『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話観ました。
今回は地上波でリアタイ視聴できました。
劇中独自設定に対するセリフでの手堅い補足と、剛腕ふるわれる実景描写
「間合いが分かって」る(/ない)「本物」というパラフレーズ
本物{のMAV、間合いが分かってる(ニュータイプ)}とはこうだ、という第3回でしたね。
パラフレーズが丁寧。
マチュ「もうすぐ私のマヴが来る」14:02
ナヴ 「マヴ? 何のことだ?」
ハロ 「マチュノマヴ、ホンモノノマヴ!」14:06
スタジオカラー&サンライズ制作、鶴巻和哉監督『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」14:02~
アンキー「あの子は間合いが分かってるんだ……本物かもしれない」15:33
ナヴ 「本物? 何のですか?」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」15:33~
シャリア「このパイロット……何者ですか?」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」19:36~
エグザベ「もう間合いが……」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」21:17~
凡人2集団をつかって描かれる「本物」の凄さ
「本物」の立ち回りをつうじて、それを見る常人たちの"ふつう"がグラデーションをつけて点描されるのもまた良かったです。
カネバン有限公司(ポメラニアンズ)と、ジオン軍コンビ。ロボ操縦経験も立場も異なりそうなふたつの派閥が、主人公マチュらの闇ロボ格闘"クランバトル"を観戦し、各戦況について、それぞれがそれぞれの把握できる範囲内でコメントをつけていく……
……2集団をザッピングすることによる解説リレーが楽しかった。
今エピソードの解説的シーンは、まず、劇中人物がリアルタイムで話題にしている点で、小説で言う「地の文」的な謎のナレーターが劇中現実の外からあれこれするタイプのそれよりある種の違和感が少ないですし*1、解説役が一人だけ立つ場合よりも色々たのしくなって良いですね。
視聴覚的な変化・抑揚がついて楽しいというのがまず一点。
もう一点、先程とりあえず「解説リレー」と言ってみたものの実際のところ「解説」でもなければ「リレー」でもない、奥行きのあるところが嬉しい。
観客がそれぞれ思い思いのリアクションを取り、意見を述べ、そこには誤解も誤答も含まれる……というディベートになっているから、説明ゼリフの説明ゼリフ的単調さから離れたものになっています。
ナブ 「動き過ぎだ。あれじゃ丸見えだろ」
ジェジー「先に見つかっちゃダメなんだよ」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」17:12~
ケーン 「これ罠だよ」
ジェジー「マヴが待ち構えてるぞ」
ケーン 「挟まれちゃった」
ジェジー「逃げろ、バカ!」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」21:05~
ナブ 「ヒートホーク!?」
ジェジー「どっから飛んできた!?」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」21:27~
コロニー内で流行の闇ロボ格闘"クランバトル"で小遣いを稼ぐカネバン有限公司(ポメラニアンズ)は、マチュの立ち回りに見えるMAV戦術のマの字もしらない素人っぷりにやきもきしたり、逆に相手側の罠と認識外のヒートホークとを再利用したマチュのスーパープレイに、ただただ驚くことしかできず。
シャリア「ミノフスキー粒子下の戦闘は基本、有視界で発生します。それなら、先に見つけた側が圧倒的に有利になる。しかしそれは最初の一撃だけ。攻撃するには姿を晒さざるを得ません」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」17:48~
