すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

ゲーム日記;例の5の2

・前回までのあらすじ

 悩んだすえに地元の家電量販店さんへ行き例のゲーム機5号機を購入、そして同時に例のゲーム機の2号機を予約したzzz_zzzzだったが、時すでに遅し、入荷時期未定の二次出荷となってしまった……

・今回のあらすじ

 23(木)夕方、「入荷した」との連絡が。

 

 

02/23(木)~26(日)

 ■買ったもの■

  PSVR2

 家電屋さんからPSVR2について、23日に「さっそく調達できた」との連絡が!

 家電屋さんまでお迎えに行きました。

 ……行こうとして「予約品の引換券を忘れてしまった!」と家に戻り、自宅へUターンするはめになりました。んで、PSVR2のレシート兼保証書をじっさい手に取ってみると、

「あっコレあくまで保証書であって、引換券じゃない……」

 とここで勘違いに気づきます。保証書を見せろってことだったんだっけ? でも、

「でも引換券、たしかにもらったよな」

 と財布を確認したら、交通インフラの定期券を入れたりするスペースに長いレシートが。

「そうだ、"いつ連絡きてもすぐ引き換えへ行けるように"とか、"まちがってゴミとして捨ててしまわないように"あるいは"ほかのものと混じって行方不明にならないように"とかって理由で、財布へしまったんだった……」

 ということを、ここでようやく思い出しました。

(財布へ引換券をしまうことは、物を忘れてもよいための予防策だったんだけど、「その策じたいを忘れてしまうこと」への策は練ってなかった……)

 2度目の出発では、空いているうえに広いけど、できたのが新しすぎて第二東名高速道路の敷設フィーバーで数十年牛歩だった工事がようやく終わった)逆に利用者がすくない新道をすすみます。

 タイムロスをすこしでも取り返そうという姑息な魂胆ですが、ふつうに走り慣れてない道で、家電屋さんに向かう十字路がどこだかわかんなくなってさらに右往左往しました。

 家にかえり、部屋の本・ビデオを別部屋に移動させ、掃除をかけ、「さぁPS5するぞ」と思ったけれど、PS5の電源をどこから取るのかという問題にここで気づき、けっきょく小一時間かかりました。

 

 ■ゲームのこと■ゲーム機のこと■

  PS5を組み立てたぞ!

 PS5を組み立て、PSVR2をつなぎ、『Horizon Call of the Mountain』を序盤ちょっとプレイし、DMM TVを入れ、カヤックVRゲーをしようとしたところでコントローラの電源が切れたのでまた明日にします。

 コントローラの認識のために一瞬挿しただけなので、これだけプレイできたのが不思議でなりません。専用充電器はもしかしたら不要かも。(専用充電器はいらないかもしれませんが、2本を同時に充電できるための装備は必要かも

   ▼組み立て/コード周りがめちゃシンプルでうれしい

 PS5を組み立てました。小見出しのとおり、めちゃくちゃシンプルでよかったです。

 起動時に音声案内がオンになっていて、「このまま音声案内をつづけますか?」となっているところへアクセシビリティを感じました。

 また、「決定」ボタンのつもりで「○」ボタンを押したときも、「これまではそうでしたが、今回から変わるんですよ」という旨の説明が追加されてて面白かったです。

   ▼コードを束ねる針金の覆いが紙で、ほぐすときにふつうに破けて危ない

 ただ、(これもSDGsの一環なんですかね?)コードを束ねる針金の覆いが、デパートの紙袋に使われるようなちょっと厚めの紙だったのはよくないと思いました。

 ねじねじをほぐすだけでふつうに紙の覆いがちぎれて、なかの針金がむき出しになるんですよ。なんなら箱をあけたねじねじ初期状態ですでにちぎれてるものさえある。危ないし、周囲を傷つけそうだし、初期状態でちぎれてるやつはどこがどうねじれてるのかわからないし、よくない。

 いくら「環境によい」といったって、車のボディを段ボールにはしないじゃないですか? 本末転倒だとおもいました。

 

  PSVRを組み立てたぞ!
   ▼コード周りがめっちゃシンプルで最高

blog.ja.playstation.com

 公式blogでも言及されてましたが、コード周りがまじでシンプル!! PS5本体にUSB/C端子コード一本さすだけで良いのはほんとうにありがたいです。

 

   ▼パススルーカメラによる疑似視界と、そこで行うプレイエリア設定がたのしい

 たぶんPSVR2にかぎらず最近の3DVRヘッドマウントディスプレイはみんなそうじゃないかと思うんですけど、ゴーグル越しに外の世界をのぞくモードが嬉しいし、その視界のまま、周囲の凸凹をキャプチャしてプレイエリアを設定するところがすごいワクワクしました。

www.youtube.com

(じっさいにはもっと激しく首を振ってもきっちりキャプチャしてくれる)

 

   ▼PSVR2の使用感

 PSVR2の使用感について話すには、じぶんの視力や過去の3D機器体験について語る必要があるでしょう。

 ぼくの視力はランドルト環基準でいちおう両目2.0ですが、1.0より上は「なんか空いてるっぽく見える」で答えて2.0。くっきり見えた頃とはだいぶ見え方が変わってますね。調子がわるいと0.6くらいのランドルト環もあやしくなる。

 立体認識能力は正直たかくないと感じています。

 

 過去の3Dメディア体験について

 ぼくはPS4ProとPSVR(後期型)を持っています。

 『イーグルフライト』は数時間連続プレイが可能ですが、頭がふわふわする酔いがきます。(三半規管の問題と、ヘッドセットの重さに耐えられてないとの複合要因に思えます)

 PSVRの3DFPS『ファーポイント』は、2D画面ゲームのFPS」とおなじ立ち回りをすると1分で酔って、寝ないと再起不能なります。

  ・屈伸運動でエレベーター起動時の浮遊感を毎度おぼえ。Lスティック操作でプレイヤーキャラクターの位置座標を動かす時点ですぐに頭がふわふわしてきます。頭と体の向きをべつべつにしたうえで、Lスティックを動かしちゃうとかなりキツい

 ただの2D出力でも、FPS『ホライゾン・ゼロ・ドーン』をPSVR1のヘッドマウント画面でやると、やっぱり酔いました。

 

    ▽PSVR無印の問題点

 PSVR無印は、まぁ出力画面の格子が見えるレベルの解像度でした。

 上記したハード面での問題はゲーム中はそこまで気にならないんですが、PS4ホーム画面の文字がつぶれてしまうレベルの低い解像度はゲームをプレイするうえでも、3DBD、3D動画を見るうえでもどうしたって気になってしまう面でしょう。

 1万円で買えるならまぁ良いけれど、ぼくのように数万円で買ったなら「あれだけ出してコレ……!?」と初日で後悔する程度のオモチャでした。

 

 ②解像度を我慢してプレイしても、調整をミスったり・調整がしっかりできてても画面の中央からはずれたりした映像が、ダブってしまうこと・ぼやけてしまうこと・色収差も生じてしまうことはどうやったって避けられません。

 

 ③目と目のあいだの距離などを設定するなど映像出力について微調整もできた(じっさいプレイヤーの側でも設定した)ものの、どれだけ効果があるのか(どの状態が正解なのか?)イマイチよく分からないままでした。もともとスペックが低いというのはあるけれど。

 映像がうまく見えない原因が、自分の知識が浅くてやり方が悪くてダメなのか、それともスペック的限界なのか分からないため、延々試行錯誤してしまう

 

    ▽PSVR2は、上記の不満点はほぼ解消されてる

 PSVR2は上の不満は全部解消されてます。

 ①´「画面感」は全くないわけじゃないんだけど{「たぶんコレ、起動前にみたフレネルレンズのあの多重円のミゾ機構なんだろうな」と思うクセがほのかに見える瞬間がある}ここまで行くともう好みの問題でしかないレベルです。

