すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

日記;2021/04/27~05/03

 日記です。3万7千字くらい。けっきょく26日のネットのごたごたに関するお気持ちは考えがまとまりませんでした。『モンハンライズ』やり始めたよという週。『モンハンワールド』のプレイメモも発掘できたから載せておきました。

 ※言及したトピックについてネタバレした文章がつづきます。ご注意ください※

 

0427(火)

 宿直明け日で宿直日。

 ■書き終わらなかったもの■

 

 ここには26日にあったネットのゴタゴタにかんする野次馬記事が載るはずでしたが、ぜんぜん書き終わらないので消しました。

 

 

0428(水)

 宿直明け日。完全に枕の高さ調整に失敗して、起きたら首が筋肉痛に……。

 

 

0429(木)

 仕事休みだけど業者さんとやり取りでちょっと職場に出ました。社会人ってかんじ~。

 お昼はスパゲッティミートソース+にんにく+食べるラー油+半熟卵。レトルトミートにこの布陣はつよすぎるかもしれない(いろいろ足しすぎてソースの味がよくわからんくなってしまった)。

 

 ■観たもの■

  『ゴジラS.P』第6話鑑賞メモ

 当然ネタバレです。

 

  このblogでのここまでの『ゴジラS.P』にかんするお話。放送まえ与太話記事1話感想エントリ2話感想エントリ3話感想エントリ4話鑑賞メモ(日記)5話鑑賞メモ(日記)

 

 きちんとした感想記事はだいぶ遅れてますが、「2話感想文でえんえんトム・クルーズ氏についてお話ししたのはメッチャ正しかったんだな……」とじぶんでも驚いてます。

 車のバックミラーにアクセサリをぶら下げて揺らして運動エネルギーを可視化させた作品は、やがてメカの外に生身かつヒラヒラする服を着た(しかもノーヘルの)人間をしがみつかせて吹っ飛ばすようになるんですよ!!

 艦砲射撃も、旋回や発砲の衝撃でその軌道をかえる砲先からこぼれる滝のような水の軌道の揺れに着目されていました。(海戦映画にくわしくないからアレですが、とくに見た覚えのない細部な気がする)

 他方、アンギラスが闊歩するさいに前景をナメるテントや店内など壊してくれたら/揺らしてくれたら嬉しいモノがそうならないあたりや、海戦シーンの艦砲射撃をだす人々の類似構図の繰り返し(残り時間9:48、8:55、8:45)、船をゆらされたさい止め画セルの人物をずらすことで運動をつたえるショットなどに、TVシリーズで怪獣映画をやる大変さみたいなのを感じもしました。

 

 これはシリーズ構成・脚本の円城氏にかぎらず、脚本協力/軍事考証の小柳啓伍さんや『ひそねとまそたん』演出もされた高橋監督ご自身の領分なのかなぁと思うのだけど……水測員によるソナー探知・無線連絡/怪獣マンダのえがく航跡を間近で追跡していた哨戒ヘリが離脱&航海長が離脱をつたえ/艦長が「水上戦闘用意!」をかけ主砲を撃ち/状況により操舵もし……という、軍事的な「段取り」を特にセリフでもって積み重ねていく海戦描写は、いろいろなリソースとの相談であろうTVシリーズで大きな状況を描いていくうえでの一つの戦略だったのかなぁと思いました。

 軍隊的なことばのつらなりは、視聴覚表現媒体ででてくると、ふつうの日常会話ともちがうし更には大滝のおやっさんらがしゃべるような講談調ともちがうので、ガラッと空気が締まってよいですね。

 

 また、海自のひとびとの姿も、ほかの陣営との対比のなかで処理されていたようにも思えます。海自のひとびとが同ポを積み重ねていく一方で、アンギラスvsジェットジャガーの逃尾猟友会らは、テントなどにいた人が怪獣の接近によって走り逃げる人々の姿や攻撃されて車から降り逃げたり、そのほか巨大物の動きに対して逃げたりする姿が動画で描かれており。海自のひとびとの動かなさは(コスト的に動かせないのではなく)覚悟の決まったプロの動じなさとして映りました。

 

 画面右へむいて命令を出す艦長⇒画面右をむいて射撃をする艦砲⇒画面右をむいて艦橋の双眼鏡をのぞく航海長ら(「いけるか?」喜色)⇒画面右を向いて遠くはなれた内地の海岸から一眼をかまえる見物人の群れ(「おお~!」静かな歓喜……という流れはかなりウケました。

 アンギラスのほうでも、市長を画面中央に立たせて、記者にカメラをパシャパシャさせての演説があり、そこへ大滝のおやっさんが「やったか!?」と駆け寄り、見物人に「おっ、おっ、おおぉ……」と静かな動揺が起きて……と対照的なもようを用意していて、展開の組織化がうまい。

 大滝のおやっさんが敗北⇒ユンが交代/再プログラム→怪獣が市民の領域を侵し自動車を壊しながらこちらへ迫りゆく奥行き方向のショット⇒ジェットジャガー再登場……という流れも2話を踏襲している。

 ユングと協力して何とかするところ、事故って気をうしなうところは3話を思わせる展開。3話と違ってヘルメットをしていないあたりが緊急さを募らせる。

〔{4/30追記;3話の矢は3発はなたれた{すべてユン&ユングの支援をうけた弓道部氏がはなったけど、弓矢を撃とうとした状況までふくめたら、バス内弓道部(挙手だけ)・大滝のおやっさん(撃つ寸前まで)・ユンたち弓道部の3者がおこなっている}けど、捕鯨砲も源さん→おやっさん→ユンで計3発。この辺は意識してかしてないか知らないけど、おもしろいリズムだと思う〕

 

「4話鑑賞メモで言ったとおり3話区切りで話がうごいていくのかもなぁ」と思いました。

 

***

 

 鹿子さんも知識勢でおどろいた。

 ホイットマンの詩だというのはPVで映ったのをググったので知っていたのですが、(意図的かどうかはわからないけど)ググれば元ネタがわかる程度のものは劇中でも即あかしてしまうというのは情報提示の速度として正しい気がしました。

 

***

(ここから下は4/29朝からの所感)

 名案をおもいついた神野銘~李博士のやり取りもすごかった気がしますね、一晩寝てふりかえると。

 情報を断絶・遅滞させるためじゃなくって、聞き手に重要情報をピックアップさせ話し手から枝葉末節をはぶきトピックを加速させるためのドジ展開。

 知恵者が無知な人に1から10まで説明するんでなくて、床にばらまかれた雑多な情報から「思いつかなかっただけでその道の専門家」がキーとなる部分をさっと注目して、「思いついた人」の話を7ぐらいからスタートさせる。

 こういう部分についてぼくの脳は分類保管してこなかったから、単なる定石だったりするのかもしれないけど、スラスラ進んですごいと思いました。

 

***

 

 さて、感想文が書きあがらないことで、後知恵っぽくなってしまうのがつらいのですが、アンギラスの能力はけっこうイーグルマン『意識は傍観者である』(世界最速の投手の球速はこれで、バッターボックスまでの距離はあれで、それをかんがえると0.n秒でバッターはそれを打っていることになり、リベットの実験などから脳が準備電位が云々するのは0.m秒で、つまり無意識の行動なのだ)チャンギジー『ヒトの目、驚異の進化』{イーグルマンの実験などを受け、「一部の錯視は生物の未来予見的な能力から起こってしまうものなのではないか?」というような話をする。そして、人間のいわゆる「無意識」の行動といわゆる「意識」のタイムラグ(=「わたしはそのときそう思い、動いた」のだと意識するまえからひとは動きはじめていて、実験してみると無意識⇒意識のあいだにはラグがあるけど、意識がそのラグを無いものとして同期修正している)は、未来にそなえるべく生物がその能力を伸ばしてきたものなのだ。というような話をする}に近いものがありますね。

「未来を予見する力」

 あなたは幼い頃から、特殊な錯視に苦しめられてきた……と、気がつくことができたのは大人になってからのことであり、他の人には世界はまるで違った姿で見えているのだと理解できるまでにはずいぶん長い時間がかかった。
 あなたにとってこの世界は、非常な速度で変化を続ける舞台であり、より正確に言おうとするなら、現在に未来が重ね描かれている世界である。他人より少し未来がそこには重ね描かれているのだった……。

   note、Hayakawa Books & Magazines(β)掲載、円城塔『小説案を5つ』より

 

***

 

 自衛隊のセリフ回しの面白さが出てきたことで、「大滝のおやっさんはなかなか凄いパースペクティブを提示してくれたな」と思いました。

 実写アニメ問わず視聴覚作品は、軍事の人々が作戦中にはっする特殊な空気を、(小説・漫画でもあらわせる)言葉回しのレベルはもちろんのこと、声色・イントネーションレベルで醸せるから強い。

 『ゴジラS.P』における怪獣に対応するひとびとの意識の視聴覚表現化として、さまざまな肌理が登場していて、その面白さについては前に触れた気がする。(触れてないかも)

 怪獣の暴力に逃げる一般市民のことば(現場の肉声・ツイッターなどさまざま幅がある)、それを報じるメディアの公的な硬いことば〔新聞・報道番組{これは事件のおこった当事者国(後述リークされた事実に対してその度合いを報じる国内メディア)とそうでない国放射能の可能性を報じる海外メディア)とでさらに幅をもたせている}・ワイドショー・ゴシップ誌でさまざま幅がある〕、怪獣に立ち向かう自衛隊などの重々しいことば。あとはインテリの神話や文学を引用するよくわからないオカルトとか。これらは大なり小なりさまざまな怪獣映画でえがかれてきたものだと思います。

{怪獣映画にでてきた言葉回しだと、『ゴジラS.P』ではまだ存在感がうすいし今後どうなるかわからないけど(メタ的だけど、首相や大臣など政府要人はキャラ紹介には居ないので)、『シン・ゴジラ』が大きく取り上げたような官僚言葉などもありましたね}

 『ゴジラS.P』でとりわけインパクト強いのが、大滝のおやっさんおやっさんの友達の源さんといったケレン味たっぷりの歌舞伎・講談のせかいのことば。

 『グレンラガン』『キルラキル』『プロメア』の中島かずき脚本的な「ケレン味たっぷりキャラの減らず口が閉じるしかなくなる状況は怖い」というお話は2話感想でしましたが、おやっさんが一節ぶったりハチャメチャをおこなったり退場したりするのと同じ地平で、現実に存在する自衛隊がまじめに戦闘をおこなう/まじめな言葉のやり取りがシーンを満たすのは、その拡大版というかんじで、一段と緊張感がたかまるなぁと思いました。

(特撮戦隊っぽい目線・ロボアニメっぽい目線としてメカゴジラ・機龍がいたかと思うんですけど、あちらは劇中世界におけるまじめな軍隊で運用されているまじめな存在だったので)

 

 そしてこのふたつの軸が、(否定されるべきアマチュアの)アニメのおままごと⇔(その道の専門家の)現実のまじめな仕事……という対立ではなくて、

「大滝やユンら/ゴルフ場に捕鯨砲をもってくる源さんや弓道部員のとる手段や考えというのは、現実には達成されていなかったり劇中世界でもキテレツな人がキテレツに発明してたり想像したりする極端なしろものだけど。

 それは100%でたらめじゃなくって、もしかしたらいつかなんかしらのかたちで達成されるかもしれなかったり(遺伝的アルゴリズムで最強のロボをつくろう!)、効果があるかもしれなかったりするものが(鎧竜的存在に捕鯨砲は効くのか?)、アニメ的な手続きのやわらかさによってこの時間軸・この場に持ち込まれただけだ」

 ……というような外挿的・思考実験的なラインにあって、「どちらも大事な選択肢だよ」という点が、ぼくがこの作品を楽しんでいる点なのかなぁと思います。

 

 

0430(金)

 宿直日。

 ■ネット徘徊■

  『ゴジラSP』ファンサブの切り抜きタイトルにウケる

 海外での配信が6月にきまった『ゴジラSP』では、待ちきれなくなったひとびとによる海賊翻訳海賊動画ファンサブのアップロードがあれこれなされています。

 検索かけると引っかかるんでアレなのですが、5話の切り抜きにウケてしまった。

Godzilla Singular Point | Anguirus vs. Gen-san (Legendado)』

 たしかにそうなのですが……(笑)

 海外のファンは突然ポップした謎の存在Gen-sanへどんな反応してるのか? ちょっと知りたくなりますね。

 

 

0501(土)

 宿直明け日。寝たり起きたり。

 ■ゲームのこと■

  素材ではなく崇高な存在と戦いたいが;『モンスターハンターライズ』から『モンハンワールド』を振り返る

 

これほどの力にも適わしい王座。何というすばらしさよ!

