日記です。6500字くらい。虚空集会をタイムシフトしたりマリカにじさんじ杯を観たりした週。
※言及したトピックについてネタバレした文章がつづきます。ご注意ください※
1215(火)
■観たもの■
vtuber『剣持刀也リアルソロイベント【虚空集会】』をタイムシフト視聴しました
いちから社の運営するvtuber団体にじさんじに所属する男子高校生vtuber剣持刀也さんのソロイベント『虚空集会(ミサ)』をタイムシフト視聴しました。
ゲストとして先輩の月ノ美兎委員長、同期の伏見ガク、後輩の葛葉、非にじさんじのがフレ(外部のフレンド)ピーナッツ君がいらっしゃいました。直前放送では不破湊さん黛灰さんが登壇、観客やフラワースタンドなどをルポしました。
にじさんじのライブイベントといえば今でこそ歌唱ライブの印象があります。地上波TOKYOMXで放送された『年またぎにじさんじ』でその模様が抜粋紹介された『にじさんじVirtual to Live in 両国2019』や『にじさんじJapanTour2020 Shout in the Rainbow!』とか。
でも初期では『月ノ美兎の放課後ニコ生放送局』やヒューリックホールで行なわれた『月ノ美兎の夏休み〜課外授業編〜』、ニコニコ町会議の『町Vtuberカー』や毎年恒例京まふなど、トークイベントもそれなりにあるんですよね。
今回の『虚空集会』は、後者のタイプのイベントでした。
第一部として、剣持さんが登場し、かれの初配信からおなじみの虚空(回線落ちのブラックアウト状態)を讃える謎宗教"虚空教"がお披露目され、会場に集まったひとびととTポーズをキメたり、十字架ならぬT字架を(物販された)サイリウムでつくって{剣持刀也(とうや)のTであり、顎がとがっている彼の顔を表した図像であり、3Dキャプチャするさいの初期ポーズ"Tポーズ"でもある}を決めてゆらゆらします。
……あらためて書き起こしてみると頭沸いてるようにしか思えませんが、じっさいそんなイベントだったんです信じてください。
この辺でニコニコ生放送の無料配信部分が終了。お金払って先を見たい気がまったく起きない無料配信でした(笑)
みょうちくりんなことをやっている剣持さんに「何やってんすか!?」とガクくんが割り込み、かれを改心させるための四天王と対決がなされるのが第二部。
ホストの剣持さんが葛葉、ピーナッツ君、委員長、ガクくんとそれぞれ1vs1で対決し、運動したりラップバトルをしたりにじさんじクイズバトルをしたり食わず嫌い王決定戦をしたりしました。
剣持vsピーナッツ君と剣持vs委員長のパートではMCとしてガクくんが登場。3Dモデルをもってる委員長葛葉ピーナッツ君にたいして、ガクくんはLive2Dモデルしかありません。でも、こういった大きなイベントでもLive2Dモデルで出場したって良いし、じっさいうまくお膳立てが出来ているなら逆にそれは強味になるんだ……というようなイベント内容になっていて、脚本演出をかなり手がけたらしい剣持さんによる熱いセルフ咎人(剣持とうやと伏見ガクから成るコンビ名)推しイベントの趣があってしみじみニヨニヨしましたです。
バチバチになった剣持さんがガクくんに近づくも、次元が違うから物理的にどうにもならない、しかもなんか黒背景で分からなかったけど透過処理がずさん*1でガクくんも黒ベタ背景の虚空を背負っていて、近づくと剣持の3Dモデルがマスクされてしまう(笑)
第三部では、剣持さんが過去の配信(ステージ上の大きなスクリーンに投影されるLive2Dモデルの剣持とおなじみの配信画面)を会場で同時視聴しツッコミを入れ懐かしむ企画。「おいおいコメント爆速だな、こういうのは低速モードを有効にするんだよ」みたいな感じで過去のじぶんのパソコンに不慣れなおじいちゃんぶりを煽り……と思いきや、誰も見覚えがない配信。
並行世界の剣持刀也の生配信が偶然つながってしまったのでした。
剣持さんは以前、リアルタイムで実際に届いたマシュマロ(リスナーからの匿名おたより)に応えていきつつ、そこからスムーズに自身が事前に準備した陣内智則系の仕込みソロコントをしたりしたことが何回かありましたが。
今回はそれの劇場版みたいな趣でした。
並行世界の剣持さんは、この世界の剣持さんよりもはるかに人気者で、コメントが爆速なのもその人気の表れなのでした。対話をしていくうちに雲行きが怪しくなって、並行世界の剣持は電子ドラッグでこの世界を攻撃する。
こちらの世界の剣持さんが防ごうとしますが、むこうは2Dこちらは3D、次元がちがうからどうしようもない!
