すやすや眠るみたくすらすら書けたら

だらだらなのが悲しい現実。(更新目標;毎月曜)

日記;2020/03/31~04/6

 日記です。17000字くらい。とにもかくにもヒモと財布と夢見る夜の町、そして女神の舞い降りた週でした。書き足してそれぞれ別個で記事を立てるかも。

 ※言及したトピックについてネタバレした文章がつづきます。ご注意ください※

 

0331(火)

 ■見たもの■

  vtuber『【事故物件】俺たち、一緒に住めないのかな【ヒモと財布】』を観ました。

 『KANA-DERO』の彼岸を覚えているか?

 

 vtuberグループにじさんじに所属する遠北千南さんと矢車りねさんの『事故物件』実況プレイ配信をリアタイ&あとから観ました。(つけっぱなしにして寝て、寝落ちしたところから再視聴しました)

 ヒモと財布とは、遠北さん矢車さんのコンビ名です。

 

 遠北さんはにじさんじでも随一の声色の幅があり声マネもすごい器用なひとで、『ヒプノシスマイク』の楽曲を歌ってみた『あゝオオサカdreamin' night / どついたれ本舗 (Covered by 遠北千南)【歌ってみた】』はもともと3人の声優さんがそれぞれ全く異なるキャラを演じて歌うというアンサンブルなのですが、一人三役で歌いきっていてすごくよかった動画です。

www.youtube.com

 先日も、おなじく声マネつよつよ勢の竜胆尊さまと「ふたりがいれば全部カバーできるのではないか説」実証配信をされていました。

 

 また、遠北さんはツイッターでの何気ない一言、

「あまり強い言葉を遣うなよ 受けに見えるぞ」

 がバズり散らかすなど腐った一面ものぞかせてもいたかたでした。

 そういった一面が見えるのが、緑仙さん主導の企画『【#にじさんじ架空声優】存在しないアニメの声優オーディション開催【にじさんじ/緑仙】』で遠北さんが投稿された、「セッしないと出られない部屋」の管理人になってしまうという架空のアニメ(に出演したていでのインタビュー)です。

 これは見事グランプリとなり、先日、緑仙さんによって下品かつ上品な声劇化がなされました。にじさんじの3期生的な立ち位置であ(り遠北さんもその出身である)にじさんじseeds出身の配信者さんを中心として、(これまた3期生的な立ち位置である)ゲーマーズ叶さん、(上のような枠組みが無くなってからの)2019年組黛さんシェリンさん健屋さん巴さんなども参加。

 『セッ〇スしないと出られない部屋の管理人になってしまった!【声劇】【#にじックス】』とは!?

 遠北が就職した仕事は、セッしないと出られない部屋の管理会社だった。特定の人物二人くらいを拉致しバンに乗せ軟禁し、セッしたら部屋を開ける……そんな非道かつ不純な業界だ。

 エロ同人誌の描き手たちが、じぶんの欲望の赴くままにお気に入りのつがいをつがわせるために編み出した、即物的な舞台装置。そんなものが実在したとは。バーチャルな女子中学→高校生である遠北は衝撃をうける。

 初めこそとまどいを隠せなかった遠北だったが、先輩たちの仕事を見ていくにつれ、この部屋が傍目ほど非道でもなく、無理やりするようなことがあれば割って入ってストップを出し、拒みつづければ退出してもらう……そんな当人たちの自主性を重んじる、一定の礼儀がある業界であることが分かっていく。それどころかこの部屋は、面と向かって自分からは素直に切り出せなかったり、あと一歩が踏み出せなかったりする人にとって喉から手が出るほどほしい、必要悪でさえあった。

 セッしないと出られない部屋から見えてきたものはそれだけではなかった。

「もともとは推しカプがセッするのが見たいだけの即物的な欲望をかなえるものだから……」

「人物を描くのと背景を描くのはまた別のスキルセットだから……」

 先輩たちがそんな風に納得している殺風景な白い部屋。そんな風景に遠北は、バーチャル女子中学→高校生らしい素直さで疑問をいだき、「いや閉じ込められたふたりがより情感を盛り上げられるような部屋にすべきじゃないですか!?」と異を唱え、口だけでなく手も動かす。遠北仕様のあらたな部屋が誕生した。