そして大地の何といううるわしさよ!

     ・・・

下には波打つ霧がはるかに広がっている。

     ・・・

     ごらん、霧は

凝結させる風の下でうねり、この峰を

孤島のように浮かばせ、その中腹をめぐって

暗く鬱蒼と茂る森に囲まれた

薄明りの草地、流れに光る洞窟、

風に憑かれて漂う雲の片々が見える。

仰げば天をも引き裂く山々が

太陽のように輝く尖塔から暁の光を放ち、

それは西海のどこかの小島で

盛り上がる海がまばゆいしぶきとなって散り、

水滴の明りを風に散りばめたようだ。

谷間は山壁に囲まれて、

雪解けに裂けた峡谷の滝の響きは

絶え間なく、限りなく、静寂さながらに畏ろしく、

聞き入る風を満たす。

 描写の細かさもさることながら、その登場人物――人物と呼べるならば――が読者を驚かすことだろう。そこには雷鳴、地震、旋風、嵐、「岩山の声なき洞窟」、「地底に響く旋風の音、地震と火と地割れした山々」があり、

そのざわめく深淵より咆え猛りつつ

嵐の鬼神が群なして現われ

つむじ風の怒りをあおる

 のである。

   国書刊行会刊、M・H・ニコルソン著『暗い山と栄光の山』p.27~28、「序論」より。シェリー著『解き放たれたプロメテウス』の引用紹介

(下であれこれ語っていきましたが、たんに思い出補正がはたらいてしまっただけで『MHW』もその辺ぬるぬるしてたら、『MHR』に申し訳ないです……あと、『モンハンライズ』のお話というよりは、『モンハンワールド』の話が主です

 高校時代からの友人A氏に布教されたンハンライズ』をやり始めました。

 とりあえず5月5日に下位クエストを終えて(一旦の?)EDロールを観ました。体験版で戦えた、ワイヤーアクションが活きそうな弾幕ゲー龍とはまだ出会ってません。さきはながそうだ……。

 

 既プレイヤーがおっしゃるとおり、周回プレイがしやすいモンハンという感じで、非常に良いです。

 PS4のモンスターハンター:ワールド』も「タルい『モンハン』のタルいところが簡略化されてプレイしやすい!」という声がありましたが、『MHR』はそれ以上にやりやすい。今回くわわったオトモの犬に乗ることで、移動しながら武器を研いだりなんだりできるのがありがたい。

 

 『モンハンワールド』では、ストーリーを進めていくごとに/主人公(プレイヤーキャラクター)の冒険範囲がひろがるごとにプレイできるフィールド(島っぽいフィールド、砂漠っぽいフィールド、サンゴ礁が陸に上がったみたいなフィールドなどなど。それぞれ生息するモンスターもちがう。)が一つ一つ解放され、クエストを受注したり装備を作ったりアレコレおこなう拠点を移りもしたわけですが。

 今回の『モンハンライズ』は拠点をうつることなく、そしてストーリーらしいストーリー(=ムービーパートとかカットシーンとか言われる類のもの)を挟むことだってしないうちから、フィールドもモンスターもどんどんアンロックされている印象。

 『MHW』がぼくにとってきちんとプレイした初モンハンでよかったなぁと思いました。

 『MHW』は初心者向けにきっちりかっちりゲームデザインされている感じがありました。最初のクエストは小型モンスター"ジャグラス"。つづいて小型モンスター"ケストドン"。パキケファロサウルス的な硬い頭をゆうした竜で、正面からの攻撃をはじく/溜めてからの頭突き突進攻撃をしてくるのでモンスターの死角から闘うことを覚えられるような存在です。

 次のクエストでそして初の大型モンスターとたたかいます。射程が短かったり攻撃が直線的な"ドスジャグラス"。

それを倒すと、ケストドンをより特徴的にしたような武器・盾持ちの大型モンスター"クルルヤック"と闘います。武器をはじく岩を構えたクルルヤックの正面を避けて、プレイヤーは側面から攻撃する立ち回りをまた自然としていくこととなります。

 3番目に、空を飛んだり、毒液をとばしたりする"プケプケ"と闘います。毒液をくらえば継続ダメージがはいる"毒状態"になるので、プレイヤーはあらたに解毒剤をのむなどの対処をする必要があります。毒液を抜きにしても、空中で滞空しながらの飛び蹴り攻撃は直線的だけどこちらの攻撃は当てづらく、地に足をつけてのベロ攻撃はそれなりの範囲へ振るわれたりと面倒くさくなってきました。

 近距離から遠距離へ、正面から範囲攻撃へ、状態異常への対処もはいり……と、だんだん敵の攻撃の射程が伸び・攻撃範囲もひろがって、複雑になっていくモンスターに対応していくうちに、プレイヤーはとくだん学ぶつもりなどなくバトルのコツを学んでいく

 こうした手取り足取り学ばせてくれる感じは、クエスト数やモンスター数がドバーッと一気にふえる『モンハンライズ』では味わいにくい気がしました。

 そもそも『モンハンライズ』は里クエストで初めてたたかう大型モンスター"オサイズチ"からして攻撃のバリエーションが多い。直線的な突進攻撃のほか、長い尻尾をふるって直線的な攻撃も円弧を描く範囲攻撃もしてきます(どちらか一方ではない)。さらに(直感的に安全そうな)オサイズチの死角に陣取っても、バックアタック用しっぽ振り振りを有しています。突進も尻尾もとどかないくらい距離をおいても岩を吐いて飛ばしてきます。

 『MHW』の3体目くらいまでの攻撃のバリエーションを『モンハンライズ』は一頭目からすでに有しているかんじなんですね。

{ぎゃくに『MHW』の2体目の大型モンスター・クルルヤックや4体目のボルボロスは、大型モンスター3体とボスキャラ的なモンスターを2体通過した★3クエスト、6~9体目の大型モンスターとして登場します(順不同)}

 『MHW』をプレイ済みのぼくはとくに戸惑いなく進められましたし、ひるがえって「既存のシリーズプレイヤーにとっては『MHW』のような構成こそ鬱陶しく感じたんじゃないか?」とも思いました。

 一長一短、むずかしいところです。

 

 サクサク進められるのはうれしいんですけど、サクサクしてほしくないところまでサクサクというかぬるぬるしている。

 『モンハンライズ』では、はじめて入ったフィールドや、はじめて"里クエス(=ソロプレイで進める、本編ストーリー的なもの)"で狩猟対象となるモンスターには、専用のムービーシーンが入ります。

 しかしそれはプレイヤーにとって初対面で必ずしもムービーシーンを拝めるわけではないんですよね。

 プレイヤーの選択によっては、里クエストよりまえに"フィールド探索(=里クエストなどとちがい、制限時間をもうけず、プレイヤーが好きなだけフィールドを動き回れるモード。フィールドの把握やフィールドに点在するアイテムの採集などに役立つ)"や"集会所クエス(=他プレイヤーとマッチングして行なうCo-Op的なもの)"であらたなモンスターと初めて出くわすこともあって、そのさいは専用ムービーシーンって挟まれないっぽい。

 フィールドにちょこちょこいる雑魚敵である小型モンスターはともかく、1頭狩るのに最大50分かける大型モンスターまでぬるっと画面右上に「大型モンスターリストが更新されました!」の進捗メッセージの一言で済まされる(可能性がある)のは、なんか違うよなぁと思うわけです。

(いや『MHW』だってそういう仕様だった気もする……。

 のちのちメインクエストで狩猟対象になるモンスターがそれ以前のクエストのフィールドに出てきていて、そこへぼくはシナリオに制限されない世界の広さを感じたりもしていたはず)

 なんなら出会っていないうちから、マップに大型モンスターが「?」マークでモニタリングされていて、Rスティックを押下することで追跡しやすくできたりする。

 『MHW』で採用されたシステム"痕跡探し"今回する必要がない。フィールドに点在する足跡や爪痕、体液痕など、モンスターののこした痕跡を拾い集めていくことでその体臭を覚え、一定数採取することで子飼いの虫が追尾できるようになる。ああいうアニマル・トラッキング要素は今回はない。痕跡探し以前のシリーズが採用していたペイントボールを当てる必要だってない

 フィールドもまたストレスフリーだ。暑い地帯での熱気による継続ダメージをやわらげるクーラードリンクや、寒い地帯での冷気による継続ダメージをやわらげるホットドリンクもない。瘴気にみちたフィールドだってない……

 ……雪原も火山も関係なしに、さまざまな土地を『モンハンライズ』のプレイヤーはひとしく走り抜け翔けられる。それこそクエスト外の里のなかを回るのとおなじような快適さで。

 

 いやたしかにモンスターをハントするゲームだし、そのモンスターを何度も狩って部位を剥ぎ取って人工物へ加工するゲームであります。

 でありますが、しかし、最初から「素材だ」と思ってプレイするのは気持ちがノってこないんだなぁと。

「手ごわいうえに存在級位がヒトとちがう「崇高ななにか」であってほしい。そういう倒しがいがある相手であってほしい」

 そうした思いに『MHW』はこたえてくれるゲームだったなぁとしみじみ思ったりするわけなのでした。

 狩猟対象じゃなくって、今は圧倒的戦力差から逃げるしかないチュートリアルドスジャグラス、アンジャナフに対して)とか、こやし弾などで気をそらすしかない(メインクエスト4つ目の調査団の護衛任務中、リオレウスに対して)とか、フィールド調査中の学者を探しに行って彼を救う……、プレイヤーキャラクターがクエストの最中のいま・ここで襲われたり震えたりする者や物があって、それをプレイヤーキャラクターが目撃したり反応したりされたりするシーンがある。

 『モンハンライズ』(すくなくともぼくがプレイ済みの、一旦はいったEDロールまでのクエストでは)そのへんがキッチリカッチリ分かれていて、("狩り"の師匠である忍者によるチュートリアルエストといった例外を除いて)大型モンスターの討伐などを頼む依頼者は里での会話や依頼書の文面だけのフィールドには不在の存在で、苦難の「いま・ここ」は描かれない

 『MHW』にあったようなシーンの有無でモチベーションがだいぶ変わってくるんだなぁと思いました。

 

 ……ただまぁこれは英国ならピクチャレスクなどせいぜい18世紀のロマン主義以降にはぐくまれた現代的な価値観であって、ケモノや自然や巨大なものをどのようにとらえるかは、作品世界によってぜんぜん変わってくるのだろうなと思います。

{その意味で、『MHW』はさまざまなことが噛み合っていた。

 前述したモンスターの演出や「冒険」感のあるストーリーもそうだし、ストーリー/フィールドを進んでいくごとに竜たちや自然の大きな役回りがあきらかになっていく果てに、おそらくカスパー・ダーヴィト・フリードリヒ(『氷の海』)を参照しただろうストーリー最終フィールドがお目見えする情感といったら……}

『解き放たれたプロメテウス』はギリシャ悲劇に典拠しているが、アイスキュロスシェリーほどに自然の広大さと野性味とに魅せられてはいなかった。もとのギリシャ劇はコーカサスを舞台にしている。しかしそこには「インディアン・コーカサスの凍れる岩の谷間……岩と洞窟のある森……山間にそびえる岩の尖峰……デモゴーゴンの洞……雪山の頂……大河の河口……森、その背後には洞窟」というように、シェリーが繰り返し描いた光景は何もなかった。

   国書刊行会刊、M・H・ニコルソン著『暗い山と栄光の山』p.27~、「序論」より

 M・H・ニコルソン氏はい山と栄光の山』で、19世紀に記されたパーシー・ビッシュ・シェリー氏による小説『解き放たれたプロメテウス』と、そのオマージュ元のギリシャ悲劇とを比較してそう述べます。

