プレイ時間は61時間。全ルート・ミッションクリアまで(3万4千字くらい)
20230920(水)
■ゲームのこと■
PS5『ARMORED CORE Ⅵ』プレイ日記Chapter3-1/Dランアリーナ終了まで
ひさびさに高校時代の友人4人と会いました{9/17(日)。下界のようすを知らなかったから、俺ら以外みんなノーマスクでびびりました。今こんな感じなんだ……}。ということで『アーマード・コア6』を購入・プレイしてます(?)
もともとこの集まり、ルート全クリ済の2人が『アーマードコア6』のはなしでLINEが盛り上がり「これは会って積もる話をしよう」「せっかくだからみんなで会おう」ということでうまれた席なのでした。フロムが主で、同窓は副。
zzz_zzzも『Divinity : Original Sin EE』を一旦ほっぽりだして、『AC6』を買ってプレイ。
でかけるまでに9時間やって、2章1面クリア&そこまでで解放されるアリーナEランク帯をクリアした状態で、全クリ者3人のいる呑みの席へ挑みました。
翌日はほぼ一日ぐったりし、9/19(火)げんざいの進行状況は、3章1面&アリーナDランク帯をクリア。プレイ時間は16時間らしい。
▼短期長期 両面でおもしろいストーリー
素朴にストーリーが面白いです。
ミッション(ステージ)セレクト式のゲームで、まず、ミッションひとつひとつに起承転結があって、一話完結的に楽しめます。
たとえばミッション前ブリーフィングはプレイヤーキャラクターに対して(おそらく一期一会で使い捨てられていく雑魚あつかいで)横柄だった依頼主側のひとが、ミッションを一緒にこなしていくうち角(カド)を丸めていって、ミッション後のアフタートークで「やるじゃん!」なんてひとりの個として扱ってくれる……
……といった「ミッションでプレイヤーがこなしたこと」に起因する何かしらの変化がちゃんと盛り込まれてます。
{この辺をちゃんとやってくれてる作品、意外とそこまで多くなくないですか?
たとえば任天堂作品系列なら『スマブラ』の「灯火の星」の味気なさもそうですし(とはいえあれは、Switchのカード型ソフトの容量の小ささと、前作で「亜空の使者」みたいな大型ストーリーモードをやってしまったので今更それ以前のアドベンチャーモードに戻せない、といった状況から出た苦肉の策だった……というお話を桜井氏が自作解説動画でされていましたが)、『ARMS』('17)とかだってシナリオは全キャラ汎用で、ゴロッと「遊び」だけを提供するラディカルさがあるじゃないですか。
『モンスターハンターライズ』('21)も、シリーズ前作『ワールド』から一転、"依頼主がどう困っていて、ハンターが討伐したことでどうそれが改善されたか"が実景として語られるクエストって珍しい類いにカウントされるかたちになりましたよね}
もっと出番のみじかい、本当にそのミッションだけの一期一会の敵キャラも――中ボスにさえなれない端役でも――印象ぶかい。
当該ミッション内で、そのひとがそこにいたり出てきたりした理由・経緯を表明してくれて。そしてバトル後には、その表明にかかわる顛末的コミュニケーションがつきます――勝ち負け両パターンとも!
たとえばある部隊に合流する予定の新兵を倒したときには、新兵が無念の言をのべ、イヤ~な気分にさせてくれますし。ある施設を破壊するほかのミッションで失敗したときには、防衛側の凱歌が聞けます。
{ミッションごとに異なる「負けパターン」の豊富さ。
これも『AC6』をやっていて(『AC6』の難度にヤられていても)萎えずに楽しめる味ですね。
プレイヤーキャラクターをマネジメントし戦況を後方支援してくれるハンドラーからのこちらを心配する一言だったり、そのミッションの依頼主からの落胆の一言だったり……ほんとうに色々きけます}
そして各ミッションには、続き物のゲームとして通しプレイしてこそ楽しい短中期・長期的な繋がりもまた備わっています。
まず直近のミッションと連結するツナギが、毎度何かしら細かくちゃんと用意されている。
たとえばある団体Aの依頼を受けて別の団体Bの新兵を倒したミッションの次は、団体Bからのミッションで、その内容は、歯抜けの出た部隊の代替要員としてとある作戦をこなす――つまりさきほど倒した新兵が部隊へ正式投入されていたらやるはずだった作戦を代わりにおこなう――であったりする。
たとえばいくつかのミッションで、他キャラの強さややる気の表現として「壁越えが云々」という話が出てくるのを耳にするなぁと思ったら、その「壁越え」を行なうミッションが登場したりする。
そしてミッションどころかチャプターをまたいで太く長く語られるであろう、各キャラの経糸も走ってさえいる。
主人公の傭兵が依頼をうけていくにつれ熱を帯びていく、惑星ルビコンにねむる魅惑の資源コーラルをもとめて漁り争う企業たちと、かれら星外へ反対する土着のルビコン解放戦線との対立関係。
加熱した争いを鎮めるべく、ついに地表へ濃い影を落としてあらわれた惑星封鎖機構の大群!
その熱はそもそも過去に熾った残り火であるらしく、味気なく仕事をよこすだけに思える自分の飼い主ハンドラー・ウォルターでさえなにか過去の因縁のためにこの星に執着しているらしいことがチラつき、封鎖機構がルビコンを鎮めるに至った過去の大惨禍「アイビスの火」が次第にその異様な存在感をあらわにし始める。
大地にクレーターの海ができ周囲の星々が赤く汚染された万死の大災禍下でなぜか生き残りがいるらしい……そんな怪談めいた「灰かぶり」の噂を聞いたかと思ったら。主人公は主人公で、飼い主ハンドラー・ウォルターでさえ与り知らない、現地民ルビコニアンを名乗る謎の幻聴がこだまし視界が朱く染まりはじめる――
――強いヒキのある作劇で、ふつうに今後の展開が気になります。
▼難度は高いけど、おもてなし度はそれ以上に高い
いまの進行度(40%くらいとのこと)でもらえるトロフィの取得率は、『AC6』を購入したPS5プレイヤーの統計で59.7%くらいらしい。*1
つぎのトロフィ取得率は49.5%とガクンと落ちるから*2、次こそが本当の山だと思うんですけど、既クリア者の友人によれば、
「とりあえずチャプター2まで進められたなら、あとはそれ以上ツラいところはない」
とのことで、それを信じて進むしかありません。
{もっともこちらは「仕様がつかみにくい」と評判のロックオンシステム(ターゲットアシスト)についての知見が出回った後かつソフトウェアアップデート後で、「辛い辛い」と評判のその序盤の山が登りやすくなるよう削られたうえ、主人公機の一部装備に上方修正が入った状況なんですけど。
それでもそのチャプター1の山、「これで弱体化アプデはいった後なの……?」とグッタリしたんですけど……}
(この項で書いたことは、上リンク先記事としてサックリまとめるための叩き台となりました)
PS5ゲーで比較すると、『FF16』の10~20倍くらい難しい体感ですね。(そのくらい死んでる)
『AC6』の結構なステージもどのボス戦も、『FF16』でなんとか1塔クリアして「残りの6つはもういいや……」てなった「石塔の試練」くらいの難度がありますね。詰まったミッションはとりあえずもう7箇所は超えていると思う。
他方で『FF16』より100倍おもてなしされている感もおぼえる、たいへん不思議な塩梅のゲームです。
『FF16』「石塔の試練」を1つクリアするともらえるトロフィがプレイヤー全体の17.8%*3で、全塔クリアしてないと取れないトロフィ保持者が9.1%*4で。
つまり1塔で満足したぼくみたいなプレイングスキル・根気のひとが8.7%、少なくともだいたい(全購買者がとりあえず300万として)26万人くらいいらっしゃるかと思うんですけど、そのなかで『AC6』やってないかたがもしいらっしゃったらオススメです。*5
とりあえず半分くらい進められて16時間くらい楽しめることはzzz_zzzzが身をもって保証しますし、zzz_zzzzの友人を信じるならクリアだってできるらしいです。
▽健やかでこまやかなステージ構成、やさしいリトライ地点
『AC6』はミッション構成が健やかでうれしい。
自機が大破したさいの中途リトライ地点も複数用意されていて、その設定もかなりやさしい。
たとえば序盤の難所として名高い「壁越え」ミッションは……
1.雑魚戦+初見殺し的な高火力固定砲台に待ち構えられた舞台
↓
2.小ボス(固定砲台)
⇓
3.雑魚戦+①のパワーアップ版固定砲台の複数ある舞台
↓
4.中ボス(四脚メカ)
⇓
5.雑魚戦ふた部屋(狭路のさきに①③固定砲台的メカが待ち構える)
↓
6.回復小部屋
⇓
7.大ボス
↓
8.ミッションクリア
……という構成なんですが。(20240904追記;あくまでイメージ。リトライ地点が本当にこの区切りかちゃんと確かめてない)
このね、大ボス戦まえの回復小部屋へたどりつくまえの最後のハードル、"⑤雑魚戦ふた部屋"! これがなんともいやらしくって。
脅威度じたいは、初見でさえ蚊に刺される程度で済む、かる~い被ダメージ源なんですよ。なんですけど、その前段の④中ボス戦によって、こちらのライフは蚊のはばたきで吹き飛ぶくらい減っていたりしているから、ぼくクラスのプレイヤーにとってはこの雑魚戦部屋でのダメージがゲームオーバーするか否かの分かれ目だったりするんスよ。いやらしい……。
さてこの"雑魚戦ふた部屋"が面白いのは、そういうニクさはノーコンティニュー者だけが味わうものだってこと。
もしこの部屋で死んだとしても、ミッションを中途リトライできるチェックポイントは中ボス勝利後の⑤直前へと設定されているから、再挑戦者はライフ武装全回復したうえで"雑魚戦ふた部屋”へ入ることとなります。
(そして"⑤雑魚戦ふた部屋"で蚊に刺され程度の傷を負ったとしても、大ボス前の回復小部屋で再度回復ができ。
ミッション最大の難所"⑦大ボス戦"で負けたとしたら、こんどのリトライポイントは"⑥回復小部屋"なので、そのちょっとしたわずらわしささえ味わわなくて済むようになります)
○ナビ音声のやさしさ
このへんのやさしさは、道中で入るハンドラーなど後方支援者のナビ音声からも感じられます。
あるミッションのとある場所では、進行方向と正反対の方角から敵があらわれ背中を突かれるバックアタックをうけるシチュエーションに見舞われるのですけど、その直前で支援者から「トントン拍子で、逆にあやしいな」という旨の無線が入るから、「なにかあるかも」と身構えたうえで敵の策略にのぞめるんですよ。
初見殺し的展開をするけれど、その前兆もまた教えてくれる。だから理不尽さをあまり感じない。
○ボス対策に有効な装備へと自然と導かれるようなステージの導線設計
