すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

日記;2022/02/22~02/28

 日記です。2万3千字くらい。

 『WARdle』について知ったり、寝不足とワクチン副反応で土日月がつぶれたりした週。

 ※言及したトピックについてネタバレした文章がつづきます。ご注意ください※

 

0222(火)

 ■書きもの■

  バカのblogが鬱々とする理由

 じぶんのblogを読みかえすと、書いたじぶんでさえ疲れてしまうことがあります。

 鬱々とした読み味だからそうなるのですが、そのとき書いた当人の心持ちとしては実は文章で言っているほどにはそこまで自分を卑下しているわけではなかったりする。

(いや、たびたびblogで話題にする、「書きものや物の見方・読み方の引き出しの少なさをどうにかせにゃならん」は、本当に思っていることですし。

 また、先日の日記などでも言ってる「自分が書いた文章を当人が読みかえしたら、文章や構成がめちゃくちゃで、なにを言いたいのか分からんかったから書きなおした」という話もまた、かなしいことながら大体ほんとうに「なにを言いたいのか分からん……」と首をかしげて、じっさい書きなおしているのですが。

 客観的な判断として「じぶんないしじぶんの考えることは程度が低いな」と思うけど、主観的にがっつり落胆の感情をいだいているわけではない、みたいな。伝わりますかねこの肌感覚?)

 

 じゃあなんでそんな暗い文章になってしまうかというと、「曲がりなりにもblogという他人さまの目に触れるところに置く文章なんだから、なんかオチをつけなきゃいけない」と引き出しの少ない人間がタイピングした結果難度のひくいオチであるところの(そんなこと言ってる自分はどうなんだ式)自虐オチが多用されるためなんですよ。

 

 さてこの構造に気づいたのは結構むかしなのですが、なぜいまも記事が改善されていないのか?

 理由第一位はもちろん「書き手がそれ以外の引き出しをふやせなかったから」なんですけど(てへへ)「……これはこれでなんか良い情報をblogに輸入できている/良い考えができてるバロメータになるんじゃね?」と前向きにとらえた結果でもありました。

 だって「それにひきかえ(任意の自虐オチ)」に向かえるということは、本文でそれだけ中身のあること・有益なことが書けているってことじゃないですか?

 じゃないとコントラストが際立ちませんからね。

 

 ……ということでそんな日記を数年つづけてきたわけですが、「いや、やっぱりよくないよ!」と思い始めてきました。

 というのもですね。以上のとおりblogで書いてきた自虐の大半は、オチとしてひねり出す前にはそんなこと具体的に思っていたわけではありません。ありませんが、ひねりだせたからには自分が心のどこかで問題だと感じていた(/感じるようになった)ものであるに違いなく、言語化したことで、じぶんの至らなさが明確になって、ちょっとずつ気分が落ちてきているんですね。

 馬鹿が何かオチをつけようとして、安易な自虐オチに走る⇆じぶんの馬鹿さ加減が言語化されて、気分が落ちる

 ……という悪循環におちいっているぞ! とようやく気づき始めてきました。

 

「そんな悪循環にとらわれてzzz_zzzzはだいじょうぶなのか?」

 心配してくださったかた、ありがとう! いまはぼく上の悪循環から脱出しつつあるんで。

 上の循環を何度も何度もこなした結果、「何かオチをつけよう」とした結果じゃなくて、素で自虐オチが出てきてますんで。

 

 

 ■社会のこと■

  『映画秘宝』休刊へ

 要約;

 ・大前提として、恫喝はいけない。個人情報の取り扱いには注意しなければならない。

 ・「恫喝」DMにかかれた悩み・愚痴のようなメンタリティは(「死にたい」など大仰なことを他人に言うかは別として)自分も持ちうるので気をつけねばならない。

 ・「同志のいないぼんくらの友達としてのジャンル誌・メディアの特権性はSNSの登場で揺らいだのでは?」という話になるほどとなる。

 ・「いや、専門家が未知を説く専門誌としての顔もあったよね?」という話にもなるほどとなる。

 

 本文;

www.huffingtonpost.jp

note.com

www.oricon.co.jp

 

 さまざまな分野での事物にかかわる男女比(男の率がとにかく高い!)が問題視される昨今で、映画にまつわる言論にかんしても議論の俎上にあげられていたものであります。

 そういった問題意識があるなかで、とあるラジオ番組の一コーナーについて……

アトロクの韓国映画特集聞いててなんとなく西森さんが出ると思い込んでいて(多分前回の何かに出演されていたのと間違えてた)ゲストが映画秘宝(雑誌)の人たちで男性ふたりで、私は映画秘宝全然読んでなくてあんまいいイメージなくてむしろあの雑誌まわりが全部苦手で、勝手に幻滅している...女性ゲストは?」

韓国映画についての面白い論説や批評、私が読んでるのは女性の方が多いので1人女性にするとか...って思うけど、アトロク(うたまるさん)とか映画秘宝とかは「俺たちのー!」とか「ポンコツ」とかそう言うノリがしんどーい
宇垣さんのマブリーインタビュー読みたいけど男性執筆人ばっかの本も買いたくねーな

(純粋な悪口です)

 ……という、一リスナーの言及があり。それにたいして……

突然、たいへん失礼いたします。

今、心の底から深く深く心が傷付き、胸が張り裂けそうなほど大きなショックを受けて、死にたいです。

私は、「俺たちの~」も「ポンコツ」も、いちども言ったこととがありません。

純粋な悪口ということでしたら、これは誹謗中傷でしょうか。

いま、胸が締め付けられるほど苦しくて、呼吸が乱れており、壊れそうなほど深く心が傷付き、あまりのショックの大きさから、何も手が付けられない状態にいます。死にたい。

   21年1月17日、『映画秘宝』編集長(当時)が一リスナー個人へおくったツイッターのDM

 ……といったツイッターのDMを「憤り」から送ったこと/そのリスナーの電話番号を聞いて直接連絡をかけたというプライバシー問題に端を発する騒動から。

 正社員の編集長や業界年長者で著名人の幹部による、副編集長以下フリーランスだけど実質的な編集業務をおこなっていた「編集部」ライターたちの意見を無視/出版社の正式なコンプライアンス過程も無視した姿勢が問題となって。

 前述「編集部」フリーランスのライターたちの離脱をまねき、少しの休刊をはさんだのち新体制で仕切りなおすも、残った人々の「公式見解」の発表と旧編集部への(実際とはことなる認識もある)糾弾がなされたことで、旧編集部のひとびとが合同で反論をだし……と煮えに煮えていた『映画秘宝』が、けっきょく休刊する運びとなったそうです。

 

 「憤り」という自己見解がのちに出ており、つまりムカついたからやった行為についてこういうことを言うのはトーンポリシングでアレですが、ぼくとしては、DMの内容は純度100%の「いやがらせ」というわけではなくて、正当性はどうあれ「なんでおれたちだけこう言われなきゃいけないんだ……」というルサンチマンは何割かあったんじゃないかなぁと思ったりして。

 そして、「そういう気持ちをいだいて変な方向に突っ走らない保証は?」と自問すると100%ないなんて言いきれないzzz-zzzzとしては、

対岸の火事ではなく、自分じしんの問題としてどうにかしないといけないな……」

 となりました。

 