 すると部屋の回転率は向上、遠北は手応えを感じていくがしかし、遠北の奮闘も及ばない領域がいまだなお存在していた。セッしないと出られない部屋に何度も呼び出されるほど魅力的な人物でありながらも、誰ともセッするのを拒みつづけ、絶対セッしないまま部屋を出つづけるつわもの。

 遠北はどうすればいいのか次第にわからなくなってきて……というお話です。

 設定からすれば意外と(?)さわやかな、ええ感じのオチでよかったですね。

 

 ことほどさように3月は、遠北さんのだれもがみとめる才能の十二分に発揮された配信が詰まった月でした。

 3月31日の卒業配信の前夜に彼女がえらんだのは、矢車さんとの実況プレイ配信です。

 

 ぼくが配信に飛んだときはもう、『事故物件』の進行度ははんぶんくらいのところまで進んでいて、遠北さんが操作するキャラクターはサンマを片手に持った状態で民家をうろちょろしてました。

 サンマを何に使うかわからず、さまざまなタッチ可能オブジェクトが見えているのにサンマを持ってるがために触れない、「もういっそ捨てたい」とゴミ箱を探したり、猫の死体のまえで無言で「食え」とやったりとヤキモキする時間が過ぎていき、「サンマの呪いだ……」「サンマだ……」とふたりしてあほなことを言っていると、とつぜん矢車さんが沈黙・なんと矢車パソコンが再起動/更新プログラムをインストールし始めてしまう。サンマの呪いだ……

 配信者が会話がツボに入って拍手しながら笑うと、リスナーの見ている視覚情報としては、にじさんじ2Dアプリは顔だけシンクロさせるシステムなので遠北さんの手は動かず、ゲーム内主人公の手はサンマを握ったまま歩き続けているというなかで、(配信者の声にプラスして)手拍子だけが響くことになるので、配信を観るリスナーの実況チャット欄には「サンマが跳ねておる」「活きがいいね」といったリアクションが飛んでおりました。それに遠北さんが「跳ねっ……w」とまたサンマが跳ねる。

 

 遠北さんがあまりにもビビり散らかしていて面白かったです。

 あやしいところは目をつぶって矢車さんに実況させ、何なら操作まで指示させる、二人羽織り的な実況プレイ配信となったり。

 あからさまに不穏な窓向こうの室内が真っ赤なプレハブ小屋に入らなければならない時は、遠北さんがビビりにビビり、そろりそろりと横移動で徐々に徐々に部屋なかを覗くようなかたちで踏み入るので、

「きょうはPUBG配信ですか?」「リーン撃ちかな?」

 といった具合のチャットが飛んでおりました。

{人気のTPSゲーム。正式名称は『Players Unknown Battle Ground』。100人規模同時オンライン対戦できるバトルロイヤルで、プレイヤーは広いマップに点在する家屋を漁りながら強い武装を手に入れていったり、適当な茂みに隠れ続けたりして、最後の1人を目指す。Vtuber界隈でも先日3/29に『Legion Doujou Cup:VTuber編』が行われ、にじさんじメンバーからも複数コンビが参加したばかり。

 PUBGという略称をどう読むのかについては、「ぴーゆーびーじー」と読む人がいたり、世界的な呼び方にならって「ぱぶじー」と読む人がいたりとバラけますが、遠北さんは「パブジー」と呼んでいました。

 リーン撃ちはTPS・FPSのテクニックのひとつで、遮蔽物にかくれた身体を傾ける(lean)ことによって、じぶんは遮蔽物に隠れつつも(=他者からの攻撃・視認は防ぎつつも)・こちらの視界と射撃だけは通るような体勢をとって射撃することを指す}

 この『事故物件』実況プレイ配信は、3月末でにじさんじを卒業する遠北さんの個人チャンネルではじまったものの、ここのところvtuberを襲っている謎BANに一度ならず二度までも悩まされます。サンマの呪いだ……

 

 そんなわけで、きゅうきょ休止中の矢車りねチャンネルが一時復活、矢車の真ん丸メガネのアイコンが久々に配信開始通知欄にポップしました。

 0:14:15

 遠北が目を閉じるや否や、

矢車 「わ゛ぁ゛っ!!」とおどかす矢車。

遠北「なんもないよ、今見てたんだよ!」

矢車「目ぇ閉じるって言ったのによ、そうやって噓ついてあー嘘つきはドロボウのはじまりだもんなー!