そして道中のステージ構成からも、その後の戦闘が楽になるような示唆的でやさしい導線設計がうかがえます。
鍋島 (略)ゲームにはゲームの世界が当然あるはずなので、どんなにハチャメチャな世界でも、ハチャメチャな世界としてのつじつまが合う。それを大事にしたいなっていうこだわりみたいなのはあります。(略)達成感とか、爽快感とか、そういうものを複合させたものがゲームなんじゃないかなって。じゃあ何をしたときに人間は達成感を感じるかということに対して、単純に気持ちいいとか、記録を塗り替えられてうれしいとかがある一方、ひたすら頭で考えて、こうやってやればうまくいくんじゃないかなもあるはずです。考えが正解だった時に達成感があるんじゃないかな、と。ロジックバトルというと大げさですが、『AC』シリーズのカスタマイズって確実にその要素は含んでいると思います。
――つまりはゲームのコンセプトをクリエイトするのが大好き、ということですかね。
鍋島 大好き……大好き。大好きかな?(笑) とはいえそういう思考法をフロムで教わったし、そういうやり方がいまのところ正しいんじゃないかと僕は思っていますね。たとえば任天堂さんのゲームは一見すごくライトな製品でも、その裏には計算されたところがキッチリあって、それができたうえで、ああいう「誰でもやれます」みたいな製品になっている。『AC』シリーズとはゲーム内容は別路線ですが、考え方の原点はいっしょなんじゃないかと思います。
KADOKAWA刊(2014年2月22日電子版ver.1.0発行、ファミ通の攻略本)、週刊ファミ通編集部(編)『アーマード・コア フォーアンサー 公式パーフェクトマニュアル』kindle版98%(位置No.277中 272)、「第5章 参考資料編」鍋島俊文氏*6インタビュー(略は引用者による)
その意味では任天堂『ゼルダの伝説』<ブレス オブ ザ ワイルド>シリーズ(というか『ムジュラの仮面』あたり)の導線にちかいものをかんじます。
前述の「壁越え」ミッションなら、敵の攻撃範囲を意識して、安全圏に回り込む重要性を小ボス中ボス小部屋などで知らしめてきたうえで、待ち構える大ボスの様相などもそうですし。
あるいはほかのミッションなら、頑固一徹キャッチャーみたいなボス*7までの道程もおもしろかった。
そのボスは守りが固いうえに趣味が偏っており、プレイヤーがボスの弱点へ攻撃を届かせるには、そのボスが「ここ」と構えたミットへ、ど真ん中ストレートボールを投げ込まなければなければならなくて。そしてカーブボールとかスライダーとか軟派な球を投げようものなら、「それはサイン送ってない」と拒否されてしまうんですよ。
「正解」であるまっすぐズバンと直射する武器でだって弱点を突くにゃあコツのいる完全防備の偏屈ボスです、こちらの武装としてウニョウニョと上から下へ弧を描いて飛んだり、一本締めみたく左右へ開いて閉じたりする軌道を描くミサイルなんて積んでいた日にはもう、どれだけ頑張っても歯がたたないワケなんですよ。
でも、そんなボスと出くわすことへの理不尽さはおぼえません。
というのもボスに向かう道中で、天井が異様に低く道幅がせまくて左右の身動きもとれない狭路でのマッチメイクがなされておりまして。
ステージを進んでいくだけで、自然と武器の軌道に注意がいき、
「広く展開する武器は地の利に阻まれてしまうので、直射系の武器を装備しよう」
と意識づけがなされるステージ構成が整えられているんですよ。
直接「その立ち回りはダメだから、ああいう立ち回りをしましょう!」「こういう武器を装備したらいいですよ!」という正解こそ明言されないけど、正解をうながす導線をちゃんと示してくれている……そういうミッションが多々ある。
そんでもまぁ、「これ本当に"正解"装備かな?」と首をかしげてしまう程度には、ある程度のプレイスキルを要求され、リトライを重ねるわけなんですけどね(笑)
▽『FF16』とちがって『AC6』のリトライ時物資フル補充に敗北感はない;両作のステージ構成のちがい
FF16で全滅リトライしたときにポーションがフル補充されてることに文句言ってたレビュワーはAC6で大破リトライしたときにリペアキットがフル補充されてることにも当然苦言を呈してくださいね。
— (HINA)たす🦀❤️ (@tas_hina_9) 2023年8月25日
上のようなポスト(旧名ツイート)を見かけました。
いや、どうっすかね?
zzz_zzzzは、『FF16』のプレイヤーキャラのHPがゼロとなって、その戦闘をリトライするさいの回復薬フル補充にたいしては「おれはなんてプレイ下手なんだ……」って敗北感をいだくいっぽうで。
たいする『AC6』で自機が大破してリトライするさい回復薬(+弾薬)フル補充されても、そういう劣等感はほぼ抱いていません。
『FF16』のリトライ仕様がストレスだったひとが、『AC6』で同じ辛さを味わうかといったら、実はそんなことまったく無いんじゃないでしょうか。
このプレイフィールのちがいは、いったいどこに起因するんでしょう?
回復薬(弾薬)フル補充ポイントがステージ(とかクエストとかミッションとか)内外にあるかどうかの違いと、コンバットシステムの違いによって生まれているとぼくは考えます。
{この話は『AC6』の凄さ(<ゼルダBotW>の凄さ)というよりかはむしろ、『FF16』の難しさのお話であって、このエントリでするものでも無いのですが、まぁ考えの出発点はここであったことに違いないのと、『AC6』の話じたいはガッツリしているので、ここの記述もそのままアップしようと思います}
まずカジュアルな<ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド>シリーズでは、こういう劣等感はいだきません。
<ゼルダの伝説BotW>は、途中離脱⇄再開可能な強制力のひくいハイキングで、ステータスや武器防具は自由入手。回復薬などの所持上限はゆるく、リトライは全回復&物資はゲームオーバー前の状態を復元というスタイルでした。
いっぽう『FF16』の一連のクエスト(『AC6』でいうミッション)って、「最初もちこんだ物資をチクチク削られてゆきながら、ラストスパートまでにどれだけ残せるか?」というマラソン的構成なんですよ。
正確な数字じゃない印象論のたとえ話なんですけど、『FF16』はクエストにいどむさい最初に回復薬を10つもちこめるとするじゃないですか。そこからクエスト道中にフル補充ポイントは無く、ボス戦までに替えの回復薬が3つくらい転がっていて、「zzz_zzzzくらいのプレイスキルのプレイヤーならボス戦に5つくらい残せたら良いね~」て感じになります。
敵の攻撃じたいはパリィしやすいけど戦闘は多いし雑魚敵ふくめて体力も多い。被攻撃機会の分母のおおきさによって、ミス・ダメージが稼がれてしまう旅路をすすみます。
ボタン長押しで開けられるような、重々しいトビラで前後をはさまれたロックマンのボス戦前小部屋みたいなところへやってきたって、回復アイテムが置いてあるかは怪しいし。そんな物々しい小部屋を過ぎた先でも、また雑魚戦がつづいたりする……そんな具合に、とにかくプレイヤーの気力を削いでくる(笑)
けっきょくあと何戦あるのか(ボス戦も何形態あるのか)わからないから、回復を渋って進行して、思わぬ大ダメージをくらってゲームオーバーになりました~みたいなヒヤリハット・インシデント事案もすくなからず起こりました。
{いや、物語の成り行きだけじゃなくてそうしたプレイフィールも含めて醸成される、『FF16』の先行きわからず光明の見えないドンヨリ曇天具合は面白くって、これはこれで良いものなんですけどね。
とくに、おなじみのファンファーレを鳴らされるシチュエーションが絞られていて、だいたいミュートのかかったカス当たりをスローモーで眺めさせることによる戦闘終了シークエンスの手ごたえのなさ・爽快感の生じにくさとか、クエスト終了シークエンスでたびたび生じるシュールな間とか、徹底していて凄い。
それゆえ疲れるわけですが(笑)}
いっぽう『AC6』は、「難敵には万全の状態でいどんでくださいね」という仕切り直し構成。
ミッションに回復薬を3つしか持ちこめないけど、ボス戦まえには*8絶対フル補充ポイントが用意されています。
『FF16』で全滅した場合、リトライ前以上の回復薬を手に入れてしまうことになり、結果、『FF16』では(前回の装備で勝てなかったんだから、オマケを持たせてくれるのは優しいし当然なんですけど)「リトライするおまえは、オマケされなきゃ勝てないやつ」認定をくだされた敗北感が生まれます。
対する『AC6』の場合は、リトライ前と後でプレイヤーキャラクターの状態に違いは概ねありません。
{いや厳密にはリトライ選択画面で装備の見直しもできるし。体力にかんしても、チュートリアルステージではノーコン時とリトライ時では体力にちがいがあるなど(ノーコン時は不時着により体力が削れた状態ではじまるけど、リトライ時はフル回復された状態で復帰される)温情措置がはたらくシチュエーションもいくらかあるけど、ややこしいので省く}
『AC6』の物資フル補充リトライは、ボス戦までの道中という「じぶんがクリアしたところ」をやり直さずに済む「時間短縮」/ファストトラベルでしかないので、上述作品の上述システムにいだいたようなストレスは生まれません。
(ただし、うえの比較はあくまで「ボス戦でのリトライ」に限ったお話で、フル回復ポイントへ辿り着くまえに死んでリトライとなった場合には、『AC6』でもリトライ前後で物資差が生まれるんですが……)
▽攻撃・被攻撃の対処と、体勢ゲージの仕様がよい
戦闘システムも『AC6』は性根のよいもので、そこもうれしい。事故的イジワルが起こりにくい仕様なんですよ。
『AC6』だと敵の攻撃にたいしてプレイヤーキャラクターができるリアクションは……
- 被弾
- キャラ移動で攻撃範囲まで逃げる回避
- 盾をかまえて被ダメージを軽減するガード
- 一定タイミングで盾をかまえて被ダメージを大軽減するイニシャルガード……の4択と。そしてさらに……
- こちらが攻撃をあたえるごとに削れていく体勢ゲージ{ゲーム内表記で「ACS(姿勢制御システム)ゲージ」}を削りきることによって敵が一時行動不能となるダウン状態(ゲーム内表記で「スタッガー状態」)にすることによる中断
……をくわえた5択となっています。
敵の攻撃を無効にしたうえで敵を"攻撃はじかれ"or"空振り"モーションにしたりスローモーションにしたりして、そうしてできた隙にこちらがいっぱい反撃できるパリィ・ジャストパリィ的な要素はありません。
(おれがそういうギミックに気づいてないだけかもしれん!
