すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

日記;2020/08/04~08/10

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 ますます暑くなってきましたがいかがおすごしですか? 日記です。6900字くらい。さいきん書いている野次馬記事はもう、9月までに完成させる夏の宿題として切り替えていきます……。先週につづいて宅麺.com様で注文した麺処まるわさんの『バジルソルトつけ麺』を食べたりを食べたり、『世界最強の男たちグリーンベレー』『対テロ特殊部隊を作った男[米軍デルタフォース秘話]』読んだ週。

 ※言及したトピックについてネタバレした文章がつづきます。ご注意ください※

 じっさいには8/11の0:08投稿しました

 

0804(火)

 宿直日。

 

0805(水)

 宿直明け日で仕事振休。

 ■食べもの■

  宅麺.com麺処まるわ『バジルつけ麺』食べる(+にんにく&焼きプチトマト○)

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 宅麺.com様からお届けいただいた麺処まるわさんの『バジルソルトつけ麺』をゆでて食べました。これが7食目です。 

 今回は生のにんにくを切って焼き増量し、さらにプチトマトも焼いてトッピングしました。これもけっこうイケてると思います。

 トマトは爆発してないのでスープに溶けて味を濁らせることもなく、箸休め的な感じな、ちょっとしたアクセントとして良いはたらきをしてくれていると思います。

 

 注文・宅配してもらったバジルソルトつけ麺も残すところあと1食。さいごはどうやって食べようかなぁ。

 

0806(木)

 元気にすごしました。

 

0807(金)

 元気にすごしました。 

 

0808(土)

 ■読みもの■

  アシュレー・ブラウン著『世界最強の男たちグリーンベレー』読書メモ 

 それは何ですか;

 アメリカ特殊部隊グリーンベレーの創設から現在(1986年刊行当時)までの概略史です。

 読む人への注意;

 東洋書林から2001年に邦訳された本ですが、原著刊行は1986年です。訳されたことはうれしいことですが、ちょっと古めですね。

 読んでみた感想;

 199ページ(原著96ページ?)の本で、かるい読み物という感じです。一部作戦に参加した軍人自身による自叙伝・回想録を読んできた向きからすると、けっこう味気ない内容です。「この戦闘にあの部隊がその人数投入された」みたいな情報がつみかさねられる感じ。

 

 ベトナム戦争あたりから具体的な手つきみたいなものがチラホラとうかがえるようになりますけど、欲を言わせてもらえば倍くらいの分量がほしかったなぁと思います。

 ベトナム現地人の着用する草履を模した足跡がつけられる特注ブーツとか{形自体はバッチリだったけど、サイズがひとまわり大きいこと・重量の違いから足跡が深くなってしまうことという欠点をかかえていて、使われなくなった(p.97~99)}、ジャングル行軍中のトラッカー仕草とか{足跡の多い野営地にゾウの糞が落ちているのを見て、兵器運搬用のゾウをつれたゲリラ部隊だと判じたりする(p.102~103)}、取り上げられるディテールはいちいちワクワクする素敵な内容なんですよ! ただ、ピックアップされる事例がすくなすぎる……。

 

 本の後半であつかわれる、ベトナム戦争下1970年のソン・タイ攻撃(=同地の捕虜収容所にとらわれた同胞を救出すべく、グリーンベレーらが急襲する作戦)湾岸戦争イーグル・クロー作戦(=イランアメリカ大使館人質事件の人質を救出する作戦。ベン・アフレック監督『アルゴ』でえがかれた、運よくカナダ大使館へ逃げ込めて秘密裏にかくまわれた人らをCIAが救出したのとはまた別の作戦で、こちらはチャールズ・ベックウィズ大佐率いるデルタ・フォースがおこなった)の2作戦は、それぞれ章題になっているとおりそれなりに詳しく書かれていて、ここは興味ぶかかったです。