遠北「なんなんだこいつマジでw」

 

 0:15:25

自室の血が垂れた穴をのぞく。例によって目を閉じる遠北。

矢車「あ~これはやめておいたほうがいいね……」

遠北「フフッなんもないのねっ♪」

矢車「ハイ……」

 

 0:21:40

自室の玄関が閉じているのを見て、

矢車「なんかプシュー言ったよね……?」

遠北「目閉じるから見て―矢車」

矢車「待って待って待って心の準備ができてない!」

 矢車おまえもホラーだめなのかよ。それでも遠北のために……ヒモと財布てぇて

矢車「深呼吸していい?」

遠北「はやくしてもう2時間経ってるんだよ~?」

 と一転攻勢にでるあちきた。てぇてぇとは一体……。

矢車「いいよ!!!!」エコーきかせたクソデカボイス

 

 0:25:00

 自販機に入れるお金がどこにあるのかわからず市街を延々うろうろするふたり。チャット欄に助けを求め、さらに探していきます。

遠北「これは……」

矢車「これはプリキュア方式だよ(?)」

遠北「やばいね(?)」

矢車「みんなの力を借りるしかねぇな」

遠北「マジカルライトを振って!」エコーきかせたクソデカボイス

矢車「ラクルライトを振るクル!」エコーきかせたマスコット使い魔ボイス

 ぷりきあ~がんばえ~イヤイヤ道端におっこちた10円を探す応援上映ってなに……。

 

 リスナーからの応援もあってお金を見つけったふたりは、つづいて市街地に点在する社をお参りしてお祈りしまくり、自室に戻ります。

 それによってルート分岐フラグが立ったようで、プレイヤーキャラを生存させてクリアするというグッドエンド(?)を初見プレイでむかえます。

 そうと知らない遠北は、「エンディングだ=絶対に衝撃ホラー展開来る」と思って、プレイヤーキャラクターの視界を足元に固定して、後ずさりしてゲームを進める。

 撮れ高とは……?

(とつい言ってしまいましたが、むしろこれが実況プレイの醍醐味の一つだと思います。無数にvtuberがいる昨今、この『事故物件』も他配信者さんがやっていたりするゲームで、ゲーム本編の演出はすでに見てるヨってひともそれなりにいると思う。ぼくも『事故物件』は初視聴だったけど、同じゲームの実況プレイ配信を見たりすることがある。

「同じゲームの実況プレイなんて面白いの?」 面白いです!

 それでもぼくが実況プレイ配信を見るのは、単一のゲームの演出に対する配信者さんのプレイやリアクションが無限だからで、今回の遠北&矢車の二人羽織プレイ、怖い演出絶対見ないぞという固い意志でもった俯き後ろ歩きプレイは実際めっちゃ面白かったです)

 にじさんじ全体の歌としてライブなどを締めくくる『Virtual to Live』。その歌詞に、

「♪進むさきが 見えなくたって

   手探りでも 歩きつづけた」

 というフレーズがありますが、なるほどこれってそういう……(?)と半分寝ながら見ていたのでそんな寝ぼけたことを思いました。

 

 0:40:00辺り~

「お祈りしたから生き残れたってこと?」

遠北「シスター・クレアさんありがとう!」

(※おなじにじさんじseeds出身の修道女系vtuber。「神のご加護があらんことを」でおなじみ)

遠北「ということでー! 今回は―!」

矢車「は? お前」

遠北「そしてですねー告知はもう出したんですが」

矢車「まじでおわるのお前?」

遠北「えっや゛んの゛逆に!?」

矢車「やるよ?

   ……だってさ、これ最後の配信だからね?

   ふたりでできるの今日が最後だからね」

遠北「シッテルヨえ゛な゛にをな゛にをするつもり゛っ!?