 ②´周辺視野の像のダブりぼけや色収差は全くないわけじゃないし、ゴーグルの調整をミスると画面中央でも色収差が目立って感じます。でも位置調整さえきちんとできていれば、視界のキワ付近までかなりキレイに見えます。

 ③´トラッキング機能によって、プレイヤーの目の位置がそれぞれここで・ゴーグルの位置がそこ……とそれぞれリアルタイムで図示化され、目とゴーグルが良い位置関係になるとシステムの側からも「その位置が正解である」とOKマークをくれる(つまり、「じぶんのやり方が合ってるのか間違ってるのか? 正解がわからずモヤモヤする」という段階はPSVR2では生じない)

 

    ▽カッチリ合わせられるがゆえにHMDをキツく締めがち/頭痛の原因かも

 ただ、キッチリカッチリ合わせられるがゆえに、それを維持しようと後頭部の固定部のダイヤルをギチギチ回して、固く締めすぎてしまいがちで、締め方と頭・ギアの食い合わせによって、頭痛をまねく原因になっていそうです。

 1日目は(酔い止めなし)1時間ほどプレイして、そこまで強くしまってなかったのか痛みはゼロ(頭はちょいフラフラ)。

 2日目は(酔い止め薬パンシロントラベルSP大人2錠のところを1錠で)1時間ほどプレイし、締めすぎて後頭部・側頭に物理的な痛み⇒全体的なフラフラズキズキ頭痛。

 3日目は(酔い止め1錠)1時間やり、フラフラ感さえなく楽しくプレイ

 4日目(2/27現在)最初の1時間(酔い止め無し)はつよく締めすぎたらしく側頭部が物理的な痛み+フラフラめ。メモしつつ10~20分休憩をはさみ、酔い止め1錠を飲んでプレイ再開、頭の痛みもなく酔いもなく更に2時間くらいプレイしました。ちょい頭はフラフラめ。(単純に疲れたという説もあります)

 3/1は2030~23時まで2時間半くらいプレイ(酔い止め1錠)。頭の物理的痛みもフラフラ感もナシ。隠密パートでくるくる走り回ったけど意外と大丈夫。

 3/5は2時間半くらいプレイ(酔い止め1錠)

 3/6は1750~1850、2000~2230までの約3時間半くらいプレイ(酔い止め1錠)

 

    ▽いまのところ謎な点(「PSVR2は酔わない」説はわからない。酔うくさくね?

 かなり楽しめそうですが、でも一部の記事で言われる「PSVR2は酔わない」説はよくわからないです。

 ちょっとプレイした感触としては「高フレームレートだろうが高解像度だろうがなんだろうが酔うんじゃないか?(酔う気配がある)」というのが正直な感想。

 PSVRゲーム『FAR POINT』プレイ中に酔った操作」に近い動きを、PSVR2の『HotM』でしたらやっぱりちょっと頭がふわふわしてきました(『FP』ではこれがそのうち気持ち悪さへ発展していった)

 でも、「太鼓持ち記者が調子よいこと言ってただけで、ほ~らやっぱり酔うんじゃないか!」というのもまだ言い切れない

 というのも上記フワフワ感(軽度の酔い)あじわったとき、ぼくは逆張りヒネクレ者根性をはたらかせて(苦笑)、意図的にPSVR無印時代に酔った動き」をもっともっと再現してみたんですが、プレイ不可能なほどには悪化しなかったんですよ。

 

 なぜ重度の酔いまで行かなかったか?

 PSVR2が偉いというよりも『HCotM』が"酔い"対策を利かせたゲームデザインなのでは? という気持ちがいまのところ大きいです。

 『FP』で一番酔った動作「屈伸運動による、高さ方向の視点移動」「HCotM」座りプレイでは(まだ?)出来ない

 立ちプレイだと屈伸運動による高さ方向の視点移動ができますが、それってプレイヤー自身が立ったり座ったりした結果がゲームに反映されているだけなので、プレイヤーの体とゲーム内世界との慣性系の不一致による気持ち悪さは起こりようがありません

 ということで、『HCotM』では……

 ※動画、酔い注意!※

www.youtube.com

 ※動画、酔い注意!※

 ……こちらの気配を感じとって目のライトを黄色に変えて警戒している敵機械獣"ウォッチャー"にたいして、モーキャプコンを(左手の親指で□ボタン、右手の親指で○ボタンを押しつつ)前後に振りまくって走って近寄り(あとこれはする必要ないけど、その場で足踏みもしているので画面が小刻みに揺れてます)遮蔽へしゃがんでHMDの高さによってプレイヤーキャラクターの高さも変わる)敵の射線を切りしゃがみ歩きで位置を変えつつ、モーキャプコンを肩まで上げ背中のほうへやり戻しとして弓と矢を各手にもち(各手のL1ボタンR1ボタンを押しつつ前述ジェスチャーをすると判定がより楽だけど、一応ボタン押さずコントローラを握る握力を変えるだけでも出来る応戦する……

 ……という動きをこの間、右スティックの視点移動もしなければ左スティックのキャラ移動もせず、ボタン操作による立ち⇌しゃがみ切り替えなども全く行なわずにできちゃうんです。

 PSVR1『ファーポイント』ならおそらく酔っていた動きまったく酔わずにできているけど、それを可能とした要因がはたしてこのハードによるものか、ゲームソフトによるものか、酔い止め(大人2錠分のところを1錠)飲んだことによるものか、どれによるお蔭かは分かりません……。

 また、この間ヘッドマウントディスプレイは定位置におさまったまんまで、とくに視界がブレるとかはありませんでした。

 

『FP』で二番目に酔った動作は「足の移動方向・方角と、体や顔の角度とがバラバラな動き」で、これは『HCotM』でもプレイヤーキャラクターの移動方法をいじくれば再現できるんだけど、そこまで気持ち悪くなりませんでした。

 『HCotM』のほうが移動速度が遅いかんじがするので、そこも酔いにくい気がします)

 

 『HCotM』では、「操作難易度まんなか」として設定されているプレイヤーキャラクターの移動方法は、往年の『バイオ』で有名になった系統のさらにピーキーになったやつ。プレイヤーが向いている方角へ前進(特定ボタンを押しながら腕をふるとプレイヤーキャラクターが腕をふって歩く/走る)するのがメインで、あとサブとして(両手を一緒に突き出すことで行える)緊急退避的な後ずさりがみとめられています。

 つまり、Lスティックで移動しつつRスティックで視界をぐるんぐるん回す従来式ゲームのFPSプレイヤーならどうやったってしてしまう(のに、やるとめちゃくちゃ酔う)カニ歩きとかは(操作難易度まんなかの仕様では)絶対にできない

 戦闘(03/01追記;上に動画をはった、ウォッチャーが見張りしている区域ではなくて、ボス戦的な直接戦闘パートにはいると、従来の「カメラを向いてる方向に前進・後退」ができなくなって(? 多分)、緊急回避として「平行ダッシュカニ歩きならぬカニ跳び)が大小飛距離を変えて出来るだけとなります。そしてこのアクションは、ボタン押下にくわえジェスチャをしなければ起こらない(小回避は×ボタンを押しながら手にもつモーションキャプチャコントローラを横に振る。大回避は□×ボタンを押しながらモーキャプコンを振るワンクッション挟んだもので、それぞれ移動距離も短く一定。スティック操作時のぬるっと感はありません。

 ただ、これは簡素化が効きすぎて、(慣れてくると)酔わない一方で戦闘しているというよりリズムゲー・大縄跳びをやってる気分になりますね。

 

    ▽充電用に二股ケーブルは買ったほうがいいかも

 初プレイ時はけっこう保ったコントローラですが、次プレイから「電池残量がゼロなのでプレイできません」と言われてしまい、なんだかんだ3本貯まるまでに1時間*2かけちゃいました。正面の端子と後ろの端子とふたつにケーブルをつないで充電したところ、なんかやり方がよくわかってないから全然デマ言ってるかもしれませんが、PS5正面側の端子のやつから取ったほうからしか充電されませんでした。

 なので二股にわかれるケーブルを買ったほうがよいかもわかりません。それかコンセントから直に充電できるやつを。

 

    ▽こうなってくるとやっぱりコードは邪魔じゃね? 3m*3mの空間もほしくね?