しれんけど、パリィ無しでまぁゲームの4割すすめられます)
***
『FF16』を挙げたのでそれとの比較でいきます。
『FF16』の戦闘システムは、カジュアルでも玄人でもたのしめるような広い受け皿を用意した結果、ぼくみたいな中途半端なゲームプレイヤーにとって難しいあんばいになってしまっていました。
敵からの攻撃にたいしてこちらができるリアクションは、
- 被弾
- キャラ移動で攻撃範囲から逃れる回避
- 特定タイミングで回避ボタンを押すことで可能となる、被ダメージをゼロにしたうえで少しのスローモーションがかかって自キャラがすぐ動けるパリィ(ゲーム内用語で「プレシジョン・ドッジ」「プレシジョン・ブロック」)
- 特定タイミングで攻撃ボタンを押すことで可能となる、被ダメージをゼロにしたうえで、大きなスローモーションがかかって自キャラが高速行動できるジャストパリィ(ゲーム内用語で「パリィ」。<鬼武者>シリーズの「一閃」ですね) の4択と。そしてさらに……
- 攻撃を与えることで削れていく体勢ゲージをすべて削ったときにおこるダウン状態(ゲーム内用語「でテイクダウン」)にする{あと、体勢ゲージ(ゲーム内表記で「ウィル・ゲージ」)を半分まで削ったとき、特定アクションでおこなえる小ダウン(ゲーム内用語で「デッドリー・テイクダウン」)とか}
……5(+α)択があります。
③④の仕様にジレンマがあって、『FF16』におけるこれらのパリィ・ジャストパリィは、パリィ&プレシジョン回避直後に攻撃すればカウンター扱いとなって、体勢ゲージ(ウィル・ゲージ)削りにプラス補正がはいるんですよ。(ゲーム内戦闘情報としても「プレシジョン・カウンター」とかそういう文言が出て特別扱いされる)
だからパリィ後はカウンターをいっぱい入れたいわけですが……③の「プレシジョン~」系パリィって、見た目や発売時期の似かよいから『ゼルダの伝説』<ブレス オブ ザ ワイルド>シリーズのパリィ「回避ジャスト/ガードジャスト」とダブってしまうんですけど……カジュアルな<BotW>シリーズの「ジャスト回避」パリィと同じくらい『FF16』の「プレシジョン~」系パリィの入力受付時間は大きい一方で、その恩恵って<BotW>シリーズとちがって結構しょっぱい。
(ジャストパリィじゃない)単なる「プレシジョン」系パリィからのカウンターだと敵に行動阻害は入りません。PD/PG系パリィした敵の攻撃が、連続攻撃の途中の一手であった場合、こちらがカウンターを入れたところで向こうは気にせず連撃モーションをつづけます。
なのでゲーム下手が『FF16』をやると、プレシジョン回避をキメてカウンターをしようとしたら逆に相手からクロスカウンターをもらってしまう罠にハマってしまうんです。ゲーム下手はこの罠と、チュートリアルの廃村から米津玄師さんのエンディングテーマを聞くまで終生の絆をむすぶこととなります。
上のクリップ動画のとおり、雑魚敵でも複数攻撃を基本モーションとして持ってたりするんですよ。
結果、レベルキャップ50の世界で、Lv差が10以上ついてる雑魚敵相手に、
「体勢ゲージ(ウィル・ゲージ)が潤沢なときは、PD/PG系パリィして一発カウンター入れて打ち止めにして、二打目をまたPD/PGして今度こそカウンターをフルコンボ入れて、体勢ゲージが半分・ゼロの区切りなら削りの大きなアビリティを切ってみて……」
みたいな、ややこしいことをしなきゃいけない。
{そんだけがんばっても、体勢ゲージ一回ゼロにしたくらいじゃ敵さんはまだ体力が1/2~1/3のこっていて、場合によっては戦闘範囲外となって体力フル回復で所定位置に帰還されたりする(笑)}
*
『FF16』の罠は、カジュアルな<BotW>シリーズの仕様であれば起きません。ガードジャスト/回避ジャストをキメると9割9分エネミーに行動阻害がはいるからです。スタミナゲージも<BotW>シリーズには存在しませんしパリィをキメた後はただひたすらに気持ちよく攻撃ボタンを連打すればよい仕様になっています。
逆に『FF16』よりも死にやすくハードな『AC6』でも、パリィがないためにプレイヤーが考えることは「攻撃する/敵の攻撃に対して回避・防御する」のタイミングをはかるだけ。
なので、「反撃しちゃった/クロスカウンターを食らうくらい近づいちゃってるけど、敵がさっきした攻撃って実は連撃でまだ続きがあるか?」とかを気にしたり「うわぁ華麗に反撃したつもりが、攻撃の切れ目がわかってなくて逆に大ダメージ負っちゃった」と萎える機会はあんまり生じません。
{態勢ゲージを削る量やリロード時間などは各装備でちがうから、もちろん「大ダメージ大ACS削りの近接攻撃を1発いれるか、コンボするか?」みたいな判断はあるわけですが。
でもそんな長々しく連撃できる装備って(今のところ)なくて、一撃即離脱のヒット&アウェイが基本ムーブとなるので、やっぱり『FF16』的な出鼻くじかれシチュエーションは遭遇しにくい}
***
そんなわけで、『AC6』はクリアできる気がまだまだしないハードな難度だけど、ゲームプレイ自体はストレスがすくなく、楽しいです。
離れるとせっかくヨチヨチ歩きできるようになった立ち回りができなくなって、慣れるまでまた時間をかける羽目になりそうだから、『D:OS1 EE』はしばらくお預けかな。
***
▼各ステージふりかえり
▽チャプター1
・「密航」
初プレイ時はかなり慎重に動いた覚えがあります。
"こうするとよさそう"というのは割合はやく察せられましたんですよ。
そこから、ブレードが届かない、アサルトブーストで追いつけないことが多発。停滞時にバンバン当てられる回がくるまでリトライを重ねました。ここからずっと行動パターンガチャを引き続けることになります。
・「移設型砲台破壊」
ここは難なく行けましたが、やっぱり初プレイ時はかなり慎重に動きました。
・「グリッド135掃討」
意外と面倒くさかったミッション。気づいたらガス欠になって奈落へ落ちてました。
・「輸送ヘリ破壊」
任意攻略のバトルログ対象・四脚をどうにかしようとしてリトライを重ねました。
・「テスターAC撃破」
難度的には癒しのミッション。動くAC戦は安定しないのと悲鳴がかわいそうなのでアンマリやりたくない面なのですが、友人たちは最短で終わるお金稼ぎミッションとして認識しており、「レイヴンどもがよ……」となりました。
・「多重ダム襲撃」
難度的にも内容的にも癒しのミッション。チームアップなのと、目標が動かないので精神的にすごく楽チンで、ぼくにとっての金策ミッションでした。言われてみれば確かに時間がかかるか。
・「武装採掘艦破壊」
落ち物ジャンプアクションミッション。もうやりたくない。
「これ四脚でホバリングできれば楽だろうなぁ」
と思いつつも、財政上の問題からアセンブルの幅がまだ出せてないので、ふつうに落ちまくりました。
・「壁越え」
つらかったミッション。ミッションボスのジャガーノートとの戦いは、
「これ四脚でホバリングできれば楽だろうなぁ」
と思いつつも、財政上の問題からアセンブルの幅がまだ出せてないので、突進を避けられるだけ飛ぶアクションがまずツラかったです。
「突進を躱し、小休止時に飛び込み削る……地上面での押し引きの感覚をつかもう!」
というようなボスだと思うんですが、うむ! 面白かったです。
・「戦闘ログ回収」
つらかったミッション。ログをいっぱい回収しようとすると時間が足りなくなってしまう。
・「BAWS第2工廠調査」
大変つらかったミッション。静けさが怖いし、ふつうに敵強いし。遮蔽がなく高所有利もとられている窪地での戦いで、
「これ四脚でホバリングできれば楽だろうなぁ」
と思いつつも、財政上の問題からアセンブルの幅がまだ出せてないので、地上戦がキツかったです。
・「ウォッチポイント襲撃」
大変大変つらかったミッション。「バルテウスやばいぜ」と評判の面ですが、そもそも前座の時点でつらかった。
チャプター1-1がミサイルと機関銃ぶっぱで近づけないけどアサルトブーストで腹下にもぐりこんでしまえば意外と安全地帯というヘリコプターから始まって、チャプター1の締めくくりがミサイルの弾幕をさらに張ってくる敵ということでキレイでした
1-1ヘリコプターとおなじくアサルトブーストで弾幕をかいくぐって飛び込むことが攻略法の一つですが、バルテウスの場合は――アサルトアーマーによる爆発やら炎の大剣やら――距離を開けてリセットする突き放し技も持ってるところが章〆ボスってかんじで良かったです。
また、
『「壁越え」ミッションボス"ジャガーノート"で学んだ押し引きの感覚を、空中戦でやりましょう』
というようなボスでもあると思うんですが、そこもよかった。
日記本文でも言ったとおり、謎が謎を呼ぶシナリオと、そして映像的な強さが印象的なミッションで、非常に良かったと思います。
おそらくあの光を引き立たせるために、その対照としてミッション初めは黒い夜からはじまって、明け始めて藍色になった夜明け前の曇り空になる……となったのでしょう。うまいロケーション設定だ。
▽チャプター2
・「グリッド086侵入」
大変つらかったミッション。
日記本文でも言ったとおり、ステージが狭いためアーチ系軌道のミサイルがあまり有効でなさそうな道中を経たうえで、直線軌道が刺さりやすい弱点を有したミッションボスが出てくる設計じたいは面白かったです。
ミッションボスのスマートクリーナー戦は、
「これ四脚でホバリングできれば楽だろうなぁ」
と思いつつも、財政上の問題からアセンブルの幅がまだ出せてないので大変でした。また、噴火攻撃を見て、
「一つ覚えでホバリングしてるとこのしっぺ返しを喰らうんだろうな。1章初めのヘリと1章〆のバルテウスみたいな関係性だ」
と思ったり。
また、6ミッション続けてリトライを重ねたので、「この調子だとクリアできない……」と思いました。
・「ドーザー他派勢力排除」
癒し。クリアへの希望がちょっと出ました。
・「海越え」
大変つらかったミッション。道中、レーザー砲撃網をかいくぐることで空中高速機動の重要性をまなんだりそれ相応の装備を整えたあと、空中戦で挑むとやりやすいミッションボスが登場するのは面白かったです。
▽チャプター3
・「観測データ奪取」
つらかったミッション。
「え、ツラくね? この域が続くとクリア無理じゃね?」
となりました。
ユニークな特注ボスよりも、強そうだけど没個性の中ボスっぽいいでたちのかたがたにボコされると「これがモブ……? 無理無理~」となる。
ちょうど同じ進行度のvtuberさんが配信をやっていなかったら、そしてその崖上から戦う模範プレイを見ていなかったら、ぼくの『AC6』プレイはここで終わっていた可能性があります。
1001(日)