   何するの逆に今から?」

矢車「死ぬんだよ

 

 ということで、死亡ルートRTAへ踏み出すことへ……。 

 サンマの呪いに突っかかることもなくザックザク進んでいくふたり。

 「田角20円しか持ってないのか」「卒業間近だからってお前」とにじさんじ社長田角さん似の謎キャラクターからもらえた十円玉に悪態をついたりとゲラゲラ笑いながらドツきあいながら進んでいきます。

 ゲームプレイ終了後、告知後の雑談タイムが、延々笑ってばっかりの暗さゼロの雑談だったんですけど、なぜだか妙にエモくって、しんみりしてしまった。友達いないのか矢車……。いないよな矢車……。

(黒井しばちゃんとも近頃お喋りができてないというのは意外でした。しばちゃんも忙しそうだからなぁ)

 

 1:08:06

矢車「昔はさー、昔はっつーかほとんど絡みないときは『霧雨』の配信行ったとき、

"あ~りねちゃんだ~~♡"(高音ニコ生主ボイス)

 って言われたのにさー」

遠北「あ~りねちゃんだ~~♡ あ~きょうはコラボしてくれてありがと~! 最後にスッッッゴい想い想い出ができてホントにハッピーだった、ありがと~りねちゃん♡」

両者無言

遠北「ハハハハ……w」矢車「フヘヘ……w」

矢車「なによりもこわかった今」

遠北「これが事故だよ

  おあとがよろしいようで。

 

 

 『事故物件』配信で二人が歩いたのは、そこらの住宅街の薄暗い路地というかんじで、べつに遠北さんが歌った『あゝオオサカdreamin' night』とちがって輝かしさは皆無です。大阪とちがい商店を飾るかに道楽のモニュメントのように動画映えするものではなく、真っ黒いサンマを握りしめて跳ね散らかしながらの夜歩きです。

 アーカイブに残りだってしません。

 どんな形かは分からないけど、いつかどこかで、別れのときは必ずやってくる。
 目指す道が変わったとかそういう前向きなものかもしれないし、裏をにおわせるような猿芝居で締めくくられるかもしれないし、楽屋裏を見せるなよと思いたくなるような暗い怨念渦巻くものかもしれないし、あるいはそうした一言さえないままに、ふっと消えてなくなってしまうかもしれない。
 いつか来るだろう別れのときが、見てるこちらが赤面してしまうような、こんな面はゆくまばゆい形であればよいなとぼくは思う。

 カメラのまえを往来するサイリウムのさきでまたたく委員長の姿が、とてもきれいだった。サイリウムは委員長の要望どおり赤。かつて『ニコニコ超会議』に数多いる演者のひとりとして参加したときは統一できなかったサイリウムの色だ。彼女のイメージカラーなんだけど、このときばかりは彼岸のようだとぼくは思った。

 樋口楓(でろーん)1stソロライブ『KANA-DERO』を観たぼくは、月ノ美兎委員長とのデュエット『命に嫌われている』を鑑賞してそう思いました。

 ふたりのこれまでの配信でちらっと触れられたでろーん委員長それぞれの死生観を切り抜いてサンプリングした異様なイントロから始まって、本編の歌については歌唱の技巧よりも感情を出そうとすることを優先したようなアレンジで、ほとんど絶叫のようなサビ。見てはいけないような感情の表出に出くわしてしまったみたいな、あの衝突事故めいたカバーソングを見聞きして、ぼくは確かにそう思いました。

 いまは少し違うことを思っています。

 こういう終わりかたが、というか続きかたがあるんだと、今回の配信を観て思いました。

 『KANA-DERO』とちがって、ヒモと財布の『事故物件』歩きはブルーレイにプレスされたりはしないでしょう。

 でも、遠北さんの人生はこれからも続いていくし、矢車さん達との付き合いだってきっとずっと続いていく。そんな夢がたしかに見られる素敵な町で夜でした。

 

 

0401(水)

 宿直日。

 ■書きもの■

  短編集感想を訂正した

 短編集『なめ、敵』感想で勘違いに気づいたので訂正しました……。ぼくは1988年度(昭和63年4月~平成1年3月の)生まれで、88年生まれの伴名氏と同級生だとばっかり思っていたんですが、どうにも勘違いしてました。00年小学校卒業とあったので、

