、いったい何なんだろう?
リアルタイム性を気にしだすのであれば、アレックス・ビーチャム氏らのように戦闘など局所だけリアルタイムである「なんちゃって」性(=もっとおおきな世界の時間は結局、プレイヤーのアクション待ちでフラグ管理された、物語的段階で推移するスクリプト・イベント形式であること。そしてさらにはどれからイベントをクリアしようが各イベント内容に変化のない、それぞれが独立した事象であったりする無時間的世界であること)について論難するのが自然だし。
上述の問題を克服すべく『Outer Wilds』が実作されたりしている以上、そちらにまで話を広げるべきなのではないか。
時間にもとづいた表現形式(メディウム)であるにもかかわらず、時間経過によって不可逆的に変化していく世界をフィーチャーしたゲームは比較的すくないです。特に、多くのオープンワールド・ゲームは、望むかぎり長時間ずっと自由に冒険できることがこのジャンルの魅力の大部分です。 オープンワールド・ゲーム『スカイリム』では、大地がドラゴンから襲撃に遭っているさなかでさえ、たとえプレイヤーが世界を救うことよりも山を登攀したり錬金術の薬を集めたりすることを優先したところで何も悪いことは起こりません。 プレイヤーの入力をはっきり待ってくれるようゲーム世界をデザインすると、数ある不快だったり管理困難だったりするシチュエーションを回避できますし(e.g.もし時間内にプレイヤーが世界を救うことに失敗したら、ゲームが単純にエンディングを迎えないとか)、結果、プレイヤーを中心として回るなかなか(fairly)安定した世界となる傾向にあります。
Despite being a time-based medium, relatively few games feature worlds that are irreversibly changed by the passage of time. This is especially true of many openworld games, where being allowed to freely explore for as long as desired is a large part of their appeal. Even though the openworld game Skyrim takes place in a land under attack by dragons, nothing bad happens if players choose to put saving the world on hold to climb a mountain or collect potion ingredients. While designing a world that clearly waits on player input sidesteps many undesirable and difficult-to-manage situations (e.g., the game does not simply end if players fail to save the world in time), it tends to result in a fairly stable world that necessarily revolves around the player.
「『ゼルダの伝説BotW』では、プレイヤーの進行状況に合わせて敵が強くなります!」
……で?
ゲームの進行度にあわせた敵の強化というかたちで「劇中世界で確実に時間が経過していること」を描写したこの作品は、そのほかの「時間の問題」とされることも連動的に分岐変化がおきますか? ――たとえば決壊寸前のゾーラのダムは、神殿攻略を最後へ後回しにしたら決壊し始めるなどしましたか? 神獣が周遊路に入らないか心配しているゲルドの町は、後回しにしたらその心配が現実になったりしましたか?
ないでしょ!!
あるいははてな匿名ダイアリーのとあるゲーマー氏が傑作オープンワールドゲーとして『サブノーティカ』はどうですか。サンビーム号のくだりのように時間制限制イベントがあるいっぽうで、ほかのものは――しかもクリアにかかわるくらい大事な「時限であるほうが自然だろう」ものはどうでしたか?
永遠に探索つづけてもひどい事態にはならないっすよね。
『ポケモンSV』のかりそめのオープンワールド性を指摘し、その保守性を非難しているはずのこの記事は、けっきょく『ゼルダの伝説BotW』や『スカイリム』を肯定することで、いわゆるところの「オープンワールド」自体の限界については無批判であるという、めぐりめぐった旧態依然・現状肯定記事となっている。
既存のオープンワールド/高スペックゲー・過去のポケモンゲーと比べてさえ窮屈なのに、不満をわかせない『ポケモンSV』の「できることの提示」のうまさ
