「日記;2020/11/17~11/24」の見出し画像につかった、『雀魂バーチャルインターハイ』を題材にした絵です。(この記事トップ絵は、マイ「ここすき」部分の切り抜きです)
以下、所感やイラスト経過記録など。
描いた理由
三画坊主くらいはいかないとさすがに持久力がなさすぎるので描きました。
狙い
作業目標
- マネキン感/汎用シーン感をうすくしたい
- 三点透視的な構図にしたい(前2枚と違う構図を描く)
- ドラマを感じさせる絵にしたい
(1)について、マネキン感(をうすくするの)は分かりやすいと思うんですど(棒立ちとか、座ってるひとの背が90度とかはやめようということです)。
汎用シーン感というのがなにかというと、美少女ゲームの非イベントCGシーンでもちいられる構図ということです。
水平のとれた一点透視的構図に、キャラが画面中央に立ってキレイにおさまる。かれらを遮る前景物なども何もない……みたいな。
よくない画面構成についてむかし漫画家の篠房六郎氏がつぶやいていたことは、ぼくが絵を描くときとか見るときとかにいつも頭のどこかで引っかかっていることで、汎用シーン感はそれらとは違うけど、延長線上にあるもののようにぼくには思えるのでした。
凛が高層ビルから飛び降りるシーンを真横から撮ったり(高さを一番実感出来ない構図)道場に座ってるセイバーを斜めにパンしたりとか(違和感が先立って超気持ち悪い)手前に遮蔽物無しで食事シーンを真横で撮ったり(吉本新喜劇みたいに間が抜けて見える)とか、思い出すだに、寒気が止まらん。
— 篠房六郎 (@sino6) 2011年10月30日
絵描きなら分かるだろうけど、上の方のレイアウトで絵が描ける、もしくは描こうとする意欲のある人って50人に一人も居ません。両方描けて、どちらかを選べるってレベルの話だったら、どちらのレイアウトもありなんだが、上を描けるって人が超貴重 pic.twitter.com/5OeZPY8f1I
— 篠房六郎 (@sino6) 2014年5月18日
『シャニマス案件』についてのイラストでも前景に机をナメてみたのはそういったわけで、ただこちらはアリバイ工作的に「置きに行った」だけで、絵を盛り立てる何かとしての必然性はあんまり薄い。
前景にナメるものを何か「ああしたいからこうした」というような意図をもってやりたいなというのを前々から思っていて、今回やりたいことを思いついたのでやってみたという感じです。
麻雀をしているかたがたを題材にした今回のイラストでは、勝者を天井からの吊り照明で隠すみたいな構図にできたら面白いんじゃないかなぁと思い、ねらってみました。
活き活きした良い絵ということでいつも頭のどこかにあるのが、bunkamuraの企画展で見たドガ『リハーサル』です。
リハーサル中のバレエダンサー(たち)を描きながら、人物は画面から見切れる、階段が遮蔽して見えない。画面の中央はむしろ誰もいないがらんとしたスペースが広がっちいる……なまの時間を切り取ったみたいな(しかしそれがとってもキマってる)フレーミングな画で、「か、かっちょえ~」となりました。
今回のイラストは、真ん中(らへん)に主役を置いているし、前景による遮蔽は主役を隠すためにやってる、「つくってますよ」という構図なんで全然ちがうっちゃちがうのですが、画面上の見切れた漢気高校のひとびとは、このへんのあれがたぶん影響しているんだろうなぁという気がします。
いつかは『リハーサル』みたいな自然さを描いてみたいものです。
(2)もまた混乱を誘う表現ですね。「前回も俯瞰だったじゃん! なにがちがうの?」という。
前回のイラストもフカンはフカンでしたが、自分の部屋をふつうの椅子にすわる普通の視点から見たまま描きました。パースペクティブとしては、2点透視にちかい。
{画面右は歪んでますが、「視界の端って自分の感覚ではそうなる(やわい魚眼)」というかんじで、あれを1点に数えるなら、左側にも(歪みが見えないだけで)もう1点ある4点透視ではって印象です}
今回は「なにも参考なしに、自分の頭のなかからぜんぶ出力したい!」という感じです。
描き途中で迷った構図
『雀魂』背景をよくみたら、手前側にも梁が見えるじゃないですか。ここまで書いてきた空間について、どうにもポッカリだらんと間延びして見える気もしたので、その改善に良いかと思い、前景に(原作で外と面した側の壁にそなわっているのが確認できる欄間が、部屋の内側にもあると仮定し)欄間をナメてみました。
一長一短あるのと、色を塗ってみたら描き始めに感じていた絵的なさびしさもなくなったのでオミットしました。
描いてみての感想
作業時間は18時間未満と、意外とみじかく済みました。
上のような狙いがありつつも、(前景の照明を人にかぶせるようにレイアウトしながらも、誰だか分かる程度に隠しきらないという)半端な達成具合にしてしまったので、そこはきちんとコンセプトを全うしたほうがよかったかもしれません。
麻雀をやったことがないのでサイズ感がわからず、ググって写真を見たりなんだり「むずかしいな~」となりました。
……なりましたが、しかし、よくよく振り返ってみれば、畳だのふすまだの見慣れた事物にしたって、「これぜったいおかしいよな……おかしいんだけど、どうやれば直るのかワカラン……」と思いながら描いたので、麻雀関連のシロモノについては現物を知らないぶんギャップに悩まされなくて済み、むしろ精神は安定していたかもしれません。
すべては「フカン……? どれだけ見かけの尺が圧縮されるんだ……? ワカラン……」というふんいき三点透視フカンで描いたじぶんがいけない。自滅の刃/見切り発車編。
作業工程・経過記録
(1124更新時)2時間くらい?