「そういや"2000年問題どうなるんだろうね?"と登校班の最後尾で同級生と坂道のぼりながら話したわ」

 と昔の記憶がよみがえったのですが(わが小学校のわれらが学区の登校班は、最前と最後尾を6年生が担当していた)、それは偽記憶で、調べてみると00年小学校卒業のひとは87年度生まれだったっぽい。

 

 

0402(木)

 宿直明け日。

 ■ネット徘徊■

  再読『■伊藤計劃はキリストを超えた。わけあるか。くたばれ。』など

 ■ヨハネスブルグの読者たちはてな匿名ダイアリー

 ■伊藤計劃はキリストを超えた。わけあるか。くたばれ。はてな匿名ダイアリー

 読み返したら「ぼくはこの記事にかなり影響を受けていたんだな……というか、受け過ぎて、先日投稿した感想文も一部これの引き写しみたいになってるじゃん!!」と気づきました。

 書いた人の素性について誤解を招いたらすみません。

 ぼく自身は、blogに上げてる文章のとおり、「考えさせられました」系読者/感想文書きで、そのうえ、リンク先の記事で引かれた元記事でメッタクソに笑われている感想バトルまでしてますから(笑)、もちろん上の記事の書き手ではありませんが、とはいえ、

「もしぼくが自分の文章を、ぼくではない見ず知らずの誰かが書いたものとして読んだとしたとき、鼻で笑ったり殴りかかったりしない文章になってるだろうか?」

 と自問するようになったのは、『信用してはならない映画評の書き手の見分け方』や、こういう記事を読んだのも大きな要因だったんだろうと思います。

 

{『信用しては~』は去年9月にも再読して、そのときの日記も残してたけど、昔のぼくはなかなか面白いことを言ってるなと感心してしまった。進歩がない

 さいきんのぼくの謎タイピング謎連想は、感想文であまりに「伴名練著」とタイプしすぎたせいで、伴名氏のイメージが「にゃんぱす~」と挨拶するひとになってることが挙げられますね……。

(また、おなじ日記では、2万字を超えた『伊藤計劃トリビュート』感想について、

 "「ここまで長い感想読むより、『トリビュート』読んだり読み返したほうがはやいですよ!」という売り文句で、売上等々に貢献できませんかね……?"

 とも述べていて、『なめ、敵』感想と一緒の売り文句! となりました。進歩がない

(上でリンク張った同じ週の日記には「『ひかゆる』言及作を漁りその2」なんて項もあって、

「このときは1ヶ月くらいで書きあがると思ってたから読書メモきちんと残してないんだよな」

 なんて懐かしくなりました。

 『00:00:00.01PM』や『ふるさとは時遠く』を読んだんだと思う)}

 

 はてな匿名ダイアリーを読み返したり、大学読書人大賞をちゃんと読んでみて思ったのは、

(若いころから)文量としても面白味としても読み応えのある文章をかけるひとは、それなりにいたんだよな」

 ということで、気になるのは、

「いまどうされているんだろうか?」

 ということでした。……商業に移られたのかとか、創作に行かれたとか、そういうのなら良いなぁ。

 

 

 ■書きもの■

  短編集『なめ、敵』内余談にT澤様のツイートを盛り込む&『シンギュラリティ・ソヴィエト』感想に出典・書き忘れたミグ-25機体周りの相似を追記した

 ・正・追記個所について。

 短編集『なめらかな世界と、その敵』感想で、先日の日記でとりあげたT澤さまのツイートも本文に組み込みました。(お待たせしました)

 出典未掲載だった『ミグ-25ソ連脱出』部分を追記しました。

 『シンギュラリティ・ソヴィエト』劇中出来事と現実の出来事との重ねかた(=どちらの世界でも、ミグの旧来の機構がソ連張りぼて具合を示す証拠となること)について詳しく記しました。

 

 ・略個所について。

 逆に『なめ、敵』から引用・参照した部分は、本のタイトルを先述の略称で済ませることとなりました。

 『なめ、敵』引用・参照は84つあり、「らかな世界とその」の8語を削ると640字の削減になる。そのほか出展を省けるだけ省きました。

 余談の作品紹介から削れそうなところを削り、合計1000字くらい余裕を作れた気がする。

 