むしろ『ポケモンSV』のほうがそのへんの矛盾がなくて、ぼくにはよっぽど自然に思える。
『ポケモンSV』は、「できること・できないことの提示」が抜群にうまい。
ポケモンがアクションを起こせる局面を、戦闘とピクニック・散歩でのふれあいという局所に限定し、冒険に関わる拡張要素をコライドン/ミライドンという他ポケモンと一線を画した例外的立ち位置の伝説ポケモンに集約したのは今作の発明だとぼくは思う。
初代の『赤・緑』時代から、ポケモンと(戦闘と無関係な・フィールド上で活かせる)冒険能力とを結びつける要素があったわけですよね。
ポケモンジムを制することで貰えるひでんマシン。それによって覚えられる特別な「ひでんわざ」を非戦闘時に駆使することによって、プレイヤーはポケモンに邪魔な木を刈ってもらったり、巨大な岩を動かしてもらったり、空を飛んで各地を瞬時に旅できるようになったり、波に乗って水面を進めるようになったり……
……ポケモンがその世界にいるとしたら、その能力やわざはポケモンバトルという限定的な状況で発せられるものではなくて、さまざまなかたちで活用されるのではないか? というイマジネーションに対する答え(の一端)を、実際に・リアルタイムで拝めるようになる。
ただし冒険を豊かにするこの「ひでんわざ」は、4つしかわざを覚えられないポケモンの脳を圧迫してしまって、ポケモンバトルにとってストレスである……
……ということで、「ひでんわざ」は、ほかの「通常わざ」と同じく忘れられるようになったりなんだりというマイナーチェンジをし、さらにはライドポケモンの登場によって「ひでんわざ」を覚える必要がないかたちへと変化していったんでしょうけど、そこでひとつの疑問がうかぶ。
「なるほど、わざとして覚えさせなくてもこれだけ色々自由にできるんですね。
じゃあトレーナーはポケモンにもっと自由にいろいろ創発的に出来ていい(し、そういう姿が非戦闘時にいろいろ拝めてよい)ですよね?」
たとえばもちものを投げて攻撃したりポケモン自体を投げて攻撃したりするのが「わざ」として「有り」なのであれば、その目の前にある背景のトラクターを投げつけたりすればもっと強いのではないか?
たとえば「あまごい」を使えたり「あめふらし」などのとくせいを持つポケモンは農村や乾燥地帯で尊ばれたり、逆に人里はなれた僻地へ迫害されたりするのではないか?
わざと異なる形でさまざまなことを仕込めるというのであれば、それらを仕込もうと試行錯誤しているひとであるとか過程であるとか、ノウハウやら機関やらを蓄えた時空間がどこかになければおかしいのではないか?
……そういう妄想は、『ポケモン』の対応ゲームハードのスペックが上がるたびに・解像度が高精細かつリアルに近づくたびに膨らんでいくもので、そうした想像に対して『ポケモン』側もある程度こたえてきたらしい。
たとえば白黒ドットのゲームボーイ時代の初代『ポケモン赤緑』であれば住民のセリフや図鑑説明などで文字情報のみによって描かれるだけでも満足できた「ポケモンの生態」とか「文明のなかでポケモンがどうなじんでいるか」といったようすは、ニンテンドーDS用ゲーム『ポケモンDP』ともなれば炭鉱にいるかくとうポケモン・ワンリキーがただ立ちんぼせず、石炭を胸にかかえた実景(専用グラフィック)が拝めるようになります。
『パル・ワールド』トレイラーが注目をあつめたのは、ポケモンのパチモンぶりによるものではなく、高精細な解像度のハイスペックな現代のゲームの世界でポケモン的生物がいるのであれば出来てほしいことを叶えてくれているからという面も絶対あるでしょう。
ビジュアル等をバカ正直に写実化すると「現実であればこうやったりするのではないか?」って想像力の刺激はさけられない。
トゥーン調であったり水墨画調であったりする(、ある種の虚構性を強調しているという意味で)アーティスティックな舵取りを、『ポケモンSV』は、(水墨画的なかじ取りをした『ポケモンLEGENDS アルセウス』とちがって)バカ正直なビジュアルのディテール上昇路線で、にも拘らず、上のような疑問はプレイしているとあまり湧かない。
たとえば「オリーブ収穫のさいには手伝ってもらってるんだ」と述べる『ポケモンSV』首都近郊セルクル・タウンで農夫の横のヘラクロスはその場で立ちんぼしているだけで、書き込みという観点では過去作『DP』炭鉱のワンリキーのほうが遥かに活き活きした姿なんですよ。でも意外なことに、プレイしている最中はとくに気にならない。
なぜか?
うえでもチラッと言ったとおり汎用ポケモンがいろいろな行動をとれるのは戦闘と愛玩(ピクニック・さんぽ)だけに限られているからです。
フィールド上(生活圏)にポケモンが見えても、立ちんぼしているだけというかたちで統一されているから、そういう期待をしない。
「え、最下端に合わせることで凸凹を均すってことですか?
