すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

 

 

0424(火)

 ■はてなブックマークコメの補足■

  「シン・遠藤作品だ!!」;遠藤浩輝『無敗のふたり』1~3話読書メモ

 ・敗のふたり』がマジで良い~!!

comic-days.com

 遠藤浩輝さんが二作の打ち切りの末に、古巣の総合格闘技マンガに帰ってきた! という新連載です。1~2話が無料公開中で、3話が単話販売中(しばらく待てば無料公開の予定アリ)

 

   ▼すぐれた画力と思い切り良い総合格闘シーン、謎トレの真意を実戦で解き明かすミステリ的な新機軸がよい

 もちろん、画力と理解力に裏打ちされた総合格闘シーンと、天才トレーナー/セコンドを主役のひとりに据えたことによるロジカルかつ謎と解決劇的な模様が面白い

 ってのはまずあります。

「外山さんどうスか カッコ良いでしょ!? セコンドつきたくなりました?」

「ええと君は…三島ユタカ君?」

「はい!」

「次戦は修斗フェザー級新人王トーナメント決勝戦だよね」

「はい!」

「棄権しなさい」

「は?」

 第1話は相手からの左ミドルキックをどうするか? これを……

  1. 若手の主人公(ユタカ)
  2. 第1~2話で大部を割かれて描かれる試合の当事者である先輩(坊主の飯田さん)
  3. 天才トレーナー/セコンドの外山

 ……の三者三様のやりかたで示していて、その差別化がもうマイケル・マン的な割り切りの良さで凄まじいんスよ。

 

 ①

「棄権しなさい」、なぜなら2Rで左膝20%右肩60%の確率でケガして負けるから――

 ――常勝の天才トレーナー/セコンド外山から強烈な予言をもらった主人公ユタカは、外山の見立てのとおり新人王決勝を右肩脱臼してボロ負けします。

 柔道出身で組み技につよいユタカ。かれと戦う相手選手は接近戦を止めるために左ミドルキックで牽制連打する(定石)けれど、それに対してユタカは持ち前の強気とフィジカルで直進し構わず組みKOを築いてきたわけですが、アマで通じたユタカの現対応がどこまで押し通せるか? その分水嶺がプロ新人王決勝で来た……

 ……ユタカの右肩負傷は、斯様にロジカルな経緯によるもので、天才セコンドの外山はそれを読み切り忠告していたというわけなんですね。

 

 ユタカの決勝ばなしだけでも充分おもしろいんですけど、『無敗のふたり』が凄いのは主人公の故障敗退が単なる前座にすぎないことなんですね。

 ②

 自宅でフテ寝するユタカが電話で呼び出されてジムへ行くと、先輩選手の飯田さんが思いつめた顔をしている。

 渋面で見つめるTVには7連勝中の気鋭・秦エイジが長身を活かした左ハイキックで一撃ノックアウトしている姿が映されていた。次戦にしては間隔のあきすぎた王座戦、その間を埋める噛ませ犬としてランク外かつケガ明けの35歳・飯田さんが選ばれた/先輩とファイトスタイルも似てて練習も一緒にこなしているユタカにも参考意見が求められた……という流れで、1~2話ではこの飯田先輩(&セコンド助手ユタカ)vs秦エイジ戦が大部を占めることとなります。

 ユタカも飯田さんも組み技をまぜた接近戦でいどみたい。しかしそこまで近づくには秦の長いリーチ、左ミドルキックが立ちはだかります。

 むかえた試合本番、秦のTVで見た以上に重い打力に身体をうかされながらも流石ベテラン、飯田さんは各攻撃をほぼ捌いて左ミドルキックもしっかりブロック、それどころかカウンターとして左フックを都度返し、ユタカにはない技量差をしめしてくれもします。

 ……しかしやっぱりリーチ差がおおきい、左フックは何度だしても届かない! 防戦一方、後手後手にまわってしまう。

「左ミドルをもらい続けるのはヤバイ……」檻外でセコンド助手をするユタカが心の声で不安がります。

 ヤバイ理由も続けて述べてくれるんですけど、ここで雄弁なのはむしろ前段でKOの瞬間だけ描かれたユタカのコマ。右腕の下がったノーガードの右頬へ思いっきり左ハイキックを貰ったユタカの姿が読者の脳裏にフラッシュバックします――飯田さんもゆくゆくはあんな一発をもらってしまうんだろう、と。