   ▽「ジャンル雑誌は孤独に寄り添う同志・友達だったが、(SNSにより)本当の友達ができた今となっては……」たしかに。

 なるほどと思ったつぶやき。

 

   ▽「いや、自分らでは届かない未知の領域について専門家が説く専門誌としての顔もあったでしょ?」たしかに。

 なるほどと思ったつぶやきその②。

 

 

0223(水)

 祝日で宿直日。

 ■読みもの■

  okama『Bまで恋はAiまかせ…』1巻読書メモ

arc.akitashoten.co.jp

 それは何ですか;

 okama氏による恋愛SF漫画です。『ヤングチャンピオン』誌連載。

 読む人への注意;

 主人公であるティーンエイジャーの青年の性欲が明示された作品です。現実世界の女性にそういったことはしないけど、スマホアプリの美女AIに平然とパイタッチとか衣類ひっぺがしとかを試みたりもする。この読書メモもそれについて触れた感想を書きます

 序盤のあらすじ;

 上に張ったリンクで1話が読める。

 読んでみた感想;

 既存作をあげるたとえで言えば、『her/世界でひとつの彼女』の日本/学生版という印象です。『Do Race?』同様、中編連載なのかなぁ?

 

 okama氏のさっぱりした絵柄によるサービスショットが、じぶんの実感に近い性欲描写となっていて、ちょっと興味ぶかかったです。

 「見た黄色が大きければ大きいほど親鳥はエサをそこへ投げ込む」的な、「五感など入力器官に、ああいう刺激を受けたらああいう反応を返す」というかんじのシステマチックな感じといいますか。

 細部の描写も実に「らしい」もので良い。処理したティッシュゴミ箱へ直に入れるのではなく、ガムテでつつんで密閉して捨てたりする)

 

 ストーリーのほうは、スマホアプリのAI美女のアドバイスを受けながら、同アプリが算出した恋人候補第二い……一位の女の子と出会い、交流をふかめていくお話なのですが、読者としてどうノればいいのかちょっとスタンスをきめかねてしまいました。

 上のとおり、交流をふかめていくのは恋人候補第二位の子らしく、一位の子は別にいるらしいことが序盤も序盤で提示されているんですけど……う~ん。

 たとえばムサヲと嘘』では、主人公の男の子は「"遺伝子情報に基づき政府が算出した最良の伴侶"がなんぼのもんじゃい! おれはこの子が好きなんじゃい!」と、自分の主観を信じますが、『Aiまかせ』の主人公の青年は1巻時点でそういう意識を持ってないし。

 劇中に青年がいだく「名前を濁されたけどぼくと相性一位の子ってじつは、ぼくからアプリを借りた親友が一足先に付き合うことになったクラスのマドンナなのではないか?」という疑問は面白いんですが、だからといってこのマドンナとのドラマが濃厚なわけでもない

 

 ページがいちばん割かれているのはAI美女とのやり取りで、読者であるzzz_zzzzとしては「AI美女まわりでなにかあるのだろう(伏せられた一位はAI美女なのでは?)と予想をしたりするわけですが、すると第二位設定やその彼女との交流が、なんともいえない感触になる……。

「この子と主人公のやりとりなどを、ぼくは消化試合みたいな気分で読んでしまっているな……」と。

 おなじく(?)AIと人間の多角関係がえがかれる『her』の場合、新たな恋人候補の人間とのかかわりは、その後破局すると云っても(そしてそこまで気乗りもしてなさそうと云っても)べつに最初から「破局するだろうけど行っとくか……」みたいな入り口ではなかったわけですよ。そのシーンにおいては主人公の一番(なのだろう)と思えたわけです。

 『Aiまかせ』は、『ZETMAN』読書メモで言った、「はじまりの町と魔王城が地続きなのに迂回されてる気分」を微妙にあじわってしまうんですよ……。

 

 ひるがえって『Do Race?』の作劇はうまかったなと思うわけです。

 ニコニコ静画第一話で批判的にコメントされた「ドレースがどんなレースかわからない」みたいなお話って、まったくもって頷けない評価なんですよね。

 というのも、第一話時点でストーリー的に重要なのは、ドレースの具体的なルールではなくて、「主人公の女の子は、将来有望なレーサーだったけど、本人のやさしい性格や家庭の事情であきらめなきゃならなかった」ということなので。

 1巻後半からえがかれるレースでも、ワープカップをもちいたパートがないなどドレース本番とは異なるわけなんですけど、これもまた正しい。だってこのレースで大事なのは、「音速をこえる超過重力の世界をキュウが恐れず踏み出せるか/プロレーサーと肩をならべて戦えるか?」なのだから。

 ストーリーに必要な情報だけがフォーカスされていて、その場その時が主人公のいどんでいる最高最大の山場なのだと思いながら読める

 もちろんこちらはこちらで、ぼくの『Do Race?』読書メモや感想でも述べているとおり「"こういう作品か"と思って読んだら違った」というばあい波長をアジャストさせるのにエネルギーを使うので、どちらが良いとか悪いとかいうお話でもないんでしょうけど。

 

 

0224(木)

 宿直明け日。

 ■身のもの■

  睡眠の短さからくるだろう頭痛が

 睡眠不足によるものだろう頭痛が19時くらいからじわじわ始まる。そのままなんだかんだ22、3時くらいまでだらだら起きて、以降寝る。

 

 ■社会のこと■

  プーチンの唱えるお題目を記事タイトルにする是非

 いまに始まったことではなく、物議をかもす事件がおこり、それが報道されるたびに出てくるお話で、なんか風物詩の感さえありますが。

www3.nhk.or.jp

 NHKニュースの報道の題名をみてギョッとしてしまいました。ーチン大統領 軍事作戦実施表明 “ウクライナ東部住民保護” | NHKニュース』

 クライナ情勢を知る】というNHKニュースの枠組は、速報性や広い報道を重視した感じらしい。

 つづく記事は、クライナ撮影経験の日本人写真家「誰も暴力的な解決望まず」』やら京五輪・パラでウクライナのホストタウン“選手の安全祈る”』やら、日本在住でウクライナとかかわりのある人やウクライナ出身のかたへの取材記事が載っており、べつに「親ロシア/侵攻支持!」みたいなことはない

 ないのですが……。

 「両論併記」「情報の透明性」と言えば聞こえはいいけど。侵略者としか捉えられないだろう共同体の首長からはっせられた、正当性を欠いたずさんなプロバガンダとしか思えないものを、そのまま題名にして垂れ流すことは、けっきょくそれはその表明に与する報道なのではないか? /公共の電波を有する機関の権利を濫用していないか? という気がしてなりません。

 

 

0225(金)

 ■書きもの■

  『考えもの;『Wordle』派生作の題名から、何を当てるゲームか当てるゲーム』アップしました

zzz-zzzz.hatenablog.com

 先週くらいに考えはじめて22日くらいから記事をつくっていたのですが、あれこれあって当初の予定とはぜんぜん違う方向へ転がりました。

 25日にアップして、26日にちょっと書き足しました。

 