それによって過去作よりも簡素になってさえいる? なんか、志のひくい実装じゃないっすか?」
そういう疑問は擁護派のぼくですら湧きますが、でも、さきほどオープンワールドゲーの限界に触れたとおり、どんだけ頑張っても限界はあるので、こういう整え方はアリだと思いもします。
もっとも、これまた既に述べたとおり戦闘やピクニック以外の場でいろいろ活躍するポケモンとして、コライドン/ミライドンという例外が『SV』にはいて。そしてそのコライドン/ミライドンは「宝探し」をすすめることで、跨がって乗れる以外にも水面を渡ったり空を飛んだり断崖絶壁を登れたり……とさまざまなことがやれるようになっていくわけですが。
でも、そうやってコライドン/ミライドンの能力がふえていっても「じゃあこれができるならあれは出来ないのか?」みたいな不満はやっぱり生じませんでした。
コライドン/ミライドンの拡張能力って、「成長によって新たに覚えたり編み出したりしたこと」ではなくて、「ゲーム開始時は喪われていたけど復調して再度できるようになったこと」なんですよね。
無限定に可能性をひろげていくものではない。この塩梅がうまい。
「優れたほかのオープンワールドゲーム」どころか『ポケモン』過去作よりもあきらかにできることの少ないせせこまとしたシステムなのに、不満も不自由さもいだかない……そんな『ポケモンSV』の不思議についてこそ語るべきだとぼくは思う(ので語った)。
⑤1205;DS版『ポケモンDP』を3DSLLで始めた
ネガティブな意味で『赤緑』の記憶が蘇る、イメージ通りの『ポケモン』。それに重さが加わって最強である
前掲渡邉評では、Metacriticを引き合いにして、『ポケモンSV』がシリーズ他作と比べて低評かを述べていました。
これまた先述したとおりzzz_zzzzとしてはそこまでうなづけるところの多くないレビューだったのですが、『ポケモンSV』でポケモンの悪いイメージを覆された自分としては、
「まぁでもたしかに、これだけ低評価なのは"過去作に対して今作は……"という比較もあっただろうな。
渡邉氏が指摘した点は他者からも聞くし、別口からも図鑑の使いづらさなど、"前作でできていたことがなぜ今作でできていないのか?"という声を聞いた。実際やってみないことにはなぁ」
と思いました。
ということで、ニンテンドー3DSLLで出来るシリーズ過去作をすべて手に入れ、DSソフト『ポケットモンスター ダイヤモンド』から発表順にプレイすることにしました。
入退室で各3秒、操作不可能時間が生まれるよ
伝説のポケモンに乗って高速で移動しているはずなのに、水中にいるかのように思うように動けない。筆者が体験した限りでは、むしろこういう状況にならないときのほうが珍しいような状況で、ストレスになるのも当然である。
『ポケモンSV』ってたしかにちょこちょこ重いんですが、でも「ずっと重いな」と思う経験ってzzz_zzzzにはほとんど無いんですよ。それだけ厳しさを感じたのは、ユニオンサークルで他プレイヤーが近所にいるときくらいなものでした。
でも『ポケモンDP』はちがいますよ!
仕様として間をゆったり取るゲームなんですよ。『ポケモンSV』とちがって町にある家や建物はみんな入れて、そのなかにいる人としゃべれます。
クロガネシティジムの手持ちポケモンが何タイプかなども、町の人々と会話することで察せられ、ゲームシステム的にも有益だし。
『DP』クロガネ炭鉱で、石炭をはこぶワンリキーが実景としておがめるところは、オリーブ収穫のシーズンになればその運搬仕事の助けとなるらしいが実景として拝めるのはトラックの前にヘラクロスがつっ立っているだけ……という『SV』セルクルシティより面白い。
でも建物やらなにやらに「入りたいか?」っていうと、そこまで入りたくない。なぜって入退室でそれぞれ3秒操作不能時間がうまれるから。
