■はてなブックマークコメの補足■
ぼくがすきな「文字が多い漫画」は新間大悟『A.G.C.T. 』。おかわりしたいので近い作品募集中
三大文字が多いマンガ
新間大悟『A.G.C.T. 』は長ゼリフをコマ外で展開することで醸す静的な雰囲気が凄い(計劃『ハーモニー』のご先祖的)。おかわりしたい味だが自blogじゃ過疎過ぎて類例集まらんかった<a href="https://zzz-zzzz.hatenablog.com/entry/2019/06/21/040114" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://zzz-zzzz.hatenablog.com/entry/2019/06/21/040114
2024/03/24 11:35
これについては、ほぼ5年経った今でも「おかわりしたいぜ~」てなってます。みなさんよろしくお願いします。
―じゃあなんで、限り無く人間に近いロボットなんて造ろうと思ったんだ?
―テクノストレスという言葉を御存知ですか?
ー…
―テクノストレスというのは人間のコンピュータに対する不適応や過剰適応等で起こる精神的ストレスの事です。
―不安や恐怖、緊張、孤立感。それに伴い視力の低下、眼精疲労。肩こりに高血圧症。消化器官傷…急激なコンピュータの社会への浸透が原因なのですが、これは我々にとっては加害者の立場にある訳です。ですから何とか改善しなくてはいけないと思ったんです。何しろ私も少なからずストレスを感じている人間のひとりですから。最初はそういった複雑な作業をロボットに代替させようといった程度のものでしたが、ロボットの普及に伴い今度はロボットに対してもストレスに抱くという例が頻繁におこる様になってしまった…。
―それはそうですよね。ロボットにたいして、「あれ取って」では通じないんですから。「あれ」ではロボットには理解出来ないんです。つまり、人間のあいまいな要求には応えられないんです。それに元々メイドロボには福祉や家事、一人きりの寝たきり老人や障害者のために造ったものです。健常者の我々ですらストレスを感じるのですからそういった方々の不満はなおさらだろうと思いましてね。人間をロボットの都合に合わせるのは不可能でも、ロボットを個々の人間に合わせることはおそらく可能だろうと…
新間大悟著『A.G.C.T.』p.18
―巡回セールスマンのお話を御存知ですか?
―いや?
―セールスマンが数カ所の都市を巡回する場合、最短距離を求めるという問題です。(略)
―成る程な。たしかにマルチも最初はトロトロやってた掃除なんかもちゃんとできる様になったもんな。
新間大悟著『A.G.C.T.』p.23(略は引用者による)
……みたいな感じで、コマ内は無音(フキダシ台詞なし・オノマトペ無し)にして、大きく余白を取った「コマ外」でモノローグやそれどころかダイアログを展開する一部シーンの語り口が静謐な雰囲気をかもしてて、すごい良いんですよ。
新間氏との共作もあったし「ジャス学や東鳩の美しい同人で知られる新間大悟氏」と認知していた伊藤計劃さんが後々しるした『ハーモニー』の、いつのまにかダイアログがカギカッコ無しで地の文に混ざりこんでいくあの雰囲気に近いものがあって、新間氏の作品を遡及して読んだとき「小説で花開いた伊藤さんの作風って突然変異の天才じゃなくて、あれが生まれる土壌はあったんだな」とビックリ・しみじみしたんスよね。
{押井守監督『劇パト2』とか(『ハーモニー』劇中に改変引用がある)、キニャールとか(『虐殺器官』で引いた)、そういう有名どころ由来以外にも、もっと同時発生的だったんだな……という意味ですね}
・「『出会って4光年で合体』は?」
・かなり満たされました。ただ、ナレーションも存在感ある(意図した存在感だろうし、ナレーションも劇中世界に馴染んでいて素晴らしい)のがあちらの作品で、もっと透明な味わいがほしいんですな。
■ネット徘徊■
アニメ先生
・「アニメ先生とはまたカジュアルながらチクチクくる蔑称だ……」と思ったら、アニメ作品として他メディア展開したバージョンの「先生」(キャラ名)でした。
・このへんを見た影響。
>喋り方が何か文章みたい
— Reishiki (@_Rayshiki) 2024年3月6日
人を傷つける才能があるって言われたことない?https://t.co/DNdoYE0mDG