 作問の意図みたいなやつもあちらの記事内に書きましたが、こちらではもちっとくわしく感想戦をしましょうか。

 まず並べかたは考えず、面白い『Wordle』ライクゲームをとにかく記事用にクイズ化して。

 そこから最初の4問〆で(AKB48などの)48グループ名前当て派生作を出し(※1)、最後の4問〆でアイマスユニット当て派生作を出す(※2)と決め、それに合わせて問題をまとめていく感じになりました。

(※1=48ではないけど切って離せない関係の、乃木坂46がこの日のトレンドでもあったから)

(※2=最難関だろうご当地Wordleライクゲームなので、話題にしたい)

 どういう風にまとめたかというと……

 最初の4問=基礎問的なもの。タイトルのもじり元をそのまま字として入力・当てるような作品たち。

{『Wordle』のもじり特化語彙版 ⇒もじりが答えになる版(5文字とはかぎらない) ⇒もじりが答えになる版(入力が英語以外) ⇒もじりが答えになる版(入力が英語以外)。

 素数⇒48グループは数字つながりでぜんぜん違う作品同士がならんだら面白かろうと思った}

 真ん中の4問=入力マスが面白いもの。

 最後の4問=既存のゲームを題材にしたゲーム。入力マスも図柄があったり、独特。

 ……というイメージです。

 アイマスユニット当て派生作が出てくるように最後の4問は既存ゲームを題材にしたゲームとし、Mahjong Handle』のような絵合わせタイプも出す……と。最後の4問が一番うまくまとめられた気持ちがあります。

 

***

 

 あさってみて興味ぶかかったのが、おなじ『ポケットモンスター』のモンスター名を題材にしたSquirdle』(=ゼニガメの英語名「Squirtle」のもじり)ケモンWordle』『ケドルに顕著なように、英語圏の『Wordle』と比較すると、日本語圏のそれは『Wordle』という語を活かしたダジャレタイトルがすくない。

{例として『百人一首WORDLE』とか『ことのはたんご』とか。

 『Kotobade Asobou』とかはウォードル/ワードル(uo-ou/a-ou)の語感をあそぼう(aoou)でならおうとした結果なんでしょうね

 『Wordle』の各国の普及度のちがいをちょっと思わされたり。

 

***

 

 おまけの4問は、『Wordle』が知識を共有するコミュニティ内でクスクスしたりとか、文化理解の学習ツールとかいろんなかたちで活用しようとしたりとか、『Wordle』という遊びを通じてさらなる遊び(学び)をしようという心意気が面白いなぁ~と眺めていったらWARdle』に出くわしたときの、なんとも言えない感じを追体験してもらえたらなぁと思って載せた4問です。

 戦争にまつわる現代のゲームとしてぼくにとって印象的だったのは、エドガル・ケレット氏がの素晴らしき七年』で記した空襲中にお子さんと行なったゲームで、そのような悲しさを感じました。

 ひとによっては日本の『軍国かるた』とかアメリカの政府謹製FPS『America’s Army』などのようなにおいを感じるかたもいるかもしれません。

 現地の文化はもちろん、言語だってあいさつさえ何と言うのかすら分からないぼくが無批判も無批判に紹介してよいものではない団体・行動だったりするのかもしれませんが、まぁそこらへんは親切なかたがなにか批判なりなんなり付け加えてくれることでしょう。

 

 

 ■ゲーム■

  きょうの『WARdle』

正解! きょうのことばは「メディア」でした。

 Right! The word was: MEDIA

 非民間のたしかな情報源(ラジオ、TV局、ウェブサイト)からの情報だけを信じるようにしましょう。たとえばwww.dsns.gov.uaや、www.npu.uawww.mil.gov.uawww.moz.gov.uなどです。

 Trust information only from reliable non-private sources (radio, TV channel, web-sites), such as www.dsns.gov.ua, www.npu.ua, www.mil.gov.ua, www.moz.gov.u

 

より多くのことばを推測すれば――それだけより多くの準備ができるのです。
 The more words you guess – the more ready you are.

 よくわからんのにこれを紹介したzzz_zzzzとは真逆の冷静なメッセージ。信頼できるコミュニティだと思いました。

 

 

0226(土)

 ■身のもの■

  さいきん土曜を寝て過ごしがち

 眠くて日中寝てました。さいきん休日の一日目を寝て過ごしがちだ。

 

 ■ゲーム■

  きょうの『WARdle』

正解! きょうのことばは「サイレン」でした。

 Right! The word was: SIREN

 「みなさんご注目」という緊急信号を聞いたさいは即座に政府のメディアへ切り替えて、次の指示を聞きましょう。あわてることなく次の段階にしたがいましょう。

 When you hear the emergency signal "Attention everyone" you need to turn on governmental media immediately and listen for further instructions. Follow the steps without panicking.

より多くのことばを推測すれば――それだけより多くの準備ができるのです。
 The more words you guess – the more ready you are.

 

 

0227(日)

 ■ゲーム■

  きょうの『WARdle』

正解! きょうのことばは「子ども」でした。

 Right! The word was: CHILD

あなたのお子さんと、軍事行動や緊急事態の可能性について前もって話し合っておきましょう。正しいやりかたはリンク先のパンフレットで学びましょう。

 Talk to your child in advance about military actions and possible emergency situations. Learn how to do it right in the brochure https://bit.ly/миготові-продітей

より多くのことばを推測すれば――それだけより多くの準備ができるのです。
 The more words you guess – the more ready you are.

 興味ぶかいなぁと思ったのが――文章の内容はテキスト化されてないpdfだったので機械翻訳にかけることもできなかったんですけど――パンフレットの表紙が、少年少女がウクライナ国旗カラーのスーパーマン型ヒーローコスチュームになって笑顔をうかべている図柄だったこと。

 

 ■身のもの■

  COVID-19の三度目のワクチン接種を受けました

 1・2回とは別種のワクチンをきょうの3度目は受けました。

 接種する場所も今回はかわりました。

 見慣れた体育館が「接種会場」として装いを整えられているとインパクトがつよいですね。順番を知らせるモニタと、そのすぐ脇に置かれたモニタの段ボールが印象的。

 

 

 ■観た配信■

  vtuberにじばろカスタム大会をリアタイ視聴しました

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

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 エニーカラー社の運営するバーチャルYoutuber団体にじさんじの面々が5v5FPS『Valorant』で大会を開いていたのでリアタイ視聴しました。

 全5チーム計30人のプレイヤーが、BO3(二本先取)のトーナメント戦を競います。

 ゲームのもようについては、戦闘に参加したプレイヤーの視点として配信枠をとった配信者の個人チャンネルで個々人の配信が、そして両チームの動きを鳥瞰できる「神視点」実況解説として、奈羅花&不破湊さんの配信(開会・1戦目)と、ローレン・イロアス氏の配信(2戦目~決勝戦・閉会まで)がそれぞれありました。

 ローレンくんや奈羅花さん、そして出場者のひとりイブラヒム氏は(きょうオンラインライブだった叶くん葛葉くんともども)先日日記にも観た感想を書いたプロゲーミングチームCrazy Racoon主催の元プロ・ストリーマー参加大会CR CUP』「Valorant」第二回大会に出場した実力者で。