 といったわけでかなり快適にプレイできてるのですが、その結果として、コードはやっぱり邪魔だなぁと思いました。

 キャスター付きイスでの座りプレイでは一回コードを轢いちゃったし、立ちプレイではくるくるしているうちにコードが足にまとわりつきました。

 

 また、(周囲に物がなにもない)プレイエリアは3m×3mはほしいですね。zzz_zzzzもなんとか2m×2mの空間は確保したんですけど、その場でくるくる回るだけの座りプレイならいけそうですが、大きく体を動かしてしまう立ちプレイになるときびしいですね。

 

 ■ゲームのこと■ゲームソフトのこと■

  PS5+PSVR2『Horizon Call of the Mountain』

 ここでメモしたよしなしごとは、個別の感想記事に活かされました。

zzz-zzzz.hatenablog.com

 最初は1時間は座りプレイでおこない、次の計5時間は立ちプレイでおこないました。(座りプレイだとけっきょく地面にあるものに手が届かない)

{素1時間 ⇒酔い止め(大人2錠のものを1錠)服用1時間 ⇒酔い止め服用1時間 ⇒素1時間 →酔い止め服用2時間みたいな感じ}

 

   ▼従来型の特定オブジェクトを探す登攀システムがVRだとめっちゃ楽しい

 シリーズ第一作『ライゾン・ゼロ・ドーン』をやったとき、zzz_zzzzはふんばりゲージさえあればだいたいどんなところも自由に登攀できる『ゼルダBotW』をやった直後だったので、かなりセットプレイ感のつよい登攀システムに「あ~……」とちょっと落胆したんですよ。

 2ⅮのTPSゲームだったころは微妙さもあった特定のオブジェクトにしか登攀できない従来のパズル・アスレチックジム的登攀システム・ギミックが、VR2のシステムとFPS視点だとめちゃくちゃ面白い

 『HCotM』登攀姿勢じたいはプレイヤー側で自由に変えられるので、「自分で登ってる」感がつよいです。プレイヤー(プレイヤーキャラクター)は手をブランと下げて(上げて?)密林をすすむ猿みたくずんずんスイングしながら突き進んでもいいし、崖をつかんでる手よりも上に顔をあげて、周囲を警戒しながら一手一手すすんでもいい。

(2/28,0:44追記)

 難度はやさしくて、最初こそ「登ってる登ってる」と盛り上がったのですが、コツをつかんでいくと、

「そんな持ち手でいいのか?」「ピッケルそんな角度じゃ落ちるのでは?」

 と、更なる渋みが欲しくなったりし、「これは登攀というよりソーラン節やら綱ナシ綱引きなのではないか」という疑問ももたげますが、それはそれとして楽しいですし、ゲームをすすめていくと登攀物じたいにバリエーションが出てきて、どこをとっかかりにするのかわからない/そもそも登れる物体だと気づかなかった……という立体パズルの色が出て、やっぱり楽しいです。

 

   ▼3Dの映像はPSVRよりはるかにすごくなったが、意外と感動はすくない

 3Dの映像は、PSVR無印よりはるかにすごくなったんですけど、意外と感動がすくない自分に驚きました。

 立体把握能力にすぐれている人がプレイしたらまた違う感想を抱きそうですが、ふつうに日々を生活していて「立体空間すげ~!」みたいなことを思わない人間としては、現実がそうであるように今作の光景にもおどろかない

 プレイ動画をアップしたかたのツイートのとおり、オープニングではボートに座った主人公らをキリン型の機械獣がまたぐシーンがあるんですけど、たとえばアバター冒頭の惑星パンドラへ降りた主人公のまえを装甲車が横切るときみたいな「ぶつかりそうぶつかりそう!」みたいな圧迫感はぜんぜん無い

 

    ▽"酔い"対策で、絵変わりのはげしい極端な動きを制限していたりする?

 上の原因はなにか? 圧迫感よりもその巨大な奥行きを味わってほしかったのかもしれません。

 でもそれ以上に、もしかすると、今作は("酔い"対策として)"3D感"をかんじる表現を制限していたりするのかも……とも思います。

 さきほどのツイートの動画のつづきを観てみましょう。動画最後に、水棲の機械獣に主人公たちはおそわれてボートが転覆しますが、おなじ船に乗っているはずのプレイヤーキャラクターの視点はゆらがされず、すぐ暗転。暗転があけるとプレイヤーは水中でこそあるけれど、安定した流れの時空間に移されます。

 転覆し乱れる水流に巻き込まれて視点が前後左右に360度二転三転して面白いだろう(けど酔うだろう)時分はがっつりカットされているんですね。

 

 こういう躍動感の抑制はプレイアブルパートにも見られて、冒険の途中、崖からジャンプして向こう側に飛びつくアクションをプレイヤーは強いられるのですが、プレイヤーがジャンプアクションをした直後にこのゲームはスローモーションをかけるんですよ。

 向こう側をつかまなきゃいけないのでありがたいスローモーではあるんですけど、このスローモーは、操作面での難易度調整とは異なる別の意図があるんじゃないでしょうか? これによって多分「エレベーターが動き出したときの無重力感」を起こしにくくしているんだと思うんですよ。

 

    ▽"酔い"対策だろう「(ボス)戦闘」パートのシンプル化がもたらす、リズムゲー・大縄跳び感

 (03/01追記)ゲームの進行度としては、2/28までに5面の機械獣である大型機械獣「サンダージョー」をたおしたところまで進みました。

 ボス戦仕様のキャラ移動については、序盤は仕様を飲み込むのに精いっぱいで違和感をおぼえませんでしたし、4戦目も舞台設定の巧さからさほど気になりませんでした。ただし5戦目になるとさすがにちょっと無理くり感を感じました。

 4面の機械獣「グリントホーク」戦は、「」型の機械獣でありプレイヤーが物理的に接近しようのない「」に位置し続け、プレイヤーの立つ場は左右に動く以外ほぼやりようのない狭い崖のうえ、という舞台設定。

(ただ、その舞台にいくにはセーブポイントである小洞窟がすぐ後ろにあるので、心理的にはそこへ隠れ/盾にしつつ攻撃をしたくなります。つまり上にアップした動画のような動きをしたかった自分としてはちょっとアレでした)

 5面「サンダージョー」戦におけるキャラの移動範囲は、舞台中央の大型機械獣を起点にした大きな円。見えないレールの存在を意識せざるを得ず、さすがにちょっと無理くり感を感じました。

 "プレイヤーを酔わせないための施策"という点ではありがたい仕様なんですけど、なんかタイミングに合わせて小回避大回避をするリズムゲー(さもなくば大縄跳び)と接近してきて、やりたいものとは違っています。(円周には回復アイテム置き場や大ダメージを与える各種兵器・爆弾が配されているので、「"どちら"に跳ぶか?」など細かいところもあるんでしょうけど、けっきょくグイグイ跳ぶゴリ押し立ち回りになってしまいますね。

 当たり判定が小さいようでけっこう大きいから、マージンを取って大きく跳ぶことが多くなってしまうし。回復アイテムをとるときなどは、デジタルな跳びがわざわいして最後の微調整が意外と面倒くさいので、回避の練習をしている場合でもない)

 さて6面以降はどうなるか?

 (03/02追記)6面の機械獣もまた、獣を中心にした円軌道が舞台でした。「あんまり変わり映えしないなぁ」というのが正直な感想。

 

    ▽いまのところ、序盤の採掘洞っぽいところのウォッチャーの警戒網をかいくぐるパートが一番おもしろい

 ボス戦のシンプルさに「ここまでしなくても酔わなそうだけどなぁ……」と思ったものですが、"酔い"対策という観点から、うえにリンクをはった動画をふりかえってみると、やはりここでもそういうデザインがありそうな気配を感じました。

 ウォッチャーの見張りを潜り抜けたり倒したりしながら進んだあの舞台は、だいたいのウォッチャーについてプレイヤーが近接戦闘をできない(し、ウォッチャーもこちらへ近づけられない)ような物理的な隔たりが設定されていて、ウォッチャーとの距離も遠く、キャラの移動をわちゃわちゃしなくて済むような配慮がなされてるのではないか?