 マイケル・マン作品は、物語的位置エネルギーがゼロになったりテーマ的に邪魔になった奴があっさり死んじゃう*1。そういう思い切りの良い演出材として(=サブキャラの試合をよりよく理解させるための素材として、「左ミドルを捌けないとどれだけひどいことになるか?」にかんする物差しとして)、主人公の敗北・故障がこの『無敗のふたり』第一話にはあるわけですね。

 

 ③

 劇中6度目の左ミドルに対し、飯田さんもまた数度目の左腕を予備動作させます。

「そのフックは届かねえよ!!」

 秦側セコンドも秦選手じしんも笑みを浮かべるなか、その反対側飯田さんサイドでも口角をあげる人物がいました。

「左ミドルの圧が強ければ強いほど… スマッシュが生きてくる」

 天才・外山です。「今回だけはどうしても勝ちたい」と飯田から直訴され、この試合限りのトレーナー/チーフ・セコンドを務めていたのでした。

 

 対秦用のトレーニングは拳種まで細かく決められたもので、そこで重点的に練習された一つがスマッシュ・ブロー。

 飯田さんがアマ時代につかったアッパーとフックの中間角度のパンチで、ダウンさえ奪ったほどのある打力。掘り返した外山のリサーチ力が光りますね。

 しかしそんな大技が、「スマッシュ?」と後輩ユタカに首をかしげられるほど飯田さんから縁が遠くなってしまったのにも理由があり、ダウンを奪ったその一発でじしんの拳が骨折してしまった諸刃の剣でもありました。……掘り返した外山は節穴なのか? この試合に勝つこと以外は考えナシなのか?

 ユタカはそれを見極めたり無茶をさせないようにするためセコンド助手として呼ばれた、ジム側お目付け役(スパイ)なのでした。

「セコンドの仕事にはね 選手を勝たせるより大切なことがある 試合後に選手を無事に家に帰す事 あの時 僕が君のセコンドを受けていたら(略)全力で棄権するよう説得しただろうね」

「……ちょっと待って下さいよ? あなた言ってる事 矛盾してません?

 だったら何で飯田さんがケガするかも知れないパンチを復活させるんですか?」

「大丈夫 拳は怪我しない だって(略)

「は はあ?」

 いまいち読めないトレーニングの数々、聞いても微妙に真意が見えないトレーニング意図。

「何言ってんだこの人……?」

 とユタカも汗をうかべて心のなかで困惑したそれらが、1話終盤でひとつ真意が明らかとなり、そして2話でスマッシュ以外のあれやこれやもまた、1話練習時に解説された順番どおりに次々と実を結んでいく。

 容疑者や探偵が妙な行動をとった理由がそのまま解決編でエレガントに明かされていくミステリ物を読んだような快感があり、とても良かったです。

 

***

 

 zzz_zzzがとくに好きなのは、組み技にかんして外山が練習時に言ったことと試合本番1R目で言ったこととのギャップ。

「組みつくよ そうしないと勝てない。だからグラップラーらしく ロー・キックを掴みに行く練習もしてるよ!」

 と助手のユタカへほがらかに言った外山は、1ラウンド1分経過時おなじ笑顔で「ロー以外はガードしてる 見えてるね!」と述べます。

 掴みに行く練習をしたローを食らっているのに笑顔……?

 この笑顔の理由が2話で間接的に明かされ、おお~! となりました。

 

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   ▼キャラが魅力的で良い①

 試合もさることながら、キャラの魅力、人物のドラマですよ!

 zzz_zzzzにとっていちばんの嬉しい驚きでしたね。

「セコンドの一番重要な仕事は 「愚か者を」「無事に家に返す事」だよ」

 天才っぷりが如実にでた試合結果、そのあとのドラマがよい。

 試合結果をうけた外山の感想から浮びあがる歪んだヘキ飯田さんがどうしても勝ちたかったほっこりする理由、そこから連鎖して窺える外山の情・誠実……

 ……そういったものがドババ~ッとなだれこみ、かたや人を癒す柔道整復師でありかたや相手を痛めつける総合格闘技のセコンドである外山の背骨が一本とおったものに見えてきて、一気に好きになりました~。

 好きになったところで、2話最後のヒキですよ。

 えぇ~どうなるんだ!?