 ・『ンソヴィ』ミグの展開の、現実のなぞり具合について詳しく。

 また、『シンソヴィ』劇中米国スパイ・マイケルの行なおうとしているミグ戦闘機の解明が、『ミグー25ソ連脱出 ベレンコは、なぜ祖国を見捨てたか』現実のヴィクトル/日米研究者の行なったミグ-25戦闘機の解明と相似している点について、感想にほとんど組みこめてなかったのでねじこみました。

 前者においてハイテクミグ戦闘機は、ハイテクMiG戦闘機にあるまじき旧来の機構(人工知能機なのに、人間の操縦席がある。)を推理の糸口にして、ハイテクソ連社会が大衆に隠した過去の秘密を解き明かされたことで、「見かけ倒しの詐欺」*1と言われたりしました。

 後者においてミグ-25戦闘機は、日米の研究者により分解解析されたことで、「意図的にかつはなはだしくミグー25の性能を過大評価することによって、アメリカ国民をだましつづけてきた」*2「空飛ぶ"ポチョムキン村(張りボテ)”」*3とか一部から言われてしまうような、米最新機にはない旧式の鋼鉄や真空管の使われた機構が露わにされました。

 『ミグー25ソ連脱出』でも次いで描かれている通り、ミグー25の旧来機構は、開発当時はそう古いものではなかったし、その設計・実作は現実と理想とでうまくバランスを取った傑作でした(ソ連の技術力でできることと、西側と戦ううえで達成しなければならないスペックとをうまく勘案していた)。

 また、「アメリカ国民をだましつづけてきた」の主語は、「ペンタゴンは」であり、米国内の軍需産業拡大について米国人(下院議員)がした批判です。

 『シンソヴィ』ではこうした論旨を、米国内の人工知能界躍進に異を唱えるための材料として使うことで、うまく汲んでいるんですよね。

 それについて感想本文で触れたつもりがスッカリ書き忘れてたので組み込みました。

 

 劇中独自の設定(真相隠し)とその解明を用意したうえで、歴史の大枠をなぞる伴名氏の手つきがすごさが、あの感想文内でもっとよく分かるように、広く伝わるようになったんではないかと思います。

{そして、あの感想本文も、こういう誰の目にも明らかななぞらえをきちんと拾えたことで、多用した「言葉狩り(=『関口宏東京フレンドパークⅡ』の「クイズ! ボディ&ブレイン」感)の悪目立ちぶりが減じられた気がします}

 

 

0403(金)

 なにか検索だかしようとしたものの、なにを検索しようとしていたのかをド忘れしてしまってなにもできませんでした。

 

 

 

0404(土)

 本文

 ■社交■

  親戚の引っ越しを手伝いました。

 親戚のリフォームに伴う引っ越しを手伝いました。

 先週主要なものを運んだのでだいぶ精神的・体力的に楽チンでした。

 

 

0405(日)

 ■社交■

  親戚の引っ越しを手伝いました。

「昨日だいぶ運んだからきょうは午前中だけで済むんでないか?」

 などと余裕ヅラでしたが、けっきょく16時までしっかりやりましたねぇ。

 

 

 ■見たもの■

  vtuberにじさんじ『【追加難波公演】にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!』を観ました。

 いちから社の運営するバーチャルYoutuberグループにじさんじの面々による全国音楽ツアー『Shout in the Rainbow!』最終回Zepp難波追加公演をお家で観ました。

 ニコニコ生放送にて、4月19日までタイムシフト視聴が可能です。(10曲1時間くらいまでは無料視聴ができ、そこから2時間ほどは5000円のネットチケットを購入する必要があります)

 にじさんじの音楽ライブを観るのはぼくは12月8日の『Virtual to Live in 両国 2019』以来で、そこから準備期間もそうそう無い『Shout in the Rainbow!』はぶっちゃけ「そこまで違いはないんじゃないか?」と全ツアー観るほどの元気がなかったんですが、5ヶ月間で大違い・バーチャル空間をつかったショービズとしてこなれた・これまでの集大成的イベントだったと感心するとともに、「これは初回公演からきちんと追えばよかったな……」と反省しました。

 