 また、奈羅花さんや西園チグサ氏、ゲーマーvtuber箱【ぶいすぽっ!】主催のVALORANT GIRLS PARTY』におなじチームで参加されていました。

valorantnews.jp

 今回は27日だけの1DAY大会ですが、前段としてチームがルーレットで決まった一週間ほど前から練習配信・練習試合配信が何度かおこなわれていました。

 参加ライバーといっしょに戦ったことで成長度合いをじかに見てきた奈羅花さんによる授業参観目線の実況もおもしろかったですし、ローレンくんの箱内で『Valorant』配信をほぼやってないがゆえの、フラットかつどの選手についても美点を見つけるアゲアゲの実況も大変よかったですね~。

 

 練習も本大会もいちばんは西園チグちゃん視点で観たのですが、『VGP』で奈羅花さんやら色々な人からアドバイスをもらっていた彼女が、リーダーの本ひまちゃんを支えるサブリーダーとしてみんなを引っ張ったり背中を押したりしていたところに、「うんうん……」となりました。

先日のCRカップでの叶くんの「リロード!」といい、色々見ている声かけにヨワい)

(ゲーム外でも本当にいろいろ気を回してくれてるらしくて、えらいな……となる。

 青春スポーツ物における縁の下の力持ちアクションは、はちみつレモンとか冷凍ポカリとかの記憶がありますが、現代のEスポーツにおけるあれこれはディスコ調整とかサムネイラスト準備とかになったりするのかな……とか思ったりもする)

 そういう意味で、魔界ノりりむ氏の操作するネオンが本番で大活躍したラウンドが拝めたのは、ここまでのヨチヨチをみていたからこそ、いっそう熱くなり申した。

 

 5v5の爆破設置or解除シューティングゲームのだいたいがそんな具合なように、役割が一キャラ一キャラかなり違ってそれぞれの仕事をこなす、将棋とかのようなゲーム性なので、チームで練習をかさねて連携や作戦を練るみたいな部分はけっこう重要になってくるわけですが。

 事前練習を何度も重ねていくスクリム&本大会ひとセットの対戦ゲーム配信を、去年から何大会か見てきて分かってきた部分として、この形式は練習配信の時点でそれぞれのチームの実力ややりたいことが見えてきてしまうんですよね。

 それで「本番がここまで見てきたものの確認作業になってしまう、みたいな部分がちょっと出てくるよな……」というのが困りどころでした。

 今回でもその印象はかわらなかったんですが、他対戦チームと練習試合をしなかった(けれど個々で『VALO』プレイヤーとしての経験があるのはわかっている)ハッピーツリーフレンジーチームという存在がおり、そしてかれらがプレイヤー的にも戦術的にもダークホースとして活躍してくれたので、本番もより一層たのしく拝めました。

www.youtube.com

 CRカップなどでは、銃弾が貫通する脆い壁にたいしてフルオート機関銃オーディンなどをとりあえず延々撃っておく(現場・夜間)工事」などと仇名される弾幕張りのスゴさってあんまりよく分からない部分があったりするんですけど、初級・中級者がかなり多い今大会では、「なるほどこういう感じになるのか……」とおそろしかったです。

 

 

0228(月)

 ■身のもの■

  予防接種の副反応がそれなりに出る

きのうはとくに何ともなかった)

 

 あさ起きたら(というか勝手に目が覚めた。)体がだるい。インフルエンザなどにかかったときのように、下腹から陣痛と熱を感じ、脱力感がある。熱はない。36℃前半。

 トイレに行くのもだるいけど、なんかあったらこわいので行く。ポカリスエットを飲み二度寝する。エアコンの風でのどを痛めたのかなと思い、切る。

 1時間後(ふだんの起床時間)、だるさ取れず。さっきより微妙にひどい。べつに働けないことはないがパフォーマンスは落ちるだろうし、差し迫った用事がないなら寝ていいだろうというぐらいのだるさ。差し迫った用事がないので寝る。

 エアコンを切ったら寒くなったので入れ直す{。寒気がする(? という感覚なんだろうか?

 熱があるとかのどが痛いとかは自分でもわかるし言えるが、うえでも使った「だるい」とか「脱力感」とかをぼくは正直ふんいきで使っている

 「寒気がする」と言い表される状態がどういうものなのか、いまだによくわかっていない)}

 熱はない。

 昼。起きたら13時。弁当をたべる。ダルいがダルすぎるということはない。体が熱いかんじがするけれど、熱はない。

 夜。起きたら18時。ご飯をたべる。動くと頭がふらふらする感じがあるけれど、寝すぎたからなのか副反応なのかよくわからない。ダルいがダルすぎるということはない。熱はない。

 ご飯を食べたあとしばらくネットサーフィンをする。体が熱い感じがするけれど、熱はないんだろうなと思ったらマジで微熱があった。37.4℃。熱さましを飲んで寝る。

 

翌朝。元気になった)

 

 ■ゲーム■

  きょうの『WARdle』

正解! きょうのことばは「ワンちゃん」でした。

 Right! The word was: DOGGY

ペットを大事にしましょう。動物用パスポートと五日分のドライフードを安全バッグにいれましょう。愛猫ないし愛犬が必要な予防接種をすべて受けているかどうかを確認してください。

 Take care of your pet. Have your veterinary passport and 5 days’ worth of dry food in your safe bag. Make sure that your cat or dog has all the necessary vaccinations.

より多くのことばを推測すれば――それだけより多くの準備ができるのです。
 The more words you guess – the more ready you are.

 

 

 ■映画や社会のこと?■

  ミルク・カートンの子供たち

(ぜんぶを2/28に書いたわけじゃないし、ここからさらに書き足すかもしれません。いろいろググっているあいだは面白かったけど、読んだり記事として書いたりした側のひいき目で、「いやこれ雑な俗流社会批評なトピックなんじゃないか?」という気もする

 要約;

 ・「バートン版『バットマン』('89)劇中ゴッサムシティとライトマン監督『ゴーストバスターズ』('84)NYの町の雰囲気って似てね?」というつぶやきを見かけました。

 ・その印象はけっこう正しそう。

{相互に参照関係があるとかではなく、両作とも80年代はじめのNY(的都市)をイメージソース/舞台にした同時代の作品であるという、時代精神とかシンクロニシティ的な話。

 『バットマンはNYとゆかりある作家の作品であり(原作でも連載当初の舞台はニューヨークだった。また、架空の都市ゴッサム・シティのゴッサムはNYの古くからの異名でもある)、バートン監督の映画版の都市景観も美術監督(プロダクション・デザイナー)アントン・ファースト氏が1968年に旅行奨学金を得てマンハッタンへ7ヶ月滞在した(貧富や美醜が混在したダダイズム的都市としてのNYという)経験を反映させている。バートン監督は『バットマン』映像特典「ゴッサム・シティを作る:バットマンの美術」で「'80年代初期のように荒廃し続けてたら――どうなったか想像」して劇中舞台をつくったと語っている。