「高い山々は」とバイロンのチャイルド・ハロルドは語っている、「私にとって一つの情感である」。これを見て私たちはこころよく同意する。雄大な自然を前にして私たちが抱く感情、あるいは抱くはずとされている感情は普遍的であり、あらゆる時代の人々に共通であると信じているからだ。しかし高い山々は、ウェルギリウスホラティウス、ダンテやシェイクスピアやミルトンにとっては「情感」などではなかった。堂々たる高峰が征服され、エヴェレスト登頂が第一面のニュースとなる今日、私たちは、人が常に楽しみと勝利感のために山に登ってきたのだと決めこんでしまう。

(略)

 今から一世紀半ほど前に、山々は「万能の神の作り給うた寺院」となり、「絶えざる犠牲の煙を雲と頂く、自然の聖堂、自然の祭壇」となった。しかしさらにその一世紀半前には、山は「自然の恥と病」であり、それさえなければ美しいはずの自然のおもてにできた「疣、瘤、火ぶくれ、腫れもの」であった。幾百年もの間、山に登った人々の大半は、恐れ、不機嫌に、その必要をかこちながら登ったのであり、わずかな美的満足をほのめかすことすら稀であった。

   国書刊行会刊、M・H・ニコルソン著『暗い山と栄光の山』p.19~、「序論」より

 その時々や土地々々によって対象への価値観はかわる

 生物学的な知見がさまざまなことを解き明かし、進化生物学的な価値観が存在感を増した今日このごろでは、こういうお話はより一層の慎重さを求められる気がしますが、ニコルソン氏はそうしたきびしい視線にもたえうる論を展開されていると思います。*1

 ニコルソン氏はさまざまな文献をひもとき、17世紀イギリスの「多くの詩人たちは、山を特に好みも嫌いもしなかった。その一つの理由は明白である。イギリス詩人たちの多くが山をみたことがなかったのだ。」p.65イングランド低地の詩人たちは、成熟期になって初めて、ギリシャ人がすでに知っていた感情――広大で野性的で危険な自然への感動――を表すこととなったのである。」p.67とか身も蓋もないお話をしたり。

 他方で、貨物船船長の徒弟をしていた農民詩人ジョン・テイラースコットランドに生まれホーソンデンの荒れ地で人生をすごしたウィリアム・ドラモンド、「アスク川の白鳥」と呼ばれウェールズの山も愛したヘンリー・ヴォーンなどといった、山海に親しんでいた作家をひもとき、

「現地で過ごしたかれらの筆による山でさえ、自身がじかに肌身でかんじた現実の山ではなく、古典や聖書といった既存の慣習に由来する表現から脱却することはできなかった」

 というような旨の説明をしたりしていきます。*2

 

 さらには、

「そうは言っても、山だって山から見える景観だって昔も今もそう変わらないだろう。

 なので昔の英国人が出歩かなかっただけで、当時のひとが遠出し登山などをすれば、後世のひとびととおなじような感慨を崇高美をいだくのでは?」

 という疑問も、17世紀の旅人3人がのこした登山にかんする記述によって打ち砕きます。

 これらの旅行者の中に、次の世紀に誰もが感じた「恍惚」と「歓喜」の情を経験した者は一人もいなかったことは明らかである。山は、行き届いた主婦である自然が掃き寄せた塵か、さもなければ疣、水疱、腫瘍であり、ただ平地に至るためにアルプスを越えた人々にとって、意味もなく、魅力はさらにないこの世の荒れ地だったのである。

   国書刊行会刊、M・H・ニコルソン著『暗い山と栄光の山』p.95、「第一章 文学的遺産」より

 みんな大好き「万人の万人に対する闘争」リヴァイアサン』のトマス・ホッブス氏でさえも山の描写にかんしてはこうした旧態依然の万人の感性から脱しなかったことなども俎上にのせて、「一流か三流かを問わず、十七世紀の旅行者、日誌家、随筆家そして詩人は皆、文学と宗教の伝統によって大自然の見方を規定されており、そのため彼らは、書物から教えられたままに山を描くしかなかった」p.102ことをたしかめたニコルソン氏はこうした十七世紀的な価値観について、当時の文学だけでなく神学や哲学そして(地質学や天文学といった)科学などから横断的に説明していきます。

 

 さてンハンライズ』は、拠点や浪曲によるムービーパートがあったりするとおり、和のテイストを打ち出している作品でもあります。

{とはいえ初期ステージ「大社跡」のさきの数ステージは、雪原にしても砂原にしても沈没林にしても雑多な無国籍なかんじではあり、つよく「和風」一色で彩っているわけではなさそうだ。

(砂原は『MHW』のそれと似通っていて、アジアの石窟寺院的な書き込みがあったりはしないし。沈没林のピラミッドは、インドネシアベトナムのそれというよりはインカ帝国の感があり……)

 

 おなじみのシリーズ人気キャラ"フルフル"が、のっぺらぼうやろくろ首のような妖怪的・怪談的なニュアンスで紹介されたりと、読み替えが面白い。

 ぼくが「うーん……?」と思った要素が、もし日本における妖怪・もののけ受容とかと絡んできているのだったら、「無理解からゴチャゴチャ言ってしまって申し訳ない」って感じなのですが、そこのところどうなんでしょう? くわしい人の意見が聞きたいなぁと思いました。

 

 

  『モンスターハンターワールド』プレイメモ

 プレイしていた当時のメモがあったのでペタリと貼ります。2万字あるのと、ひとさまに見せるために書いていない、まじのプレイメモなので読みとおすのは結構つらいと思います。

 

'18 発売日に購入。ベータテスト版は最終版の試験終了日に友達A氏から「やってる?」と聞かれたことで存在を知り、ベータテスト特典は当然得られず、DL版も発売の数日まえにあわてて予約した程度の関心でした。
 『モンスターハンター』シリーズ自体そもそも初購入。『MH』シリーズは友達がやっているのを横で見たり、ちょっと触らせてもらったりする程度の存在でした。カプコンのアクションゲームはぼくには難しすぎた印象がある。『鬼武者』は『1』も『2』もやったが、ぼくの操作技術では回復アイテムが足りなくてひーこら言ったし、『マキシモ』に至っては序盤で降参してしまった。
 『モンスターハンター』をやらなかったのは、オンラインというところで引いてしまったんだと思う。引いてる回線も貧弱だったし。携帯機はそもそもハードを持ってなかった。
 級友が『モンスターハンターポータブル』に夢中なころ、ぼくはひとりクラス日誌を『ワンダと巨像』のことで埋めていた。
 この頃は熱心な上田文人信者――『ワンダと巨像原理主義者で、『モンスターハンター』にもほかのRPGにも抵抗感をいだいていた。
 『FFⅩ(FF10)』は楽しかったし泣いたし『Ⅹ-2』に驚きつつも楽しんだ。

 しかしビジュアルの発展(フォトリアル化)にたいして、システムの発展がどうにも追いついていないような、そういう違和感はつきまとった。空を飛んでる相手にも固い相手にも同じモーションで剣を振っているだけでいいのか?

 

 当日0時からプレイできる状態だったけど、眠気と明日の仕事への影響を考え{1/26(金)発売でした}、仕事を終えた夕方からプレイ。
 冒頭はゲームプレイと絡めたビジュアルの表現がすさまじく、とても興奮した。
 帆船がもちあげられて壊されて、それをなした火山のような地形を走り登っていき、急傾斜を滑り台がわりにして助走をつけてジャンプ・飛竜を掴んで脱出すると、高度があがって鳥瞰することで、活火山のようなそれがとてつもなく巨大なドラゴンだと分かる……冒頭はとても気に入った。それは認めましょう。

 ただ、そこからのストーリーはことさら惹かれるものはないし{すくなくとも「先が気になる!」というタイプのあれではないし(。だから実際、メインストーリーはあまり進めてない)。 サブシナリオも、ネームドキャラと共闘してイベントをこなして貢物をして……みたいな関係を深めていくとかみたいな方向の手ごたえはなさそうだ}
 バトルが面白いかというと、
「まあ面白いは面白いんだけど、ちょっと自分の好みとは違うかな……」

 と、自分としてはめちゃくちゃハマってるという感じはない。
 ないんだけども、3日でプレイ時間がすでに30時間を超えている。(それをハマっていると言うんだよ!!)
 26も27も28もすべて日付をまたいでプレイすることに。とりわけやることも把握してきたし行動域も広がってきた日曜1/28がひどく、4時過ぎまでログインしていた。4時間半後には仕事なのに。
(眠気と明日の仕事への影響を考えていた殊勝なじぶんはどこへやら……)

 

■序盤のストーリー■

 新大陸を探検する調査団の5期メンバーとして帆船に乗った主人公は、同期や相棒と顔合わせする。

 暖色の光のなか色とりどりの料理が並び酒盛りのなされる陽気な船室の、テーブルが揺れ食器が床に落ちる。海の揺れとはちがう大きく鋭い揺れが帆船を襲った。

 甲板に出てみると、夜闇には赤い点々が交じり、寒風のなかには熱風が感じられる。急速に隆起した火山のうえへ乗り上げてしまったのだ。

 いやちがう。

 翼竜をつかまえ動く火山から脱出した一同は、それが巨大な竜であることに気づいた……。

 

■ゲームプレイ■

 冒頭のシーンは、操作方法のチュートリアルとして自然だなあと思った。
 まずLスティックによるプレイヤーキャラの歩行からはじまり、武器をかまえたりなんだりというのはこの時点では教わらないしアクションも取れないわけだけど、"武器を持てない"ことは冒険・狩猟の舞台にむかう帆船内で異常事態に見舞われたストーリー上の必然として処理されている。
 移動について主人公=プレイヤーキャラが操作おぼつかなくても、ストーリーとしてやはり(事態が事態なので心理的に)無理がない。

 おなじみの仕様を知っているひとと知らないひと……という点で微妙な差が出てくるのは、ハンター生活が始まってからで。
 プレイヤーは"任務クエスト"という名のムービーなりも用意されたメインシナリオパートのほか、クリアしてもしなくてもシナリオに影響しない"フリークエスト"というサブシナリオ、クエスト等をまたいで行われ条件を満たすと粗品がもらえる"資源調査バウンティ"(『COD WW2』で言うところの"指令"だ)がある。

 この"バウンティ"でシリーズプレイヤーなら到底そうならない詰まりかたをしてしまった。
 "バウンティ"のひとつに"大型モンスターの捕獲"というのがあって、これはシリーズファンなら、

「大型モンスターを弱らせて、罠アイテム(=消耗品。アイテムを複数組み合わせることで作れる)で身動きとれなくして、捕獲用アイテム(=消耗品。アイテムを複数組み合わせることで作れる)で捕まえる、おなじみのアレね」

 となるのだろう。
 こうした説明もゲーム内でもちろん盛り込まれていて、メインシナリオ"任務クエスト"をすすめていくうちに大型モンスター捕獲シナリオが登場し、そこで説明がなされる。
 ところが"バウンティ"ではそのシナリオに辿りつくまえもまえ、早い段階でこの項目が出てきたりするのだ。
 おなじみの知識がない今回がシリーズ初プレイのわたしには、虫など小動物を捕まえる捕獲ネット(=はじめから持ってる非消耗品)で捕まえられるものだと思って「捕まえられないなあ。捕まえられないなあ」と時間を浪費することとなる。

 

■バトルについて■

 さまざまな武器からひとつ選んで装備して戦う。

 大型モンスターの当たり判定は頭とか翼とかしっぽとか部位ごとにこまかく設定されていて、一定ダメージを与えると"部位破壊"となり、ただ倒すよりもたくさんの素材がいただけることになる。
 ビジュアルが変化するうえ(たとえば翼が"部位破壊"されれば、ボロボロに穴が開いたりする)、たぶんモンスターの行動にも影響を与えるんではないかと思う。あるモンスターは尻尾を"部位破壊"すると、根元から断ち切れてしまい、尻尾攻撃は物理的に行えなくなる――プレイヤーとしては背後からの攻撃が容易になるわけだ。

 多分、リスクとリターンがあれやこれやと考えられているのだろう。

(たとえば頭を破壊できればレアな素材が手に入るけど、そうするには噛ミツキ攻撃や強力な火炎放射などを喰らいやすいリスクも負わなければならない……とか。

 攻撃こそ通りやすい部位だけど、破壊されたところでモンスターを弱体化させない……とか)