 こういうパートが以後もあると良いと嬉しいですね。

 (03/02追記)以後もありました。

 嬉しいけど、草叢にただただ隠れることをつよく推される(=戦闘になったとき遮蔽という遮蔽がない、フィジカルが試されすぎる)舞台だったりと、すこしリニア感をおぼえたりも。

 

   ▼両手のモーキャプコンを活かした弓矢という得物選択

 『HCotM』のプレイヤーキャラクターの得物は弓矢で、これは両手にそれぞれもつモーションキャプチャ付きコントローラの特徴が活きる得物で「なるほどさすがだ!」と感心しました。

 背中へ片手をかざして弓をかまえ、もう一方の手で矢を背中から取り出し弓につがえて矢を放つ……このコントローラじゃないとできないアクションです。

 この弓や矢を取り出すしぐさって、PSVR1+モーキャプガンコンァーポイント』では手持ち武器を切り替えるためのしぐさだったんですが、うまく反応しなかったんですよ。『anan』'22 6/29号Perfumeのっち氏のレビューを読むに、おそらくswitchルダの伝説スカイフォードソードHD』でも難儀するらしい)けっきょくぼくは(従来式の)△ボタン押下での武器変更にたよらざるをえませんでした。

 今作『HCotM』はむしろこの動作じゃないとダメなくらいにやりやすい

 

 ただ、弓って、射るのが難しいので、VR初手でさわる得物としては銃器のほうが楽しかったかもしれません。

 従来のガンシューティングゲームでは、ボタン操作とシステム側のプリセットアニメーションで"カットを割る"ように切り替えていた「腰だめ撃ち⇌ガンサイト覗き撃ち」。これを、PSVR1+モーキャプ銃コントローラによるFPSァーポイント』で、全部じぶんの身体運動でもって行なったときの、あのすべてが地続きの"ワンショット"感のほうが、たぶん感動はおおきいと思います。(他にもスコープを覗けるのは片目だけだから、狙い撃ちしたときそれぞれ全然ちがう視界になるなどなど、銃ってわかりやすく「VRならでは」の体験ができる得物でした)

 矢をつがえた場所を目線ちかくまでもっていって狙い撃つんですが、そもそも「狙っても、意図どおりに飛ばすのが難しい」得物なので、最初はただただ難しさだけが印象にのこりました。

(照準みたいに覗き込むには、弓矢の羽が邪魔になってむずかしかったりする)

 

    ▽じぶんの体を傾けることでリーン撃ちができる(かも)

 そんなこんなで『ファーポイント』で銃器をもったときより感動はすくないんですけど、でも今作では「リーン撃ちができる」と気づいて、がぜん楽しくなってきました。

 リーン撃ちとは文字どおり(上体を)傾けて撃つやりかたですね。そのまま直立すれば全身が遮蔽物にすっぽり隠れる位置から、上体を傾けることで武器をもつ半身を遮蔽外へ出し、攻撃を可能とする撃ちかたです。

 傾けたまま撃っても当たり判定が小さくなりますし、上体をもどせばヒョイと全身ガードできる優れもの。

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 PSVR無印の時どうだったか覚えてないんですけど、あちらではそれを試みるまえに吐き気がきたので、今回はじめて出来た体勢でした。

(たぶん出来たとしても、『イーグルフライト』の感じだと、頭をここまで傾けたら初代PSVRだと重みで頭がクラクラしそう)

 

    ▽サクッと遡りリプレイ動画をつくれるから、自分のからだのクセをすぐ確認できるかも

 で、じぶんでアップした上ふたつの動画を見てて思ったんですが、PS5+PSVR2は録画してない時分のプレイも数分前から遡ってさくっとバックアップできるので、じぶんのプレイの反省をしやすいかもしれません。

 ぼくは右利きで、とりあえず左手で弓をかまえて右手で矢を放ってきたんですけど、動画を見直してみると、目標にたいして左手側に矢が逸れてしまったり、一射目や左手側に居る敵へは楽に当てられてたのが、その右手側の敵であったり二射目以降はむずかしかったりする(そしてやっぱり左手側に逸れてしまう)さまが確認できます。

 矢の飛ぶ方向は弓を構える手に依存しているらしく、コントローラを握りしめていくうちに左手首を甲側に反ってしまっているか、あるいは矢をもつ右手を離したときにちょっと胸を張る感じになって左腕が背中側へ逃げてしまっているかしているんでしょう。

 この辺を修正できたら面白そう。

 

  PS5+PSVR2『KAYAK VR MIRAGE

 さいしょ座りプレイでやって、チュートリアル中に立ちプレイに変えました。

 ひじ掛けつきのイスでプレイしたら、ひじ掛けを思いっきり殴ってしまったからです。

 チュートリアルを終え、最初のステージの最初のレースを何度か挑戦して3位を取ったところコントローラの電池が切れたので終了。最初のステージはちょっと色素がうすくて、ゴーグルの設定がちょっと心配になりました。

 

  PS5+PSVR2『FANZA

 旧来のFANZAアプリはPSVRまでの対応であり、「DMM TV」アプリがPSVR2対応です。

 かなりログインが優しくなってよかったです。

 映像のズームイン・アウト機能が追加されたのがよかったです。

 また、一時停止中にメニュー画面を消すと、立体視状態のまま映像を停止させられるのもうれしい。

 

 ぼくが持ってる3D映像は、全年齢の3Dグラビア動画(ちとせよしの氏のもの3つ)と、成人用ポルノAVをあれこれ。両方とも見直して思ったのは、

「3DVR動画が黒沢清映画の不気味な怪異みたいになってたのって、PSVRの低性能だけの問題じゃなかったんだな」

 ということですね。

 HD画質のVRに関していえば、PSVRとくらべて劇的に映像がよくなった印象はない。これはVR2がわるいんじゃなくて、それだけもとの映像がよくない(ということがわかりました。VR2の性能のおかげで、「この映像は、そもそも撮った段階でボケ・色収差が生じちゃってんじゃん。これじゃどんなゴーグルで観たってそりゃあ像はボヤけるよ」ということがわかったりしました)

 とりあえず、PSVR2の領域である2K&2K画質のVRが出るまでは評価保留にしたい。

 

  3DBDやYoutubeの3D動画(は現状PSVR2じゃ観られないけど)

 FANZAのHD画質動画を見るに、素材自体がいいものはやっぱりPSVR2で観たほうがよさそうなので、3DBlu-rayやYoutubeなんとか今後のアップデートで対応してほしいところです。

Google Spot Lightの360°動画、せっかく4KなのにPSVR2で見ようとすると方向ボタン操作になっちゃって非常にせつない)

 

  PS5+PSVR2『Song in the Smoke Rekindled』
   ▼体験版でのプレイ(03/08)

 ファーストパーソンサバイバルゲーム

 03/07に体験版を、夕食までの1時間素でやり、頭フワフワ以上の酔いを感じたので、夕食休憩1時間をはさみ、酔い止め薬パンシロントラベルSP大人2錠のところを1錠でのみ、さらに2時間プレイ。(その後2時間PSVR2の立体ジグソーパズルをやったが、酔わなかった)

 すくなくとも体験版は、一部のチュートリアルメッセージが英語原文表記され、日本語以外からきしな自分としてはおそろしい。

 キャラの移動はLスティックで、ジャンプはボタン溜め押し→離し瞬間移動。(フリージャンプ方式はまだ試してない)