 ゴーストバスターズは、もとの構想では次元をまたぐような壮大なスペオペ的・かつ、「塞ぎこんだ有名人の魂などを収容したゴースト仮設アサイラム」が「ニュージャージー北部のどこかのガソリンスタンド」にあったりするような暗い作品を、NYを舞台に集約しコミカルテイストに仕上げた作品。そうなったのは予算的な都合と、「自分にとってのNY映画を撮りたい」という監督の意向があった。(80年代の財政難で当時荒れていたNYを舞台にするのは、ちょっとした決断だったらしい)}

03/05追記;相互に参照関係があるわけではないと思うけど、バットマン・リターンズ』も『ゴーストバスターズ2』も美術監督(プロダクション・デザイン)はボー・ウェルチ(バートン監督『ビートル・ジュース』プロダクションデザイン)でしたね。両製作チームの美意識が近いところにあったのかも}

 ・ググっていく過程で『Horror Studies』という文化ジャーナルの寄稿募集記事を見かけました。

 「80年代ホラーを見直そう!」特集についてのお知らせで、あれこれ挙げられた時事を見ていくと、バートン版バットマンや『GB』(あるいは『IT』は『ロボコップ』など)にも、おなじ時代精神を見出してしまいたくなる。

 

   ▽バートン版『バットマン』('89)美術監督ファーストの滞在したNY

 ートン監督版『バットマン(1989)がゴシックゴシックした(ゲーム機をぜんぶファミコンと言うくらいざっくりした表現。実際のところは本文の下やリンク先記事を読んでもらうとありがたし。べつに「ゴシック」じゃなくたってダークファンタジーでも、「徹底的に「いま、ここ」ではない空間を演出した」「おとぎ話」@伊藤計劃でも、なんでもいい。)作品であるということは有名な話で、さらには、

「なんかそもそも、原作からしボブ・ケイン&ビル・フィンガーという――両者のキャリアの光と影からしてウェイン/バットマンじみた――原作者コンビが『バットマン』について話し合ったのがNYブロンクスにある(エドガー・アラン・)ポー・パークだった……という話があるらしいじゃん?」

「ジョーカーもユーゴーの『笑う男』{をユニバーサルで(ドイツ表現主義の)パウル・レニ監督が映画化した『笑ふ男』のコンラート・ファイト氏}を参照したらしいじゃん?」

 という声もまた、なんか一度はどこかで聞いたことがありますよね。〔たとえばYahoo知恵袋とかで。{ぼくはいちおう『バットマン』ファンの端くれのつもりでいるんですが、ポー・パークのお話はこうして「なんか~あの~バットマンとポー? 大鴉? が関係あるんだったかないんだったかなんだよな???」とググってYahoo知恵袋に行き当たるまでふつうに知らなくって(聞いたとしても覚えてなくって)「そうだったんすか!?」となった}〕

www.nytimes.com

「ガウディのどんな時代にも位置づけられないところに私は魅了されているんです」{バートン監督『バットマン美術監督(プロダクション・デザイナー)}アントン・ファースト氏は述べます。

「20世紀のいまを生きた人物であるにもかかわらず、ガウディは現代建築家でもなければ、古典建築家でもありません。並はずれた一回性の異様(アノマリーなのです――古きものと新しきものとのはざまの、アール・ヌーヴォーとゴシックとのさかいの。;そしてわたしは聖堂(ゴッサム・カセドラル)にいくらかゴシック要素をもとめました。なんと言いますか、閉ざされ廃るにまかせるだけの時代物なんです、つまり、この都市を神が見放したのははるか昔で、もうこの教会に訪れる者はだれもいなくなってしまったのだと。

   ''What fascinates me about Gaudi is that I can never position him in time,'' Mr. Furst says. ''He's not a modern architect, even though he lived this century, and he's not a classical architect. He's an extraordinary one-off anomaly between the old and the new, between Art Nouveau and Gothic; and I wanted a slightly Gothic feel to the cathedral. I mean, it's a period piece, closed and allowed to rot because God left the city long ago and no one goes to church anymore.

   NewYorkTimes、1989年6月18日の記事、Benedict Nightingale『Batman Prowls a Gotham Drawn From the Absurd』{邦訳は引用者による(英検3級)}

 バートン監督版『バットマン』についてゴシック味(や怪奇映画・ノワールの昏さ)があるのは――ポー『大鴉』が引用されたり、ファシズム建築やドイツ表現主義的な強い明暗があったりなどもそうですし、第一作の美術を手がけたアントン・ファースト氏{『フルメタル・ジャケット』('87)『レナードの朝』('90)など。}による映画のクライマックスとなるゴッサム・カセドラル(大聖堂にゴシック要素を出したかった……というところから、30年代NY摩天楼へサグラダファミリアを、そして日本の城を足し、てっぺんにヒッチコック『サイコ』の家みたいなヴィクトリア朝の魔女の帽子をかぶせ、アントニオ・サンテリア未来派建築を柱として伸ばしたりなどしたごった煮)は、映画オリジナルの舞台で、のちにコミックヘ逆輸入されることとなったそうな。劇中に登場する(NYグッゲンハイム美術館のもじりであろうがまったく異なる外観である*1フルーゲルハイム美術館も、いつか映画に高松伸氏の建築を参照したいと考えていたファースト氏のアイデアらしい――原作なり映画版スタッフなりのクリエイターの創意あるにちがいありません。

 ちがいありませんが、映画のゴッサムシティは……

 じっさいファースト氏はマンハッタンに7ヶ月間滞在し(※引用者注;1968年のこと)、東78番通りとブルックリン橋ちかくのロフトの間を往復する日々のなかで鮮烈かつ突然あらわれるコントラストに驚嘆しました:

  Indeed, he settled in Manhattan for seven months, dividing his time between East 78th Street and a loft near the Brooklyn Bridge and marveling at the sharp and often sudden contrasts around him:

「とても素敵なところを2ブロックも歩くと、ぜったい行きたくないようなスラムの酒場があらわれたり。あるいは最もスマートな通りに立てば、ハドソン川の向こう岸で汚物をはきだす発電所をおがめたり。もしくはパーク・アベニューを見下ろせば、あのすばらしい古典的名建築グランド・セントラル駅の先端にパン・アメリカ・ビルディングがどっしり腰をおろしていたりします」

  "The way you can walk from some very beautiful place two blocks, and there's a slum bar you wouldn't want to go into, or you can stand on the smartest street and watch power stations belching out filth the other side of the Hudson or look down Park Avenue and see the Pan Am Building plonked on top of that wonderful Classical building, Grand Central Station.''

 これらの言及は、まさに『バットマン』でかれが利用した並置そのままですが、しかしファースト氏はそれを一つのブロックへ、一つの通りへ、一軒の建築へと集約しました:「工業部品や、オフィス空間、住居(アパートメンツ)……すべての異なる様式を内包したおなじ建築物を想像してみてください。ルイス・サリヴァンのあの一時代を作った赤レンガと巨大な桁が、なんでもかんでも覆い尽くしたみたいに」

  Those are precisely the juxtapositions he has exploited in ''Batman,'' but concentrating them within a block, a row, even a single edifice: ''Imagine the same building made of industrial components, office space, apartments, all in different styles, so that you might get Louis Sullivan turn-of-the-century brownstones and massive girders romping down rudely all around them to support something above,'' Mr. Furst says.