エグザベ「もう間合いが……」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」21:17~
エグザベ「まさか軌道を読んで……誘いこんだのか?」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」21:31~
いっぽう、バーで酒をたしなみつつ観戦するシャリア・ブル達ジオン軍の軍人ふたりは、同じものを見ていても受け取りかたがぜんぜん違う。
MAV戦術の定石をさらっと諳んじ「先に見つかっちゃダメな"理由"」等々も具体化してみせ、そしてさらには、マチュのそれとはぜんぜん異なるワチャワチャ素人ムーブに低評価をくださず、むしろ「ここまでのすべての攻撃を回避しています」(19:26)と、むしろ高評価します。
そんな彼らでも限界はあり、シャリアの呑み相手のエグザベ君は、マチュが挟撃されるポジションに来たさいポメラニアンズの面々と同様のリアクションをしてしまいます。とはいえヒートホークを見るや否や、マチュの意図へ遅ればせながら気づいて、最新機テストパイロットである矜持を見せてくれもするのですが。
凡人、才人の反応をつうじて、かれらでは凄さを理解するのが周回遅れになってしまったり、そもそも個人が意図的に引き起こした行動だなんて思い至れなかったりする、本物の逸材ぶりを浮き彫りにする……
……なんとも乙な表現ですなぁ。
そしてカネバン側は女ボス アンキー、ジオン軍側はシャリア・ブルという、無言で目を輝かせたり静観したりしている「凡人・才人とは一線を画した人」もそれぞれ配されていて、そこも素敵。
シャリア・ブルが滔々と語ったMAV戦術の概要が、「――と、突撃機動軍の教本にあります」(18:24~)って〆られるのも素敵。たとえただの説明ゼリフだったとしても、語られている概念が面白いから全然イケるのに、説明ゼリフを説明ゼリフだと自己言及したうえで語られることにより、
「この面白いコンセプトは常人向けの目くらましに過ぎず、極意はこのさらに向こう側にあるんです」
と更にオモシロを重ね掛けしていてすばらしい。
「本物」が際立つシチュエーションへ向かって、逆算的に活かされる設定
常人が関知してない代物とその挙動をたとえじぶんの視界外だろうとことごとく認識し、思いどおりの絵図を描ける……
……という、「間合いが分かってる本物」だけがもつ時空間把握能力。
{さてこのクランバトルにおいて、マチュが「ここまでの全ての攻撃を回避しています」(19:26)とシャリア・ブルらが言及し。
そのシャリア・ブルが編纂した第2話「白いガンダム」では、劇中独自特性ニュータイプについて、提唱者の博士が「亜光速で進む粒子ビームを回避する反応速度」(15:36)を代表的な特徴と話題にしていましたから、この「本物」の指すところは十中八九ニュータイプのことでしょう。丁寧なパラフレーズですな}
この「本物」のすさまじさが伝わるシチュエーションのためのお膳立てとして、マチュの素人性やポメラニアンズの貧乏ぶりが活用されていて清々しかったですね。
マチュは素人だから、元軍人のMAV戦術というワカラン殺しをされ、ポメラニアンズが用意できる唯一の得物を取りこぼして、あらぬ方向へ弾き飛ばして退場させてしまう。
そしてマチュはこれまたやっぱり素人だから、敵から放られた得物が閃光弾だと気づけず、目潰しをまともに喰らってしまう。
武器はないし、目も見えない。
でも。
「見えようと見えなかろうと関係ないのが"本物"なんだ」
ということを、実際にキャラの視力を奪うことで観客へ提示する語り口。
逆算的だけど、無理がない(閃光弾が出るまでのウマさ)
そこに至る経緯も無理がなくて好ましい。