 

***

 

 武器について

 武器は大きな区分けがさまざまあって双剣や太刀、矢を飛ばす弓や虫(!)を飛ばす操縦棹、楽器などバリエーション豊か。そこからさらに細かく分かれていく。
(同じ双剣でもやれ攻撃力がちがうだのやれ属性が炎やら氷やらちがうだの、毒やらマヒやら状態異常付与があるだの……となっている)
「あのモンスターは炎が弱点なので炎属性の武器をえらぼう」とか、「べつに弱点だったり得意なわけじゃないけど、いま装備してる防具の特性に"砲撃の威力アップ"があるから銃をつかおう」とか、あれこれ状況に応じて武器を使い分けていく。


 武器を問わずにできる特殊な攻撃として、"乗り"というのがある。

 じぶんが中空に浮いているときモンスターへ近接攻撃をあてると、たまにモンスターの背に"乗"ることがある。 ハンターもモンスターも"乗り"の状態になると、操作体系や行動が一変、モンスターは"乗"ったハンターを落とそうとして、身体をゆすったり壁にぶつけ、ハンターはしがみついたり"乗"っている部位を変えたりしながらスタミナのつづく限り剥ぎ取りナイフでちくちく刺しつづける。
 そうしているうちに、主武器による決め技が放たれ、モンスターを気絶させることができる。

 ジャンプは丘や小岩から誰でも行えるし、武器によっては平地からジャンプや多段ジャンプをできる者もいて、積極に狙うこともできる。


 はたまた舞台を利用した攻撃や防御があったりする。
 攻撃の矛先をツタの幾重にも這う大木へと仕向けることで、モンスターをツタにからませて拘束したり。天蓋にある巨岩を落としてモンスターにぶつけるなどもできる。

{これはムービーパートでも登場するが、それ以後はもちろんそれ以前からアクションを起こせる。(この辺『MH:W』をやっていて感心したことで、……と、ここまで書いてメモは途切れている。年単位で断絶をはさんだ今のぼくにとって、過去の自分がどう書き継ごうとしたのかよくわからない。たぶん、下記1/29で述べたようなことを書こうとしたのだろう)}

 その土地に生きる動植物をつかうこともできる。

(水場に住む、痺れる毒をもつカエルをわざと攻撃してモンスターを巻き込ませたり。一帯を毒沼にかえる花を手折って、その地帯をモンスターに歩かせてみたり)
 逆にモンスター側が舞台を有効活用することもあり、モモンガのようなモンスターが、大木があるエリアまで逃げて、木々を伝って縦横無尽の攻撃をしてきたり。穴掘りの得意なモンスターが、地下に空洞のある砂漠に穴をあけてプレイヤーを巻き込み落としたり。

 とくに今作が初登場のジュラトドスの闘いは、最新ゲームの演算能力をいかした見せ場があって、自宅で買った最新ゲーム機がゲームキューブ・PS2だった自分としてはとても驚きました。沼地にデンとある(ツタが生えて登れたりする)大きく高い岩場が、ジュラトドスの潜伏浮上攻撃によって壊れ、なくなってしまう

 非破壊オブジェクトというかマップだと信じて疑わず、ジャンプ攻撃からの"乗り"を狙っていたプレイヤーの意表をつくギミックがあるんですよ。

 これらは大なり小なりギミック感がどうしてもあるけどルダの伝説ブレスオブザワイルド』のトレイラーを見たさいに想像したような、「いろいろ自由にやれることの内のいくつかが、たまたま即席の橋をつくりだせる潜勢力をいだいていたり、モンスターとのバトルで活かせる潜勢力を有していた……みたいな感触がない(とはいえ『ゼルダBotW』を実際にやってみると、予告で想像したほどにはアクションにたいするリアクションが、さらなるアクションを生み出す……というような創発的な可能性の幅広さは案外おおくない)}、もっと地味に――しかし舞台がたしかに活かされているというものもあって、炎を吐くモンスターと水場で戦うことで、じぶんの体を燃やされてもすぐ消せるようにしてみたり。 魚のようなモンスターを陸地に誘いだすことで、動きを制限してみたり……いろいろなことができる。

 

***


 『MH:W』を買った理由は(友達に誘われたからというのがいちばん大きいのだけど)、"乗り"やフックショット的代物をのばしてぶらさがりジャンプするスパイダーマン的アクションをしている姿や飛竜の足を掴んで飛ぶ姿に心惹かれたからだ。
 予告を見たぼくはこれらが単一のアクションから枝分かれしたリアクションだと思っていて、フックショットの伸ばした先(というか、つかみどころというか)いかんで、モンスターの背に乗るようなことになり、足や尻尾にしがみつくことになり、木々をぶら下がることになる……みたいなことになるのだと思っていた。

(同時に、「実際やってみると予告とはちがうんだろうな」とは思っていた。

 ただその「ちがう」はプレイ技術にかんしてのもので、「予告では成功例だけ見せられたけど、じぶんがやってみると固い表皮に阻まれ刺さらないにちがいない」とか、「掴めたはいいけど地面に引きずられて大ダメージに終わったりするんだろう」とかいうものだった)

 かなり自由度のたかいシステムなんじゃないかとがという期待は、限られた用途でしか使われないフックショットとか足をつかんで飛べる竜は限られていたりとかによって、早々に破られた。

 

***


 基本的には、掴んでよじ登ったり足蹴にしたりできないような敵にたいして、百ぺん振ろうとまったく同じモーションで武器をふるっていく昔ながらのアクションゲームの形式だ。
 ほんとうにすべてがすべて「昔ながら」ならここまで続いていないのでいろいろな工夫がある。

 シンプルな操作性のきもちよい土台を維持しながら、そのうえで、戦うたびに発見があるような(繰り返しプレイに耐えるどころか、すすんで周回したくなるような)さまざまな変数をかみ合わせた+αをここまで多様に盛り込めるゲームデザインとも成っていて、「これはひとつの到達点じゃないか!?」とすさまじいものがある。


 一方で、デザインがまったく違うので比べられるものではないけど、「『ワンダと巨像』のさきの地平は、まだ開けてないのかな」とも思った。

海道:『ICO』をプレイしていた方は、巨像を倒すまでにさまざまな謎解きやアクションが必要になると思われるかもしれません。でも、『ICO』の謎解きに当たる部分が、『ワンダ』では巨像との戦いに集約されているんですよ。巨像の弱点を探し、そこに行くこと自体がもう“巨大なパズル”と言っても過言ではないですから。
上田:とにかく、ボス戦のオンパレードのような形にしたかったんです。それで巨像との戦いに集中していただくために、道中はすんなり行けるようにしてあります。でも、巨像との戦いで特定のアクションが必要になる場合は、そのアクションを思い出していただくためにちょっとした障害を用意してあります。

   電撃オンライン、インタビュー『ワンダと巨像』SCE第1制作部プロデューサー海道 賢仁氏、SCE
第1制作部ディレクター上田文人氏の言より

上田:『ICO』は、ほかのACTでいうところのHPをヨルダというAIで動く女の子に置き換えた作品でした。対する『ワンダ』は、ステージそのものが巨像というAIキャラクターに置き換えられたものです。

   電撃オンライン、インタビュー『ワンダと巨像』SCE第1制作部ディレクター上田文人氏の言より(太字強調は引用者による)

 ンダと巨像』の敵(巨像)とのバトルは、「ふつうの謎解きアクション・アドベンチャーゲームにおけるマップを歩き回り、謎解きパズルを明かすこと。これがそのままモンスターと闘うことと同義である」というような具合のゲームで、プレイヤーの行なうことは剣を振る・物を掴む/よじ登る・弓を射るくらいのものなのだが、よじ登れる対象が巨像の身体におよぶ。

 敵の攻略は、複雑な段取りがデザインされていて、主人公=プレイヤーは高所から巨人の身体に飛び移ったり、地べたから足からよじ登ったり、はたまた巨像が攻撃のため振るった剣に乗ったり……と、初手だけ見てもバリエーション豊かな解法を、毎度ことなる解法を見出していかなきゃならない。
 戦場もバトルの推移に応じて大変動があったりして、
「グラフィックもすごいが、とにもかくにもゲームデザインがすごい」
 と感動したゲームだ。
 ただ、『モンスターハンター』とちがうのは、巨像は唯一無二のエリアを根城にしていること、そして攻略の模様も段取りこそ複雑だが一本道で、本編では、巨像はいちど倒したらそれでおしまいだということだ。

 周回プレイも個別に巨像に挑むタイムアタックもシステムは用意していて、そうすることの特典も用意されているけれど、何度やっても展開がかわるわけでもなし、ネタの割れたあとは落差がとても大きい。

{ただタイムアタックも、プレイヤーがやるのはそうした裏道探しでなく、お決まりの手順をいかに無駄なくこなせるか……というコース取りの洗練化のほうなんじゃないかな。(適当に検索かければプレイ動画が見つかるとおり、アッと驚く裏道もあるにはあるけど、これはゲーム側が用意したものというよりか、システムの間隙をついたもののように思う)}

 

ゲームデザインについて

 メインシナリオではまず小型モンスター・ジャグラスと戦うこととなり、ケストドンを次に狩る。ケストドンはパキケファロサウルスのようなルックスの竜で、頭はかたく正面からの攻撃をはじき、溜めのあと頭突き突進をしてくる。

(2体目のオオガタモンスター・クルルヤックにむけた練習台のような感じだが、ガチャプレイでも倒せる)

 

 大型モンスターとの戦いは、ドスジャグラスによって幕がひらく。

 ドスジャグラスと戦闘をしていくうちに、前段の任務クエストで狩ってきた草食系の小型モンスターをドスジャグラスが捕食する姿、体力がいちじるしく落ちた時に眠りにつく巣穴とそこにいるジャグラス種などが拝める。リアルタイムでアクション・リアクションがなされるモンスター同士の関係――生態系が描かれる。

 

 モンスターを食べて大きくなった胃袋は、攻撃へ転用があまりなされず、大きいうえに安全地帯の多い格好の的として機能する。
 ドスジャグラスの攻撃パターンは正面へのものがほとんどで、レンジの長い突進攻撃も、真っ正面へ駆け抜ける直線の軌道だ。プレイヤーは攻撃をうけにくい脇へ立って連打することになるが、武器をふるったさきはしぜんと弱点の胃袋だから、右も左もわからない初心者にはありがたいモンスターだ。

 

***


 クルルヤックは、二匹目に戦うのにぴったりな敵だ。

 頭としっぽが弱点だが、時おり前足でかかえる岩石は攻防ともにパワーアップ、プレイヤーの正面からの攻撃をはじき、武器をいちじるしく摩耗させる。プレイヤーはしぜんと、しかし自覚的に、岩石以外への箇所への攻撃を――部位ごとへの攻撃を行なうようになる。

 

 さて、岩をもつためにクルルヤックが取るアクション(体を前傾させて前足で地をかき、地中にある岩を掘り出す動作)は、弱点の頭がたたきやすい低い位置でしかも動かないから、連打のチャンスだ。しかし掘り終わっても攻撃すれば岩により武器を摩耗させられてしまう。
 予備動作を読んでリターン回収に走り、リスクがアクシデントへ変わるまえに切り上げる……この『MH:W』の基本姿勢が、ここで身につけられる。
 アクシデントが被ダメージでなくて、武器が摩耗するだけなのも初心者にありがたい。

 

 そのほか、クルルヤックは跳躍攻撃をしてきたり、かかえた岩石を投げてきたりするので、遠距離攻撃の対処をすることとなる。
 前者はジャンプするためにかがんで力をためる長い予備動作があり、跳んでからも着地=攻撃地点へむかう軌道が楕円形で、"見てから回避"もしやすい。
 後者については、岩石の速度も軌道もそれなりだけど、一投だけだし、岩石を得物にしているのでそれを持ってないかぎりは当然投げられないわけで、毒液や火を噴くドラゴンとちがって、「いつ遠距離攻撃がくるのか」と常時おびえる必要はない。

 