「刀也さん!」
そこへ現われたガクくん! かれは並行世界とおなじ2Dだからこの事態をどうにかできる(かもしれない)!
電子ドラッグへ突っこみガクくんの死と引き換えに世界は救われたとさ……みたいな感じ。
あらためて書き起こしてみると頭沸いてるようにしか思えませんが、じっさいそんなイベントだったんです信じてください。
1216(水)
元気にすごしました。
1217(木)
元気にすごしました。
1218(金)
宿直日。
1219(土)
宿直明け日。
■観たもの■
vtuber『【マリオカート8DX】第3回マリオカートにじさんじ杯 予選【#マリカにじさんじ杯】』リアタイ視聴しました
いちから社の運営するバーチャルYoutuber団体にじさんじの面々が『マリオカート8DX』で実況プレイ大会(第3回)を開いていたので観てました。来週の本選出場をかけて7組が争います。
去年は「にじさんじ、マリオカート杯ってさぁ、募集いつまで~?」「終わった! 昨日終わった!」「あれ~?」なんてやり取りをしていた文野環さんも参戦。
(配信頻度が激減し、もしかしたら卒業かな……みたいな不安もよぎっていたかたが、こうして元気に走る姿が拝めるとは思わなかったです。みんなすくすく楽しく過ごしてくれたら嬉しい)
大会に向けてさまざまな練習がおこなわれ、今まで見たことのないような絡みが見れてよかったですね。
レース模様については"Vつべの助かる切り抜き"さんがレース参加者全員の配信を横断したなめらかに編集された切り抜きを上げてくれているので、ざっくり全容を把握したいかたはこちらがおすすめですね。
ぼくの注目レースは予選Cグループ。
われらが月ノ美兎委員長が走るグループです。マリカにじさんじ杯初代王者でランク云万台の絶対王者成瀬鳴さんらがいるなか、本選出場の上位6位に入れるのか?
「え~やば~! …………これはまずい! …………はぁ~…はぁ~………こっからかぁ~」
第一レースは実力者でも沈むことがある運要素のつよいベビーパーク。ブービー賞の9位で通過した委員長は「いや、もう一回行きましょう。まだ3コースありますからね」と気を取り直して第二レースクッパキャッスルを5位で通過、総合8位と微上昇すると、
「集中しましょうか。今回ばかりはわたくしには珍しく、無言でやっていきましょう」
第三レースサンシャインくうこうを3位で通過、総合6位(総合5位と1ポイント差)まで上げていきます。
そして第四レーススイーツキャニオンは、「いやマジかよ~ぉ!?」なんと2周目冒頭で最下位10位まで落としてしまう。さてどうなる!?