 とくにソン・タイ攻撃は面白くって、文章のあいだに地図やじっさいに撮影・製作された航空写真(p.113)ジオラマ模型(p.112、p.118~119)を図版として掲載しつつ描かれていていました。ほかの記述同様、兵士のナマの声があるわけでもなければ作戦本番のもようが一挙一投足こまかに描かれているわけでもありません。ただ、作戦遂行の段取りが頭から尻までしっかりフォローされている。

 捕虜収容所のようすは衛星写真などでわかっているので、それをもとに小屋などをたてて予行演習をするのですが、東側諸国ももちろん監視衛星をもっているので、ソ連偵察衛星がとおりすぎて一周してまた戻ってくるまでのあいだに小屋を建て予行演習をし解体するのだ(p.115)~とか。

 夜間時の狙撃成功率をたかめるため、M16狙撃手用に暗視ゴーグルをあらたに開発・実戦投入しよう!(p.115~)とか。……そういうディテールが紹介されています。

 

 イーグル・クロー作戦(のなかのライスボール作戦)は、当のデルタフォース創設者で作戦指揮者チャーリー・ベックウィズ氏みずからによる回顧録テロ特殊部隊を作った男[米軍デルタフォース秘話]』が出ているので、そちらを読んだほうがくわしいです。

{逆に、前述ソンタイ攻撃は『グリーンベレー』のほうが圧倒的にくわしい。『米軍デルタフォース秘話』に記されたソンタイ攻撃の情報は、ぼくが読むかぎりだと、デルタの一員の過去の作戦経験(p.310)や他の失敗作戦と比較してどう(p.379)、というちょっとした話題として数行ふれられるだけです}

 

 そうしてフォーカスを合わせられた2作戦が、どちらも失敗作戦なのも面白いところです。

 最初は味気ない広報パンフレット的な概略史という印象をもちましたし、当該作戦も用意周到ぶりがえがかれることでその印象をつよめましたから、作戦があっけなく失敗におわったときは唖然としてしまいました。前後半でだいぶ印象がかわる本でした。

 

 

 ■食べもの■

  罪を食べる

www.youtube.com

 

 いちから社が運営するバーチャルYoutuber団体にじさんじに所属する月ノ美兎委員長の創作料理"罪"をつくって食べました。

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 アルコールが苦手なので氷結といっしょには食べませんが、おいしかったです。刃物つかわずに作れるのがとてもよいですね。

 

 

0809(日)

 勤務日で宿直日。

 

 

0810(月)

 宿直明け日。

 ■食べもの■

  冷製トマトスパを食べる

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 冷製トマトスパゲッティを食べました。おいしかったです。

 

 

 ■書きもの■

  目次がバカの書く目次でイヤになってきた

 ここ1,2本の(日記以外の)記事と同様、目次の長大化がいちじるしく、「ば、バカの書く目次~~!」といやになってきました……。

 こんな感じなので、既読のKindle本は「ば、バカの引く虹色文章~!!」といやになってきます。ラインマーカー引きすぎて一体どこが大事なのかわからない……。(なんなら4色じゃなくて倍はほしい)

 html? について勉強せにゃと思いながらグダグダしている弊害で、たぶん目次の一部を開閉式にするなどを駆使すればもっと見栄えがよくなったろうに……という思いはありますが、しかし「そもそもそれは解決なのか?」という疑問もありますよね。

 

 たぶんこれ日記ですでに何回か話してる気がしますけど、ぼくの記事が文字数かさんでしまう原因って、べつに論点が長大だからではなくて、考えが雑であるため文章が冗長化してしまっているからなのも結構あると思うんですが、どこをどう削ってスリムアップすればよいのか、よくわからないんだよな。ば、バカの書く文章~~!!!