***


 プケプケ。フクロウのような顔をした毒々しい見た目のプケプケは、飛行によるエリア移動もあり、マップを駆け回る"狩り"の楽しさ・面倒くささも味わえる。

 近距離攻撃は空中で滞空しながらの飛び蹴り攻撃。直線的だけどこちらの攻撃は当てづらい。
 遠距離攻撃は2種類とも、クルルヤックとの戦いによってまなんだものの発展形で、ベロを出したまま天をあおぎ顔を前方へ振ってベロを伸ばす攻撃(広範囲にふるわれるフックでもある。)も、一歩退いたうえで胸を張ってから頭を体ごとまえへ振る毒液も(直線的)、岩石(浮動する点)とちがって線(曲線・直線)の攻撃となる。

 毒液はあたると毒状態になってしまい継続ダメージを入れられてしまう。回復薬のほか、解毒剤を飲むことをプレイヤーは学ぶ。

 

***

 

 近距離から遠距離へ、点から線へ、直線から円弧へ、攻撃の射程を伸ばし範囲を広げていくモンスターへ対応していくうちに、プレイヤーは自然と段々とバトルのコツを学んでいける。なかなか良いゲームデザインだと感じました。

 

 

■1/26
初プレイ~プケプケに挑むまで。

 

■1/27
プケプケ~アンジャナフに挑むまえまで。
 ついにスリーアウトに。「ついに」と言ったが、経験者はもちろんシリーズ初プレイのひとからしても「はやくも」に違いない。
 プケプケだけならまだなんとかなったかもしれないが、2アウトのところでアンジャナフがかぶってしまい、逃げるに逃げられず……。
 ドスジャグラス戦あたりでもアンジャナフにニアミスし、よく対策がわからないまま来てしまったので、起こるべくして起こった印象。それまでだっていつ討伐失敗してもおかしくなかったから、自分としては「意外ともったな」と思った。

 

■1/28 9:00-4:00
アンジャナフ~風船コウモリ倒すまで。
 アンジャナフを倒せるようになり、リオレイアもそう強くないことがわかったので、配信バウンティを達成することに精をだした。

 

■1/29 18:00-3:00
"瘴気の谷"に降りてキャンプをつくったのち~"瘴気の谷"の奥のキャンプ候補地への着陸を邪魔する霜吹く鳥竜レイギエナを倒すまで。

 

 フリークエストのドスギルオス狩猟クエストがなかなか大変だった。

 オドガロンとまず遭遇して、それをドスギルオスだと思って(忘れっぽいんですわ……)戦ったところ、鳥っぽい大型モンスターとの3体も入り乱れてのバトルとなったうえ、谷底はライフをじわじわ削る瘴気も満ちているためたいへんだ。

 ぼくは瘴気ダメージを軽減する装備で挑んだし、回復持ちのオトモと頑張っていたころはよかったのだが、これがまちがいだった。
 討伐対象まちがいに気づいたころにはオドガロンはいくつか部位破壊のメッセージと落とし物をだしていて、こちらはこちらで「時間もあるし」と「オドガロンも倒しちゃおう」と欲をだしてしまった。
 救援の仲間もありがたいことにつきあってくれたのだが、瘴気対策はいまいちだったようで、じわじわと死が積まれていって、気づけばスリーアウトになっていた。
 舌きりスズメの悪しきジジイか?

 そもそも、パーティが欠けることなくモンスターの体力を削りきったとしても、オドガロンの逃げ休む巣穴は、そのときのメインシナリオ進行度では障害物に道をふさがれて辿り着けない地点だったらしいので、どちらにしても徒労に終わった可能性がたかい。

 この、せっかく行けるようになったマップでも、メインシナリオの進行度によって行けない地点がある……というのは、少し思うところがある。
 『MH:W』で狩りの場に立って感動したのは、マップの広さにあったのではと思う。サイズの問題ではない――PS2時代にプレイした『FF12』のマップは、走るのが面倒になるくらい閑散としていて、嫌いな部類にはいる。
 たぶん、メインシナリオで必須の部分や、いずれ関わってくるけどまだまだ出番がさきのもの{エリア/小道具/モンスター。 単に強いモンスターだ(=高難度だ)という以外にも、存在が気づきにくいものなど様々なパターンがある}や、必須でないものが同じマップに混在していること。そうした情報の詰まりぐあいや、境界の可変ぐあい。非プレイヤーキャラ同士の絡みなど……がそのような印象を抱かせるのだと思う。

 プレイヤーの選択したクエストとは無関係にマップを闊歩する大型モンスターがいて(ここまではPS2ゲーム『FF12』等も同様だったが)、こちらが初心者であろうと気にせず襲ってくる(高難度の領域にプレイヤーが挑むのでなく、領域のほうが近寄ってきて呑み込みプレイヤーを巻きこむ)。そのうえ、モンスター同士で縄張り争いをはじめたりもする。
モンスターはプレイヤーにとって敵でなく、敵の敵であることもあるのだ。

 『MH:W』のモンスターとの関係はさまざまで、"小型モンスターの野良オトモ化"(探索で出会えるキャラによりアンロックされる)というのもあって、敵/敵の敵/味方とどれだってあるし、"敵の敵"もかなりのバリエーションがある。ダメージソースとしてのモンスターというパターンもあれば、状態異常ソースとしてのモンスターもいるし、(捕食をつうじて)回復ソースとしてのモンスターだっている。
 敵味方関係以外にも、すでに述べた鳥形小型モンスターの乗り物化もある}

 物語の筋にしばられず物事が存在し勝手うごいていること……そこに世界の広さを感じる

 新しいマップに行けるようになったら、メインシナリオを進める前にとりあえず"探索"にでて、時間制限を気にすることなく、これといった目的もなくただただマップをぶらついて、その土地の植生や鉱物、小動物や魚を確認していきたい。
 ……そういうプレイスタイルの自分からすると、これは気に食わない。

 

■1/29 18:00-1:00
 オドガロンを倒した。
 最初は自分{太刀(雷)。防具は防御1、瘴気態勢1、雷攻撃1、雷耐性1みたいな感じかな}+オトモ(ウォッチャー装備。特殊は回復ミツムシ)で挑んだのだけど、オドガロンの機敏な動きに翻弄されてこちらの攻撃はことごとく空振りし、裂傷もバコスカ食らって、回復ミツムシにもたどり着けない。1アウトしたところで、「これはだめだ」と退散した。

 ぼくは基本的にクソ雑ガチャガチャ操作の力押しプレイだ。不器用だし頭の回転もおそいので、そうならざるをえない。これまでもさまざまな操作ミスをしてきた。
 LスティックもRスティックも十字キーもつかう操作によるミスも多いが、それ以前の問題だ。太刀を一回だけふるうつもりが2連撃になり、しかも初撃から空振る扇風機ムーブを何度繰り返してきたことか……。
 「初撃こそ外れたが2撃目は当たった」とかそういうこともある。
 それ以上に空振りを重ねもしているのだけど、あまりにも常態化しているためもあり記憶に残らず※、珍しいし成功体験である「(2撃目)ヒット」のほうばかりが印象に残った。
{※理由は主に2点。

 第一はすでに述べた通り、空振りがあまりにも常態化して「自分の(操作)スキルではこれはデフォルトだから」という点。

 もう一点は、オトモやその他のキャラを引き連れたうえで挑んでいるから、敵の攻撃対象が散らかって空振り後の隙をつかれダメージを負うという失敗体験もそんなに多くなかったという点}

 なので、ガチャガチャプレイを続けてきたのだけど、さすがにもうこの雑な立ち回りで済む戦況ではなくなってきた。プレイ技術は劇的に向上しないだろうけど、「クソ雑」が「雑」くらいには修正していかないといけないなあと思った。

 

 再挑戦は、オドガロンを一度もキャンプに戻されることなく勝つことができた。

 回復薬グレードも少ししか使わず、部位破壊による落とし物やバトル中に落とされ・剥ぎ取りに時間のかかるために攻撃される心配ある尻尾も回収、それどころか捕獲用麻酔玉もつかって生きたまま村へ持ち帰った。
 完封勝利といっていい。

 ガチャガチャ操作を改めたからだ……と言えたらよかったのだが、そんな殊勝なこころがけがあるのなら、その前クエストのボス飛竜レイギアナと戦った時点で、ブレスが直線から円状に噴かれるものになってけっこうバコスカ食らっていた悪しき記憶を反省しているはずである。

 方針転換は、むしろ早々に逃げ帰った1戦目と楽々と打ち勝った2戦目のあいだにあった。
 ガチャガチャ操作だけでなく、力押しプレイもなかなか大変になってきたのだ。
 再挑戦のさいハンター=プレイヤーにはオドガロンの弱点である氷属性武器と攻撃力アップの防具、そして裂傷耐性の防具を新調した。
 素材あつめも大変な量になってきたし、なによりお金がなくなった。装備の生産費と、つくった装備の底上げの加工費がバカにならないほどかかるのだ。
 アイテムBOXを開いて初めて売却メニューを押した。

(が、「売却アイテム」を本当に売っていいものなのかどうかよくわからなくて、結局何も売らずに終わった……)

 ながい時を経て装備をそろえ、太刀(氷)、防具(裂傷耐性1、瘴気耐性1、氷属性攻撃UP1、)、そしてオトモは麻痺武器+特殊武器も閃光(?シビレ罠?)、荒れ地のまもり族の3人でいどんだ。
 ザックザックと部位を破壊しつくしノーアウトで捕獲できた背景には、オトモもエリアにある閃光羽虫ももちい、ビッリビリと麻痺につぐ麻痺によって嵌めに嵌めた、力押しのむなしい非対称戦があった。

 

 キラッキラと輝かしいアステラの調査団の栄光を、目を細めてよく見極めよう。

 それは、ハーグも星のように遠ければジュネーヴが来る日も見えない、未開の地点の未明の時分において乱用された電気攻撃による発光なのだ。眩い雷光のしたには、苦痛にゆがむモンスターの顔がある。捕らえたモンスターは研究所へと運ばれると云う。
 足跡や粘液を手に入れるだけで、モンスターの外見を描き、部位ごとの弱点をあばき、剥ぎ取り素材もつまびらかにする研究所。そこに送られたモンスターは、はたしてどんな扱いを受けるのだろう。
 あるいは捕獲するや否や闘技場に対戦相手として並ぶ同じ種類のモンスター。彼らはどこからやってきたのだろう。
 そうした疑問について、モンスターの行きつくさきについて、導蟲(しるべむし)は反応しない。

(当時のぼくはここからさらになにか操作方法にまつわる与太話をつづけようとしたらしい。らしいのですが、はたしてなにをどう続けるつもりだったのか、『MHW』の操作方法も頭からきえた今となってはまったくわかりません)

 典型的なのは"道具ショートカットメニュー"の選択使用で、左手でL1ボタンを押しながら別の指で十字キーを押すと"道具ショートカットメニューを"開かれるので、円形に並んだ道具アイコンのなかから右親指でRスティックを回してひとつ選択、スティックを押しこむことでアイテムを使用することができる。
 画面右下に表示されているアイテム一つだけは、□ボタンを押下するだけで使えるのだが、表示されたアイテム以外を使いたいときは、L1ボタンを押して横に長い"道具選択メニュー"をひらいて、目当てのアイテムにカーソルが合うまで□や〇を押していく必要がある。
 ボタンを押しすぎて目当てのアイテムが通り過ぎてしまったり、選んでいるあいだにモンスターの攻撃を受けたりしてしまう。

 

■1/30
 オドガロン撃破、この日だったかも?