建物のドアのまえで十字ボタンの↑を押す。すると……
……この3行程が自動で行われ、3秒かかるんですね。階段昇降も同様。
金策がかぎられ、落ちているアイテムもしけているから、経験値かせぎのさいにはポケモンセンターを利用するしかないわけですが、ポケモンセンターは建物内にある。
だから「回復して再戦しよう」とプレイヤーが思ったら……
……とわりかし長い中断をはさまなきゃならなくなる。
戦闘も、わざを選択してから1ターン終わるまでに10秒かかって、戦闘アニメ飛ばす「せってい」にしても8秒くらいで大差ない。
乏しい生息種とタイプ一致わざ
そして経験値かせぎもかなり面倒くさい。
最初のジムバッジがあるクロガネシティまでで見かけた野生のポケモンは11種類。内訳をこまかく書くと……
ビッパ(ノーマル)
ムックル(ノーマル/ひこう)
コリンク(でんき)
スボミー(くさ/どく)
コロボーシ(むし)
コイキング(みず)
ケーシイ(エスパー)
イシツブテ(いわ/じめん)
ズバット(どく/ひこう)
ワンリキー(かくとう)
イワーク(いわ/じめん)
……の11種類。これらの野生ポケモンのほか、ほのおorくさorみずのいわゆる御三家ポケモンが一匹、相棒として手持ちに加わります。
最弱のクロガネシティジム・ジムリーダーの手持ちポケモンのなかで最高Lv.は14。
このLv.までにタイプ一致わざをおぼえる野生ポケモンは、ムックル(Lv.9でひこうタイプで威力60の「つばさでうつ」)、スボミー(くさタイプで威力20の「すいとる」、Lv.13で40の「メガドレイン」)、コロボーシ(の進化後コロトックが、Lv.10でむしタイプで威力10の「れんぞくぎり」、Lv.14で20の「きゅうけつ」)、ワンリキー(かくとうタイプの「けたぐり」、Lv.10で威力50の「からてチョップ」)、イシツブテ(Lv.11でいわタイプで威力50の「いわおとし」)、イワーク(Lv.9でいわタイプで威力50の「いわおとし」)。
また、道中で手に入るひでんマシン収録の「いわくだき」(かくとうタイプで威力40のぶつりわざ)をビッパ、ワンリキー、イシツブテ、イワークが覚えられます。
(……が、ひでんわざは一度覚えさせてしまうと、特定の地域の特定の人物と出会うまでは忘れることができない。4つしかないわざスロットのうち1つをつぶしてしまっていいものかは悩みどころだ)
最近のシリーズとは違って、手持ちだけど戦闘中モンスターボールから出なかったポケモンは経験値をもらえないし、ポケモンを捕まえて終わった戦闘でも経験値がもらえません。
かくとうわざやひこうわざを覚えるかたがたはそれで戦えばよいでしょうし、くさわざ(威力はそこまで高くないが……)やむしわざ(威力はぜんぜん高くないが……)を覚えるかたがたも一応それで戦えばよさそうですが、『ポケモンDP』は非シンボルのランダムエンカウントだから(弱点をつける)目当てのポケモン以外もばんばん出ます。
捕まえてから(数Lv.あがるまでの)十数戦・数十戦は、ノーマルタイプの初期わざ「たいあたり」やタイプ不一致だし相手の弱点を突けるわけでもないわざをひたすらぶつけていかなきゃならない。
ひこうわざで楽々たおせるスボミーも、とくせい「どくのとげ」によって幾らかの確率で状態異常「どく」を引き起こし、「どく」となった手持ちポケモンは継戦をほぼ不可能となるし。(「どくなおし」を使うには、所持金が限られていてもったいない)
いわわざ(に加え、でんきわざも弱点だけど、でんきタイプのポケモンであるコリンクは実質Lv.18にならないと*7でんきわざを覚えないので、実質「いわ」わざ以外このLv.帯で有効打のない)が弱点のズバットは、「ちょうおんぱ」で状態異常「こんらん」を引き起こす。め、めんどくさい……!