■ゲームのこと■
『ARMORED CORE Ⅵ』チャプター4突入/アリーナAランク帯終了まで
『AC6』はチャプター4に入りました。
チャプター3の締めくくりとなるイベント戦は、脚本・イベントシーン自体が燃える内容であるうえに、プレイアブルな実戦面でも面白いのがうれしかった。
そういう素朴に「燃え」たり「ニヤ」ついたりする(今日的な)ロボット物/官vs民・先進vs発展途上コミュニティの政争要素と、1章末部から徐々に大きくなってきた「お、おう……?」ってちょっとどう処理していいかわからないシッポリ底知れない土着神話(≒異形の神々)的要素とが混交した構造で、
「『ゼルダTotK』に『AC6』にと、『ワンダと巨像』の次世代だなぁ」
という感慨をもっています。
(今作の立ち上げ時のイニシャルディレクターにしてフロムソフトウェア現社長の宮崎氏が、『ワンダ』と同じ上田文人ディレクターの『ICO』をプレイしたことで前職退職を決意しフロムソフトウェア入社を決めた逸話からの連想)
チャプター3は、天地方向にひろいミッションが多く、とりわけ上空から迫ったり高所にいたりする脅威を排除するミッションが多かった印象。
チャプター3のボスは、地を這い・それどころか潜りさえして神出鬼没。あちらが飛ばしてくるミサイルもまた、量が多いし視界外の情報からゲリラ豪雨のように飛んできてウザったい。
でも上述のエネミー像は、地面をすべるように戦っていた場合の感想で。
こちらが飛んで高所を取っていると、地を這うからだでうにょうにょ素通りするだけとなるし、ミサイルも視界内におさまる弧の軌道が見えてきます――つまり、このボス、「チャプター最終ミッションに至るまでに、じぶんがされてイヤだったこと。それを相手へ押しつけると、攻略しやすい」ボスだったりします。
「ここまでの道中で有効だったことが、チャプター最後のボスでも活きる」というレベルデザインは結構あると思うんですけど、こういう発想の転換がなされるチャプターって意外と珍しいかも。
***
チャプター4へ突入したことでアリーナのAランク帯が開放されたのでやりました。
ここで、じつはBランク帯をやったつもりが何もやってなかったことに気づきます。
これまでのランクで詰まるときは詰まってたので、正直「2ランク分かぁ……」と億劫でした。でも意外や意外、サクサクいけました。
高校からの友人たちから「"ワーム砲"つよい」「"イベント用の特殊タイプ"かと思いきや様々な局面でメッチャ使える」というお話は聞いていたものの、そういった名前の武器がないためイマイチどれだか分かってなかったんですけど、「これか~!」と一目瞭然の強さ。
▼各ステージふりかえり
▽チャプター3
・「燃料基地襲撃」
わりと大変だったミッション。1対2、数的不利になるとツラい……!
なんか根性で突破した印象です。
・「ヴェスパー7排除」
隠密暗殺ミッション。
ヴェスパー7に辿り着くまでの時点でツラかった(笑)
アセンを見直す良いミッションでした。アンテナ範囲のひろい頭パーツをえらんだり、射程の長く一発の強い武器を買って装備したり……面白かったな。
ヴェスパー7自体を倒すのはともかくとして、取引をこばんださい現れる裏切り者殺しの忍者! こちらを倒すのにだいぶリトライを重ねました。
・「坑道破壊工作」
わりとツラかったミッション。方向音痴なので迷子になる~!
アセンを見直す良いミッションでした。逆関節をここで買ったんだったかな。機動力と飛翔力に優れたアセンにしました。
・「無人洋上都市調査」
雰囲気最高なホラーミッション。ブレード持ったドローンが意外と強くてけっこう削られました。
・「大型ミサイル発射支援」
わりと癒しなミッション。
〆のセリフがミームだなぁと思った。コーラルでキメてるパンクな工場連中が、80~90年代くらいのハリウッド大作アクション映画/日曜洋画劇場・午後のロードショー作品っぽいノリでグヘグヘしている……というのはなるほど面白いですな。
・「執行部隊殲滅」
大変つらかったミッション。中途補給がなくて、要求プレイングスキルが高かったと思います。
・「特務機体撃破」
あんまり印象がうすい。
・「旧宇宙港襲撃」
軍艦襲撃の時点でかなり削られた覚えがあります。
ラスティと共闘しての2vs2は、当初は1vs1×2にしたものの普通に負けたので、
「一体無視して2対1の数的有利で潰すことにしよう」
と切り替え、うまくいきました。
終盤のアレは、今作のメカニクスで出来る最大限の怪獣映画っぷりですごかった!
ヘッドマウントディスプレイに表示されるシグナルのうち注意信号が、実体見えないうちから細かく更新されて連打されることによって生まれる緊張感と臨場感もすばらしかったし、これだけひ~こら東西南北を走り天地を翔けた区域が一瞬のうちに壊滅していくさまもまたすさまじい。
・「オーネスト・ブルートゥ排除」
大変つらかった面。
・「旧宇宙港防衛」
つらかったミッション。ムービーパート(カットシーン)は「主人公登場……!」という感じのたいへんケレン味のきいたものでゾクゾクいたしました。
・「旧時代データ回収」
しっとり歴史のお勉強回。ワクワクしました。
・「アイスワーム撃破」
シナリオ・シーン面で大変ワクワクしつつ、プレイング自体は大変つらかった面。
画面に表示される危険シグナルがいまいち緩め・遅めで、いいように転がされた印象があります。攻撃対象が地中から出たり入ったりするのは、今作をヌルくしているターゲットアシスト機能に対するひとつの回答なのでしょうね。おもしろ~。
さすがにアセンブルを見直して、四脚をつかいはじめ、ホバリングして地表を俯瞰するようになってから安定してきました。
1003(火)
■ゲームのこと■
『ARMORED CORE Ⅵ』EDを一つ見る
チャプター4を終わらせ、「21時か~チャプター5もちょっと進めとくか……」と24時までやったところ、エンドロールにたどり着きました。
プレイ時間35時間くらい。
PS5ユーザーのこのルートのクリアトロフィ取得率は現在35%くらい。*9。
シナリオ分岐がある作品で、多少の不透明さはあれども不満はない纏まりのあるシナリオだったのですが、周回を前提としたような〆めかたではあったかなぁ。
廃墟趣味が刺激される作品でありました。
既存巨大構造物をPS5クオリティで描くことで生まれる物量ってすごい。
チャプター1「壁越え」のミッションボス戦の壁はあきらかドゥーガ・レーダー(ウクライナ・チェルノブイリ)だよなとか。
{手近な作例としては、
- 中田薫&中筋純(撮影)『廃墟本3』kindle版90%(位置No.197中 177)
- デイヴィッド・ロス『世界の工場廃墟図鑑』p.142~143
- 星野藍『幽玄廃墟』kindle版46%(位置No.149中 69~70)(森がちな構図)
あたり}
「観測データ奪取」のすり鉢状の穴は、ミールヌイのダイヤモンド鉱山(ロシア・東シベリア)だよなぁとか。
(手近な作例としては、
- キーロン・コノリー『世界の廃墟図鑑』p.30~31 ふつうの季節
- デイヴィッド・ロス『世界の工場廃墟図鑑』p.150~151 雪景色
あたり。ロス氏本の写真はかなり近い)
ラナ・サトル『旧ソ連遺産』や、あるいは……
……トマ・ジョリオン『世界の美しい廃墟』や佐藤 健寿監修解説『世界の廃墟』表紙の、巨大で精緻な人工物が丸ごと打ち捨てられたあの寒々とした感じ、崇高で超然とした静謐が。
車や町の看板なんて米粒大になってしまうくらいそれ自体巨大なメカが、まばゆいバーニアの火をどこまでも噴いて高速で動いてもなお端から端まで一息にたどりつけないほど途方もなく漠然と広大な空間で、4Kのパリッと粒だったレンダリングで表現されたのだけでも快挙でしたね。
しかもそうして世界が巨大すぎるくらい巨大に描かれれば描かれるほど、じぶんも敵もラスボスでさえも(!)大企業や組織が睨み磨り潰しあうパワーゲームのひとつの駒、大量生産大量消費される有象無象のほんの一粒、個のどれだけ儚く矮小であるかが際立つ……という、立派な叙事詩でした。
さて旧ブルガリア共産党ホールも、訪れたひとによって全然ちがう顔が見えてくるもので。『世界の廃墟』表紙を飾ったみたいな、雪つもる冬にロケされた自然と構造そしてシンボルとだけが存在するような純化した写真もあれば、ニコラウス・ゲイハルター監督『人類遺産』のように雨後の日中に訪れて、天井から水が滴り床に水たまりをつくるさまを、壁画に描かれた人々が見るのでもなく佇む……なんて雑味のある映像もあるわけですが。
『AC6』の風景は、上述の二例でいえば前者にちかい。そこからさらに、記号や広告が排されて、もっと構造美とその風化が打ち出されている。
ただ、PS4以降のゲームでzzz_zzzzがおどろかされた「地形レベルで被破壊オブジェクト」はほぼ無いし、破壊可能オブジェクトの壊れかたは一辺倒で、そこはかとないミニチュア感があり。一定の天候・距離で一定の被写体を撮り続けてその「基本形」を見やる「(建造物の)タイポロジー」で有名なベッヒャー夫妻の一連の写真のような「近寄れなさ」も覚えます。
途中のチャプターや終盤に、どれか一つしか選べない分岐ミッションはあったけど、それによってどこまで変わるんだろうなぁ。
どちらを選んでも実はあんまり違いがなくて、大勢の変えがたさ・個がいかに無力化を知らしめる要素だったりしないだろうか……。
ひ~ひ~言ったのはChapter4のミッションだと、一風かわった縄跳びミッション①「地中探査-深度1」、圧倒的多&強ユニークACvs個のミッション②「レッドガン部隊迎撃」、Chapter5のタワーディフェンスミッション③「無人洋上都市掌握」あたり。
リトライ回数こそバルテウスやらより少ないものの、疲弊度はこっちのほうが上かな。これを周回はしたくない……。
①「地中探査-深度1」はとにかく一歩一歩丁寧にやり。
②「レッドガン部隊迎撃」は二本足で動き回りながらやったら対応しきれなくなり、初期スタート位置の袋小路が以後も立ち入り可能箇所と分かったので途中からそこに籠って被攻撃範囲を絞ったものの力負け。
「袋小路に籠るなら機動力は要らないな」
と重装備タンクにしてガン籠もりしたらそれはそれで敵ユニークACが現れたときに暴れられるし雑魚は処理しきれないしで困りました。
けっきょく重装備タンクで前半動き回って雑魚を処理することで、なんか勝てた。
③「無人洋上都市掌握」は、基本形から足のはやい装備に変えたものの、EN枯渇したまま高架下へ落ちたとき復帰までのタイムラグで地上から死角となるビル屋上スナイパーがタワーをめちゃくちゃにされてしまいました。
ホバー浮遊できる四脚装備に変えて落下の不安を抑えたものの、それでもクリアできない……!