 立ち⇄しゃがみ姿勢を切り替えるボタンはないようだ。

 視線トラッキングは無くものを拾ったり攻撃したりするモーションキャプチャコントローラの握りこぶしを向けたさき

 試し撃ちをしようにも矢は持てる本数に限度があり、つくるのに素材を拾い集める必要があり、散策すると腹が減る……

 ……『HCotM』より格段に酔度も難度も高いサバイバル。

 

 くだんの作品とくらべてプレイヤーの行動範囲がひろがった一方で、ジェスチャをつかったクラフト要素はあるていど具体化された部分もあればあるていど簡素化された部分もある。

 たとえば弓矢の矢をつくるには、矢尻とシャフト(箆)と羽をそれぞれの位置に組み合わせる(モノとモノをくっつけるジェスチャをする)だけでなく、枝をナイフで削り研ぐようなジェスチャをしてシャフト(箆)をつくるところからしないといけない。

 ぎゃくに弓のような弦や綱を巻くような工具をつくる場合でも、両手に持ったモノをそれぞれくっつけるだけでクラフトできて、『HCotM』のように指定の方向へ巻いてみたりする必要はない

 たおしたケモノから毛皮や内臓を得るのも、ボタン溜め押しで可能。押下中プレイヤーキャラクターの手が勝手にもぞもぞ動く、幽体離脱現象がおこる。

 こんご何度もやっていくだろうことにいちいち複雑な操作を必要とされても面倒くさいだけだから、その意味ではユーザーフレンドリーです。

 でもどうせなら、ボタン溜め押しで採取可能だけど、特定ジェスチャをすると早く採取可能とかだと嬉しかったかもしれない。

 

   ▼製品版でおなじところまでプレイ(03/12)

 製品版でやり直し。操作設定をみなおし、ジャンプを溜め押し瞬間移動ではなく、ボタン押下によって即座に円弧軌道をえがくフリージャンプ式にして変えスタート。

 酔い止めは未服用。

 プレイヤーキャラクターがジャンプでえがく軌道にあわせてプレイヤー自身も屈伸するとエレベーターに乗った際の浮遊感/不快感をおぼえることなく、いくらでもジャンプできる。

 酔うことなく小一時間程度で、おなじ進行度までたどりついた。

 なんかVR耐性がちょっと出来てきてるぞ!?

 

 

 ■ゲームのこと■過去のメモ帳ふりかえり■

  PS4Pro+PSVR無印『イーグルフライト』

 17年年末にプレイ。VRゲーム初体験。快適なプレイ。1時間半~2時間プレイしたところで一旦やめたけど、ほぼ酔わなかった。すこしフラフラしたけど、これは主にHMDを着けて画面を見つづけることによる目の疲れからくるものが大きそうな印象。
 『イーグルフライト』のゲームシステム(頭をかたむけて操作するシステム)によるものも多少あるかもしれない。(2023/02/24追記;じっさいHMDの重さと頭を傾ける操作方法とによる噛み合わせが、酔いをもたらしていることがのちのプレイで体感できた)

 

   ▼全編チュートリアルみたいな物語

 2章に入ったところまでの感想としては『HZD』に比べ、物語とゲームの絡めかたがよわい。チュートリアルが面白くない、というか、全編チュートリアルみたいな感覚がある。
 冒頭、成鳥だろうワシを操作キャラに、操作方法を説明されプレイヤーもその通りに動かしていくチュートリアルが行われる。それが終わるとストーリーモードが選べるようになり、主人公(=プレイヤーキャラ)が卵を割るところから始まって、親鳥の後を追っていくイベントとなってそのうちクリアとなり、成鳥となって本編スタート
 自分の巣をもち、フランスの街を好き勝手にとびまわれるフリー飛行マップから蛍光色のアイコンにぶつかると、イベントが開始
 町のなかに点在する気流の輪をくぐって増速しながら飛び回ったり、町のなかに点在する羽を探し集めたり(1章クリア)、さらに成長した主人公は、水辺に点在してたまにポチャンと顔を出す魚を捕ったりするイベントをこなしていく。


 今のところやることはチェックポイント通過(獲得)レースで、そのポイントが輪っかだったり、羽(=視認しにくく、それ自体が小さいので獲得が難しい)だったり、水面から飛び跳ね落ちる魚(=常に視認できる存在でなく、普段は水中に隠れていて、顔を出せば弧を描いて動く)だったりするという感じだ。


 イベントをクリアすると、達成度に応じて一ツ星とか三ツ星とかミシュランガイドのように評点が出され、チェックポイントを多くとればそれだけ星も多くもらえるようになる。
 集めた星の総計が水準を超えると次の章(舞台)へ向かうことができる。

 小学生のころ友達の家でンキーコング64』カジキのエンガードを操って水中に点在するDKスターを集めるミニゲームを延々やったぼくとしては、コースは数多あるし、ひとつのコースを見ても起伏に富んだ面白いものだし、これはこれで楽しいのだが。
 前述のとおり各イベントでやることは大同小異だから、いつか飽きがきてしまいそうだ。

(2023/02/24追記;じっさい飽きがきた)

 

   ▼"書割を並べたフラグ管理されたシステムのなかを動いている"という感覚

「見せかたがいまいちなのではないか」
 そう思うところにいくらか出くわす。

 前言をひるがえすけどフリー飛行マップは最初からなにもかもが自由にできるわけではなく、イベントの進行度合いによってにぎやかになっていく。
 羽を採るイベントをこなせばマップにも羽が出てくるようになり、魚を捕るイベントをこなせばマップにも魚が出てくるようになる。
 まだ挑戦できない章の街に飛びいることはおおむね出来るけど、エッフェル塔など一部の区域は「ここは(任意の凶暴な生物)の縄張りです。戻ってください」とカウントダウンが始まって、0になると暗転、強制的にエッフェル塔外から再スタートになる。
 こういうところで
「なんかもっとうまいやりかたがなかったのかな」
 と思うのでした。

 VRゲームをやりたいひとって、これまでよりも更に踏み込んだ没入感をもとめてやるひとが多いだろうと思うんですよ。それなのにこれは無骨にシステムシステムしすぎていやしませんか?

 「(任意の凶暴な生物)の縄張りです」とシステムメッセージが出てくるところまでは百歩譲ってよいとして、主人公を外に出すのがシステムなのはどうなんだろう?
 たとえばその縄張りに入ると、メッセージ通りとてつもない追尾能力をもつ「(任意の凶暴な生物)」がゲーム内現実・プレイアブルな敵として襲ってきて、主人公らは即死させられてしまう……とか、そういうつくりではダメだったのだろうか

 

 イベントの進行・達成度合によってプレイヤーのできることが増えていくフリー飛行マップも、ちょっと気になる。
 羽にしても魚にしても、あるイベントをクリアしないとマップに出現しないわけだけど、プレイヤーがクリアしてようがしまいが、羽は落ちてるだろうし魚は泳いでるだろう。なぜ影も形もないのだろうか
 ……感覚的には、経験的にはとてもよくわかる変化ではある。ぼくが生まれる前からしっかり存在していたのに、自分が気に留めてこなかったからまったく見落としてしまっていて、意識してからはやけに目につくようになった物事、経験。そういうことはたくさんある。

 バードスパイクという存在を知った途端に、商品だけでなく店舗のデザインまで凝った名ブランド店の樋にまで無骨なトゲトゲがあることに気づくとか。

 そこに巣穴を作った鳥を見た途端に、建物の外壁の通気口などに付着した土のあとが目について、自分の頭よりもはるか上にあるそこが土に汚れていることをなんも違和感を覚えなかったことに愕然とするとか。

 『イーグルフライト』の羽や魚も、そうした実感や経験則にもとづいた書き込みなのかもしれないが、ただ、そのような共感をいだくまえに、"書割を並べたフラグ管理されたシステムのなかを動いている"という感覚を抱いてしまう

 

 そうした疑問はじつのところ冒頭から感じていて、ストーリーモードで雛鳥として親をただただ追いかけているときに「さっきのチュートリアル、このイベントに組み込めなかったのだろうか」と思ったりしました。

 

 