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 これは本当にびっくりしたことで、だってぼく、前作者の星』について、

『中川海二「環の影」について先日、「知らない人らが知らない人らと戦い合う」のでむずかしいとナカナカ酷いdisをしたわけですが、「いやあの作品はまだ(略)わかりやすかったな……」と上方修正がはいりました。』

 とか、

『「とにかく複雑なのはわかりましたよ、でもぼくそもそも、これらの基本色を知らないんスけど? "地球人との融和を考えるひとと反地球人をやってるひとがいて、複雑なんです"以上の情報が、どのコミュニティもぜんぜんわからんスけど……」と困惑してしまいました』

 とかめちゃくちゃ難色しめしてた人間ですからね。そんなぼくがめっちゃ楽しめてる。これは本当に驚きだし、すごいことですよ。

 

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   ▼キャラが魅力的で良い②;これまでの遠藤作品の「でもさ」諦観・自重に対する、『無敗のふたり』ユタカの朗らかさ

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 キャラやドラマの魅力で言えば、いま有料先読み区域の第3話もすばらしかった。

 2話の衝撃的なヒキを受けての第3話はさらに驚きでした。単なるインパクト重視のアレではなくて、ふつうに詐欺してる。ユタカは痩せこけた外山と再会することになります。そこは驚きじゃない。遠藤作品らしい展開だとさえ思う。

「重い現実があるなかで、どうするか?」そこにかんする今作のスタンスに驚かされ、トキメキました。

 シン・遠藤浩輝なんですよ、『無敗のふたり』はたぶん。すくなくとも第三話読むとそう思えて仕方ない。

 

***

 

 遠藤作品ってこれまで、「でもさ」が前提としてあったじゃないですか。

「でもさ、いくらマンガんなかでたいそうなこと言ったって、どれだけ過酷なことを描いたって、所詮現実の問題からすればさ……」みたいな諦観・自重が前提に見えていたじゃないですか。

 重苦しい『EDEN』とか『愚者の星』(とか『ソフトメタル・ヴァンパイア』)はもちろんそうだし、現代日本を舞台にした総合格闘マンガールラウンダー廻』にしたって現実にはじまって、現実に浚われていくような部分がありました。

 冒頭も冒頭、第一話第1ページからして、廻ら主役が強くなりたい理由としてあげるのが……

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「もっと強くなりたい そうすれば舐められずにすむ」

 ……イジメてくる年長者に勝ちたいからで。それを聞いた、おなじく年長者にボコられた廻が……

「でもさ……結局 ピストルとかの方が強くね?」

 ……なんて返答し、沈黙を訪れさせてしまうという、身も蓋もない現実論から幕をあけ、ヤクザとの対峙が早々に描かれていき。

 物語がすすんでいくと、連載中におこった東日本大震災を劇中にも採り入れ、震災のショックから――より正確には、死者1万人以上の途方もない震災を大々的に一面で扱いながらも、柔道の年間死者4人程度の個々人がおこしてしまった事故もまた片隅で取り上げるようないつもどおりの世間(7巻63話)や、じぶんより遥かに優秀だった兄が事故をきっかけに柔道をキッパリやめて"「正しい事」をしなきゃ"という意図から今は被災地支援をしていること(8巻69話)などから――格闘技なんてしてていいのか「手詰まり感」(7巻64話)をおぼえ沈思黙考する選手がでたり、「被災した格闘家の人が現地でジム立ち上げてて そこの会員さん達とボランティア&試合しに行くツアー」(105話)を持ちかけられて主人公らが応えたりします。

