すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

ワイズマン『ボクシング・ジム』が配信きてる!!!

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 日記さえも貯めこんで(そもそも書くということ自体への気力体力が減退していたりするんですが、そうでなくても考えがまとまらなかったり、刺々しくなってしまって「載せるのもなんだかなぁ」と尻込みしたりする話題が多すぎる。正直つかれた)、にじロックとかにじ一期生ライブとか(配信終了)、委員長のライブノ美兎は箱の中』(こっちは配信中)とかを観て寝る毎日です。

 

『月ノさんのノート』で記された委員長の活動初期のロフトでおこなわれたオフラインイベントの、サブカル/アングラ/地下タレントの"なぁなぁ"でいい加減な舞台裏を――委員長の通学路に身バレ張り紙が延々張られた事件とか、のちの「果たし状」問題が解決できずに「卒業」することとなった鈴原るるさんなどを予感させもするアレを――堂々とタイトル/ライブの主題に選んで、一つの出し物として昇華してしまったのがすごい。

月ノ美兎の歩みはそのまま旧いちから社にじさんじが歩んできた歴史だったんだなぁ」という、この3年間の走馬灯のようなライブでした。

 チャンネルごと消滅したAbema『にじさんじのくじじゅうじ』時代の、いまとなっては突貫工事感がいなめないボーンの固い3Dモデル。COVID-19で無観客になって我々が現物を見る機会をほとんど失ったにじフェスの"ミトダヨー"着ぐるみ。もとはエイプリルフールの一発ネタで原初はアーカイブ削除済み、そこらのマスクに黒髪ウィッグをかぶっただけの珍装を「月ノ美兎」だと言い張るパワープレイで、結果彼女のチャンネルでいちばん再生数が多い謎ノ美兎……委員長の歴史を振り返ると、公私ともども不安定すぎる地平がそこにはある。そもそも……

高校2年生。性格はツンデレだが根は真面目な学級委員。
本人は頑張っているが少し空回り気味で、
よく発言した後で言いすぎたかもと落ち込んだりする。

   『月ノ美兎は箱の中』オフィシャルページ

 ……本人にかんする紹介文からしてむかしだれかが思い描いた夢の残骸だ。そんな「性格」、デビュー早々に有って無いようなものとなっていた。

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 この巨大なステージからは深い闇しか見えない

 誰かいるの?

 なんの声も届いてこない

   歌唱;月ノ美兎/作詞;いとうせいこう『NOWを』

 感染症対策でオーディエンスが歓声をあげられないなか歌ったことで独特の文脈・説得力が付与された『NOWを』なども素晴らしかった{素朴に聞くとバーチャルアイドルという虚業の光と影みたいな内容だけど、実際いとうせいこう氏は委員長のこの曲を、COVID-19下での活動というようなコンセプトも念頭にして作ったらしい。(そう委員長が振り返り配信でしゃべってた)}〕

 葛葉のイベントも招待状付きの特別版を買ったので、仕事から帰ったら絶対みるぞ。

 Youtubeでの配信では、先日のにじスプラ大会も付き合ったし、今年はほんとうに「しっかり練習があるチーム戦配信」の面白さにハマった一年だった……という感じになりそう。

 にじスプラ大会は、もちろん各チームのリーダーをつとめたりする一騎当千X帯の達人プレイヤーの無双を見るのも楽しかったですし、プレイし始めて1、2週間の初心者の成長を見るのも面白かったんですけど。(でろーん=樋口楓さんが初心者覚醒枠に入っちまったのはうれしい驚きでした。なんだかんだ『APEX』やり続けてアリーナマスターとはいえ、ゲームセンスはあんまり無いほうだと/短期間で即戦力になれるほどではないと思っていたので。

 現にじさんじイチのウデマエである絶対的プレイヤー不破っちがオールラウンドに立ち回る陰で、前線やホコが迫る自陣の山のまえで潜伏などをしてヒッセンで狩ったり最後の歯止めとなったりした「あぐら」チームのキルマシーンとして育ったでろーんは実にカッコよかったです。クイボも投げれるようになったし、なによりエリア死しなくなったのがえらい……)