操作下手すぎてほぼ置物であったアサルトブーストをちゃんと使うようにして、抱え落ちしがちなパルス爆発を、最後の特効爆雷群へ放ち……と、けっこうな試行錯誤をかさねましたね。
高難度マゾゲーマー御用達……みたいなフロムソフトウェアの評判に反して(20240903の日記で引用したとおり、そもそも第一作は競合他者よりも簡単な作品を目指されていたように)、『AC6』は意外とプレイングスキルの要求度が(とりあえず初回ルートは)高いワケじゃない作品です。
詰まったらアセンブルや戦法を変えてみたほうが良いわけですが、プレイングスキルをまったく要求されないわけでもないため、
「絶賛複数リトライ中のこのミッション、おれのアセンブル・戦法がまちがってるのか? それとも正解だけど、プレイングスキルがあまりに低すぎるためにクリアできないのか?」
「いまクリアできなかったこのミッション、なんかイケそうな雰囲気を感じたけど、たまたまさっきのプレイが上振れで、おれの平均的技量ではきびしいもので、本当はアセンブルや戦法を見直したほうがよかったりしないか?」
という悩みを最後までかかえましたね。
後半のチャプターは装備も出そろって資金も豊富になりますから、「これでいいのかなぁ」という迷いはより一層おおきくなりました。
▼実プレイで疲弊したミッションが、シナリオ的に疲弊するのが必然であるシンクロニシティ
ただ、クリアするのがたいへんだった上述ミッション群は、二度とやりたくない一方で、そうであることが作品の格を上げてもいましたね。プレイヤー/プレイヤーキャラクターが疲弊してあたりまえの、物語的必然性のあるミッションなんですよね。
②「レッドガン部隊迎撃」ミッションの孤軍奮闘をうけて、つづく「未踏領域探査」ミッション最後まで進めたときに「なるほど~!」てなりました。
選んだのは「ルビコンに火をつける」ルート。
zzz_zzzzのクリア報告をうけた高校時代の友人からは「お~義理人情をとったか~」とお返事をいただきましたが、これはむしろ「『DQ5』で言うところの"まさかビアンカ以外を嫁に選ぶひとなんていないと思いますがね。ねっ?"というシナリオ的な圧」を感じたからですね。
単体でも「詩的でフレーバー」な「キャッチコピー」が、「本編で出てくるセリフ」だったのはうれしい驚きでした。
▼各ステージふりかえり
▽チャプター4
・「地中探査-深度1」
初回いいところまで行ったので、リトライ時に急いたら普通に上方で死んで、「気を抜けるところは何もない……!!」となりました。
見立てにトマ・ジョリオン氏を思い起こしたり。
この辺から企業や勢力から受託していたミッションが、ハンドラー側がやりたいことのためにそれへ見合ったミッションを創出・貰ってくるというようなマッチポンプっぽい様相となり、空気がかわっていきます。
・「地中探査-深度2」
大変つらかったミッション。エンフォーサー戦はやけに行動阻害させられたり、逆に向こうの近接攻撃は通りまくったりと位置管理がむずかしかったです。
・「地中探査-深度3」
そこそこ辛かったミッション。エフェメラ戦はかなり緊張しました。
・「レッドガン部隊迎撃」
大変大変つらかったミッション。もうやりたくない。
日記本文にも書いたとおり、とにかくプレイングスキルが足りませんでした。
ミッションのシナリオ面もつらかったんですけど、それはそれとして、高いプレイングスキルを要求されつつもそれ相応に心理的な報酬があって、
「舐めているのは貴様だ ケネベック! そいつは壁越えにワーム殺し… 何よりG13を付けてまだ生き延びている強運野郎だ ライガーテイルの準備が整うまでは単独でかかるな」
「ひとり雇うだけで この戦力だと…!?」
みたいな、プレイヤーageの姿勢が敵であるレッドガン同士の交信で漏れ聞こえるんですよね。
この声掛けが、やる気を継続させる応援になってくれました。
ただ同時にこの健康的なスポーツマンシップが、レッドガンを倒すさいのより一層の負い目になりもして、辛みを増加させる要因でもあったわけですが。ううう……救済ルートほしいぜ……。
・「未踏領域探査」
それなりに辛かったミッション。
ここでは「へぇ~っ!?」て感じだったんですが、二周目で、
『あ~「壁越え」のミッション(とそこに至るまでの注意)とタッグ面子はなるほどこの布石だったのだなぁ』
とおくれて得心しました。
機械の蜘蛛、機械の花、機械のミミズと来て、本物のミミズ!
湿度の高い洞窟に、ねちょねちょした生物に……とここまでの乾いた世界が一気にじめじめしてきて、おぞけが走りました。
・「集積コーラル到達」
大変大変つらかったミッション。
ミッションボスは前半戦だけでリペアキット使い切って「倒せた……」と思ったところで第二回戦はじまったので、「……クリアできないだろこれ」となりました。
「これはプレイングスキルの問題なのか? 装備とか新たに買って、根本的に見直すべきなのではないか?」
と仕切り直したくもありましたが、ミッションボスに辿り着くまでで一苦労二苦労だったんで、「道中をやり直したくない……!!」という気持ちでどリトライ。
そうこうしているうちに行動パターンガチャでなんとか当たりをひきました。
「いま・ここ」にいちばん近い都市の廃墟に、多数の勢力が戦争をし、機械の異形が跋扈する。一転して活気に満ちた異世界ぶりが凄い。
ミッション始まりの「この仕事が終わったら ある友人からの 最後の依頼について話そう」というヒキもいいし、ミッション終わりのクリフハンガーもまた凄い。
▽チャプター5
・「脱出」
精神的には苦しいけれど、やってみると意外と楽だったミッション。地下水道! 「未踏領域探査」のあのジメジメといい、
・「無人洋上都市掌握」
大変つらかったミッション。日記本文にも書いたとおり色々見直したりやり直したりしました。
・「企業勢力迎撃」
大変つらかったミッション。2vs1に持ち込みたいんだけど、うまく持ち込みきれなかったりして、手間取りました。
・「カーマンライン突破」
無限に飛翔できる解放感あるミッション。アツい一騎打ちでした。
・「封鎖衛星制止」
つらかったミッション。大変だったけどそこまで大変じゃない、みたいな塩梅で、プレイングスキルの上達をかんじました。
0823(木)
■読みもの■
文字なしイメージボード+手書き指示集;ファミ通刊『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON OFFICIAL ART WORKS』読書メモ
マイナビニュースの題材になるやつなんだ……!?
さっそく買いました。
わりかしちゃんと画集で、舞台やメカのコンセプトアート・イメージボードの総まとめ本って感じです。スタッフインタビューや解説注釈は一切ナシ。イメージの上から手書きで何かしらの指示のなされた図版も掲載されているんですけど、文字情報がないせいでその指示がどういう指示なのかこの本だけ見てもよくわかりません。
ファミ通や電撃から出てるフロムソフトウェア作品<デザイン・ワークス><アート・ワークス>シリーズのここ最近の作品版をお持ちのかたはそちらを想像していただけると感触はつかみやすいかと。
(『ダークソウル1』や『2』のころは開発者インタビューやデザイナーズコメントがあったのに、どんどんそういうのが削ぎ落されてる印象ある)
読んでて面白い(興味ぶかい)コメンタリとしては『CG WORLD』の特集のほう、ということになりますね。
当該特集は上述リンク先WEB版に全編採録されていて、大枠は雑誌版からの再録なのですが、WEB版は再編集強化版って仕上がりとなっています。
掲載画像は画角ひろがり解像度も高くなり、文章も一部あらためられました(山村氏合流時期が雑誌版では19年と記されたところが、WEB掲載版では20年へ変わってる)。
さてファミ通刊『AC6 OAW』もボーンデジタル刊CG WORLDでの特集も、一部おなじ美術画が拝めるんですけど、だからこそ情報量の差が浮き彫りになっていました。
ファミ通『AC6 OAW』では絵だけがポンと置かれた事物について、CG WORLDでの特集では「この舞台一帯のコンセプトはこういう単語でまとめられます(ルビコン3は"オールドSF""寂寥")」、「各細部について、前述のコンセプトを具体的にこう具象化しています(未来的な外殻だけど構造体は現代の工業に近いものへ。それが朽ちてることで寂寥感を云々、ぬりかべみたいな巨大な壁で圧迫感を提示云々)」と解説がなされていたり。
フィールド制作のフローを載せてくれることで、高精細な異星の風景がじつは意外とシンプルなポリゴン数で形成されていること、なぜそうシンプルなのか理由の一つを説明してくれたりする。(=高速で機動可能なプレイヤーキャラが、その移動時に引っかからないようなコリジョン設計がなされたため)
この辺の裏側の試行錯誤について十二分に伝えてくれる過去シリーズの本として、同ボーンデジタル刊『ARMORED CORE DESIGNS 4 & for Answer』があり、CG WORLDの特集から「『6』は久々にそっちの奴が出るのか!?」と期待していたんですが、ううむ、そんなことありませんでしたね……。まぁでもこういうタイプが出ない理由も、わかるっちゃわかる!