 

 ■読みもの■

  チャーリー・ベックウィズ(&ドナルド・ノックス)著『対テロ特殊部隊を作った男[米軍デルタフォース秘話]』読書メモ

 それは何ですか;

 ABC出版社から邦訳出版された、デルタフォース発案者で初代隊長のチャーリー・ベックウィズ氏による自叙伝です。86年の邦訳で、原著は83年出版。

 読んでみた感想;

 上下2段組の380ページで、しっかりボリュームがあります。

 100ページくらいがベックウィズ氏の兵士時代のこと、150ページくらいがデルタ・フォースの設立までの道のりのこと、のこり130ページがイーグル・クロー作戦(=イランアメリカ大使館人質事件の人質を救出する作戦。ベン・アフレック監督『アルゴ』でえがかれた、運よくカナダ大使館へ逃げ込めて秘密裏にかくまわれた人らをCIAが救出したのとはまた別の作戦で、こちらはチャールズ・ベックウィズ大佐率いるデルタ・フォースがおこなった)のことが記されています。

 

 語り手であるベックウィズ氏は、精神的にも肉体的にもタフです。

 たとえばSASへ交換入隊した氏はマラヤのジャングルでの訓練において、熱病にかかり、「マラリアの気もある」「デング熱」で「レプトスピラ病の最悪の状態」におかされます(p.51)。医師からはアメリカ本国でのきちんとした治療を提案されますが、逃げるは武士の恥といったマインドなんでしょうか、氏は叫びまわって気がふれたフリをすることで、母国送還をみごとキャンセルさせ、現地にとどまります。その後の入院生活について「看護婦たちは、やたらと親切になった。ホットチョコレートのサービスまで開始されたのだ」p.52だなんて災い転じて福をなしたと、笑い話にさえしています。

 ベトナム戦争では、ヘリを貫通する51口径機関銃弾がベックウィズ氏自身の体も貫通(p.111)、病院に搬送されて23パインド(=11リットル)の血を消費する手術を経て、胆のうと小腸42センチを切除し人工肛門も一時的につけて30日のあいだ回復室ですごし、その後はフィリピンの病院へ移送されて過ごすほどの重傷をおいました。ただ、手術のさいはベックウィズ氏の意識はだいぶはっきりしていたようで、「何か手をほどこす前に、出血多量でだめだろうな」と言っている軍医らにタンカを切り、血液型をしらべるため腕をいじくる看護師へ「バカ野郎!」「俺の血液型はA+だ。認識票を見ろ!」と喝を入れたりしたそうな(p.112)

 

 

 高優先度のご利益がとくに際立ったのは、装備の面である。デルタが必要とすると思われるものの一覧表を作成し、輸送、兵器、および弾薬、通信、事務用品、ユニホームなどの項目ごとに並べ立てた。質問が来る。一体、いくついるのか。種類は。型式は。どこが保有しているものか。借用するのか、購入か、リースか、それとも移管か。必要なものを入手したあとの保守責任者は。必要な理由は。更新、もしくは改善の時期は。

 まず、弾薬だ。「価格は」「もう少し安くなりませんかねえ」「使う量を減らせませんか」「保管場所は」「こっちからこっちに移管する方法は」「再発注の方法は」

   ABC出版社刊、チャーリー・ベックウィズ(&ドナルド・ノックス)著『『対テロ特殊部隊を作った男[米軍デルタフォース秘話]』p.154、「第三章 デルタフォース誕生」組織の重圧ペンタゴンの迷路より

 そうした実戦経験をへたのちベックウィズ氏は、デルタフォース創設に向けてさまざま動きます。関係各所に呼びかけ、基地に装備に必需品にと選出から請願などなにからなにまで仕事をします。

 特殊部隊員スカウトのための全国行脚、SASに範をとった養成・選考テストの意義の確認……手も足も頭もフル回転させたプロセスで、当然かさんでいく費用。

 

 2年間の任期をまたずして8ヶ月早々にデルタは実用性テストを受けることとなります。(p.207「第四章 部隊完成をめざして」内試験されるデルタフォース

 旧来の陸軍幹部の編んだ試験で、ベックウィズ氏はその試験内容がデルタの運用構想といかにかけ離れていたかを批判的に述べていきます。

 陸軍考案の射撃テストは、室内にたてこもったテロリストを排除するなどを想定して行なっていた(そこまで遠距離ではなく、的は人型をあつかった)自分たちデルタに対して、ただただ遠距離であること・円形の的の中心の黒点に弾があつまっているかどうかを見る内容でした。反対に行軍テストは、デルタの練度をまるでわかってないために楽チンきわまりなく「すごい」以上のことがわからないザル試験でした……などなど。