たぶん、バトル相手が模範的コンビワークで放った銃火器による弾幕を、マチュにことごとく回避されたことにたいするメタ(ないし弾切れを起こした苦肉の策)として閃光弾が繰り出されたのでしょう。閃光弾以後、相手チームの攻撃手段は近接のみ*2になります。
マチュの乗るジークアクスの代わりにシュウジがボコボコにされるさいのトドメの一撃は、第1話で難民のためにザクに乗り立ち向かうも背中を軍警にキックされたマチュ(17:04)を思い起こす絵ヅラで、まとまりがよろしい。
マチュのスーパープレイも、取りこぼしたオノを再利用するという点において第1話の延長線上の行動だし(ジークアクスに乗り込んださい、拾い直したオノで戦闘)、注目の的であるデカブツを餌に本命を通すという点においてこれまたやっぱり第1話の延長線上だし(デバイスを投げて、それを餌にニャアンとの直接対話をはたす。ザクでの攻撃を餌に、ジークアクスへの乗り込みを通す)……こちらもまた無理がなく、まとまりがよろしい。
(脱線)殺陣を観直してわかる第1話の軍警のやさしさ(撃たずに、蹴り・銃床殴りで済ませる)
ということで第1話もまた見直したんですが(笑)
第3話コンビの殺陣が記憶に鮮明なうちに第1話の殺陣を観直して、主人公周りとはぜんぜん別人について「オッ!」となりました。
「第1話の軍警ザクは、横暴は横暴だけど一線を越えない、一定以上の倫理観の持ち主だ」
と。
難民街のDIYザクが赤い目をしていても、銃じゃなくて蹴りで済ませ、つづけて地下スペースで第2ラウンドを開始したときも、発砲せず銃床で殴ってる。
ジークアクスへ乗り換えられてから、ようやく発砲を再開します。(が、最初に数発撃っただけでけっきょく近接武器で一閃へと移るし、ジークアクスの起動・変形を待ってくれる謎の間もある)
セリフや表情と、やっていることとでちょっと別々のことをやっている、複線的な作劇だったのかしらん。
ジークアクス起床~変形までの謎の棒立ち傍観も、つづく軍警ザクのもう一体による乱射が、「貴様……よくも俺のマヴを!」(20:19)と憤怒状態によって引き起こされたもので、その乱射による跳弾がコロニーを傷つけエアロック解除の誤作動を引き起こしたりするところを見るに、コロニーへの副次被害とを天秤にかけた理性的判断による一時停止とも受け取れなくもないんじゃないかと思えてきました。
峰打ちなどもあるとおり、銃床殴りもなんてことない定番の表現な気がしますけど、zzz_zzzzが劇場先行公開版からこのかた全然気づいてなかったのは、
- やることが多くてザクザク進む作劇は、それを美味しく咀嚼するための充分な時間を観る側へ与えられない
ということなのか、はたまた、
- zzz_zzzzの映像オタ力(りょく)が低下しただけ
なのか……?
「自由って」
パラフレーズで言えば、この第3話で白黒の世界に囚われたマチュはシュウジによってキラキラの世界へと引き出され、「マチュ、もっと自由になっていい」(20:22)との言葉をもらったわけですけど。
第1話で「宇宙って自由ですか?」と問うたマチュに対して、カネバン有限公司(ポメラニアンズ)の女ボス アンキーが「ジオンが戦争に勝ったってスペースノイドは自由になれない。いつまで経っても苦しいままだ」という八方塞がりを示して終わったあの問答は、ジオンも連邦も関係ないニュータイプこそがキラキラで自由だよ……という、いったんの回答を得たかたちになりましたね。
***
本物の海を知らないマチュに対して、「もっと自由になっていい。海を泳ぐ魚みたいに」とシュウジは言うわけですが、
「本物の海を知ってそうなシュウジを介してみんなで行こうぜ」
という流れになるのか? それとも、
「(海じゃないけど)めっちゃ自由でキレイな"キラキラ"時空間に行こう・いようぜ」
という流れになるのか? はたまたそれらを天秤にかけるとか? ……う~ん、どうなるんだろうなぁ。
ここまでの全てのヘイトを回避している脚本
色々語った割には、まぁ、この辺は実はそこまで本題じゃないんスよ。
今回の再鑑賞で驚いたのは、キャラクター(特にマチュ)に対するヘイト管理の凄さ!