ボーンデジタル『AC DESIGNS 4 & for Answer』はとにかく充実の内容でした。
掲載画像もそうなんですが、作り手による解説が圧倒的だったんですよね。没ネタや製作途中の試作・テスト映像があれこれ解説付きで載っていて、本編採用部分については更に凄かった。一部の舞台については制作時の参考資料がモザイク付でとは言え掲載されていたりと、ほんとうに明け透けなメイキング本で凄いものでした。
作り手と編集の作業量はとんでもないだろう(一校を出すだけでも大変だろうし、文面や図版のチェックなども考えたら気が遠くなる)~とか、モザイク付とはいえ(ある程度同定ができそうな)参考資料を載っけちゃダメだろう~とか、素人目にも大変な一冊であり、この本が再販されなかったり同趣向の本が出なかったりする理由も大いにわかる内容でした。
ただボーンデジタルのデザイン本って『for Answer』ゲーム本編の発売から5年後に出た本であったわけで、嘆くのはまだまだ時期尚早なのかもしれません。
また、ファミ通刊行物についても、『ACV』『ACVD』ではウンチク・デザイン舞台裏開陳のけっこうにある<公式設定資料集>が出されたりもしましたから、そちらのお目見えしたってバチが当たらないでしょう。なむなむ!
20240903(火)
■ゲームのこと■
『ARMORED CORE 6』プレイメモ;二周目~三週目チャプター2終了まで
やる気の静止摩擦係数を超えて久々に『ARMORED CORE 6』のつづきをやり、2ルート目「ルビコンの解放者」を終えて、3ルート目に入りました。
2ルート目ラスボスは珍しくノーコンティニュー、一発クリアできました。
ぼくが巧くなったというよりも、2ルート目ボスが意図的に弱く設定されているような気配があります。別会社のゲーム『デス・ストランディング』のあのボスとの3戦目みたいなことなのでしょう――簡単に優位をとれる戦闘によって倒すべき相手が哀愁をまとうシチュエーション。
▼ムズいよね
ラスボス戦まえの2ルート目限定ミッションは、だいたい詰まった気がします。
じめじめした洞窟内での師弟コンビとの戦いも厭だったし、円筒形の室内で熟年コンビとたたかう「シンダー・カーラ排除」によるミサイルの雨との戦いも最悪だったな。その前段にある共通ルート・拠点防衛ミッション「無人洋上都市掌握」も、1ルート目同様いや~詰まった詰まった!!
『AC6』は難度について「難しい」「いや簡単だ」とわりあい評価が分かれている印象があるんですけど、ぼくは前者派ですね。
▽そもそも競合作より簡単なものを目指されたシリーズで、『AC6』も操縦をラクにする新システムがあるけど……
そもそも同時代のジャンル競合作品よりも簡単であることが目指されたシリーズである<アーマード・コア>。
―3Dのメカシューティング的には他にもありますが、例えば「バーチャロン」※2とか「ガングリフォン」※3という同ジャンルのソフトと意識して差別化された部分はありますか?
唐沢:特にこう変えよう、というのはなかったですね。(略)作っていくうちに似てるね、といわれて始めて*10そこで他のソフトを見るといった感じでした。(略)「AC」を作り始めてプログラマーと2人で見にいって、そのときに難しいな、と思いまして、それであれはちょっと難しいからこのソフトはもう少し簡単にしようね、という話をしまして。(略)
―「ガングリフォン」などは最初は操作が難しいですよね。「AC」は最初からわりと簡単に操作できたんです。意識して簡略化しようという考えはあったのですか?
唐沢:結果的にああなったという感じなのですが、あまり複雑なキー操作にすると、まず頭で考えて動かそうとする、その間にやられることが多いですよね。ですから、左に行きたいときは単に左を押せばいい、というように感覚的にいちばん使いやすいキー操作で、ということで作りました。もともと「KF」と同じキー操作ではあるんですよね。
―このゲームの対象年齢はどのへんを考えましたか?
鍋島:10~20代くらいですかね。僕と同じ世代で、ガンプラ※4にハマっていた人とか、アニメにハマっている人を対象という感じですね。
―メカものだとマニアなファンがつくと思うのですが、普通の人にも遊べるものにするために考えたことはどのへんでしょうか?
鍋島:操作系を複雑にしないことと、パーツの組み合わせを煩雑にしないようにするということですね。
ソフトバンク出版事業部刊(1997年7月28日初版)、市川和久(構成・執筆)『アーマード・コア 公式設定資料集』p.62~3、「フロム・ソフトウェア「アーマード・コア」開発者インタビュー」、開発2部課長・『アーマードコア』プロデューサー唐沢靖宜*11氏&制作部・『アーマードコア』シナリオ/設定担当 鍋島俊文*12氏の言(略は引用者による)
……最新作『AC6』についても、
「『AC6』で新たに追加された仕様ターゲットアシストを利用すればかなり易しいゲームだ」
というお話があります。
「ターゲットアシストをONにして、右スティックでカメラを自操作してロックをOFFにしなければ、おなじみの<AC>らしい三次元機動・エイムの難しさは無くなる。
しかしそれは<AC>ならではの面白さでもあったはずで云々」
と有識者は続けるわけですが、1周目後半~2周目入った初期プレイ時はzzz_zzzzも、
「確かにターゲットアシスト優秀だわ~」
と四脚で浮きながらワーム砲をベコベコ撃ってた覚えがあるんですけど、あらためて復帰してみると、
「えっ、ふつうに敵ACが視界外へとチギられてない? 本当にロック優秀か??」
と悩む事態に。
一体と中~遠距離(=視点移動量がすくない距離)で戦っているぶんにはそれなりに良いけれど、二体以上と近接ブレードやキックを混ぜながら戦おうと思ったら途端に(前後上下をメクられたり)ゴチャゴチャしてしまいますね。
(追記;引き続きプレイしてたらチギられなくなりました。
リトライしてアシストOFFのままにしてた~とか、ガチャガチャやってるときに誤押下したりスティック触れたりしてしまった~とかなのか?)
▽ムズいけど、理路の見えるムズさだよね。理不尽じゃない
ただ、むずかしいなりにクリアを容易にするための指向性・ステップが見えるようなミッション構成であるように思え、良かったです。
まず拠点防衛という不動の防衛対象へ無数のミサイルが迫る危機にたいし、特殊装備のひとつである設置型巨大球形バリア"パルス・プロテクション"を張る(とちょっとクリアが楽になる)①「無人洋上都市掌握」があって。
お次の②「シンダー・カーラ排除」は中央が開けた天地に2体がそれぞれミサイルを構える一対多のバトルとすることで、前段の装備のまま"パルス・プロテクション"を張って戦うと良い感じに進められる……みたいな。
そして1・2ルートを両方ともクリアして晴れて選択できる3ルート目チャプター1限定ミッション③「武装採掘艦護衛」は、それらの更なる発展形。②では弾避けとして活用できた柱がついに無くなった、ほぼ完全なオープンスペースでの闘いとなり、いよいよ"パルス・プロテクション"をもちこまなければ遮蔽らしい遮蔽がありませんよ~というお話になります。
たぶんそういう構成なんだと思うんですよ、面白いですね。
……まぁただ、そんなアイデアが思い浮かんだのは、何度もリトライしたクリア後の階段機知でして(苦笑)
じっさいには何度か負けたあと「なにか遮蔽はないか」と周囲をウロチョロし、クレーターと幾らか身体を隠せそうな(しかし砕けたりもする)岩とがあるエリアを発見、そこをキャンプ地にすることとし。その申し訳程度の遮蔽でなんとか誤魔化しつつ、特殊装備を攻防一体の爆発を放てる"パルスアーマー"にしたまま瞬間最大火力で押し切りました。
(②では二脚で、③ではゴリゴリ重装備タンクで)
下手クソにもいくつか選択肢があるのは、この作品の良いところだと思いますね。
「捕虜救出」ミッションに「バトルログ回収しつつだとツラすぎる~!」となったり、
『「機密情報漏洩阻止」ミッション、2回目な気がするけどどうやってクリアしたんだ俺……所属不明機くんたち、一緒にイグアスをタコ殴りしよう~ウオ~敵の敵は味方!』となったりしつつ、3ルート目も無事チャプター3へ。
あともうちょっとで全クリです。この調子でがんばりたい。
▼クリアした1・2ルートの物語について
ストーリーも演出もやっぱり良いっすね。
こなしたミッションやそれによって積まれた主人公の実績に応じて、ちゃんと物語が進んでいる=それぞれの勢力が動いている感がある。
既定路線をうけついで各陣営にお別れを告げていくような1ルート目の寂しさ、限界を気にせず高く広い空をどこまでも翔け抜けられる解放感もよかったですし。
2ルート目の途中で出会ったひとと積み上げた物語を大事にした結果として、第一ルートで仲間だったひとと敵対したり&逆に敵だったひとと共闘したり、キャッチーな熱さと切なさがあって、かなり満足感がありました。
とくに終盤、「積み上げた実績を主人公チームが利用する」展開と、そのアクションに対して周囲がリアクションをとる光景はかなりアツいし、これまでプレイしてきたことへの手応えを感じました。
描き込みの量としては、絶対評価で見ればじぶんたちとは別レイヤーの遠方で展開される書き割りっちゃ書き割りなんですよ。でも、物語上ムリのない距離関係だし、そもそもこれまで背景程度にもフレームインしてこなかったという意味で「無い」ものだ{/少なくとも(格納庫での無線・ブリーフィングシーンではない)ミッション・アクションパートの最中で描かれ得ないものだ}として認識してきた存在が実景として展開されるから作品内のプライオリティとしてははかなりの躍進! 実在感がありました。
▽選択肢と結果が納得いく;行動する主体(NPC)に乗っかる形だから?