   ▼機動力∞・沈下率0のラジコン飛行機感覚の飛行

 飛行描写やその感覚としては、無限の機動力と沈下率ゼロの空力性能をもったラジコン飛行機という感じだ。

「『電車でGO』系統の作品でない限り、だいたいのフライトシミュレータはこんな感じにノンストレスで、シンプルな操作感なんじゃないかな?」

 とも思う。

 

 天を仰ぐだけで無限に高度が上がりつづけてくれるから、羽ばたき疲れをすることもないし。

 川と地の境目だとか野焼きをする畑だとか地上のようすを見たり雲の形を見たりして、温度差=気圧差のありそうな空間に目星をつけたりする必要はない

 体を叩く風を感じて、上昇気流(サーマル)を見つけ、乗って、滞空周回(センタリング、サーマリング)する必要もない
 
 旋回飛行は、翼を傾けてバンクすることで行なうのだが、そのさい減速したり高度低下したりはしない

 『イーグルフライト』では、地面や水面すれすれを飛びつづけられるが、これはべつに、現実世界の地面効果(グラウンドエフェクト){=鳥人間コンテストでおなじみの、長距離飛行者が琵琶湖すれすれを飛び続ける雄姿。あれは乗り手の根性がすごいだけではなく、この効果を利用した戦略なのだ}がはたらいた結果ではない

 

 ……うえで述べたようなことを取り入れると、システムが複雑になって面倒くさくなるし、飛行技術に習熟しても飛行は上昇気流の発生場所に左右されて"街を縦横無尽に飛び回る"快感は減じられてしまうだろう。

 また、VRゲームの性質上、何度も周回を必要としたり、とつぜん風に叩かれたりするシステムは、プレイヤーを酔わせやすそう。(少なくともおれは酔う)
 なかなか難しいなあと思った。

 

 

  PS4Pro+PSVR無印『ファーポイント』

 17年年末にプレイ。
 VRゲーム二作目。シューティングコントローラも購入して、コスト的に後にひけない状態でプレイ。
 めちゃくちゃ酔った。
 VRゲーム体験1日目は、『イーグルフライト』を2時間やったあとに『ファーポイント』を10分ずつ2回、計20分やって即布団に入った
 1セット目の10分はだいたいがムービーパートだったから、自分で操作したのは10分前後ということになる。

   ▼3DVRヘッドマウントディスプレイによる、ムービーパートの新鮮さ

 ムービーパートは、プレイヤーキャラが宇宙船の座席に座ったり棺じみた脱出ポットに立ちんぼで移動を制限されているけど、首は振れるので360度自由な視点でのぞめるもの。

 この辺は、Pearl』に代表されるGoogle Spotlight Storiesや……

www.youtube.com

 ……イニャリトゥのCarne y arena』といった……

phi.ca

 ……VR映画を、立体視そしてヘッドマウントディスプレイで味わってる(味わったらこんな具合だろう)という感じで、酔いはまったくなかった。


 それどころかあれこれ首を振って面白がりすぎて、宇宙船操作パネルのモニタに表示されるメインキャラクターの映像と会話が頭にはいってこなかったくらいに快適だった。
(見た目からすると、PS2のゲームでも『MGS3』などはムービーパートのカメラをそれなりに回せたので、その延長線上の表現として驚きはそうないはずなのだが、大きく感動しました。
 右スティックをぐりぐり回してやっていたことを、自分の頭を回すと行なえる……というのは、とても不思議な感覚だった)

 

   ▼銃自体がモーションキャプチャの対象である、銃型コントローラの面白さ

 惑星に不時着してからは、単純に動くだけで楽しいという感じだった。Wiiリモコンでのゲームプレイもほぼ未体験で、PScameraやPSmoveをもちいたゲームをこれまでやってこなかった私には、コントローラを傾ければゲーム内の銃もそのように傾く、コントローラを天地水平に動かすとゲーム内の銃もそのように動く……ということ自体が新鮮だった。

    ▽新旧ガンシューティングゲーに感じる"カット割り"と"ワンショットの持続";ほかならぬ自分のアクションとして銃を構える/ガンサイトを覗き込む面白さ

 そういう操作方法なので、ぼくがこれまで楽しんできたTPSやFPSだと、ボタン操作で態勢・視点を切り替えていた"ガンサイトをのぞき込む/やめる"こと。
 このアクションも『ファーポイント』だと、ボタンをひとつも押さない動作――シューティングコントローラを持つ手を自分の顔のほうへ上げ、ガンサイトが見える位置まで自分で調整する――となる。


 それによる没入感はすばらしいもので、映画における"カットを割る"感覚がまったくない
 シューティングコントローラを振り回す操作システム――これを体験してぼくはようやく、いわゆる3人称視点からプレイヤーキャラクターの"主観カメラ"に切り替えたり3人称視点のままでも角度を変更したりズームしたりするTPSはもちろん、視点の切り替えがない(プレイヤーキャラの大きな視界に重ねる形でガンサイトが重ねられる。そのあいだは、視界下から銃が現れて向きをかえながら上昇し、画面中央にガンサイトがくるまでをプリセットされたアニメーションで埋めるFPSであっても、従来のガンシューティングゲームについて、銃を構えるまえとあととで分断される感覚はわずかながらも抱いていたのだなあと思った。

 これ、ゲームセンターなどで実体としてある銃型コントローラをかまえる感覚ともぜんぜん違うものなのだ。(『ガンサバイバーディノクライシス』あたりまでしかやったことがないので、もっと新しかったり高額だったりする筐体ゲームだとまた違うのかもしれない)

 

***

 

 宇宙ステーション内の小物はコリジョン判定があり、銃で何かをつついたり銃を強く振って叩き壊したりできる、という点も面白かった。

(2023/02/24追記;ここについては、本当にモーションキャプチャも線引きもうまいので、PSVR2『HCotM』の手よりもよっぽど直観的・体感的にできて素晴らしい)

 

   ▼とにかく酔った;VRゲームは任意セーブにすべきだし、オートセーブ箇所についてちゃんと主張すべき

 チェックポイント(オートセーブ場所)がよくわからない。いつセーブされたかもわからない。
 VRゲームは、どこでも手動でセーブできるシステムだとありがたい。

 

   ▼2日目(40分やり、頭がくらったして終了)Rスティックでカメラ移動、を3DVRゲーでやる矛盾

 2日目のプレイは中断はさまず40分くらいやった。(前後にVRゲームはしていない)
 すこし頭がくらっとしたくらいでやめた。
 自分がどういう動きで酔うのかをかえりみて、また万人の"VR酔い""酔い"の原因をネットで調べたりしたうえで、いろいろと注意しながらやった。

 1回目でゲームを終えるときに出た「チェックポイントを過ぎたあとのデータは保存されませんがよろしいですか?」みたいなメッセージで嫌な予感がしたけど、びっくりするほど戻されてしまった
 谷間をすすんだ終端にあったホログラムデータをスキャン・再生したので、「これがチェックポイントだろう」と思っていたんだけど、そんなことはなかった

 顔を振ることはそう問題なく、移動が"酔い"を誘うようだった。

  • 横移動をしない。
  • 前進するときもゆっくり動く。
  • 動く方向を変えるときは一旦止まる。
  • 動くまえに「この方向に動く」と頭の中できちんと意識する。

 この辺に注意しながらプレイしたら、けっこうようすが違った。
 また、メニュー画面をひらいて操作方法を見ていたら、回転というのがあり、それをオンにしたところ、右スティックで首を振れるようになった。
「頭を向いた方向に進む、それはよい。でも後ろに進みたいときはどうするんだろう?」
 と思っていたし、体を後ろにひねりながら(体ごと後ろへ回転したいところだけど、PSVRは有線接続なので……)動くこともなくなったので、これは"酔い"改善に大きく寄与したんじゃないかと思う。
 が、VRだからこそできる操作体験からは遠ざかったね……。

 

   ▼3度目のプレイ(1時間以上プレイした……がこれは……)