 

■1/31
 夜勤のためお休み

 

■2/1 18:00-00:00
 古代竜人と出会い、リオレウスを倒した。
 リオレイアに毛が生えたものだろうと思っていたが、異様に強かった。勝てはしたのだけど、探索の延長線上での戦いで、つまりスリーアウト制ではなかったからそうできただけで、敗北感がつよい。
 だけど、釈然としない感じもかなりあって。リオレウスはたしかに強いのだけど、キャッチーな強さじゃないのだ。強さのアピールが玄人向け(?)。

 

※ここからは地に倒れてるとき(のとある期間)無敵であることや起き上がりのとある期間は無敵であること、起き上がりのタイミングを自分で決められることを知らないプレイヤーの感想です※

 

 アンジャナフはからだが大きくなるルックスの変化と、その状態から放たれる炎の予想を超える高速のレーザーぶりと(見た目にかなった)一撃必殺的ダメージで、ぼくをビックリさせてくれた。
 初見殺しされたあとの炎レーザーへの対処も

「あの(直感的に)すごい(と感じる)ものをかわせた!」

 と、快感がある。(予備動作がおおきいので、案外かわしやすい)

 対するリオレウスの攻撃は、「わかってるけどかわせない」というものだ。
 動作自体はレイギエナなど翼竜あたりで見慣れたようなふつうの突進とかキックとかなのだが、一発一発が重い(ダメージもノックアウト確率も)のと、起き攻めが優秀なので、

①「当てられちゃった」
②「はやく起き上がらなきゃ」「気絶を解かなきゃ」
③「次弾がやっぱり当たっちゃったじゃん」
(場合によっては更に三弾もきて、①へ。ループ)
 
 ……と削られてライフがゼロになる。
 なるのだが、しかし、あまりショックは受けない。
 ここらへんが微妙な心理で、気絶させられるのも倒された後ゆったり起き上がるのも、まちがいなく(不用意な行動をしてリオレウスの攻撃をくらった)自分の立ち回りのつたなさから来るもので、そこは自覚がある。
 ただ、ダメージくらったあとの気絶~回復するまでの時間や、起き上がりのモーションのゆったりさについては、
「大なり小なりシステムで設定されたものだ」という認識があり。この"自分が操作不能な時間"をモンスターに突かれても、
「いや悪いのはおれでなくシステムでは」と転嫁してしまうきらいがあるようだ。

 なんか、ステータスを上げればどうとでもなるような通常攻撃の連打でやられてるような感覚があって、また、一発くらったからといって毎回そのようなコンボにつなげられるとも限らないので、避けられたところで(アンジャナフの炎レーザーを対処できたときのような)興奮はない。
 これがつづいたり、過激化していくようだと自分の好みからは外れていくなあというのが正直な感想でした。

 しかしリオレウスがこちらにやったことって、相手が大振りした隙をつく、相手がダウンするまでは無暗に武器をふりまわさない……という、オドガロン戦後にやろうやろうと思ってぼくができていない立ち回りである。見習うべきところは多い。

 

 ※以上、いろいろ知らない人の感想でした※

 

 ただ、あまりにプレイがつたなすぎて、せっかく用意した面白ポイントが味わえずに終わったおそれもある。

{実際、やっぱり勘所がよくわかっていなかったようだった。

 『モンハン』でプレイヤーキャラクターがダウンした後の起き上がりは、モーションこそゆったりだけど起き上がりはじめはモンスターの攻撃を素通りさせる無敵時間があり、起き上がるタイミングはこちらで決められもする。

 なので、プレイヤーのとる選択肢は、
①ガチャガチャ操作で不用意に立ち上がる(。追撃をくらったりくらわなかったり運に任せる)。
②攻撃がやむタイミングを見計らって起き上がる。
③追撃のタイミングに合わせて起き上がって攻撃を素通りさせる(。反撃へさっと向かう)。
 ……などの選択肢がプレイヤーにはあるらしかった}


 また、上とは関係ないことで、ある時分でマップが大きく壊れ激流ができていて、そこでなにかおもしろいギミックも展開されるのではないかと思うのだけど、壊れた直後にライフがゼロになったので、どのように転がるのかは不明なままギミックが終わってしまった。

 

■2/2 18:00~24:00まで
 フリーで出てきたキリンを倒し、任務クエストのディアブロス討伐~マグダラオス討伐まで。

 キリンが凶悪で、古龍種のこわさを味わった。クエスト前説明で雷のモンスターだということはわかっていたけど、びりびりシビれるどころか、即死したりする。
「エロ同人で装備は知っていたけど、サバンナじゃなくて神話の世界にいるほうだったか」とかぼんくら思考を焼き切る猛攻。
 オトモダチ途中退場、プレイヤー本人もツーアウトで回復薬もほぼ使い切るというギリギリながら、なんとか初見で倒すことができた。
 その観点からいくとスリーアウトしたリオレウスのほうが難敵だったわけなのだけど、キリンのほうがよほど手応えを感じられた。

 キリン戦をたのしい狩りライフだと感じた自分の好みはやっぱりなかなかハッキリしている。キリンの必殺技は、炎レーザーより広範囲を一瞬で埋める一撃必殺系大ダメージ攻撃なのだ。
 雷光レーザーは、長い予備動作があり、どのへんに雷光が通るかのガイドラインさえ出してくれるので、対処はしやすい。 ただそこで慣れてきて他の遠距離攻撃中のモンスターへこれまでそうしてきたようにうかつに近寄って攻撃すると痛い目を見るのもよい。
 ガイドライン以上に当たり判定は長くって、そのうえ攻撃の出どころは――口から吐かれる各種ブレスやトサカをストロボさせるツィツィヤックの閃光攻撃といったこれまでの遠距離攻撃とちがって――顔のはるか後ろにある。
 ガイドラインとズレた攻撃だが、「だまされた!」とはならず「まあ見てる感じそりゃそうだよね」と思えるあたりの匙加減もよい。

「初心者ウケするのは、見た目だけでなくバトルもだったのか……」とついにエロ同人の世界でなくゲーム本編でおがめたキリン装備を見てしみじみ思った。

 さて楽しく狩りライフをしていた私だったが、しびれを切らした友人のテコ入れがはいったディアブロスをさくさくと爆発させていき、非常にたすかった。
 ゾラ・マグダラオス戦もいっしょにプレイしたのだが、マグダラオスから降りるはるか前に回線不調で交信が途絶え、ひとりに。

 

■2/3 10:00-12:00、14:00~8:30
 上位種ハンターに階級が上がり、ランクアップしたモンスター討伐や装備作成に挑めるようになった。
 プケプケ上位種討伐~上位版マップをまわって"リオレイア???"の痕跡探し~任務クエストアンジャナフ上位種を倒すまで。
 翌日曜に予定がはいってるにもかかわらず、お出かけの時間まで一睡もせず延々やってしまった。

 プケプケ上位種とアンジャナフ上位種をのぞいたそのほかの上位種討伐はフリークエストで、倒すか否かはメインストーリーの進行とは無関係のようだ。
 プケプケ戦は楽々クリア。
 上位種を素材にしてつくられる装備は、そんな雑魚モンスターによるものであっても、苦労した下位種幻獣キリンやマルチでないと倒せなさそうだったディアブロスによる装備よりも優秀だった。防御力もたかく、スキルも複数ついている。
 なかでもOPから顔を出している火山じみた巨大モンスター"ゾラ・マグダラオス"の素材によって作成できた武器は格別で、たまに発生する爆発が大ダメージ(三桁ダメージ!)だし、おまけに防御力アップと装飾品スロットまでついている。
 その有能さの証明が、プケプケ上位種から得た、どこかどう下位とちがうのかよくわからないくらいの圧勝だった。属性なんて気にせずこれでボカンボカンとしていけば全部よさそうなくらいだ。

 この任務クエストを終えると、「各地の上位種マップを回って、モンスターと戦いつつ、"リオレイア??"の痕跡をあつめよう!」ということになった。
 ほぼ全ての上位モンスターがフリークエストという、「誰からでも倒してよいし、倒さなくたってよい」というような流れなので、強さが横並びになっているような感がある。

 上位種装備をすべての部位で複数そろえるまでの期間がいちばん苦戦したし、楽しかった。 

 マグダラオス装備は防具も優秀だ。属性の相性はあるけれど、とにかくステータス上昇値がおおきい。つぎに待っている上位種装備よりもたかいくらいだ。
 一回だけしか戦えないマグダラオス装備でひとつかふたつなにを作るか選んだら、そこ以外の上位種装備を充実させていく……そんな流れかと思ったら、クエストをこなしているとまたマグダラオスとの戦いが再度ポップするというではないか。
 たまにポップすると言ってもそれはソロプレイヤーでの話で、マルチプレイヤーの視座からすれば――さすが全世界500万本出荷の作品である――いつ見てもどこかのだれかが必ずマグダラオスに挑んでいるので、そこへ便乗すれば楽々と装備がそろえられてしまう。
 つよいひとはすぐ任務クエストへ挑めばよいし、よわいひとはフリークエストで上位種を狩って装備をそろえていけばよいし、上位種相手にきびしいひとは、マグダラオスエストを周回することでことで下駄をはくことができる……プレイスタイルによっていろいろと選択肢がある作りだ。
 
 とはいっても、マグダラオス装備のステータス的な高能力も、相性によっては役立たずになるので、モンスターによってはこの装備でかためても苦戦する。なかなかよいあんばいだと思う。

 アンジャナフ上位種は、下位種の任務クエストにおけるトラウマがあるので、水属性攻撃力の増強と、火属性防御力の増強をはかってから挑んだが、ノーアウトであっさり倒せてしまった。
 ステータスについて敵の上昇値よりも、こちらの増強値が大きく上回ってしまったような印象もある。
 あるのだが、印象としては戦地が"古代樹の森"から"大蟻塚の荒地"へ移って、アンジャナフの強さが丸つぶれのマップだったのが大きい。
 アンジャナフの炎レーザーは、"森"の見通しのわるさや土地のせまさがあってこそ発揮されるものだったのだなあという学びを得た。
 アンジャナフ上位種は、森でもかわらず出てくるので、任務クエストのかれはなにか裏設定があるのかもしれない。
 前段で瘴気にあてられたモンスターとか、そういう話があった(ような気がする)ので、わざわざ地の利を捨ててまでこちらへ出てくるところに、なにか悲しみ帯びた異常事態らしさを感じた。

 

■2/4 15:00~19:00
 "リオレイア???"討伐~"龍結晶の地"を探索~各モンスターと出会うまで。
 "龍結晶の地"がうつくしい。"瘴気の谷"は生物のいきつくさきというか末路という感じで、腐肉と骨が散乱し土地を築いて腐臭がただようグロテスクの極みだった。こちらはこちらで別方向に行き着いた果ての世界で、崇高を極めている。
 お日様のあたる表層は冷え冷えとする宝石の山々で、まるでカスパー・ダーヴィト・フリードリヒによるの海』のなかに迷い込んだかのよう。幾何学的な柱状節理の巨人の石道(ジャイアンツ・コーズウェイ)をくだって地下にもぐれば、グツグツと煮え立つ活動中の溶岩地帯がひろがっている。

 地下にダメージソースの地帯がひろがっているのは、"瘴気の谷"と同様だけど、あちらの瘴気が特定のアクションによりマップから一掃することが可能だったのにたいして、"龍結晶の地"の熱はマップから払いのけることはできず、クーラードリンクを服用したりそれ用の装備で耐えるしかない。
「より過酷な地に来たな」
 と、気が引き締まるマップデザインだ。

 

 リオレイア亜種は、上位種とちがって別モンスターというくくりのようで、モンスター図鑑も新たに別項がたてている。だけどぼくには、あまり違いがわからなかった。

 "龍結晶の地"で出会うリオレウス亜種には、とりあえず逃げの一手をきめこんだ。リオレウスにもいいようにやられたトラウマもあるし、もう一方で「がっぷり四つで戦っても、その名の通りリオレイア亜種と同様、あまり面白そうじゃなくない?」というのもあった。

 リオレウス亜種をのぞいたこの地に出てくる新モンスターたちは面白い
 岩をたべて爆弾にかえ吐き出す、蛙風の竜ドドガマル。

 溶岩を泳ぐ魚竜ヴォルガノス。

 爆弾を撒き落としながらゴロゴロ回るウラガンキン……といる"龍結晶の地"三種。

 これらはそれぞれ、"古代樹の森"の他のモンスターを丸呑みしていた大食らいイグアナ風の竜ドスジャグラス、"大蟻塚の荒地"の浅い沼を泳いでいた魚竜ジュラトドス、"瘴気の谷"で棘を撒き落としながらゴロゴロ回っていたラドバルキン……のコンパティブルのような趣がある。