 釜石などへ来訪した主人公らは、「海水を被って田畑としては使えなくなった土地に公園を作る作業と 海岸線の清掃」(106話)など被災地支援を一話かけておこなったり。

 あるいは「津波で家と一緒にじいちゃんと妹を流されで」「勤め先も流されで今は日雇い」だからこそ「同情される側でねくて凄いって言われる側さな」るべくアマ修斗全国大会への出場権を得た選手(113話)と知己を得たりします。

 東北編で興味ぶかいのは、主人公が現地で役に立ったこととして描かれているのが、帰宅部をゆるさない学校の決まりで なし崩し的に入った美術部の経験を反映した看板描きであるところ。

 アマ有力総合格闘選手であることが活きそうな肉体労働ボランティアでない、ちょっとズラされた貢献が描かれるんですよね。

 ズレた体験によって好感や実利をあたえない展開じたいは作品にとってプラスな選択で、大学受験とアマMMA選手権と二足のわらじを履く廻が「じぶんにとって総合格闘技とはなにか?」をフラットな立場で自問させるための巧い展開選択だと思いました。

 ただ、どうしてもそれを抜きにして、作中人物を安易に活躍させて読者を気持ちよくさせない自重といいますか、「でもさ現実の問題のまえにはね……」みたいな節度を見てしまいましたね。

{や、以下の藤本氏の体験談のように、体力自慢が体力仕事をあてられたからといって別に活きるか限らず、絵が描けるからといって「そこへ配属されるか? 貢献できるか?」といったらケースバイケースなんでしょうけどね。

絵を描いていても意味がない気がして、何か少しでも役に立ちたいと石巻に復興支援のボランティアに行きました。(略)石巻につき、住宅街一区画の側溝に詰まった土を除ける作業をしました。土を袋に入れ、トラックまで運ぶという作業を一日しましたが、側溝の土を全て取り除く事ができませんでした。30人くらいで一日中やったのに全然できなかった事に無力感を感じ、帰りのバスの中でも皆沈んでいました。作業中一緒に作業していた体育大学の学生が「俺達が来た意味なかったですね」と言っていました。

   集英社刊(ジャンプコミックスDIGITAL、2021年発行)、藤本タツキ藤本タツキ短篇集 17-21』kindle97%(173ページ中 168)略は引用者による

 

***

 

 『無敗のふたり』でもこの3話時点で、重たく厚い現実の問題がのしかかっています。ワーク・ライフ・バランスやら家庭環境、大人と子供/男女の権力体力勾配やら、個人の依存症問題とか。

(ジムの先輩・飯田さんは格闘技だけでは食っていけないから農家で仕事をしているし、負けられない理由には子供のいる家庭を持っていたことがあるようだし。

 ユタカは母姉とともに酒乱の父に殴られてきたし、外山は妾の子として一族のつまはじき者として育ってきたらしい)

 なかでも外山は深刻で、第1~2話で見せてきた外山の銭闘力や酒癖は笑い話にできるカワイイものではなく、経営難から詐欺に手を染めていたこと詐欺内容は柔道整復師だからこそできるもので、これだけで1話読んでみたくなる厚みを窺わせます、専用の施設へ入所し断酒グループセラピーを受けてようやく改善の兆しが見える重篤な依存症であったことが第3話で明かされます。

 じつに遠藤作品らしい空気ですね。

 いまから約12年まえに出たオールラウンダー廻』8巻で迷えるアマ総合選手の弟が柔道をきっぱり辞めて災害支援など「正しい事」をして生きる兄へ投げかけたネガティブな問いが、実現したみたいな内容だ。

「このまま運送屋のアンちゃんで終わる気かよ?」

「社長には良くしてもらってる」

「……じゃあ例えばその「社長」が10年後に経営不振で社員を養う為に密輸だの不法投棄だのに手を染めていたら?