 意図してかせざるかぼくには分かりませんけど、このダメ試験のくだりは逆説的に、デルタフォースという特殊部隊がどういった運用構想で配備されたものか? そしてその目標を達成するためどんな訓練をしているのか? この新設された特殊部隊の輪郭をはっきり(読者に提示)していってくれる機能もあるエピソードで、

「このくだりをうまく劇作品に採り入れられたら、経済的な情報提示になりそうだ」

 などと感じたりもしました。

 

 とにかくやり手のタフガイの自叙伝だなと読んでいって、「●名実ともに最高に」といった章を読んでおどろいてしまいました。

 この項でえがかれるのは「NATOの特殊機動作戦部隊の指揮をとる話がでたよ」「アメリカ本国の主要機関はもちろん西側諸国の特殊部隊らのまえで最高の働きをしてみせたよ」ってものなんですけど、単にこれ、対テロ演習をやったってだけなんですよ。で、つぎの章がイーグル・クロー作戦なわけです……失敗作戦の

 自叙伝の後半で仔細にえがかれるイーグル・クロー作戦のもようは、いかにアメリカのさまざまな部署が後手後手に回り、デルタフォースである自分たちの実力が発揮されなかったかです。

 カーター政権は重大な誤りを犯していた。スタンズフィールド・ターナー退役提督がCIAに入った時、海千山千の男たちが多数、CIAをやめて行った。(略)どうしてこんなふうになったのか分からないが、はっきりしているのは、一九七九年十一月十二日現在、イランには米国の工作員が一人もいないという事実だった。何も確かめることができず、デルタは正確で時宜を得た情報もなく、ここまでやってきていた。

   ABC出版社刊、チャーリー・ベックウィズ(&ドナルド・ノックス)著『『対テロ特殊部隊を作った男[米軍デルタフォース秘話]』p.263、「第五章 イランの米大使館人質救出作戦」それでも戦術は作られてゆく●携帯武器決定より

 現地の諜報員はいないから自分たちで現場を調べ回るしかない。デルタフォースのひとびとは、イランのTV映像をつぶさに観察して、どこの門にどんな鍵がかけられていて、人々の得物はなにで(そとの革命防衛隊はG3ライフルで、内部の民兵は拳銃やウージー機関銃やらさまざまで)、市街の壁の材質や高さ、各道路が何車線で街路の路上設置物はなにかなどをしらべあげ、援護射撃に最適な場所などをマッピングしたり……と独力でプロファイルしていきます。

 B班の将校はまったく頼りにならない教えて君・指示待ち君だし、世論もだんだん「はやく助けてやれ」と語気がつよくなる。

 問題は山積みだけど、一個一個かたづけていくしかない。

 パズルはそこに描かれていた。その問題全部を解き、それぞれのコマをぴったりはめていくのは、全関係者にとって、とてつもなく巨大な任務のように思えた。しかし、少なくとも第一歩を踏み出したのである。

    ABC出版社刊、チャーリー・ベックウィズ(&ドナルド・ノックス)著『『対テロ特殊部隊を作った男[米軍デルタフォース秘話]』p.263、「第五章 イランの米大使館人質救出作戦」それでも戦術は作られてゆく●携帯武器決定より

 ベックウィズ氏がたしかな手ごたえを感じはじめた次のページでは、

パイロットがいない

   ABC出版社刊、チャーリー・ベックウィズ(&ドナルド・ノックス)著『『対テロ特殊部隊を作った男[米軍デルタフォース秘話]』p.264、「第五章 イランの米大使館人質救出作戦」パイロットがいないより

 と大きなフォントサイズでレタリングされた章の小題がお目見えする(笑)

 