zzz_zzzzは劇場先行公開版を観てしばらく経ってから、
「数話ぶんの情報を一気に摂取したから深く考えず流してたけど、週1放送かつ途中CM休憩有であるTV版では、マチュの身勝手さなどが悪目立ちするんじゃないか?」
という危惧を抱いていたんですけど、杞憂でしたな。
(大前提)第1~3話のマチュの所業、だいぶヤカラだよね
第3話までで出てくる主人公マチュの所業を箇条書きしてみると、まぁ酷いじゃないですか。
- ふと訪れたカネバン有限公司(ポメラニアンズ)のザクを盗んだ挙句オシャカにする
- さらにコロニーに無断侵入して軍警ともやり合っていたジオン軍の秘密の最新メカを盗んで、軍警を叩きのめした挙句カネバンのアジトへ持ち込む
- 上の厄介な状況についてあたかも無関係の他者みたく「門限があるんで帰ります」と退室しようとする(第3話)
- ひとの会話に割って入って、全財産を川の藻屑に変える(第3話)
そしてこのどれもにたいして後ろめたいそぶりをみせません。
ヤカラじゃなくてカタギのやんちゃと線引きするカネバン有限公司
第3話のカネバン有限公司での場面は、③「門限あるんで帰ります」から始まるわけですけど、ここがまずウマい。
カネバンの面々はジークアクスのスペック調査・議論に夢中でありマチュが帰ろうとしていることに対しては無反応。現状についてのネガティブな声は発されこそすれ、マチュに向けられたものじゃないんですよね。
黒髪短髪の男ナブは、あくまで公司のリーダーである女アンキーの決断に対して苦言を呈するし。(「換金できないメカを持ち込むな」て旨)
「明日のクランバトルどうすんだよぉ!? 今さらキャンセルしたら違約金で人生詰むぞ!」4:08~
パイロットである眼鏡男ジェジーの嘆きも、特定のだれかを責めるものじゃないんですよね。
①②についてもアンキーは、マチュがザク(=一般的な操縦系統の機体)はあんまりだったけどジークアクス(=特殊な操縦系統の機体)は自由に動かせたというポジティブな一面だけを取り上げて、「あんたさ、クランバトルやらない?」(4:36~)と持ち掛ける。
つづく会話も巧みにマチュへのヘイトを躱していく……
アンキー「うちのザクは壊れたけど、代わりにこいつがある。(略)」
ケーン 「賞金も山分けだよ」
マチュ 「ちょっと待って」
ジェジー「あたりめ―だ! 門限 気にするようなガキには無理だ! クラバは命がけなんだよぉ!」
ナブ 「素人を巻き込むな、本当に死ぬぞ! もう帰れ! ここはお前みたいのが来ていい場所じゃない」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第3話「クランバトルのマチュ」4:51~
……アンキーはザクが壊れたことへこそ言及するけど、なぜ壊れたのかその経緯について一切ふれないし、ケーンもサクッと賞金山分けを提案する(ニャアンによって落とされ、軍警によってトドメが刺されたケータイについて、マチュがニャアンへ「ケータイ弁償しろ」と迫ったみたいなマネはしない)。
ジェジーはここでマチュや③についてネガティブなかたちで言及するけど、素人のマチュとクランバトルでタッグを組みそうなこと・マチュが生半可なガキである根拠として取り上げているだけで、ナブが声を荒げるのはやっぱりアンキーの決断に対してであり、巻き込まれそうなカタギの素人マチュを案じてのもの。
マチュによってかぶってしまった被害・面倒について、マチュを責める声をだれもあげない。(正義のヤクザか?)