 ただ上の説明からもわかる通り、ここまで見てきた上位種亜種モンスターとちがって、新モンスター三種はルックスも攻撃方法もけっこうな様変わりがあって、
「ほかの上位種亜種モンスターもこのくらい違いがあったらおもしろかったろうな」
 と思った。
(ヴォルガノスとウラガンキンは再登場モンスターなので、シリーズファンからすればジュラトドスやラドバルキンこそコンパチだと感じたろうし。ジュラやバルキンには下位マップから登場ゆえに攻撃手段がシンプルな点などに、個性をそがれたような物足りなさも味わったかもしれない)

 "龍結晶の地"の新モンスターについては賛否がわかれるようで、「(モンスター登場数の)水増しだ」といった声があるみたい。でも、ぼくはむしろ「だからこそ良い」と思った。
 もしここで3種ともまったく奇抜で斬新なモンスターと出会えていたら、たしかに変わり映えがあって面白いだろう。上位種亜種との戦いに、ぼくだってマンネリを感じている。
 でもシナリオで語られる「上位種や亜種が"瘴気の谷"の奥にある"龍結晶の地"からやってきた」という今作の設定などをあわせて考えてみた場合は?
 3種がこれまで出てきたモンスターの面影を残していることで、ぼくは各イベントシーンとこれまでプレイしてきた実際の時空間とにシステムの面から、縦糸をとおされるような思いだった。

 海にちかい下流から源流へ。間接的な結果から直接的な原因へ。

 ここが頂点だ。
 この世界の行き着く果てだ。
 この物語の行き着く果てだ。
 そう感じられる舞台だ。

 ただ、昔から登場するモンスターゆえに、マップとのからみは小粒かもしれないなと思った。
 ヴォルガノスの、泳いだ航跡が溶岩帯(被ダメージ)にかわるのも面白いし、ジュラトドスの泳いだ航跡が盛り上がってプレイヤーの足場(メリット)になるのの逆でプレイヤーのデメリットとして働くオポジット具合も面白い。
 だけど、今作が初登場のジュラトドスは、最新ゲームの演算能力をいかした見せ場があって――沼地にデンとある(ツタが生えて登れたりする)大きく高い岩場が、ジュラトドスの潜伏浮上攻撃によって壊れ、なくなってしまう。 非破壊オブジェクトというかマップだと信じて疑わず、ジャンプ攻撃からの"乗り"を狙っていたプレイヤーの意表をつくギミックだ――それに比べると、ジュラトドスが平地をおよぐと溶岩帯にかわるギミックは「まあそうだろうな」という感じで、驚きがすくない。

 おなじように、2種のモンスターもマップを広くつかうけど(ドドガマルは今作初登場キャラだけど)、"「爆発する」と思わせるし実際そうなる小さなオブジェクトらしいオブジェクトを撒く"というもので、ジュラトドスによる攻撃のような"マップだと思っていたものが、実は巨大な破壊可能オブジェクトだった"にくらべると、認識をゆるがすようなものではない。

 あのインパクトを超えるには?

 たとえばエリア全体を爆発の渦にかえるので、小型の飛竜モンスターを叩いてスリンガーでしがみついて飛ぶ必要があるとか。あるいは爆発の震動で宝石の山が割れ落ちてくるとか……そのくらいの何かがあってもよかったかもしれない。

 ……それともここまで来たら、縄張り争いとも無縁の世界でも面白かったかもしれない。
 せまいマップでモンスター同士が相対してにらみ合い、ほかのマップなら「縄張り争い」と出るところが、「共同戦線」とか出てきて、プレイヤーへ同時に体を向ける。
 ウラガンキンが爆弾岩をばらまくと、リオレウス亜種が次々と着火していくとか。ドガマルがウラガンキンのそれを食べて巨大な爆弾をつくりだしたり、ガマル自体が爆弾兵器となって(生存を目的とした生物としてはめずらしい)自殺攻撃をしかけてくるとか。

 

■2/6 18:00~1:00
 ネルギガンテの痕跡をさがし各地探索、からの各地学者陣へ会いに行き、ぶんどり族と遭遇しテトルー4種族と仲良くなり、ガジャブーの痕跡探しへ。任務クエストでも相手をした桜色をしたリオレイア亜種のフリークエストをふたつ終わらせ、スルーしていた上位種モンスターをいくつか発見・討伐する。


 ぶんどり族は設定といいイベントといい、とても面白かった
 "瘴気の谷"の、骨肉の争いをしている食物連鎖の地だっていう設定が、マップのビジュアルやモンスターといったわかりやすいところから、アイテム配置やこのマップ特有のフィールドギミック、テトルーに至るまで汲まれているのがきもちよい。

 "太古樹の森"の森奥にすむ族、"大蟻塚"の蟻かもぐらのようにすぐ地中に隠れ移動する、狭い狭い地中に住むまもり族、"珊瑚の台地"のシャムオスに乗り戦おうとするまで追い詰められた(しかし補助職なので格闘戦はよわい)かなで族……と、それはそれで面白かったのだが、かれらより土地とのからみは一段うえな気がする。

 導蟲で色づけされメッセージウィンドウも表示される、マップに残された落書き"テトルーの痕跡"をさがすこと。これが獣人学者に初めに教えてもらったテトルーと出会うための方法だった。
 ぶんどり族の痕跡は、ほかの地方と違って落書きではない。過酷な地に生きるかれらはそんなことを残している余裕はない
 たどるのは、レイギエナの死肉だ。
 オドガロンがみずから倒して巣穴へと持ち帰ったレイギアナの死肉、これをぶんどり族が鬼の居ぬ間に漁っているところと出くわさなければならない。

 

***


 "珊瑚の台地"の桃レイアも、レイギエナとかちあったりツィツィヤックにピカッとされたりしていたが、"大蟻塚の荒れ地"の彼女もまた、バゼルギウスに絨毯爆撃されたり、ディアブロスに地割れで落とされたりしていた。

「これでボカンボカンとしていけば全部よさそう」
 第一印象――プケプケ上位種で宿り、オドガロンやそのほかのモンスターと戦うにつれ確信へと育ったこのマグダラオス装備信仰は、ここにきてくじかれる。
 爆発耐性が高いことを知らずにマグダラオス太刀でいどんだらカキンカキンと歯が立たず速攻でツーアウト。
 2頭の乱入のおかげで、桃レイアは見る見るうちに弱っていき、落とし物を拾いながらたまにちょっかいを出すだけで尻尾も斬れてしまった。
 巣で寝入った桃レイアを起こして捕獲。

 他モンスターによる削りがあんまりにも大きかったのと、桃レイアを素材にしてできる装備が上位種とくらべてあんまり優秀とも思えなかったので、
「よわい装備→楽に手に入るからでは? →高運の結果に思えた削り具合削られ具合はイベント?」
 と、推理がたって、
「桜色のリオレイア亜種は、じつは『小公女』的なかわいそうキャラだったりする? この七転八倒ぶりはシリーズファンにとっては"待ってました"って感じなんか?」
 シリーズファンの友人に聞いてしまったほどだった。(そんなことはないそうです)

 "縄張り争い"やモンスターによる削りは、ぼくはこれまでモンスターのライフをいくらか削ってくれる&落とし物を手に入れる確率のあがるちょっとしたラッキーイベント程度に思っていたのだけど、「こんなに削るの……?」とちょっとビビった。
 ゲームバランスからすると、「プレイヤーがあまり簡単にモンスターを倒せてもアレなので」と、ある一定のライフ以下になったらモンスターがかち合わないようプログラムするとか、そういう設定もできそうだ。けど、それはしないということ。
 そこが見えてようやく、広いと思っていた『MH:W』の世界の、ほんとうの広さがわかってきたような。
 ほんとうにプレイヤーがやっていることとは無関係に、世界が、モンスターが、勝手に動いているのだ。

 ターオーシャン・セカンドストーリー』で有名なレベル上げとして冒頭、男性主人公が不時着した惑星の森にときたま出てプレイヤーを一撃でほふっていく凶悪なモンスター、これを不時着当初だけつかえる強力な武器で倒していくことによって、序盤ではありえないくらいの経験値を得るというものがある。
 一撃死のハイリスクにひやひやしながら、こちらも一撃必殺で対抗し、序盤の雑魚的の30倍70倍の経験値をえていくハイリターンを得ていく……これに似た快感を、『MH:W』で久々に味わった。
 エリア誘導術に習熟すれば、大型モンスターマスター――大型モンスター同士をカチ合わせ漁夫の利を得るひと。おれがいま考えた造語――の道も見えてきそうだ。


 バゼルギウスと戦うことに決めた。桃レイアと戦うのを見て、意外とやわそうだと思ったから。
 実際たたかってみると近づけない、素朴につよい敵だったので、ディアブロス(亜種)に頼ることにした。
 目論見どおり"地割れ"に巻き込んだのだが、それ以上の削りはできなかった。
 モンスターマスターへの道は長く険しい。

 

***


 珊瑚の台地の上位種がフリークエストに名前が出てきてないので、探索で会いに行く。レイギエナを捕獲し、パオウルムーを逃し、ツィツィヤックを捕獲し、オドガロンを捕獲し、またツィツィヤックが出てきたのでこれも倒し……というのをノーアウトでできた。

 

***


ディアブロス、狩りにいってみるか」
 調子にのったわたしは、大きく出てみた……下位種だってソロで倒してないのに。
 桃レイア(と他モンスター2種が)戦(うのをただ見ているだけだ)ったときに、ディアブロスの図鑑が埋まって弱点が判明したので、プレイヤーは水武器に水属性強化のスキルをのっけて、オトモも上位マヒ武器で再挑戦。
(という記憶なのだが、モンスター図鑑をみてみると、じっさいは水武器はいちばんの弱点ではなかった)
 かなで族に小型モンスターケストドンもつれての4頭体制、しかもかなで族やケストドン亡き後は(たしか)シャムオスまで仲間になって実質5頭体制だったこともあってか、ディアブロスからの攻撃はターゲットが分散され、楽々捕獲に成功してしまった。
 動きが遅く、足元の攻撃が控えめだから腹のしたにだいぶ居座れた。一戦まじえた感じだと、リオレウスより安定して狩れそうに思える。

 

■2/6 18:00~1:00
 引き続きガジャブーの痕跡さがしと、装備の素材あつめ。……をしているうちに、ネルギガンテの痕跡を一定量あつめ、ハンターランク12へ。
 雷属性の武器カガチノキバIIをつくるためにディアブロス上位種の角が必要だということで、かれを狩ることを目標にマップをひらくが探索にでてこない。
 氷武器に必要となってくるレイギエナ上位種も同様。
 とりあえず"瘴気の谷"へ行ってオドガロンを、探査クエストでジュラトドスを狩ることに。そのうち目当てのモンスターが出てきたので、まずレイギエナを倒し、氷武器を一段階強化してディアブロスへ。
(図鑑を見直したら、氷武器がほんとうの弱点だった)
 前回は4頭体制だったけど今回は3頭体制(オトモダチは"荒れ地のまもり族")
 不思議なもので、昨晩あれだけさらっと倒せたのに、むこうの攻撃が避けられない。
 しかもダメージが大きい。
 回復薬(グレード)も使えないくらいの即死⇒目と鼻の先にあるキャンプから復帰⇒即死……の連続。
 クエストじゃないから何度だって挑めるし、戦地へもすぐ戻れるし、悪いことはないんだけど、なかなかプレイをつづけるやる気が損なわれてゆく。
 "かなで族"のステータス上昇は大事だったんだなあ、ケストドンがいるのといないのとではえらい違いだなあとしみじみ思った。

 

***


 "龍結晶の地"でネルギガンテの痕跡さがしへ。
 初探索時は、キャンプに戻されながらも、ドドガマルとウラガンキンとを狩ったので、ヴォルガノスとも戦ってみようと思っていた。
 しかしウラガンキンを倒すだけでアウトを重ねてしまい、こちらはキャンプから戦地まで遠いので、プレイする気力が尽きてしまった。

 

 ***


 探索をおえ拠点にもどるとハンターランクが12に。フリークエストが山ほど増えて、HR不足で選べなかった調査クエストも挑めるようになった。
 ……マップにレイギエナやら何やらが出てくるまで待っていたきょうの苦労はいったい。

 "瘴気の谷"の段階的な進行可能エリアの解禁でわかったとおり、苦労してでも主筋(任務クエスト)を進めたほうがよいのだが、

 

■2/7
夜勤のためお休み

 