 全編をとおしてタフガイはタフガイなのですが、作戦失敗直後は部下の隊員に当たり散らし(←これ自体はタフガイ的行動)、直後に内心で弁解する場面もあります。そのあと悪夢だって見るようになりもしています。

 SASでの交換入隊時代には、やさしい先輩ポジのひとについての人物紹介でサラリと「退役後自殺した」という旨がさらっと書かれたりする。

 

 ただし、その筆致自体はカラリとしていて、そうしたネガティブな面は、たとえば時代をくだった(一兵卒で、反戦色のつよい)ジャーヘッド アメリ海兵隊員の告白』のようなネトネトしたものではないのはもちろん、特殊部隊員で愛国者な『アフガン、たった一人の生還』で見られるような、つよく感情的なものでもありません。やっぱりタフガイはタフガイだなぁと思います。

 

 でもでも、さらなる疑問もやっぱり浮かんでしまうものです。

 じぶんの部隊の表舞台でのデビューにミソがついてしまってすぐ(3年経つか経たないか)の時分に、こういうメモワールを書いている……というのは、はたしてタフガイの一言でまとめてしまってよいものなのか?

回想録は歴史研究の資料として扱われることもあるものですが、しばしば内容の真偽が問題にされます。その結果噓吐き呼ばわりされる者は数知れない訳ですが、実際には、他に証言のある歴史的事実との齟齬や、意図的な、或いは不注意による不正確さも、回想録が吐く最大の噓ではありません。回想録において最もきわどいフィクションは、語りながら語られる「私」そのものです。「私」をどういう人物として記憶しておいて貰いたがっているか──回想録の最大の価値は、むしろそこにあります。

   筑摩書房刊(ちくま文庫)、佐藤亜紀著『小説のストラテジーkindle版72%(位置No.3169中 2246)、「9 単声による肖像 作例一。ユルスナールハドリアヌス帝の回想』Ⅰより

 本の末尾では、ベックウィズ氏をデルタから転属させる意向が大将からつたえられ、妻の「キャサリンが大喜びするだろう」「私も大満足だ」と氏は前向きにうけとめ、たとえ特殊部隊指揮官から勇退したとしても、その後も変わらず軍へ国へ捧げる仕事人としての日々をつとめていくだろう……ということが示唆されてこの本は終わります。

 ここにもふしぎなギャップがあって、ググってみたかんじ作戦失敗した翌年81年に、ベックウィズ氏は軍を退役したようなんですよね。

ニューヨークタイムズによればその後オースティンで民間警備会社(private security company)を設立したとのことですが、はたしてそれがどういった会社なのか(セコムやアルソック的なものなのか? いわゆる民間軍事会社なのか? それともなにか天下り的な措置なのか?)その辺は調べ不足でよくわかりませんでした……}

 

 マーシャルの発砲率論文が論文・論者ともにおかしい(『『戦場の兵士の大部分は敵を射撃しない』という神話』という記事は、マーシャル氏が検証したと云う兵士の聞き取り人数が講演ごとに増減する・大戦~論文発表までの期間からすると、聞き取り人数があきらかにキャパオーバーしているなど「具体的にどうおかしいか」まで記した生地で、とても勉強になりました。)と言われたり、その論文に大きく依拠したグロスマン『戦場における「人殺し」の心理学』の研究もどこまで信じていいのかわからない昨今ですが(そもそもソレ抜きにしても「殺人にはエロスやタナトスが云々」というのがふつうに書かれていてギョッとする内容ではある……。読んだ当時は「この研究が出た当時は、こういうフロイトばなしは有力な時代だったってことかなぁ?」みたいなことを思ってスルーした)、依然として高いPTSD率という問題はあり、また、現代の特殊部隊員や、『ザ・パシフィック』やその原作となった第二次世界大戦従軍者の手記が出版されている現在、「兵士は今も昔も(特殊部隊員のようなエリートでさえ)タフガイばかりではない」という印象をもってしまっているぼくとしては、わずかにチラつく負の面がどうしても気になってしまいます。

 ちょっと考え込んでしまう一冊なのでした。