ナエトルLv.14、ビッパLv.9、ムックルLv.11、コリンクLv.12、イシツブテLv.7、コイキングLv.11によりクロガネシティジムをクリアするまでに、ぼくは5時間14分かかりました。
『ポケモン赤緑』~『ルビサファ』まででシリーズプレイを一旦終えた自分としては、「ポケモンってこういうゲームだったな……」とため息とともに納得できるゲームですね。
Metacriticは(おおまかな)指標にはなる……でも各レビューは作品比較やシリーズ番付をして数値が決められるわけでもない
DS版『ポケモンDP』はMetaCriticの統計だと85点。『ポケモンSV』の73点を十数点うわまわる傑作認定です。
Metacriticの点数は大手メディアのレビューの統計であり、「より確度が高い」だろうと思われるわけなのですが、でも別にこれって、「シリーズ作と比較してどう」という話ではあんまり無いですよね。ましてや、番付表をつくったみたいな話ではぜったい無い。
ぼくも感想記事を書くときは点数づけをするんですけど、「ゲームハードの違いや価格の違いなど、さまざまな違いがある中、一定の点数付けって出来うるものなのか?」という大きな疑問がもたげます。
参照されるのはせいぜい直近の数作ていどで、過去に点数をつけた作品について見直しがなされるわけでもない。
はっきり言って、『ポケモンSV』の実装の雑さよりも、『ポケモンDP』の仕様のほうがよっぽどストレスフルです。
まだプレイして6時間程度で言うものではないかもしれませんが、でも言っていいと思うんですよぼくは。『DP』よりもっと楽しい6時間が過ごせる作品はたくさんあるよ。
番付表的に『ポケモンSV』の評価をきめるのであれば、ぼくは「『ポケモンDP』を85点にしちゃったんだから、『SV』はそれ以上にするか、『DP』を下方修正するしかないな」という感じです。
ぼくが『ポケモンDP』に感じるストレスは、DSのゲームを全然やってこなかったぼくの、その当時の「ふつう」がわからないゆえのものなのかな? と思いきや……
……『ポケモンDP』のアマゾン商品ページを見てみると、「確認の際によく指摘される項目」として、「テンポの悪さ」がひとつ挙げられてるんですよね。
つまり当時のプレイヤーの感覚としても『ポケモンDP』はモッサリしていたらしい。
「『ポケモンSV』はシリーズ作と比べても駄作だ」と言う人はどういう基準でそう言っているのか? かなり気になる『DP』プレイ序盤でした。
⑥1208;IGNは流石に恥を知れよ
「物語はマジ良いけどシステムや作り込みの雑さがね……6点!」
本家IGNのレビューを読みました。
物語の良さにざっくり触れつつ、システムや作り込みの雑さについて文量をさいて批判した記事で、作品全体の評価としては10点満点中6点とのこと。
このレビュー自体は「まぁそう評価するかたもいるだろうな」というもので、悪くない。レビュー動画は、zzz_zzzzの英語知識じゃよく分からないので何ともですが、そんなぼくが見てもどういう趣旨のものか分かるくらい、バグや実装の雑さにフォーカスが合わされたセンセーショナルなもので、良くないと思います。
「"ストーリーが良い"くらいしか美点を挙げられなかった6点のゲームについて、発売10日後にイベントシーンと物語に重要なテクストを始まりからEDまで丸上げするよ!」
さてIGNには、レビューやニュースなどと同じ大項目として……
……Guidesというものがあります。ゲームのガイドとかwiki形式の攻略情報、段階式ウォークスルーなどが掲載されている項目ですね。
段階式ウォークスルーってなに?
章立てされたイベントシーン・物語に重要なテクスト・それらをつなぐプレイアブルパート全部丸上げ動画です。
実況プレイなどが盛んであり、任天堂やゲームフリークもそうした配信を許諾しており、にじさんじ所属の任天堂大好きvtuber笹木咲などをポケモン公式番組に呼ぶなどもしている昨今なので、これも権利的には問題ないものにちがいありません。
でもさ、「ストーリーは良い」くらいしか美点を挙げられなかったゲームについて、そのストーリー部分の実機映像をぜんぶ丸上げしちゃう情報サイトってなんなの?
べつにメーカーや作品に媚び売らなくてもいいし、販促であるべきでもないですけど、さすがにやられたゲーム側は商売あがったりだし、バグ場面ピックアップした動画によるセンセーショナリズムでアクセス数を稼ぎつつ、その6点のゲームの素の味をそのまま上げてもうひと稼ぎしようって、あまりにも自分本位できもちわるすぎるだろ。
ざっと見た感じ、以前のGuides動画ではここまで入念かつ短期間での丸上げはやっていなかったっぽいのでふしぎだ。
こういうことやってるIGNが、短(ないし雑)製作による利益重視の客・品質軽視などを批判したところで「どの口が言うか」という話になる。
*1:最初のポケモンセンターから次のポケモンセンターに向かうまでの道中、テーブルシティ南に棲息。
*2:パモとおなじテーブルシティ南に棲息。遭遇率は低めか?
*3:最弱のむしジムに向かう南2番エリア棲息。
*4:パモとおなじテーブルシティ南に棲息。遭遇率は低めか?
*6:めちゃ充実してるので後半のつもりでいたけど、ちょうどぼくの進捗がまさしく中盤に相当している。四天王をたおしたあとも尚ストーリーがつづくだろうから、むしろまだまだ前半かもしれない。
*7:コリンクのままならLv.17で覚えるんだけど、コリンクはLv.15でルクシオへ進化し、ルクシオ状態でそのわざをおぼえるのはLv.18でのことになる。