 3度目のプレイはかなり慣れてきて、1時間以上プレイしたと思う。前後にVRゲームはしていない。
 ぼちぼちふつうの速度で動き始めてみたが、なかなか怖い。酔いが怖い。
 主人公は新たな武器ショットガンを入手し、ショットガン用のグレネードを入手した。
 新たな武器がでてくるということはそれを使いたくなるような新しい敵もでてくるということで、この第三の敵は、硬く大きいタスマニアオオガニみたいな姿で接近戦を挑んでくる。ショットガンを放つにもってこいの敵というわけだ。
 グレネードも入手したということは、それを使いたくなるような敵配置がなされるということで、バトルはオオガニに加えてさらにあの素早いクモ、擲弾する大クモもいっしょに現れるようになった。
 敵がわらわら出てくるようになってきて、これまでみたく固定砲台していくわけにはそろそろいかなくなってきた

 

    ▽武器切り替えの直感的操作とVRのキャプチャ問題、利便性を取ると遠ざかる「3DVRゲーの楽しみ」

 銃器の変更は、「シューティングコントローラをすばやく天に向けて振りまた下げて下さい」と言うような説明がなされ、実物大のガイドアイコンの通りに振ってみたのだけど、それに合わせても切り替わらない。(実際はそれ以上に振り上げる必要があった。ぼくの感覚では、銃を頭上に挙げて下すと成功しやすい)
 非ボタン式の操作体験の問題点という感じだ。
 このクセをつかむまでに人命がひとつ損なわれ、大ぶりの動作でどうしても次の行動が遅れてしまうバトルに苦しみ何かの拍子に触ってしまった△ボタンが上述動作不要で武器を切り替えてくれることに気づくまでにまたいくつか損なわれた。
 △ボタンによって人命は救われたが、しかしVRだからこそできる操作体験は損なわれたよね……。

 

***

 

 時折はいるゲームシステムの説明は、ゲーム劇中世界内でリアルタイムでなされているもの(主人公が着ているスーツのコンピュータ?)と、ゲームを一時停止するシステム外のものとがあって、ゲーム劇中世界内でなされるものは延々ボイスを繰り返したりするポンコツ仕様で、
「これは説明の不備なのか? それとも意図的なゲームデザインなのか……?」
 と首をかしげるところがある。

 

   ▼4度目のプレイ

 子グモ大グモ大ガニの3頭体制における最終戦を行ない、そこからさらにすすんで第4の敵が現れたところでおしまいにした。プレイ時間としては40分くらい。結構に酔った。
 ライフルとショットガンのグレネードがそれぞれ2箱ぶん置かれている。
 箱にちかづくとひらけた土地が見えてくる。狭い崖のあいだや暗い洞窟のなかを進むことの多かった道中で、これだけ広い空間で戦うのははじめてなんじゃないか?
 なだらかな砂山のいちばん上にいる、というのも大きいかもしれない。岩肌を壁走りする子グモ、山上から降り注ぐ大グモの擲弾……これまでの戦いでは、仰ぎ見ることも圧倒的に多かった。

 天井をまるく抜かれた崖上には、垂れはためくオレンジ色の布が陽光に照らされて尚更まぶしい。天然の天窓のしたは身の丈よりはるかに大きな黒い岩が点々として、日向とつよいコントラストをつくっている。 陽光のあたらない壁際も見通しがよく、蛍光青に輝いている。ということはあの、異星に特有の青い溶岩が流れているということだろうか。

 なだらかな傾斜の最下段に蛍光オレンジの丸が見えた――大グモの尻が、立体感をうしなった遠方でうごめいているのだ。

 黒い岩の陰に隠れて、チラチラと擲弾が発射されないか(=オレンジが大きくならないか)注視していると、大グモの周囲に土煙が立って、黒い影が左右に散りつつ登っていった。子グモが出てきたようだ。迫る子グモを倒していると、ズシンズシンと重い音も響いてきた。岩が転がってきた? いやちがう、オオガニが現れたのだ……

 まず、バトル開始地点でグレネードの備蓄もある高所からライフルで敵を撃ちつつ、放物線をえがく擲弾や、子グモのフェイスハグをさばいていく方針でやっていった。
 岩に隠れれば擲弾は岩が処理してくれるけど、岩の左右からやってくる子グモのどちらかは視界におさまらない死角となって困ってしまう。
 子グモをさばきやすいよう下がれば、擲弾が飛んできてしまう……そういうトレードオフの関係だとぼくは思った
 でもやってみると、ここまで放たれるまえに殺したり空中でライフルを当てたりしてきた大グモの擲弾の、当たり判定に悩まされることになった。
 黒い岩の陰にしっかり入っていると思っても、「これは当たらないだろう」というくらいに移動したと思ってもなんか視界が赤く染まるのである。
 そうこうしているうちに機動力があると思っていた子グモの、意外な鈍さや射程の狭さにも気づかされた。顔に飛びつき攻撃は、身を縮めて飛ぶまえのどこかの時点で"どこへ飛ぶか"が決まるようで、ホーミング能力もないか微々たるもの。 肩幅ひとつふたつ分離れてしまえば空振りに終わる。
 そして、足を止めしゃがみこんで顔へ飛びつく……これ以外に攻撃方法がないようで、かなり近くに来ても接近戦用のすばやい攻撃とかはこない。

 ということで、うえの二択はどちらもナシなアイデアなのでした。(岩陰で戦うのは擲弾の謎当たり判定がこわい。少しずつ動くのも、擲弾の謎当たり判定がやっぱりこわい)
 ケチな性分なのでライフルとショットガンの基本武器のみで戦って一、二度と人命をそこなったのち、グレネードを扱うようになりましたが、擲弾の当たり判定のわからなさは自弾にもあてはまり、近い敵を倒そうとして自爆攻撃になってしまったり。よくわからない軌道を描く擲弾のクセをつかめず、くだり坂の中ほどの敵を倒そうとしたら予想以上に銃を下げてしまって近距離で爆発、自爆攻撃になってしまったり……と、シューティングゲーならありがたい敵を一掃してくれるはずのボムで自分の死体を積み上げてしまうのでした。

 正解は、子グモの攻撃に当たらないのはもちろん、擲弾の謎当たり判定にも入らないくらい動きまわって、ライフルで子グモを散らしつつショットガンで大グモやオオガニを狩っていく……でした!
 『COD WW2』のナチゾンビでうまい人がやっていたのと似たような立ち回りだ。しかも異星の敵3党はゾンビより追跡能力がなく、すばやい接近攻撃もまた(オオガニをのぞいて)ないので接触してもOK、ラクチンである。

 ……ラクチンなのだが、ここで新たな2択にせまられる
 プレイヤーキャラの健康をとるか? それとも、PCを操作するプレイヤーの健康をとるか?
 画面の彼を縦横無尽に動きまわればまわるほど、それだけぼくは"酔い"がまわる……そういうトレードオフの関係だとぼくは思った。

 で、やってみるとその通りだった。こちらの思惑ははずれてほしかった。う゛っとなる酔いに襲われた。

 

 『ファーポイント』は異星の景観を楽しみながら青白い他探索員や彼らの残したホログラムデータを探す探索パートとグロテスクな異形に苦しむバトルパートを繰り返していくゲームで、つまり「探索パートで得られる物語の解明(という報酬)のためにバトルをこなすゲーム」といえそうだが、いまのところはバトルを終えても爽快感はない。
 ホログラムデータに手がかりとなるようなものもなく、こちらとはまた違う異星不時着のつらさが描かれている。
 うるさくはないが不穏で緊張をあおる劇伴音楽が延々鳴らされるバトルを終えたからといってファンファーレは鳴らず、とどめの一撃のぐちゃっと粘着質のSEと、グロテスクな敵のグロテスクな死骸が生まれるのみで、それすら時間制限でホログラムデータのようにちりぢりに霧散してしまい手ごたえがない
 バトルを切り抜けるたびに、難所を越えたという疲労感が蓄積していく。

 今回の3党体制大決戦も同様で、目の前の敵を倒し終わってひさびさに明るく美しい天を見ると、文字通り不穏な影が。崖の上の見えない向こうで、なにかが叫んで暴れている。崖をスクリーンにして投影された大きな黒がうごめき去る。
 あの影は何なのか?