■2/8
ここのところの寝不足+夜勤明けの疲れでお休み。

 

■2/18
 日中はぐだぐだ過ごし、夕方からは夜勤のためお休み。

 

■2/19
 友人に助太刀されつつ、クシャルダオラ、ヴァルハザクそしてゼノ・ジーヴァを倒す。

 

 ***


 クシャルダオラについて。
 生態調査のひとが鋼のように硬い硬いと言うので装備を固め、龍封力のたかいネルギガンテ太刀で戦うことに。
 蓋をあけてみれば、まきおこす暴風がひどくてなかなか近寄れない難物だった。
 友人がガンランスかなんかをもって助太刀に来てくれなければ、到底太刀打ちできなかっただろう。太刀装備だけに。

 

 ***


 ヴァルハザクについて。
 友人の助言をうけ、"対瘴気珠"3つ全部つけて挑む。「それさえつけてれば愚鈍だから」というような話で「でも古龍でしょ? 終盤の敵でしょ? 本当かよ……」と半信半疑だったけど、本当だった。
 面白いようにダメージをくらわない。
 そのうえダメージ無効の小気味よい音がリズムを刻み、とてもきもちよい。(ひるがえって「もし対瘴気装備でなかったら」と考えると……)
 弱点について。瘴気が云々で見た目もゾンビ風、直近の任務モンスターとして"テオ・テスカトル"もいたことだしそこを活かす形で、火属性武器だろうと思い、そちらか龍封力のおおきいネルギガンテ太刀で挑むつもりだった。
 でも氷装備とかにしてしまっていて、「うーん勝てるだろうけどな、どうしようかな」と気もそぞろになっているあいだにワンアウトした。

 

 ***


 ゼノ・ジーヴァについて。
 あんまり見た目が面白くなかった。バトルも同様で、拍子抜けしてしまった。
 このバトルでも救援に入ってくれた他プレイヤーがツーアウトする(同一人物)などして、たしかに脅威は脅威で、戦うこちらもドキドキした。
 だけど、そのドキドキの中身が、
「さすがラスボスだ……」
 という恐怖でなくて、
「このひともうワンアウト重ねやしないだろうな……チケット使っちゃったんだぞこのバトル……」
 という心配だった辺りに、ラスボスとしての格(のなさ)が表れていると思う。
 倒した後のムービーパートからそのままEDクレジットへ移行したときは、素朴に驚いてしまいました。

 攻撃パターンがかなり読みやすく、対処もしやすい。気をつけてさえいればなかなか殺されにくい相手だ。
 それでもアウトするひとがでるのは、その背の高さから来る弱点部位への攻撃の当てにくさと、体力の多さとによってバトルが長引くので、分母(バトル時間)がおおきくなるのに比例して分子(バトル中のミス)もそれなりに大きくなる……ということだろう。

 バトルとマップとの絡みもないように思えたし、マップやモンスターの設定を補足するような書き込みもわからなかった。

 さすがに見落としてしまっただけなんだろうけど、どこにあるんだろう?

 

***


 ブレスはゴジラみたいな青白いレーザー。カプコンファンからすると、リュウが『V.S.』シリーズで放つ真空波動拳のほうが馴染みぶかいだろうか。
 炎でなく、光線ないしエネルギーであるということで、速度と射程がとてつもない。たぶんダメージもとてつもないのだと思うのだが、放つまでのタメがとにかく大きい。ブレスの軌道も一直線で一本だけだから、ここにたどり着くまでの間にキリンが放ってきた複数本の雷光に対応しているプレイヤーは難なく避けられるだろう。

 

***


 そのほかの不満として、"龍結晶の地"とそのモンスターのマップの絡まりかたがどうにも微妙だったというのがある。
 "龍結晶の地"の上位モンスター、そのさきにひかえる古龍との戦いはどれもそうした傾向にあるんだけど、ストーリーは終盤も終盤で、モンスター単体の強さ・プレイヤーの操作技術のたかさを試すようなところがあって、マップなどによるモンスター外のギミックは後景にかなり退いている。

 その観点からすると龍結晶は、プレイヤーを驚嘆させるインスタ映えする背景以上のものが見出しづらかったと思う。

 

***


 レーザーを避けられたと思ったら、周囲にある龍結晶が乱反射を起こすとか、そういうのがあってもよいのではと思った。
 プレイヤーは、ゼノ・ジーヴァと戦ういっぽうで、龍結晶の切り崩しもしなければならない……というような。マルチプレイを想定した構成。

 あるいは、完成版では(ヴォルガノス同様)地面を灼熱地帯に変えた/PS2時代でも出来そうなテクスチャ弄りだったところを、龍結晶がいままさに生成されて剣山地帯になったりさらに隆起してプレイヤーを串刺しにしたりする(完成後は、ジャンプ攻撃用の足場になって、平地では脚しかあてられず有効な攻撃の通りにくいゼノ・ジーヴァの巨体に高ダメージを期待できる部位への攻撃を容易にするとか。 ジャンプ攻撃を狙おうとすれば移動が制限されるので、プレイヤーはブレスをくらうリスクを背負うことになる)とか、そういうのでもよい。

 あるいは、フィールドギミックとして絡まなくても、設定だけでも汲むという線もあってくれたってよい
 "瘴気の谷"のヴァルハザクと逆を行って、モンスターに力を与え("龍結晶の地"はじっさいそういう設定である)生み出しもするモンスターというのはどうだろうか。
 切断した部位がモンスター化したり、そこらをうろちょろするモンスターがゼノ・ジーヴァと接触したことで青白く強化されてプレイヤーに立ちはだかるとか。
 そういう路線である。

 それともマップをギミックとしても設定としても活かさないにしても、たとえばエネルギーの塊ないしそこから生まれたモンスターという設定がもう少し活かせる形もあるかもしれない。
 ゼノ・ジーヴァは討伐後に青白い光が消えていったが、切断した部位については通常のありようとは異なるかたちでそうなったものだから、そこから抜けていくエネルギーも爆発をともなう極端な抜け方をするとか。
(そうして、ほかのプレイヤーに戦闘をまかせ、バトル中の剥ぎ取りをねらって近づいたプレイヤーへ初見殺しするのだ)

 

 

 

 

0502(日)

 寝たり起きたりしてました。

 

 

0503(月)

 寝たり起きたりしてました。

 ■読みもの■

  『屍者の帝国』でフョードロフが出てくることは伊藤氏のラインから追えなくもないんだな

本日の買い物

 

代休だったので古本屋散策。そしたらイアン・バンクスの「蜂工場」が100えんだったので買う。他には文庫クセジュのロシア/ソ連史ものをいくつか。それと「バイバイ・エンジェル」がこれまた100えんだったので、なぜかいままで手を出す気になれなかった笠井潔、それも矢吹駆に手を出すことにする。読んだら面白いのはわかっているのだけど、どうしていままで食指が動かなかったのかしら。

   伊藤計劃:第弐位相、2005年1月17日「本日の買い物」より(太字強調は引用者による)

 伊藤計劃さんと円城塔さんによる共著版者の帝国』にフョードロフが出てくるのは、文字(はてなダイアリー)になった伊藤計劃の足跡の延長線上にあるのかもしれないということに最近きづきました。

 文庫クセジュから出たルネ・ザパタ氏によるシア・ソヴィエト哲学史(97年刊)では、フョードロフが「一八八〇年から九〇年代以降のロシア文化全般にわたって、絶えず増大して行く影響力を及ぼすようになる」*33人の思想家のひとりとして挙げられていて、『屍者の帝国』劇中現実として小説の登場人物が登場する作家ドストエフスキーへの影響もまた記されています。

 モスクワのルミャンツェフ博物館で司書をしていたこの博識家フョードロフは、闇に埋もれた人物で、その主著『共通の目的の哲学』も死後になってようやく弟子のV・A・コゼーヴニコフとN・P・ペテルソンによって刊行された。しかし、ドストエフスキートルストイ、ソロヴィヨーフといった、それぞれ異質な個性をもった人物たちから絶賛され、こうした人たちと終生とだえることなく親交を続けたフョードロフは、人類的友愛の確立を基礎とする理想主義哲学――その≪共通の目的≫が死の超越であるべき哲学――をじっくりと錬成したのである。知の探究に専念する共同体という彼のヴィジョンのうちに、フョードロフは自然界の諸力を克服し、死すべき者としての人間の天性を超越する可能性を見出した。

   白水社刊(文庫クセジュ)、ルネ・ザパタ著『ロシア・ソヴィエト哲学史』p.81

 フョードロフやカラマーゾフは伊藤氏の試し書きから出発した円城氏があれこれ書いていくなかで、なんとかうまいこと捏ねくりだしたものだとばっかり思っていましたが、ではもし伊藤氏の単著だったならはたしてこうした世界へ辿りつけなかっただろうか? というと、案外そうでもないのかもしれません。

 

 

 ■ネット徘徊■

  DMMブックス7割引き利用できなかったFANZA民かどうかを見分ける方法

www.fnn.jp

 この記事がながれてきて、サムネで「え、エロ漫画で見かける黒子の位置じゃん!!」となってしまったひとは、DMMブックス7割引きセールを使えなかったひとです(サンプル数1)

*1:と言うぼくの目はぼんやりしていますから、識者のご意見をたまわりたいところです。

*2:

 スコットランド人の彼は山を自由の象徴として見、「異邦人の軽蔑にも、剣の力にも決して屈することのない、自由の砦、巨大な壁」と考えた。酷しいカレドニア(スコットランドの雅名)では、人々は「氷を頂く山々を喘ぎつつ駆けめぐる」「屈強な原始主義者(プリミティヴィスト)」であった。しかしそれでもなお、愛する祖国を描く時のドラモンドの語彙と慣用句は、一度もロンドンを離れたことのない詩人と同様に、古典の借りものであることが多かった。「山の誇り」「天を脅かす」峰、「恐怖の山の雪の兜」などの語句には、古い文学の伝統が生き続けているのだ。

   国書刊行会刊、M・H・ニコルソン著『暗い山と栄光の山』p.88~、「第一章 文学的遺産」より(色変えは引用者による)

{※このドラモントの表現のピックアップと「一度もロンドンを離れたことのない詩人」という言い回しは、前段で引かれた『多幸の国(ポリ・オルビヨン)』の著者ドレイトンとなぞらえているものだと思われる。

カンブリア地方の山々は、彼に最も素晴らしい山の讃歌を書かせた。慣習的語彙を用いながらも、そこには雄大な自然への個人的感情が表われている。彼はふんだんに修辞を駆使したが、その響きはローマよりむしろギリシャ文学のものであった。「誇らかなスキドウはひときわ高く、……パルナッソスの山にも似て……かの聖山と同じく双頭を頂く」。頭を誇らかにもたげ、「スキドウ」は、自らその一部でまたその中心である広大な景色を一望に収めていた。その「輝かしき高み」からそれは「荒きヒベルニア[アイルランドの雅名]の海」、そして延々と連なる「はるか下方の山々」を見下ろしている。頂が「雪の兜」をかぶる時、谷間は震えたが、守護者で王である「スキドウ」は不動で悠然と、「英国のアルプスと名づくべき……高き山々の連なり」を誇らしげに眺めるのだった。『多幸の国』は多分、人が書斎で書物と地図をめくりながら書いたものであろう。ドレイトンはおそらく、生まれ故郷のウォーウィクシャーより先へは旅をしたことがなかったと思われる。

   国書刊行会刊、M・H・ニコルソン著『暗い山と栄光の山』p.85~、「第一章 文学的遺産」より(色変えは引用者による)

 

 ヴォーンの良く知られた詩における山のイメージは、彼の詩一般に見られる聖書のイメージとはまた異なったものとなっている。(略)

 しかしテーマも言葉も雰囲気も、やはり幾世代も続いた詩の慣習に由来するものだった。山に囲まれた土地で生涯の大半を送ったヘンリー・ヴォーンであったが、彼とても、しきたりと伝統の教えるがままに山を描いていたのである。

   国書刊行会刊、M・H・ニコルソン著『暗い山と栄光の山』p.90~、「第一章 文学的遺産」より

*3:白水社刊(文庫クセジュ)、ルネ・ザパタ著『ロシア・ソヴィエト哲学史』p.80~81