   NewYorkTimes、1989年6月18日の記事、Benedict Nightingale『Batman Prowls a Gotham Drawn From the Absurd』{邦訳は引用者による(英検3級)。後半だいぶ怪しい……}

 ……と、(1968年に)奨学金をもちいて留学したNYについてアントン・ファースト氏が述べ、それを当時のニューヨークタイムズ紙が掲載した程度には、ニューヨークらしいニューヨークだったらしい。

 そもそも原作連載当初の『バットマン』の舞台はNYで、そこから改めたゴッサム自体も古くからNYの異名として知られる名称だから、映画の舞台もその味を取る、というのは自然ななりゆきですが、英国パインウッド・スタジオで撮った{ロケ撮は、主人公のウェイン邸は英国ネブワース・ハウスハットフィールド・ハウス(バートン監督は『チャリチョコ』でもここを使ったらしい)で、あとはおなじく英国の旧リトル・バーフォード発電所とか旧アクトンレーン発電所とか(後者は『エイリアン』のロケ地でもあるらしい)}作品がしっかりNYらしく映っているのはエラいことですね。*2

ティム・バートン

「"年代"だとか設定したくなかった 1989年でもダメだった この作品独自の世界を作りたかった もう1つのニューヨークをイメージした街を作った '80年代初期のように荒廃し続けてたら――どうなったか想像してね」

   2005年、「ゴッサム・シティを作る:バットマンの美術(BEYOND BATMAN  VISUALIZING GOTHAM : THE PRODUCTION DESIGN OF BATMAN)」1:57~ティム・バートン監督『バットマン』映像特典より)(太字強調は引用者による)

 

   ▽『ゴーストバスターズ』('84)のSNLクリエイターらが見た(? 提示したい?)NY

 さて、「バートン版『バットマン』とゴーストバスターズ1984のNYの雰囲気って似てね?」というつぶやきを見ました。

 こちらはNYにゆかりのふかい『サタデーナイトライブ』オリジナルメンバーであるダン・エイクロイド脚本によるNYロケの映画。

www.nycgo.com

 ニューヨーク市のオフィシャルガイドサイトでも特集が組まれています。

 

www.vanityfair.com

 登場人物とプロットはうまく進捗していきましたが、しかしそれでも犠牲になったものもあります:製作チームは初稿執筆マラソンとのちの編集作業との両方の過程で素材に大鉈をふるって刈り込んでいきました。たとえばエイクロイドの最初の台本では、ニュージャージー北部のどこか(引用者注;ニュージャージー北東=ニューヨークかは不明。)で放棄されたSUNOCOガソリンスタンドのなかに、不正に操業されたゴースト保管施設がありました――囚われのゴーストが紛れもない煉獄の責め苦にあうための施設です。脚本家たちは代わりにゴーストバスターズの消防署本部にある署内保管庫をえらびました。撮影用台本では「最も不浄な仮設のアサイラム(収容所、精神病者閉鎖病棟)」の内部が描かれていました;収容者のなかには亡くなった著名人のふさぎこんだ魂もいます。こちらもまたことごとくカットされました。

  The characters and plot were well underway, but sacrifices also had to be made: the team cut vast swaths of material, both during this initial writing marathon—and again later during the editing. For example, Aykroyd’s first script had called for an illicitly operated spectral storage facility in a deserted Sunoco gas station somewhere in northern New Jersey—an undeniably punishing purgatory for captured ghosts. The writers instead opted for an in-house storage facility in the Ghostbusters’s firehouse headquarters.The shooting script called for a shot depicting the inside of “a most unholy makeshift asylum”; its tenants included the moping spirits of famous dead people. It too was ultimately cut.

   Vanity fair、2014年6月4日、LESLEY M. M. BLUME『Surviving "The Murricane" and a Marshmallow Man On Fire: The Making of Ghostbusters』{邦訳は引用者による(英検3級)}

 Vanity fairのLESLEY M. M. BLUME『Surviving "The Murricane" and a Marshmallow Man On Fire: The Making of Ghostbusters』によれば、エイクロイド氏の初期構想はNYと無関係のもっと暗く壮大なスペースオペラ的作品だったのを、(製作費の問題などから)アイヴァン・ライトマン監督が「いまここの世界を舞台にしたほうがいい」とアドバイスしたり(この辺はビデオの映像特典でも聞ける。)などしてこの形になったらしい。

 エイクロイドはライトマンの提案に同意しました。

「世界でもっとも偉大な都市、建築学的な傑作(マスターピース、」と今日もかれは言います。「人々の営みの中心となるエナジーですよ」

 製作チームは、街のゴシック建築に喜びつつも、しかし、ガーゴイルのような脅迫的な彫像を付加効果としてロケーションセットに装飾しました。

  Aykroyd agreed with Reitman’s suggestion. “It’s the greatest city in the world, an architectural masterpiece,” he says today. “Energy central for human behavior.” The team delighted in the city’s gothic architecture, but embellished its on-location sets with gargoyles and menacing statues for added effect.

   Vanity fair、2014年6月4日、LESLEY M. M. BLUME『Surviving "The Murricane" and a Marshmallow Man On Fire: The Making of Ghostbusters』{邦訳は引用者による(英検3級)}

ハロルド・ライミスダン・エイクロイドと共同脚本)

「屋根の…」

ジョー・メジャック(製作補)

ガーゴイルは本物ではない 他のゴシック建築もほとんど合成だ」

   アイヴァン・ライトマン監督『ゴーストバスターズ』0:16:50~、映像特典スタッフオーディオコメンタリより

 ロケ撮はけっこうなゲリラ撮影さえ敢行した……とだけ聞くと「低予算なのかな?」と思ってしまいますが、特撮はもちろんセットなどもリッチな仕上がりで、美術監督(プロダクション・デザイナー)をつとめたのは『王様と私』『ハロー・ドーリー!』『クレオパトラ』で三度アカデミー賞美術賞受賞のジョン・デ・キュア氏。

 どうしてそんな提案をして、どうしてそんな装飾を? クリエイターの趣味? いや、違うらしい。

ハロルド・ライミスダン・エイクロイドと共同脚本)

「屋根のことをすこし話そう 騒動が起きる場所として どこがいいかいろいろ検討した 僕は前に見た 寺院の屋根が印象に残ってて 誰かがNYの屋根についての本を見つけてきた 建物の上の寺院やら奇妙なゴシック建築やら デザイン的にも面白かった」

   アイヴァン・ライトマン監督『ゴーストバスターズ』0:24:06~、映像特典スタッフオーディオコメンタリより

 1983年10月、製作チームはニューヨークで撮影を始めました。アートのデリカテッセンでひらかれたエイクロイドとのミーティングでライトマンは、街それ自体が正しくひとつの宇宙であると名高いニューヨークを活劇の舞台にすることを提案しました。

  By October 1983, the team began shooting in New York City. During the Art’s Delicatessen meeting with Aykroyd, Reitman had proposed grounding the action in a town renowned for being a universe in its own right.