・ほかにはエピソードトーク、ハガキ職人のお便りみたいとか……
オタク、話し方で分かるというか、声色に感情を乗せるのが棒読みすぎたり芝居臭かったりして違和感あることが多い
— みひら (@qoo1061909130) 2022年8月29日
あと文章的な完成されたエピソードトークの形でしか喋れないから会話ができない 全てワイですが
……会話しているときキャッチボールじゃなくって打席に立っている感覚、「なんかうまい一言キメたろう」と大喜利・IPPONグランプリしてるフシあるとか。そういう自己反省期に入っておりました。
■ネット徘徊■読みもの■
現代サブカル男が求めているのは「女体化した男友達」説。より正確に言えば……②
(脱線)『こういうのがいい』はzzz_zzzzにとって「おれの友達じゃない」から中途脱落した作品だが、「女体化した男友達」論者の注目点はそこじゃなかったらしい
・『こういうのがいい』社会批評論壇がさらなる進捗をみせていたようでした。
・前回(23年7月)にもりあがったときにも出た「女体化した男友達」というテーゼが具体的にどういうことなのかお話しされていて、「なるほどそういう意味だったのか」と理解がふかまりました。
・ぼくはくだんの作品を21年9月に数話よんだきり、いろいろ気になってしまって、以後ひらいてません。その理由は雑に言うと「主人公たちはおれの友達じゃないから」でした。もう少し詳しく言うと……
・「会話が虚無すぎる。おれが男友達とするゲーム談義でももうちょっとゴチャゴチャ具体的な話をするよ」
・「かれらは彼ら自身が嫌っている合コン勢と違いない人間に見えるし、サシ呑みの居酒屋は牢獄みたい(『アメリカンビューティ』でサム・メンデス監督が絵コンテ切り、撮影監督コンラッド・ホール氏に「おれいらないじゃん(笑)」とオーディオコメンタリで言わしめた、縞模様を強調した舞台設計みたい)な圧迫感があるけど、そこにエクスキューズは無さそうだ」
{・「違いのわかる俺ら/わからないその他大勢」と線引きする人々のようなつらさがある。
(単にサムいこと言ってスベっただけの話を、「"対健常者との飲み会の場は「同調・結束感を高めて集団でオキシトシンを分泌すること"が目的だから~」などと"事例報告"する『健常者エミュレータ事例集』「飲み会で鯨肉が提供された際、シーシェパードの話題を出してはいけない」とか。
・「かれらが居酒屋でしたような会話は、自宅で協力プレイ中のボイチャでする可能性のたかいもので、"この話をいまここでするってことは、このふたりは先日のCO-OPでだれと何の目的で戦っていたんだ?"と疑問が」
……てところ。
(本題)現代サブカル男が求めているのは「感情労働が必要のない女」説
・そんなかんじで正反対のとらえかたをしていることを興味深く思っていたんですが、今回のワイワイでだいぶ実体が見えてきました。
・「女体化した男友達」派はいったい何に注目しているか? 上に言及したトピックに無理くり当てはめる形で言えば、「ぼくには一緒に見えた主人公勢と合コン勢との恋愛に対する興味のむけかた・表現方法(のちがい)に注目している」ようでした。*1
近年サブカル男性向けでウケてる作品のヒロインを総合すると、私は「女体化した男友達」になると思ってるんだけど、人から「感情労働が必要のない女」と言われて、あー!と解像度が上がった
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月23日
「感情労働のいらない男」はヒーローにならないんだよな
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月23日
『こういうのがいい』は、主人公二人がとにかく下ネタを言い放題セックスし放題なんですけど、その描写と同じくらいの紙幅で、仕事場ではめちゃくちゃ気を遣って人とコミュニケーションしてる様子が描かれていて、抑圧と解放のメリハリがすごいんですよね
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月23日
女性向けに感情労働タームを当てはめるなら「感情労働が報われる男」とか「感情労働を向こうがしてくれる男」に価値があると感じる 二者間に性的惹かれがある作品において、そこでの「労働」はまだ無効化される段階にないと感じる
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月23日