クソガキを責めるより、自分自身の心配をするシュウジ&ニャアン
④にたいする周囲の反応もすごい。
シュウジとニャアンの取引へマチュが割って入ったことにより引き起こされたコラテラルダメージが、シュウジとニャアンそれぞれを苦境に立たせるわけなんですけど、ここでもマチュを責める言葉もなければ、恨めしそうな視線などを向けられることもまったくありません。
マチュ 「割りこまないで! こっちが先に話してんの!」
シュウジ「アッ」
マチュ 「アッ」
シュウジ「アァ……。お金、もう無い」
マチュ 「お金ないの?」
シュウジ「コンチ……どうしよ? 全財産なのに」
(「次ヘマしたらクビな」を回想するニャアン)
ニャアン「あれが全財産って、じゃあ取引はどうすんのよ!?」
(腹の鳴る音)
シュウジ「お腹減ったぁ……」
ニャアン「ウ……」
マチュ 「ならさ、クランバトルに出よう。私と一緒に」
シュウジは所持金がゼロになったことを気にはすれども、関心の焦点はマチュにお金をなくされたことじゃなく、取引品が得られなくなった結果できなくなるだろうことにも無く、きょうの晩御飯が食べられないことへ向けられているし。
ニャアンは、取引不成立に対して声を荒げこそするけれどその矛先はお金を他に持ってないシュウジへと向けられていて。運び屋をクビとなってしまうかもしれない不安に満たされこそするけれど、「じゃあどうして自分がクビになりそうなのか?」と元凶であるマチュを責めるようなことはしません。
そしてニャアンはシュウジに対してだって、腹の音を聞いたらそれ以上何も言えなくなってしまう。(自分もその辛さに覚えがありそうな「ウ……」。帰る家があって、遅い帰宅でもお風呂に入れて晩御飯にありつけているマチュとの対照性がよろしいですね)
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TV放送開始からつい先日まで「いや第3話までのマチュ、色々だいぶアレだったよな……」と思っていたのに、この気持ちを劇場での初見時とくにそこまで抱いていなかった不思議。
あの不思議は、けっきょくだれもマチュやマチュの所業について負の評価をくだす人がいないからこそ成立する、TV版スケールでも十二分に発揮されるものだったんですな。
むしろ週1放送だからこそ、その不思議の魅力へゆっくり向き合えることが出来ましたわ。
そのほかよしなしごと
また歌曲が、それも新曲が挿入されていて怖い。なんか最近のリッチな映像作品って、ミュージカルでもないのにミュージカルくらいの物量でオリジナルソングが搭載されているイメージがあります。『チェンソーマン』とか……あとは、いや、とくに他は知らないんですが……。
(ちなみに歌詞は、聞き取れそうで、今回もやっぱり聞き取れませんでした)
挿入歌じゃないBGMもまたかっちょええ。むしろこっちのほうが好きかも。(歌詞なに言ってんだろうとか気にしなくて済むのもあるし……)
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クランバトルでチェイス中に、土木船とニアミスする場面について(19:04~)。
マチュは(オメガサイコミュの自動操縦でたぶん)ギリギリ躱し、水色の敵ザクは脇を直進して難なく進行し、ピンク色の敵ザクは土木船バーニア側をコスっていて。
ここに……
- 意識外でもちゃんと気づけるから寸でのところで躱せるニュータイプ
- さきを見据えて当たらない進路を選択する優等生
- 優等生と同じくらい優秀だけど、まぁふつうに当たる凡人
……三者三様の姿を見るようで、楽しかった。
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ここまでの感じ今作は、zzz_zzzzの処理能力だと数回観れば良い感じに味が噛み分けられるようになるタイプの作品なんだろうな。
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「差し入れの私服姿もサマになってますねぇ」
などと青年に服を贈るシャリア・ブルに対し、
「身バレしたらおしまいだ」
などと少女に服を贈るアンキー。
第1話で、ミノフスキー粒子を散布しておきながら隠密作戦として指揮してそうな時代錯誤をエグザベに溜め息つかれたシャリアと、銃を密かに構える時代錯誤をナブに溜め息つかれたアンキーといい、だいぶ背骨の似ているふたりだ。
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序盤のジオン軍艦パートはだいぶ抑制が効いたカット割りになっていて、第2話の握手シーン的な面白さを感じました。
いざこざの当事者たちは映さない。黙々と操舵する人を映して終わる。いざこざに居合わせて気まずそうにしている様子もなく、かといって「やっとるやっとるw」的な野次馬感もなく、さらには「またか~」的平時でもなさそうな、不思議な温度が流れる。
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ここも含め「作画コストを節約しつつ味のある映像を提示する、実力者たちのコンテワーク」という気がしていたんですけど、全12話1クール作品なんだよな……。さすがに分割2クールくらいはやってくれるんじゃないか?
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AmazonPrimeVideoの広告は『リアップ』。水谷豊さんがささやく「ミノキシジルたっぷりの~」てセリフに、一瞬「ガンダム関連か?!」と勘違いする。