ゲームをやっていると、プレイヤーに提示された(多分にシンプルな)選択肢と、選んだ結果として引き起こされるアクションとの齟齬に悩まされること(拡大解釈的にデカいとか/全然ちがう方向の回答だったとか)って往々にしてありますよね。
こと『AC6』のここまでの選択と結果はわりと納得いくかたちで、そこも良い。
もちろんプレイヤーからじゃ窺いきれない設定や目論見はいろいろありそうなんですが、でもたぶん引き起こされる大枠じたいは、選択まえに提示されたことに収まっている感があります。予想はちがえど、期待は裏切られていないといいますか。
先述した「積み上げた実績を主人公チームが利用する」展開なんて、プレイヤーが提案などはしていない拡大解釈的アクションなわけですが、まぁ普通に受け入れられました。受け入れられたのはもちろん、「そのくらいはやるだろう・やってほしい」というzzz_zzzz自身の想像力・許容範囲とマッチしていたことも大きいに違いないんですが、でもそれだけじゃない気がする。
行動する主体が第一ルート第二ルートそれぞれプレイヤー以外の別キャラとして存在していて、プレイヤーはかれらに乗っかり助太刀する(=分岐ミッションを受託し応える)かたちだからなのかなぁとか。
▼各ステージふりかえり(第二ルート編)
・「新型機体鹵獲阻止」
あんまり印象がない。
・「多重ダム防衛」
なかなかツラかったです。
・「捕虜救出」
道中も大変めんどくさかったし、ミッションボス戦がまたいやらしかった。
バトルログ回収は絶対ムリだと思いました。
・「機密情報漏洩阻止」
道中もめんどくさかったし、ミッションボス戦もいやでした。
ただ、2周目は意外とサクッとできたかなぁという印象。
・「ヴェスパー部隊伏撃」
つらかったミッション。なんか死ぬ。
で、ビビったのが、こっち選んでもレッドガン部隊が壊滅してること。
「生き残る道ないんか!?」
となりました。どういう選択をとっても大局は動かせるものではないのか……? ないんだろうな……。
ここで「ラスティが勝つ」からこそ、「主人公とラスティが同様に突出した/邪魔な存在であることが強調される」かたちになるというのはありそうです。
また物語上の都合としても、ベイラム(とその配下であるレッドガン部隊)がこのさき健在なところであんまり旨味はなさそうなうえ、「ラスティ」のほうはまだまだ出番があるし、「ラスティ」たち「ルビコン解放戦線」や主人公ら「オーバーシアー」が表舞台に立つためには企業や役者が多すぎる。このへんで整理したほうがいい、というのもまたわかる……
……そう書いてしまうと「キャラの物語的位置エネルギーがゼロになった瞬間バッサリ退場させていくマイケル・マン作品か?」って感じですが(笑)、情をはさむ余地ない集団力学て感じで非常によい味でした。
あらためて周回してみたことで、ルビコン統治をめぐる盤面の変化が(=ベイラムが徐々に劣勢へむかっていることが)かなり丁寧に話題にされていたのだと気づかされました。哀しいけどしょうがないよね。
・「シンダー・カーラ排除」
大変大変つらかったミッション。
・「動力ブロック破壊」
ドキドキワクワク満足感たっぷりのミッション。
・「ザイレム撃墜」
ノーコンティニュー一発クリアできたミッションで、それゆえ哀愁もひとしおでした。
20240904(水)
■ゲームのこと■
『ARMORED CORE 6』プレイメモ;三周目クリアまで
三ルート目クリアしました~!*13
プレイ時間は61時間くらい。(ゲーム終了してないのにそのままにしてる時期があったから、実際には50時間台なハズ)
要求プレイスキルは他ルートとそう変わらない感じで、ただただやる気の問題でしたね。
トロフィ取得率から見るPS5ユーザーの全ルートクリア率は25.5%。一ルート目二ルート目のトロフィ取得率が36.1%と34.4%で、一ルート目に関しては1年前とほぼ数字変わらないから、これが今作の恒常的なクリア率と見てよさそう。
ちかい時期(20230825発売)に発売された作品として『FF16』(20230622発売)がありましたが、そちらのクリア率が発売後20日で20%⇒1年2ヶ月後の現在49.1%であること・そして回復アイテム持込不可の連戦タワー一塔目のクリア率が10%⇒18.9%と伸び率がそこまでのを見ると、
「『AC』は熱い人が集まってるな」
「『FF16』の難度可変式によって救われたプレイヤーは結構にいるんだろうなぁ」
「一ルートだけクリアして冬眠に入った『AC』プレイヤー、俺以外にも11%いるんだな……」
と思ったり。
第三ルートは、ここまでのシステムにおいて、ストーリーと直接的には絡まずミッションを楽に進めるお役立ち能力上昇要素という感じであったメカニクスが本筋にかかわり、前述メカニクスの異変と「コーラルリリース」という謎の技術をめぐる物語として語り直しがなされていて、第一~二ルートと同様に高い牽引力を有していました。
第3ルートで難しかったのは、「コーラル輸送阻止」。けっこう装備を見直しました。
(中型二脚で挑み、「機動力か?」と軽量二脚・逆関節+レーザーライフルで戦いむしろ全然ダメで、四脚&射程の広いミサイルに変えました)
プレイングスキル的なリトライ数で言えば「ザイレム制御修正」も迷路的空間での時限性ミッションでツラかったなぁ。
「失踪」はこれだけいろいろなミッションがあるなか/電気やら瘴気(?)やらダメージ床的ステージがいくつかあったなか、おそらく初めて崩壊中の炎上ステージを進むというもので、ステージデザインの引き出しの豊富さ・演出力を見せつけられました。
炎上ステージといい「ザイレム制御修正」のレーザー網といいとにかく移動に制限がかかったり、「ウォッチポイント襲撃(ALT)」やら「機密情報漏洩阻止」やら死角からの攻撃を気にしなきゃならない待ち伏せ展開だったりと、第3ルート全体の窮屈さはナカナカのものでした。
多かった印象のある一対多の状況になるミッションや、操作能力を求められるミッションは、ターゲットアシストの優秀さをつぶすような課題という感じで、そのへんも面白かったなぁ。
……さまざまな窮屈さや課題を乗り越えたうえで辿り着く地平は、とにかく広々としていて、プレイヤーである自分を唖然とさせるほどでした。
これだけたくさん売れたゲームなので、どうしても周囲から情報が漏れ聞こえてしまっていて、「……けっきょくどういうことなん?」となる幕引きというか素直に溜飲が下がるグランドエンドとはまた違うものらしいということは察せられていたのですが、それだけ前情報を得てしまっていてもなお「……けっきょくどういうことなんです?」と戸惑うもので、
「……こういう広さの出しかたもあるんだな?」
となりました。
全体的な印象としては、上にリンクを張った娯楽三昧さんの見解にちかい。
「ザイレム制御修正」についてはさすがにzzz_zzzzも蚊帳の外 感、<エヴァンゲリオン>シリーズの「第拾八話 命の選択を」&『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』でゲンドウにダミープラグ(ダミーシステム)を勝手に動かされたシンジくん感に通じるものを覚えた訳なんですけど、ほかのかたの感想記事を読んでようやく「言われてみればたしかにそう……!!」となったこととして、解放戦線周りが前章で退場したまま再登場がなかったのは気づきませんでした。
チャティにお別れをしてきたよ ビジター
あいつは私の作ったAIだ 必要に応じて身体を換えたりはするが
バックアップは取る気になれなかった
生きるってのは そういうもんだろう?「企業勢力迎撃」クリア後ガレージにてシンダー・カーラ
「リリースに夢を見るのも… 止めておけ
味気ないレーションを食い
泥水のようなフィーカをすする
うんざりするが…それこそが人間だ」「…V.III オキーフ
厭世的に見えて 彼は 「今」 を必要としている
私たちの目指すものとは 相容れません」「ヴェスパー3排除」ミッション中、V.III オキーフ、エアのセリフ
一回性の「今」を「生きる」ひとびとの態度がアレコレ提示されており、それを選ばなかった先がこれ、というのは確かにそうなのかもしれませんが……
「コーラルが絡むと 死人が増える
過去から未来まで 変わらない事実だ」「レイヴン
私たちは… 争いの火種でしか ありえないのでしょうか…?」「レッドガン部隊迎撃」「ヴェスパー部隊伏撃」クリア後ガレージにてハンドラー・ウォルター、エアのセリフ
……今・ここと異なる向こう側を夢見た結果、
「万人が万人と永遠に争う・それこそが他者を理解したり自他を分けたりするコミュニケーションである世界に行きました(?)」
というのは何というか、ううむ……。
<エヴァンゲリオン>シリーズでいうところの、「人類補完計画」をやりたい陣営をくじいて、「ネオンジェネシス」をやりましたというお話だと思うんですよ。
人とコーラルとが共存できる道であると言われていた「コーラルリリース」は、じっさいのところは否定派を排除し、肯定派もまた「統合」という聞こえ良くパッケージングされた別のかたちの排除の対象となり、これまでのミッションでちらついていたゴーストや別ルートの「再教育」されたひとのように操り人形として存在していくという、排他的な一体化だった。
主人公側は、それに対しアセンブルと武具の行使によって「個の顔」を得て、「真・コーラルリリース」へと辿り着く……
……みたいな展開なんだろうと思うんですよね。
ただ、なんかそこまでの流れがサックリふんわりしていて、「補完計画」が完遂されたみたいな不穏さがある。
▽不穏ではあるけれど、どこか清々しい;<AC>シリーズの慣例ならではの「顔」の立ち現われかたについて
他方で、これはこれで一つの個の確立のしかたとして、この作品の帰結として納得がいくし雄弁であった、というのはあるんですよね。
アセンブルと戦法だけ・声だけ・バーニアの光跡だけによってキャラクターが描かれ、「顔」をもつのは、<アーマード・コア>の慣例が生んだ独特の表現だと思うし、それは大成功していると思うんですよ。
―キャラクターとして人間が1人も登場しませんが、その意図するところというのは?
鍋島:最初はキャラクター設定もあって人間も出そうということだったのですが、どうもしっくりこなかったんです。で、いろいろと人に見てもらうと、なんかのなんかのゲームみたいだね*14、という意見が結構出たんです。そうなると、そこから作り込んでも先が見えてくるし、いっそのこと切ろう、ということでなくなりました。
―他のゲームだと、主人公やヒロイン的な女の子が必ずいますよね。それをすべてなくす、というのはかなり冒険だったのではないですか?