近年の女性向け推しマンガってことごとく「能力/労働を評価してもらうファンタジー」なんですよね
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月23日
女にとって恋愛は経済問題なんだよな
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月23日
それこそ高瀬さんの作品はことごとく「感情労働」がテーマになってると思う。感情労働をしすぎる女への苛立ち、を書いたのが『おいしいごはん』という読み方もできるなーと思うので、読んでない方はぜひ。
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月24日
私自身は感情労働がとても下手なので、好きな人から「気が合うね!」って言われると=評価されると、「合わせてるんだよ!」と心の中で言いながらとても嬉しい
— ひらりさ (@sarirahira) 2024年3月23日
人は評価されたいことを評価されると嬉しい生き物…
今日なんもしてない気がする・・・・と思っていたが、朝「こっち向いて向井くん」を1〜5巻を読破した上に、女性コミックがあまりにも現実と向き合っていることにかえって重荷を感じて、男友達を女体化してセフレにしましたとしか読めない男性漫画「こういうのがいい」2巻までも読んでいましたわ…
— ひらりさ (@sarirahira) 2023年8月10日
「こういうのがいい」、「お前ら結局男友達を女体化して都合のいい関係したいんだろ!」とツッコミたくなってしまうが、そのあけすけな欲望が、「フルリモートでたまに会社に対応に行く、趣味がオンラインゲームのSE」という主人公を通じて描かれることで、令和の男の欲望の最先端だ…となるのよ
— ひらりさ (@sarirahira) 2023年8月10日
で、逆に「こっち向いてよ向井くん」に関しては、もちろん向井くんを通じて多様な女性を描くことが趣旨としてありつつ、「そろそろ男も、我々女がぶつかっているアイデンティティ・クライシス感じてみたら?」みたいな女の欲望を感じるんですよね
— ひらりさ (@sarirahira) 2023年8月10日
補足すると僕は15年くらい前まさによく友達と「俺らどっちか女だったら死ぬほどセックスしてたよな」という話をよくしており、「泉こなたと付き合いたいって要は女体化した男友達と付き合いたいってことだよな」という話もしていた
— アオタイ (@aoitile) 2024年3月23日
思春期の頃「女体化した男友達と付き合いて〜」といった趣旨の話をしていた人間として、は「感情労働のいらない女」を求めていたというよりかは、ただただひたすら自分に似ていない人間と仲を深めるイメージを持てなかったというのが実感に近い(自分以外への歩み寄りを感情労働というならまさにそう
— アオタイ (@aoitile) 2024年3月23日
『こういうのがいい』のヒロインが「感情労働が不要な女」なのかというとこれは様々な解釈が可能で、一般的な労りや気遣いよりもノリを優先するという性格で、そのノリに合わせることが感情労働として求められているんだと思う(男主人公も最初はヒロインのあまりのノリの良さに躊躇してしまうし)
— かにパルサー(2) (@E_foon2) 2024年3月23日
男主人公がそのノリについてこれない瞬間は双方「え?」みたいな食い違いが発生するんですよね。
— かにパルサー(2) (@E_foon2) 2024年3月23日
これは恋愛関係より友人関係によく見られるものだとは思うが、友人関係に感情労働がないかと言われれば全くそんなことはなく。(感情労働の言葉の定義が曖昧ではあるが) 例えば愛してるといった言葉の交換より、単に面白い掛け合いが現在進行形で進めばそれが一番良いスタンスというのはよく分かる。
— かにパルサー(2) (@E_foon2) 2024年3月23日
これは昨今の「男性性を降りる」という風潮とはやや逆向きな主張なんだと思うが、男性同士のケアというのはそういった掛け合いで行われるのがほとんどで、女性の言う「男は男同士でちゃんとケアし合えよ」みたいな論はなんかちょっとズレてないか?みたいなことを思う時がある。
— かにパルサー(2) (@E_foon2) 2024年3月23日