「撮りたいんだ……ぼくのニューヨーク映画を」と。

  “I wanted the film to be . . . my New York movie,” he says.

 腹をくくった選択でした。当時のニューヨークはクローズアップにたえられるものではありませんでしたから:財政的災難(ディザスター)の十年間、街は放蕩と暴力の温床でした。

[1980年代前半の]ニューヨークは、この十年間のひとびとが近寄りたくない、恐ろしくて汚い犯罪の中心地でした――アメリカ一(いち)退廃したスラムの代名詞ですよ」

 とトム・シェイルズ(Tom Shales=『 Live from New York:Uncensored History of Tuesday NightLive』著者)は述べます。

 くわえてエンタメ産業の震源地がロサンゼルスに移って久しい時分でした。

  It was a gutsy setting choice. At the time, New York wasn’t exactly close-up ready: the city was emerging from a decade of fiscal disaster, dissipation, and violence. “[In the early 1980s,] New York was the horrible, dirty crime center where decent people didn’t go—synonymous with the sleaziest slum in the country,” says Tom Shales. Furthermore, the epicenter of the entertainment industry had long since moved to Los Angeles.

「サタデーナイトライブは……ニューヨークはこの国における創造的な生活や幻想の人生の舞台なのだという再主張でした――そして『ゴーストバスターズ』はその証明と祝言だったんです。バスターズはこう言ったんです、"いいよ、ニューヨークをもう一度好きになってくれて。ニューヨークはトップに戻るよ"と」

 『Celluloid Skyline: New York and the Movies{フィルムに刻まれた都市の輪郭(スカイライン):ニューヨークとその映画}』ジェイムズ・サンダース(James Sanders)はこうも付け加えます。

[この映画『ゴーストバスターズ』は]ニューヨークにたいする愛の、親しみの、復活のひとときであり、それはとてもうまく達成されています」

 この情緒は、映画の最後の一言(ラスト・ライン)に詰め込まれているかもしれません。アーニー・ハドソン演じるウィンストン・ゼドモアは、煙だらけで溶けたマシュマロの泡まみれの災害地域を調査してこう叫びます。:「おれはこの街が大好きだ!」*3

  “S.N.L. . . . re-asserted New York’s place in the creative life and fantasy life of the country—and Ghostbusters was a validation and celebration of that. Ghostbusters said, ‘It’s O.K. to like New York again. New York is back on top.’” James Sanders, the author of Celluloid Skyline: New York and the Movies, adds: “[The film] is a moment of resurgence and affection and love for the city, which had gone through so much.” This sentiment would be encapsulated by the last line of the film, shouted by Winston Zeddmore as he surveys the smoking, molten-marshmallow-drenched disaster zone around him: “I love this town.”

   Vanity fair、2014年6月4日、LESLEY M. M. BLUME『Surviving "The Murricane" and a Marshmallow Man On Fire: The Making of Ghostbusters』{邦訳は引用者による(英検3級)}

アイヴァン・ライトマン監督

「NYでの撮影は初めて 大変らしいことは聞いていた でも僕はすごく気に入ってしまった 街全体がひとつの巨大セットみたいだし エキストラがすごくうまい」

   アイヴァン・ライトマン監督『ゴーストバスターズ』1:09:59~、映像特典スタッフオーディオコメンタリより

(とはいえ初めてユニフォームを着てのゴースト駆除の大仕事の舞台となるセジウィック・ホテルは、ロサンゼルスにあるビルトモア・ホテルでロケしたものであったり等、全てが全てNYというわけにはいかなかったようですが、)バットマン美術監督アントン・ファースト氏がいっとき過ごし劇中ゴッサムシティの参考にしたニューヨークも、『バスターズ』クリエイターの捉えたニューヨークも、どの側面を強調するか(? 強調「して見える」か?)のちがいだけで等しくダダイスム的なごった煮宇宙なのではないか。

 

 ぼくは知らなかったけど『ゴーストバスターズ』は、レーガン政権下の当時をなんか大分コスっているらしい。

qz.com

「絶対後悔はさせねえよレイ」

「この家は両親の遺してくれた唯一の遺産なんだ」

「担保で金を借りただけだ、べつに無くなるわけじゃねえだろ」

「19%の率だぜ暴利もいいとこだ」

「参考までに言っとくと、最初の5年間の利息合計だけで9万5000ドルになる」

「二人とも気を大きく持てって。俺たちは次の時代に欠かせない防衛科学の礎を築こうとしてんだよ? 超常現象の、調査および駆除のプロフェッショナルだ」

   アイヴァン・ライトマン監督ゴーストバスターズ0:15:17

ハロルド・ライミスダン・エイクロイドと共同脚本)

「ダンの原案では連中は超心理学者ではないんだ ゴーストバスターズを開業するまでのいきさつは 分かりやすいようにアイバンと僕で考えた

アイヴァン・ライトマン

「僕も変わった事業を――起こすストーリーがおもしろいと思った 銀行へ行ったり 事務所を借りたり 共感しやすい内容を取り入れてみた」

   アイヴァン・ライトマン監督『ゴーストバスターズ』0:15:27~、映像特典スタッフオーディオコメンタリより

 教職をリストラされて民間で起業する、その資金は銀行の融資――貯蓄貸付組合で得る{劇中でも言われているとおり現実でも暴利だったし、しかもそれでも映画は都合よく貸してもらえた例である(?)}

 環境保護庁の官僚が無能で、代わりに武装した)民間が世界を救う……

{『ロボコップ』(1987)のデトロイトでは警察組織が民営化されて都市が腐敗していたけれど、「レーガノミクス 民営化」でググったがようわからんかった}

 ……「親レーガンの保守にとって夢のような世界だ」という旨で批判されることもある一方で、アメリカの著名な映画批評家ロジャー・イーバート氏から「賢い大学院生たちが冗談を言い合っているかのような狡猾な会話劇の映画(a sly dialogue movie, in which everybody talks to each other like smart graduate students who are in on the joke.)と当時言われたりもしていたみたいで、無知なぼくにはよくわからない。

 ぼくなんかが観るのでは、なんか色々とこぼしてしまっているものがあるんじゃないかという気もする。

危険地域だ 立ち入り禁止

役所仕事はいい加減

後手後手に回って 収拾がつかず

救いを だれか救いを

このままでは おかしくなる

救いを だれか救いを

   アイヴァン・ライトマン監督『ゴーストバスターズ』1:18:42~、アレッシー・ブラザーズによる挿入歌「Savin' the Day」劇中字幕

 劇中後半にひびくアレッシー・ブラザースによる挿入歌「Savin' the Day」は、そうして聞いてみると、劇中ゴースト騒ぎ以外のニュアンスも感じられなくもない。

 

   ▽「80年代ホラーを見直そう」特集の告知・募集記事で『スレッズ』『ターミネーター』と並んで書かれた『ゴーストバスターズ

 で、適当にググってたら、2010年から出版されている文化ジャーナルHorror Studies』で、「"80年代ホラー再検討"特集やるので寄稿募集!」みたいなお知らせが出ているのを知りました。