唐沢:そうですね、やっぱり女の子などを出したい、という意見はあったんですよね。それで女の子の性格とか位置づけ、その背景などを時間をかけて作ってはいたんですけど、そのときに僕が煮詰まっちゃいまして破綻したんです(笑)。これでは中途半端なものしかできない、と判断して結局なしでいこう、とうことになりました。
ソフトバンク出版事業部刊(1997年7月28日初版)、市川和久(構成・執筆)『アーマード・コア 公式設定資料集』p.62、「フロム・ソフトウェア「アーマード・コア」開発者インタビュー」、開発2部課長・『アーマードコア』プロデューサー唐沢靖宜*15氏&制作部・『アーマードコア』シナリオ/設定担当 鍋島俊文*16氏の言(略は引用者による)
もともとは「既存作が連想されてしまうから」「中途半端なものしか描けないから」と製作上の都合でオミットされたパイロットの人相・実像。
今作ではファンアートや考察・強火文章があふれるくらいに魅力的な人物が提示されつつも、実像自体はオミットされたままというシリーズの慣習が守られました。
お見事でした レイヴン
あなたの真似事をしてみて 気づいたことがあります
人は人と戦うための形をしている
無限の選択と淘汰を繰り返すための形状
それこそが人間の本質であり…
生命進化のカギなのでしょうインテグレーション・プログラムδ-3クリア時、エアの言
「君の声明を受けて 地上では全てのルビコニアンが立ち上がった 彼らに見せてやろう 灼けた空の向こうには 未来があるとな」
「地を這うばかりがルビコニアンではないと 上のカラスにも見せつけてやれ」
「灰に塗れた警句をいくら唱えたところで そこにはルビコンを変える力などない 君が燃え殻に火を点けたのさ」「動力ブロック破壊」でのセリフ
……慣習が守られたからこそ、第三ルートのアリーナ戦闘を通じた言及も説得力をもつし、第二ルートチャプター5ミッション「動力ブロック破壊」の遠景の火花のむこうに生命があるのだと信じられる。
▼各ステージふりかえり(第三ルート編)
・ALT「ウォッチポイント襲撃」
オッとなりました。後ろ・高所からビームが飛んできて、そこまで痛くないけど、窮屈ではある。
・ALT「無人洋上都市調査」
ビル中での戦闘で、ターゲットアシストをつけていてもなおタイミングや位置取り次第で攻撃が通らず。
・「武装採掘艦護衛」
大変大変つらかったミッション。本文にも書いたとおりウマい解法がパッと思いつかず、けっきょく戦車の体力・防御力でゴリ押しました。
・「捕虜救出」
バトルログを回収しようとしてだいぶ詰みました。パイロットのエイムに問題があり、レーザーオービットを両肩に積んでどうにかしました。
また、バトルログを得て輸送機を終盤まで護衛できたことで別の問題にも直面しました。弾切れしてしまうのです。
ミッションボス戦では中ごろから右手の銃器も左手のミサイルも最終的に底をつき、オービットが生きてなければどうにもならなかったです。
・「機密情報漏洩阻止」
道中はサクッといけたんだけど、ミッションボス戦で普通に詰まりました。(「第二ルートでもやったはずだよな? どうやってクリアしたんだ……?」となりました。
減った体力でイグアスと戦うのは辛かったので、まずイグアスをボコし続けて、そのほかの軍団を後から処理する……というかたちでなんとかなりました)
・「コーラル輸送阻止」
大変つらかったミッション。目標の周囲のレーザー網、目標破壊時の爆発が意外とうっとうしい。
・「ヴェスパー3排除」
簡単であるがゆえに哀愁ただようミッション。ふよふよ浮遊して上がっていくだけにちかい仙人みたいな存在で、のれんに腕押し感があり、面白かったです。
・ALT「集積コーラル到達」
ここを弄ってくるとは!
自然光にちかい明るい世界から、暗い洞穴へプレイヤー自ら潜り(「未踏領域探査」のアレに代表的なように今作はプレイアブルな形で移動の操作をしてパノラマを得る主体となることが少なくて、こちらが操作して移動できる場合ってだいたい潜ってる印象があります)、深い深い井戸みたいな地点で終わる幕引きがよい。
・「失踪」
ここにきて火災現場という毒沼登場。演出・ステージギミックの引き出しが広い。そして幕引きのエレベーター降下の不穏さがすごい。
・「ザイレム制御修正」
大変つらかったミッション。時限性きちぃ~。
終盤は「カーマンライン突破」とおなじレーザー網くぐりでありながらも正反対の窮屈なモノで、ここにも引き出しの豊富さを覚えました。
・「コーラルリリース」
一対多タイプの集団戦の復習みたいなミッション。意外と楽で、わりとこう「いいのか……!?」感がただよう。
0906(金)
■ゲームのこと■
戦闘をコミュとして見、他者の呼吸を理解した極致としてAB&近接ブレードがあると見たとき、四脚ホバリング+ワーム砲の強さが腑に落ちない;『ARMORED CORE 6』プレイメモ・クリア後の咀嚼タイム
『Armored Core 6』を全ルートクリアできて、大変おもしろかったのですが、それはそれとして釈然としなささもかかえました。
このモヤモヤはなにか?
どうだったら自分はもっと気持ちよくなれたのか?
ここについてウンウンしはじめて二晩がたつけれど、いまのところ何というかこう、
「四脚やタンクでホバリングしてワーム砲をぶっぱなすことが安定して強いのがいけないのではないか?」
という気分になってきました。
それがなければクリアできなかったのだけど、こういう展開・構成であれば、そういう安全に雑に強いアセンブルがあるのは良くなかった気がする。
おそらく『AC6』世界の文法として、
「相手にたいしてうまく立ち回る=相手のことをよく知る・通じる」
という、コミュニケーションとしての戦闘・アセンブルの在り方がありそうじゃないですか。
だからこそ戦いが激化するにつれ相手の感情・考えが開陳されたり、終戦に至っては(つまり敵は往々にして殺されるわけだが、にもかかわらず)健康的でエモーショナルな相互理解がなされたり、なんか「負けたおれたちの分までがんばれよ!」的な感じに託されたりするのだろうと推察する。(殺されてんだぞ! 託してる場合じゃないぞ!)
そういう体系における"呼吸をつかむ・合わせる"アクションの極致としてアサルトブーストで彼我の距離をゼロにしてキック&近接ブレードをお見舞いすることが存在しており、ゲーム的にもハイリスクハイリターンに設定されていて(大ダメージである・大衝撃値である⇔前隙・後隙がおおきく、連発もできない)、だいたいの敵もまた後半戦になると火炎ブレードだったりエネルギーブレードだったりの近接攻撃をしかけてくる(こちらの近接攻撃がそうなように、相手の近接攻撃も喰らったら痛いけど避けれたら美味しい)し。
だからこそ延々インファイトして直火で焼きつづける行動をねっとりと社交ダンスにたとえるヤツもそりゃ出てくるし。「ウォッチポイント襲撃」でパルスガンをぽわぽわ当て続けてくるベテランもハンドラーとの過去の因縁をペラペラしゃべり続けプレイヤーへも問いかけ続けるわけだし。(口数が多くこちらへ話し掛け続けてくる輩だからこそ、その行為が自然に見える距離でたたかう装備となったのではないか)
逆に、裏切り&冷酷ななにかがはたらく場面では、だいたい遠距離から狙撃したりされたり無味乾燥なレーザー網攻撃を仕掛けられたりするのだろうと思う。
ボディコンタクトの大事さ・触れたり見たり聞いたりすることの強さってのがストーリーを通して&ゲームのプレイングを通して印象づけられるわけなんですよ。
(エアと通じ合えたのもコーラルの奔流にじかに触れたからこそですし、この交流はプレイヤーキャラの感覚としても同じようにアてられた第三者の語る情報としても、「見たり聞いたり」できるものとしてありますしね)
……ただそんななかで……ホバリングしてワーム砲撃つ(のが強い)のは、なんか……なんかさぁ?
ひとつの文脈として纏められ編めそうななかでこれだけは例外的に明らかに浮いていて、美しくない。
VE-60SNAがつよいこと自体は物語的説得力があるので良いんですけど、アイスワーム用兵装で他のメカとたたかうことは、かれらまでアイスワームとみなしてしまうことと同義なのではないか?
鍋島 (略)ゲームにはゲームの世界が当然あるはずなので、どんなにハチャメチャな世界でも、ハチャメチャな世界としてのつじつまが合う。それを大事にしたいなっていうこだわりみたいなのはあります。(略)達成感とか、爽快感とか、そういうものを複合させたものがゲームなんじゃないかなって。じゃあ何をしたときに人間は達成感を感じるかということに対して、単純に気持ちいいとか、記録を塗り替えられてうれしいとかがある一方、ひたすら頭で考えて、こうやってやればうまくいくんじゃないかなもあるはずです。考えが正解だった時に達成感があるんじゃないかな、と。ロジックバトルというと大げさですが、『AC』シリーズのカスタマイズって確実にその要素は含んでいると思います。
――つまりはゲームのコンセプトをクリエイトするのが大好き、ということですかね。
鍋島 大好き……大好き。大好きかな?(笑) とはいえそういう思考法をフロムで教わったし、そういうやり方がいまのところ正しいんじゃないかと僕は思っていますね。たとえば任天堂さんのゲームは一見すごくライトな製品でも、その裏には計算されたところがキッチリあって、それができたうえで、ああいう「誰でもやれます」みたいな製品になっている。『AC』シリーズとはゲーム内容は別路線ですが、考え方の原点はいっしょなんじゃないかと思います。
KADOKAWA刊(2014年2月22日電子版ver.1.0発行、ファミ通の攻略本)、週刊ファミ通編集部(編)『アーマード・コア フォーアンサー 公式パーフェクトマニュアル』kindle版98%(位置No.277中 272)、「第5章 参考資料編」鍋島俊文氏*17インタビュー(略は引用者による)
じっさい作り手にそんな意図があるのかどうかはわかりませんが、このようにパッと見うまいこと纏められそうだけど例外に出くわしてしまったとき、任天堂『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のプリミティブな一貫性がどうしても頭をよぎってしまう。
「誤爆して不便だ」なんだとさんざっぱら文句を言われながらも――十中八九、製作中おなじ声が上がっただろうに――握手によって発動可能となった「賢者の盟約」というお役立ちスキルを"賢者に接した状態でAボタン押下"という、ものを「掴む」アクションやひとと「話す」アクションと同じ操作でまとめた『ゼルダTotK』の美しさが。
*1:ブロンズトロフィ「海越え」。2024/09/04再確認したところ、現在取得率57.9%(さがってる!?)。PCのsteam版だと、64.4%。
*2:ブロンズトロフィ「新たな脅威」。2024/09/04再確認したところ、現在取得率49.5%。PCのsteam版だと、54.6%。
*3:ブロンズトロフィ「巧者の証」。2024/09/04に再確認したところ、取得率は18.9%でした。
*4:2024/09/04に再確認したところ、取得率は9.6%でした。
*5:ただ、いまググって知ったんですけど、「石塔の試練」も"ストーリー・フォーカス"による難度軽減対象で、オート操作系の各種アクセサリが効くらしいから、実際にはもうちょっと少ないかもしれない。
*6:その後スクウェア・エニックスへ入社、『LEFT ALIVE』(2019)ディレクターなど。
*7:チャプター2-1「グリッド086侵入」のスマートクリーナー。
*8:とりあえず、チャプター3-1までの作りなら。
*9:シルバートロフィ「レイヴンの火」。2024/09/04再確認したところ、現在取得率36.1%。PCのsteam版だと、38.9%。
*11:ただし本での表記は唐沢靖"宣"(誤記か?)
*12:その後スクウェア・エニックスへ入社、『LEFT ALIVE』(2019)ディレクターなど。
*13:シルバートロフィ「賽は投げられた」。2024/09/04時点でPS5ユーザー取得率25.5%。PCのsteam版だと、27.3%。
*15:ただし本での表記は唐沢靖"宣"(誤記か?)
*16:その後スクウェア・エニックスへ入社、『LEFT ALIVE』(2019)ディレクターなど。
*17:その後スクウェア・エニックスへ入社、『LEFT ALIVE』(2019)ディレクターなど。