 個人的に熱かったのが、ただうまい人・強い人が活躍するんじゃなくってですね。初心者や初心者じゃないけどゲームが得意じゃない人が、チームのなかで役割を見出されて、練習を積んで、大会本番ではその仕事をきっちりこなすチームに必要不可欠なスペシャリストになる過程を見ていけたのが胸にじーんときました。

{生存・塗りを重ねてマルチミサイルを吐く「富名声力」チームのフミ様や、高所や遠方へ陣取ってフロを放りつづけてリーダー格キルムーブ役の動きを封じ続ける「1LVK」チームのレヴィちゃんなどなど。

 熟練者揃いの『R6S』ストリーマー大会ロイヤルフラッシュはもちろん、『APEX』Vtuber最協決定戦/CRカップなどの戦力ポイント制の大型コラボにしても下限でさえふつうに上手いひと揃いなので、今回のフミ様レヴィちゃんなどの「好きだけど上手にはなかなか繋がってこない人」にも光が当たるところはにじスプラ大会ならではかもしれません。

(とはいえ、それでも土俵に立てない・尻込みする人は出ちゃいますが。そこについては緑仙くんが『にじさんじ甲子園』の裏で『にじさんじ草野球大会』をひらいたみたいに、そこを掬う企画を考えてくれてそうな気配があって、これまたすてきなことだと思いました)

 ソラの桜井政博さんが『スマブラにじさんじレバガチャダイパン杯をご覧になっていたというインタビューもありましたが(「どうもエニカラの葛葉です。今回破壊するファイターは社築、史上最弱のファイターです」を桜井さんも聞いたのか……)、あちらがエンジョイ勢の楽しさとしたら、こちらはガチとエンジョイの良いとこどりみたいな空気感}

 かなり上手いチーム分けだったんじゃないでしょうか。主催のエクス&加賀美さんはよくやってくれたなぁと感謝。

 そういう『ウリナリ』『ASAYAN』的にアツいチームもあれば、おじさんと猫チームのように――先日のCRカップにおける丁1(だるさか&樋口楓)チームみたいな――とにかくゲームを(気心知れたメンツで)ワイワイ楽しんでいる・しかもそれが結果にむすびついたりもする・負けたら負けたでそれも肴に面白く料理できちゃうチームもあって、それもまた良かった。

 おじさんチームの面々は企画主催だったりまとめ役(ツッコミ役)だったりになりがちで、デビュー当初かれらが出発したSeeds時代の――にじさんじ箱内でいちばんの後輩だった・なんかよくワカラン運営の意向で他のにじさんじメンバーと交流がほぼ持てなかった時代の――延々バカ話をしているサークルBOXの延長みたいなノリは控えめといいますか、あんまりこうハッチャけた姿が見られない感じがするんですけど(にじ海賊王大会はともかく、ポケユナ大会のチャイちゃんは、プレッシャーにちょっとつぶれてそうな印象があった)、今回はかれらがひとまとまりになったおかげでそういう引率ポジションから解放されたのびのびした姿がおがめて心安らぎました。

 大会というひとつのイベントに、にじさんじという箱らしさがぎゅっと詰まったような、そんなたのしい数週間でした。

 

 さて村瀬巴さんのASMRを聞いてたら、「アメリカの街並みをうつしたおすすめの映画を教えてください」という話題が。村瀬氏らは『天使のくれた時間』を挙げたお話しされていましたが、「そういやワイズマン監督『コメディエ・フランセーズ 演じられた愛』がAmazonで配信セル・レンタルきてたけど、itunesではどうかな」とググったら『ボクシング・ジム』が!

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 『ボクシング・ジム』は、ひとつのジムを取材したドキュメンタリーで。そこへかよう老若男女さまざまなひとが思い思いのエクササイズをしていく。皆リズミカルにパンチングやステップをして、まるでコンテンポラリーダンスの心地よさがありますが、でもどうしてそういうことをしているのか? 休憩時間の駄弁りなどからこの箱が立つ土地の匂いが猛烈にたちこめる……ジムという箱のなかに一種のアメリカが詰まっているみたいな映画です。劇場で観てたいへん面白かった。

 ちなみに『コメディエ~』はitunesには来てませんでした。数ヶ月経った気がするし、さすがにAmazonのみってことなんでしょうかね。とりあえずポチっておくべきかなぁ。