 10年後には兄貴だってあずみさんとの間に子供もいるだろうし 家族の生活を守らなきゃならない訳で それでも「正しい事」を貫けるの?」

   講談社刊{イブニングコミックス、2013年5月1日発行(ただし左記はデジタル版の奥付であり、元の紙版は12年3月発売)}、遠藤浩輝オールラウンダー廻 8巻』kindle24%(203ページ中50~51)、第70話「Ten Years その8」より

 

「おっ!? これまでの遠藤作品と違う新境地っぽいぞ!?」

 と姿勢をただしたのが、それでも外山をセコンドとして求めるユタカの返事。

「はい! 1人ではここまで強くなれませんでした! 冴さんの愛情や外山(アンタ)の一言、ジムの仲間の助けでここまで出来る様になりました!」との旨ユタカが実演します。

 『オールラウンダー廻』最終話後の番外編「は一人では強くなれない」を思い起こすようなフレーズと実演だ。その番外編は、ひとつの技をメインモチーフとして、姉妹で総合をやってきて妹が家庭をもち引退してもなお、それまで二人で磨いてきたものは依然として(良くも悪くも)残る……というお話でした。*2

 外山はすげないのですが、それでもユタカは折れず誘いつづける。その理由がおもしろい。

「繰り返すけど、僕には君を強くしなければならない理由が無い」

「……違いますよ? さっき俺言ったじゃないですか……「一人じゃ強くなれない」って。俺と一緒にアンタも強くなるんです。

 このままじゃあんたまたお酒に負けますよ?」

 『無敗のふたり』第3話で描かれるのは、「でもさ現実問題」のさきのこと。磨かれたものは技以外には本当にないのか? という再考です。

 この断言をうけて、立ち会った外山の親戚の脳裏に在りし日の外山の姿が回想されます。

 実は外山には、べつにセコンドに就いたわけでもないというのにユタカの試合映像を眺め分析していた過去があったのでした。そのさい外山は、いまみたいな張り付いた糸目の笑顔ではなく、メガネの奥の瞳を輝かせてもおりました。

「そう言ったり思ったりしながらも、現実度外視で夢中になれるものがあなたにあるのもまた現実じゃないスか?」

 というお話なんですよ。

「はい! やっぱりこれお酒よりも楽しいっスよね!」

 新風吹く連載がはじまったな~!

 作中世界にあるものはここまでの遠藤作品そのままに、しかし視点がちょっと違う。

 あっけらかんとしたユタカを主人公に置いたことでこの1~3話は、たしかな重みと厚みを感じさせながらもカラリと前向きな読み味が達成されていて、とても良い。

 

 もちろん序章が終わっただけの段階ですから、ここからどう展開していくのかはわかりません。

 能天気に喜ぶ第3話〆のユタカの価値観にたいして、その直前に回想される ユタカの試合風景をたのしげに眺める在りし日の外山の姿からして既に、ズレがあるように思えてなりません。回想のなかの外山の手元には背の低いグラスがあり、zzz_zzzzには"楽しい試合を肴にして、たのしい酒をより一層おいしい呑んでる"姿に見えてなりません。

 このさきの展開もふくめて、今後も楽しみな作品がはじまりましたわ。

 

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 ただこれ、4話以降どうなるんだろうなぁ。

 完全にタッグを組むとなると、さすがにユタカへトレーニング・戦術の意図を丸っと事前説明しないとおかしいワケで、そうなると1~2話でおもしろかったエレガントなミステリ的な読み味はどうなるんだろう?

 トレーニングの意図や作戦説明部分は時間を飛ばして試合本番の合間にチョコチョコ回想を挟む……といったやりかたがオーソドックスなのかなぁ? でもそうしちゃうと1~2話にあったような自然さは損なわれ、妙味は失し、あざとくはなってしまいますよね。

 じゃあほかにどうすればいいんだろう?

  • 丸っきり頭に入れた状態で戦うと相手が意図を察してしまうくらいユタカの動きが固くなり露骨になる(のでフンワリしたことしか伝えない)とか?
  • あくまで遠隔地からの助言者、断酒会改悛者版レクター教授となる(ので情報がフンワリしたものにならざるをえない)とか?

 う~んわからない。4話以降が気になるな。

 

 

 

*1:ことが、ぼくがよく評をみにいくclementia氏とか映画オタクに良くも悪くも話題にされる。

*2:オールラウンダー廻』との比較でいえば、『無敗のふたり』先輩の飯田さんって、最終巻で子供ができたために引退がうわさされたジムの先輩・古谷健一郎くんのその後の人生的なところがありますね。