 見えない何かへの不安を残して、次の舞台に向かっていく。
 プレイするぼくも、見えない何かへの不安でいっぱいだ。
 いや上に挙げたことではない。作劇上の演出とはべつに、ぼくはゲームの、大手ゲームハードの失敗できない初期作品としての安心感を感じてもいる。
 崖上にいた何かは、ゲームを進めていけばどこかで出くわし、戦うこととなるだろう。倒せもするだろう。いまだホログラムデータの青い光の集合でしか対面したことのない、姿の見えない別乗組員たちも同様だ。生きているにせよ死んでいるにせよ、なにがしかの答えが得られるだろう。

 しかしぼくを苦しめるこちらはどうだろう?
 検索もかけたが正解はなく、自分でもいつ襲ってくるのかよくわかってなく、対処法があったとしても一朝一夕でどうにかなるものではないだろう、この見えない何かは?

 3日目のプレイから、ホログラムデータのほかに、不時着した船内での記録映像も出てくるようになり、これは冒頭のイベントパートとおなじく360度動画のスタイルで、とくに面白くもない会話劇よりも、船の壁に貼られた写真とか、机のうえのヘルメットの鏡面反射とか、小物(ラベルを読むとチョコバーのようだ)とか、周囲の背景情報に気が向かう。
 だけど困ったことに、細かいところがボケて読めない
 ぼく(VRゴーグルの装着)の問題なのか、ゲーム側の加工なのかわからないけど、後者であればナカナカややこしいなと思った。
 プレイヤーの自由に360度見てよいのか、見ちゃよくないのか、どっちなんだ?

 360度カメラを回せるだけでなく、多少身動きがきくので、スタート位置では裏面が見えて、なにが表示されているかわからないパソコンのモニタを首をぐいと動かしてみてみたり(ふつうのモニタでした)、あるいは『クローバーフィールド』的に窓外に何か見てはいけないものが写されてはいやしないかと探してみたりしたけど、とくに面白いものは見つけられなかった。

 

 

  PS4Pro+PSVR無印『リグス』

 巨大メカ操作ゲーム。めっちゃ酔った。

「巨大メカのコクピットは、巨大メカが歩くだけで酔うのでは」

 というお話があるけれど、もしそこら辺をクリアした慣性制御空間コクピットがあったとしても、やっぱりそれはそれで酔うのだろうなぁと勉強になった。

 

 メカ物がお好きなかたであれば、一回くらいはプレイしてみてこの感覚をあじわっておくのは経験としてアリだと思うし、できたら素晴らしいことだと思います。

 ただしそれはゴールというよりも過程であって、つまりですね、赤の他人が興味本位にやってきてPSVRをプレイするも即ダウンしそのまま1日伏せても許してくれるくらいの友人知人をもったり関係を築いたり、そんな感じで丸一日つぶしても損をした気分にならないくらいのワーク・タイム・バランスであったりする人生、それって素晴らしいですよね……と、そういうお話なのです。

 

 

  PS4Pro+PSVR無印『エースコンバット7』VRシナリオ

 2018年、01月19日深夜25時(0120午前1時)に『エースコンバット7』をVRモードでプレイした。
 フライトシミュレータの匂いが濃くて、ゲームに必要な数値表示も、プレイヤーの視点に追従するゲーム内HUDによるデジタル記号と、そうではないゲーム内機体据付のアナログ計器とがあった。

 1ステージ目で頭がくらくらしてしまって、まだそれ以上やってない。

 酔いやすさで最強スレを立てるなら……
 『リグス』>>エースコンバット≧(10分間連続プレイの壁)≧『ファーポイント(序盤2時間以降)』>(30分間連続プレイの壁)>>『ファーポイント(序盤2時間まで)』>>>>(1時間以上連続プレイの壁)≧『イーグルフライト』

 ……という印象です。

 視点はVRゴーグルの傾き、移動はコントローラによる。
 進行方向は一定して画面奥に進み続けるので(たぶん。ヨーとか分からずに操縦していたから、それとか使ったら横滑りもあるのかな?)プレイヤーの視点とキャラの移動にねじれがないし、高低への移動も画面奥に進む動きになるから、その点だけ見れば長時間プレイ困難VRゲー『ファーポイント』よりさらに酔わない。
(『ファーポイント』は、FPSに必須なしゃがみ⇔立ちといった基本動作を反復するだけで気持ち悪くなった)
 ただしエースコンバットは背面飛行などができてしまうし、視点を360度グリグリ動かしていくから、そこは酔う。

 VRゲーのシステムとゲーム操作を絡めた部分の面白さは、そんなになさそう。
 ターゲッティングはざっくり自動で、べつにプレイヤーの視界の真ん中に収まってなければロックオンされないということもない。
(『リグス』のVRゴーグルの視点=照準といった思いきりはなされていない)

 

  PS4Pro+PSVR無印『星の欠片の物語 ひとかけら版』

 自転車創業の新作。これのためにPSVRを買ったといっても過言ではない。さまざま積み本の山や積みゲーの山をきずいている自分としては珍しく、年をまたぐことなくプレイ・クリアまで行った。

 面白かったが、不満も大いにある。
 ファンだから許せる部分もあれば、ファンだからこそ許せない部分もある。

 『ひとかけら版』がはじめて触れた自転車創業作品で、「なんだそりゃ」となったかたへは、ファンとしてあれこれ弁明したい気持ちがある。
「いや、製作コストがもっと軽かっただろう2Dノベル時代は、お手頃価格でボリュームたっぷりの作品を手掛けてたんですよ。
 『ロストカラーズ』『あの素晴らしい、 をもう一度』『そう、あたしたちはこんなにも理不尽な世界に生きているのだらよ』などがおすすめです」

 過去作をだいたいプレイしている自分としても、「なんだそりゃ」と言いたい気持ちがある。
 こういう向きのあるゲームを、自転車創業は過去に手掛けていないわけではない。
 『だらよ』もまた、続編製作へのほのめかしがあった作品で、じっさい『だらよ』はのちに続編となる『だらよ3』(『2』はありません)が製作・販売された。


 『だらよ』が『ひとかけら版』と違うのは、『だらよ』は続編がなくたって、一つの作品として充分なボリュームがあり、「これはこれで完結しているなあ」と思わせるだけのストーリーがあったということだ。

 『ひとかけら版』は物語が動き出した!……と思ったそばから終わってしまった
 

 謎解き自体は、自転車創業らしいクオリティに仕上がっている。
 VRゲームだからできること・できないことを割り出して、作品のルールに活かしている
 最初のほうでプレイヤーに首をふらせて、劇中のプレイヤーキャラクターとそれをプレイする自分とを同期させて、会話相手のヒロインと"たしかに対話している"感をかもすところからして良いですね……。(ぼくがVRゲーに疎いだけで定石かもしれないけど)

 システム自体はANOSを用いた一連の作品から後退したような印象も受けて、一度見たワープの演出を毎回スキップせずに見せられたりヒロインが行き来するのを何度も見ることになるので、作業感もある。あるんだけど、カットしないことによって同じ時空間をともに過ごしている感が大きくなるのも、たしかなのだった。
 往来するヒロインに付き合い続けたプレイヤーは、ヒロインが大なり小なり好きだし(耐えられない人はゲームを投げている)、"プレイヤーがある部分を見つめ→それに対してヒロインが反応する"という行ないを何度も何度も繰り返してきたからこそ、ゲームの最後でヒロインがプレイヤーから去って視界外に消えてしまう姿に、つよく心を動かされるのだろう。

 最後にたどりつく状況について、視点の高低など複数のパターンが考えられそうだからどうにかならないか試してみたけど、どうにもならなそうだと落胆をつよめた。