 お知らせ人はマンチェスター・メトロポリタン大学博士のSorcha Ní Fhlainn氏によるものみたい。

networks.h-net.org

 やれ「魂なき商業主義(コマーシャリズムの十年」だの「貪欲な大量消費主義(コンシューマリズム)の十年」だの「ファッションの忘れ去られた十年」だのとしてあまたの誹謗中傷にさらされてきましたが、1980年代はコミュニケーションにおけるあたらしい様式やホラー作品にかんする新たな商業的真価を紹介してくれ、この現代においてはノスタルジーの感さえいだかせます。こんにちにも論争をおこし亀裂となる不満の種子は1980年代に蒔かれたもので、もしこの十年期(ディケイド)が対立の十年期であったなら重要性が増しましょう。

 『SF核戦争後の未来 レッズ』の、ーミネーター』の、ーストバスターズ』(3作とも1984年公開)の80年代です;「見知らぬ人は危険」キャンペーンの、牛乳パック掲載の行方不明児童(ミルク・カートン・キッズ)の、児童誘拐(アダム・ウォルシュなど米国施設の迷子符牒「コード・アダム」の「アダム」の由来*4)など}の;報道の見世物化(メディアスペクタクル)の、24時間ニュースサイクルの、多数の「衝撃的」TV特番の;増加した映画における特撮(SFX)による表現の、そして市民権を得た「プラスチック・リアリティ」の;強化された検閲の、PG13(13歳未満の鑑賞には、保護者の強い同意が必要)指定の、ペアレンタル・アドバイザリー・ステッカーの、「不快なビデオ」英国1984年ビデオ記録法の。インターネットが地球規模で前進するまえ、アナログ時代の最後の十年の。

  While many disparage the decade as a period of soulless commercialism, avid consumerism and the decade that fashion forgot, the 1980s introduced new modes of communication, new commercial appreciation for horror texts, and is now, in contemporary times, suffused with a sense of nostalgia. The seeds of discontent in our contentious and fractured present were sown in the 1980s, making it an important if divisive decade. It is the decade of Threads, The Terminator, and Ghostbusters (all 1984); ‘stranger danger campaigns’, milk carton kids, and child abductions (Adam Walsh etc); media spectacle, 24 hour news cycles, and numerous ‘shocking’ TV specials; increased and explicit special FX in film and the popularity of ‘plastic reality’; the rise of censorship, the PG13 certificate, the Parental Advisory sticker, ‘video nasties’ and the 1984 Video Recordings Act. It is the last decade of the analogue era before the global advent of the internet. 

   Humanities and Social Sciences Online、『H-Announce』掲載、「Horror Studies: Call for Articles on Horror Culture in the 1980s」{邦訳は引用者による(英検3級)}

 募集期限は今年1月ですでに終了してしまったようなのですが、なかなか興味ぶかそうなお知らせです。

www.google.com

 牛乳パックに掲載された行方不明児童の写真・情報はインパクトがありますな。ウィキペディアを読むに、いろいろと問題もあったようですが。

{・お茶の間の子供や人々を不必要なまでに怖がらせる、というぼくの受けたインパクトに連なる/わざわざ言われなくても「まぁそうだろうな」と思うお話もありますが、そのほかは……

 ・「見知らぬ人は危険」キャンペーンと結びついていたこの取り組みは、しかし、実際のところ子供を誘拐するのは「見知らぬ人」ではなく離婚して親権をもてなかった側の親であることが多かったので、危険性にかんする誇大広告となっていた。

 ・掲載された児童(白人が多い)と、じっさいに行方不明となる児童の人種比率があってなかった。

 ・効果がどれだけあるのか実証的なデータがないとか。(zzz_zzzz注;となると上の「児童誘拐者は"見知らぬ他人"ではなく実際には……」はどこから出たデータなのか? という疑問がうまれるが、まぁ。)

 

 当時の時事をならべてもらうと、何となく時代精神みたいなものを見てしまいたくなるもので、ティム・バートン監督が続投されたバットマン・リターンズで、じしんの監督作など別企画を製作中であったアントン・ファースト氏に代わって抜擢されたボー・ウェルチ*5のそれは、やはりドイツ表現主義的な色合いをより一層強めつつも、ファシズム建築に代表的な巨大な顔がでんとあるような威圧感をポップな商業用マスコットが担うなどの独特の(しかし『ゴーストバスターズ』マシュマロマンとも通じるような)味わいがあり。

 ストーリーはゴッサムをさわがせる児童行方不明事件と、その解決者をメディアが英雄として祭り上げたり……というもので、上の『Horror Studies』「80年代作品特集」が話題にした要素と重なる面がなくもない。89年の『ゴーストバスターズ2』もまた児童誘拐がある、というかメインエピソードでしたね。

ただし、前述引用文でも脚注をいれたとおり、「アンバー・アラート」などもあったとおり90年代も00年代も児童誘拐事件はアメリカを騒がせる話題であり(そしてドイツ表現主義の巨匠フリッツ・ラングも1930年代に行方不明児童モノの傑作『M』を発表しているとおり)、見世物化するメディアの功罪もべつに80年代に限ったことではなく、「いつの時代も変わらない人類普遍の題材である」という話だったりしないかな? とも思わなくもないのですが……}

 キングの小説『IT』(1986年出版)ともいろいろ重なるトピックだなぁと思ったりして、刊行がたのしみ(もちろん日本語文献が出てくれないとぼくにゃあ読めないけれど……)

 

***

 

 上とはあんまり関係ないけど、「ニューヨークタイムズはなんでも載ってるなぁ」「オンライン上にアーカイブが公開されていてすごいなぁ」と思いました。

 まだまだ地位がひくかったであろうコミック映画の、それも監督ではないプロダクションデザイナー美術監督にたいして、これだけがっつり取材した記事を載せているとは。

www.tsushima-net.org

 『Ghost of Tsushima』について対馬観光物産協会さんがblogで取り上げるなどありましたが、創作物が題材にした事物サイドさんから逆取材……みたいな記事、もっと読んでみたいな。

 

 

 

 

*1:本物は、トム・ティクヴァ監督が建築写真集を見ながら構想を練ったとメイキングで話していた『ザ・ンク 堕ちた巨像』で大きな役回りを果たしたあの螺旋スロープの美術館です。(映画に登場するのはさすがに実物大セットですが)

*2:いや一流のプロの仕事なんだから、こういう言い方は逆に失礼かもしれませんが……。

*3:記事の前段で「好き」や「愛」の話がでたのでこう訳したが、映画の字幕は「ニューヨーク万歳!」/吹替セリフは「この街大好きだ! ははっ♪」。

*4:ちなみに最近の映画だと『ゴーン・ガール』でも見られたアンバー・アラート(問題提起が1996年の事件からで)2000年代以降からの事物らしい。これもまた、事件にあった実在児童の語呂合わせなのではとの話。

*5:03/05追記。バートン監督『ビートル・ジュース』なども手掛けたからですが、ゴーストバスターズ2』のほうのプロダクション・デザインでもありましたな。美意識がそもそもバートン監督版『バットマン』と『ゴーストバスターズ』のライトマン監督で意外と近いところがあった……ということなのか?