雀魂バーチャルインターハイのリンク先くらいの時点のシーン。これを清書していきたいと思います。(清書というか、さらに下書く必要あるけど……)
天井からの吊り照明はもっとデカい方がいいかな? キャラを小さく収めない構図かつ高さ方向の情報をふやしたいので部屋は一回り小さくしました。解説の先生ふたりも入れたかったですが、うまいやり方が思いつかず。一目でゲームソフトがわかるよう、あみゃみゃ雀卓で。
パースペクティブについては雰囲気です。べつに皆だってパースについて詳しくないので、なんとなく描いて自分がとくに違和感覚えなければ、大体みんなもそう変に思わないはずという甘えにのっかっていきます。
(11/26 23:38更新時)7時間くらい?
ルイスで1時間ピッタリくらいで、他は時間はかりわすれました。
(11/28 23:30更新時)10時間くらい
ルイスの服装がちがった&かわいくなかったので書き直しました。絵柄についてはシャニマス案件イラストで立てた作業目標(※)をクリアしました。
{※ ☑元イラストレーターさんのデザインへは無理に寄せない(似せられるほどの画力がないことを自覚し、不必要なほど長時間の足踏みをしないようにする。かわいければヨシ!)}
雀卓の図柄は、あみゃみゃが座るにじ女卓向きから、分かりやすさのためはねるちゃん卓向きへ。
麻雀やったことないので、麻雀牌のサイズ感がよくわからず、いろいろむずかしいですね……。
(11/29 00:30更新時)10.5時間くらい(結局オミット)
『雀魂』背景をよくみたら、手前側にも梁が見えるじゃないですか。ここまで書いてきた空間について、どうにもだらんと間延びして見える気もしたので、その改善に良いかと思い、つけてみました。
天井ぶちぬきショットにしないで収めたかったですが、無理があるような。
(この辺で、雰囲気で描いてきたパースペクティブについて、きちんと考えるハメになります。わが家の一室はだいたい正方形っぽく見えるタイルを敷いた部屋があるので、そこへ腕やスリッパを立ててみて、「おかしくないような、おかしいような……」と睨んだり悩んだりしました。けっきょく描いてる本人がパースについてよく分かってないので、悩んだところで正解は出ない。あきらめます)
一長一短なかんじで、なやむところです。
- 視線誘導はドラマチック(障子のそとにいるためにかすみがかっていない画面下のはねるちゃんがまず目に入って、目線を上にあげていくことでその理由がわかるような、画面内画面ができてる)
- こまごまとした部分を描かなくて済むので作画コストがよい。
これはあると思います。でも、ほかに否定的な疑問点が3つ。
- 障子をつけると盤面もキャラも見えにくいのでは?
- 天井が高すぎるのでは?
- 欄間つけ前と比べてごちゃごちゃしすぎなのでは?
元作業絵のほうが、アガった天開さんだけ天方向につながっていて、差別化ができているようにも思う。
(11/30 1:30進捗)11.5時間くらい
麻雀牌がわからなすぎて描いているうちに精神が削られていったので、気分転換に背景を描く。『雀魂』背景美術をもとに、描きたいパースペクティブと、それなりに映えるかたちで記す。こんな風にやるとああなるんだな、と勉強になる。
麻雀牌について、黒系統の色の面のフチをハイライトで縁取ったり・逆に白い面は黒い外形線をのこしたままにしたり。垂直ほうこうに伸びる面のうち、下方の卓(オレンジ色)にちかい側へ卓からの反射光ということでオレンジに染めたりした。それっぽいな~と自画自賛。
(11/30 3:00進捗)13時間くらい
床の色を(円形のハイライトを微妙につけつつ)暗くして、机とその上の招き猫の置物を描く。鏡像は鏡像と分かればいいだろの精神。
(11/30 10:15進捗)14時間くらい
床に板をプラス。畳を暗くして、ここまでの自分の絵を見直して今回の絵は一段と淡色になっていると気づき、キャラの影を暗くする。
ふすまも描く。
(11/30 12:36進捗)15時間くらい
画面右下グウェル、剣持、右上あみゃみゃを描く。グウェル剣持があっさりきまったけど、顔を書かねばならないあみゃみゃは難航する。
(11/30 15:01進捗)15.7時間くらい
画面右下のグウェル剣持の大きさを調整。色調をいじってもっと暗く+彩度を上げて色を濃くする。画面上の漢気高校チームメンバーを描く。
(11/30 15:51進捗)16.5時間くらい
廊下手すりの床への映り込み、引き戸の敷居、置物の床へおちた影を描く。あみゃみゃの映り込みを誤って削除してしまったことに気づき、まえのデータからコピペする。こたつの下布団を描く。
観念して麻雀卓を再挑戦。
(11/30 16:11進捗)17.5時間くらい
前回で「完成だー!」とぬか喜びし、違和感にきづいて作業再開。河(捨て牌)を3人分書き忘れていました。
完成だーと思ったものの、後ろのふたりのサイズをすこし大きくする。
麻雀牌の模様を書き忘れてたところがあったので描き、ふすまから顔を出すあみゃみゃが縮小画面だと白目が黒目みたくみえたりなんだり怖かったのを修正しました。