前回大会を補助輪(コースアウトしないよう自動運転機能がある初心者用システム)つきでのぞんだ委員長は、今回は補助輪なしで出場。
練習の成果を端々に見せてくれました。サンシャインくうこうでは、ゴールまえの空港に入る90度直角カーブと空港内の荷物レーンがつくる逆方の90度直角カーブからなるS字の道を、最初のカーブをキノコで芝生を横断してそのまま空港内荷物レーンにつっこみ段差でジャンプアクションも決める(それも毎度)最短経路をすすみます。
中盤あたりのジャンプアクションをきめて飛行機内をすすむか下の滑走路をすすむか高低でわかれた道では、キノコ無所持は上の道を/キノコ所持時は滑走路に降り、芝生をキノコをつかって駆け抜けショートカットしていきます。
順位こそふるわなかったクッパキャッスルでも、ゴール近くのダート/外れればコースアウトのショートカットラインをきっちり通る(それも2周とも!)など、練習の跡をうかがわせるライン取りを見せてくれていました。
(ハンドリングなど地力じたいは委員長より安心して見れる夢追さんの同局面と比べると委員長の成果が分かりやすい)
1220(日)
書き物のために観るべき作品は別の映画なのですが、欲望に負けてしまいました……。
■今朝みた夢■
鼻が詰まって仕方がない夢
鼻が詰まって仕方がない夢を見ました。仕方ないので鼻をほじり、なかなかの収穫だったのですが、あんまり解消された感じがしない。そうこうしているうちに目が覚め、鼻をほじる夢を見ていたことに気づきました。
起きてみると微妙に鼻が詰まっている感があるものの、そこまで詰まっていない。さっきの鼻詰まり感と収穫した手応えは何だったのか? 布団やベッドを十分くらい見ましたがとくに粗相は見当たらず。「とんでもない夢を見るようになったな」と将来が不安でいっぱいになりました。
■観たもの■
C・ノーラン監督『テネット』鑑賞メモ
それは何ですか;クリストファー・ノーラン監督による2020年公開の映画です。
観る人への注意;itune版は4Kもついて、映像特典もついてナカナカ良かったです。
観た感想;
前監督作『ダンケルク』の湯の花が一面浮いてるみたいな浜辺の、『インターステラー』の異星よりも異星じみた異景にも驚かされましたが、今作は変なものが更に盛りだくさんで、とてもゾクゾクしてしまいました。
エストニア共和国の首都タリンでロケし、1980年の五輪のために建てられたと云うリンナ・ホールのソ連な匂いのブルータリズム建築(映像特典『メイキング・オブ・テネット』37:13)にはじまって、列車が行き来する場での拷問・処刑。
異様に巨大な保管庫とか(『メイキング・テネット』によれば実景セットに昔懐かし遠近法書き込みしたそうな)。
海上風力発電所は、デンマーク沖にある実在物で、『ダンケルク』撮影前にした旅行で見つけたんだとか(『メイキング・オブ・テネット』39:09「ダンケルク」を撮る前の旅行で飛行機からここを見つけてメモしたんだ」)。
プロのヨットチームと交渉の末に実物を使わせてもらった、空飛ぶヨットを駆りながらの悪の親玉との会話。
ムンバイで初めて許可されたと云う空撮もふんだんに用いられたインドシーン。路上に露店が並ぶ一方で煌びやかな高層ビルの高さも見える、貧富が同一フレーム内におさまったヴァルダン・ビル(『メイキング・オブ・テネット』38:30。こちらだろうか?)。
今作ではたとえばインドに黄色いフィルターをかけるといった土地々々を差別化するフィルターワークはなされていないし*2、そのほかの土地々々についても、地名をかいた中間字幕を出すようなことをしないのは――もしかすると劇中の謎が謎を呼ぶ物語を「説明しない」ことでよりミステリアスにしたり、あるいはエントロピー云々みたいなことから来る作風だったりするのかもしれませんが、それというよりはむしろ――「なくてもそれぞれ印象的な土地だからドコだか分かるだろう」というような自信のあらわれにも思えました。
『インセプション』や『インターステラー』のようにいろいろ面倒な設定があり、設定説明シーンもあるわけですが、設定を説明することはほどほどにして、雰囲気や風景を見せることへ重心があるように思え、『インターステラー』にかんじた退屈さはなかったです。
「逆行中に燃えると凍る」みたいな話があったので、クライマックスの順行逆行いりみだれる場面では、それを活かしたアクションがあるのかなと思ったんだけど、そこはなくって、既存の時間SF(タイムマシン型でもワームホール型でもどちらでもいいけど、パズラーなやつ)を見ている気分になる場面もありました。
{そうやって思い返してみると、ぼくは……最初のシーンの、ホールにつながる出入口の段差をガッタンガッタン下りながらガスボンベを持ってくるところのガッタンガッタン具合とか。そうして持ってきたボンベをホール外の排気口にさしこんで、ふつうの催眠ガスを注入して、そしてホール内の観衆が体を傾け眠っていくさまが波紋を打つみたく一点から広がる群舞的な割り切り方とか。
ホールを爆破させたときに吹き飛んできた瓦礫がカメラ近くの地面を転がるゴロゴロ具合とか。
逆バンジー器具を外して放るところが「なんてことない仕草なのになんだか妙にかっこいい」とか、中盤の悪役が延べ棒的なもので手下をカットを割らずに殴りつけるところとか、最後の悪役のカットを割らずに嫌な音と軌道をえがく物質感とか(逆にヒロインを悪役が殴る蹴るするときはカットを割っていたところとか)……時間逆行と関係ないところにオッとなったり気になったりしていたような気がしないでもない}
「逆行下では呼吸ができないので専用の酸素マスクをしていく」という設定が、それを外したり何だりのアクションを繰り広げられるためではなくって、顔を隠す=無名性の確保としてある……という割り切った利用法と組み合わさって、クライマックスはだれが何をやっているのかわかるようでわからないようでわかるような高エントロピー下の戦闘が拝めたものと思います。
個人的な趣味としては、雨が降って順行人が濡れる/雨が昇って逆行人が燃えるなか戦って、虚無からどこかへ着地したひと(逆回し)のひとを順行人が見つけてそのすこしまえを燃やして凍らせることで空中に足場をつくって逆行人の空中移動を手助けするとか(『アナと雪の女王』レリゴー順逆時間チームプレイバージョン)、自分からガソリンかぶって逆転歩きをして雨中の逆行人を装おったりする人が出てくるのを見てみたかったし、あるいはテネット連中だけでなくまじの雑踏でドッタンバッタン大騒ぎする模様も見たかったですけど。
とにかく凄いものが拝めたのは確かで、思いつきはできてもどうやって具体化すればいいか分からないヘンテコなものをきちんと具現化してみせて、一本の作品にまとめ上げるノーラン監督はやっぱりすごいと思いました。
1222(月)
■読みもの■
戸塚慶文『アンデッドアンラック』読書メモ
それは何ですか;週刊少年ジャンプで連載中の戸塚慶文さんによる漫画です。
読んでみた感想;
あたらしい作品だなぁと思いながら読みました。『チェンソーマン』とかみたく、速度に驚かされるタイプの作劇。(ただし『チェンソーマン』ほどわからん飛ばしかたはしていない)
ぼくがティーンのころ読んでいたジャンプ連載漫画だったら十数巻かけてやっていたようなことを4巻でやって、そこからさらに加速している感がある。
最短手でザックザク組み立てていく作劇に乗せられて、100%還元で買った1巻をひらいてそのまま既刊全巻手を出し、さらには積読していたコミックス未掲載分も読み終えてしまい、そうして振り返ると早指しのなかで色々複線的に事態を動かす繊細さにまた驚かされました。
「新人さんの作品なの? 連載何年もやってペース配分を熟知しすぎた達人の作品ではなく??」と困惑してしまう。
オキシタケヒコ先生のライトノベル『筺底のエルピス』にも驚かされたけど、オキシ先生はゲームシナリオライターとして二桁年単位で経験があるわけですしね……。
設定の転がしかたもまたすごい。不死である=長寿である=「すでに世界を複数周している」ことがクライマックスではなく5巻6巻程度で明かされるお話のきっかけでしかない、というおそろしい作劇で、これからどうなっていくのか気になる。
*1:じっさいには後の展開のための意図的な演出。
*2:(ちょいまえに揶揄されたメキシコ@アメリカ映画みたく、観ていて「使ってるな」と思えるほど大胆なものは使われていない)