 今回はにじさんじ1期生から月ノ美兎委員長・でろーん・静凛先輩、2期生から森中花咲さん(愛称かざちゃん)、鈴鹿詩子おねえさんといったライブ複数回出場のひとびとのほか、なんと1期生からモイラ様が初登場した公演でした。{公演開始の掛け声もモイラ様(だよね?)}

 ふだんの配信はLive2Dの技術を使っている(トカナントカ……)にじさんじは、こうしたライブを行なうには3Dモデリングされた身体が別途必要になり、モイラ様の3Dモデルもまた今回初お披露目。喜びもひとしおでした。

 モイラ様は水色の髪で背中に白い天使の羽という出で立ちから一目瞭然、天界から配信をしている女神という設定のvtuberです。ツイッターに登場したさいに全リプするなど、出で立ちピッタリの包容力をみせ、配信でも「仔犬たち~」とリスナーに声をかけるのがなるほど納得の癒し系。

にじさんじは配信としてこそは、委員長のアクの強さがまずバズりましたが(ぼくはそこから入りました)、ネットでの露出・周囲からの認知としては、モイラさまのこのツイッター活動がスタートダッシュになったそう}

 

 そんなモイラ様のライブ1曲目は、星より先に見つけてあげる

 キズナアイさんの台頭から早数年、ぼくもvtuberさんのライブを何度か見てるわけなんですが、それでも「うぉっ!」と驚く登壇でした。

 ステージ上のお約束として、上手(かみて)から登壇し下手(しもて)へと退場する~みたいな段取りがあるのですが、これはなんかややこしい概念で、和洋で上手下手がごちゃごちゃ逆になっていたり(?)、今回のライブについてもとくにそのお約束が守られているかというとそんなこともなかったのですが(配信画面のリスナー基準で、ステージ中央から右へと退場するでろーんと、ステージ右から左へと出場する委員長が交錯したように、上手から出て上手へはけたりした)、今回のモイラ様は右とか左とか間違いようのない上手から登場しました。そう、舞台袖からではなく星がきらめく夜空の上からステージへと舞い降りたのです。

 

 3次元の人がおなじことを行なうとなると、吊り用のセッティングが事前・事後に必要で、降り立ったあと(観客であるぼくたち)にどうしても安全具を外したりなんだりの裏作業が見えてしまう/その間について演者は観客へそれが見えてないフリをしてもらわざるをえないわけですが、バーチャルの肉体だとそうした休憩/気まずい言い聞かせをはさむことなくシームレスにステージを動き回れるわけです。

 もちろん、vtuberはそもそもからして「キャプチャされ投影されたガワだ(けど、そうではないということにする)」というもっと大きなマインドセットがあります。

 それでも"舞い降りた"のだと思えてしまったのは、モイラ様の設定とのシンクロもあるでしょうし、観ているじぶんがモイラ様の登壇を本当に”降臨”したという気持ちで観ていた感情面でのシンクロもあるでしょう。

 

 自分勝手なファンで恐縮ですが、にじさんじ配信者の3D受肉化が始まってから年単位の歳月が過ぎるなかで、そうした機会になかなか恵まれない配信者さんについて、

「いつか見れたらな……いやでも、こればっかりはなぁ……」

「当人の人柄の良さと、周囲からの人気はまた違うからな……むずかしいよな……」

「3D化してくれたところで、配信外の生活が忙しいみたいだしな……3D化された結果、配信者さんの重荷になってしまって身を崩されでもしたらそれこそな……」

 みたいな具合に、見たいけど見れない現状についてあれやこれや仕方ないとじぶんで言い聞かせていた部分がぼくにはありました。

 ライブ出演情報がでても、なんだか実感が持てないところがあった。そこへ本番のあの演出。

 そうだよな、3D化ってこれだけ特別なものだった

 そういう素朴な感動が、モイラ様の登壇で再び沸き上がりました。配信活動つづけてくれてありがとう、これからも素敵な姿を見せてください。そんな風に思ったモイラ様の舞い降りでした。

 

 11曲目=有料放送となってからの1曲目もまた、バーチャルキャラならではの舞台演出があり、以後の曲目にはそういった趣向がかなり多く&強くなっていて、

「バーチャルでできることって色々あるんだな!」

 と感心するとともに

「これからのライブも追わなければ!」

 と充分に思わせる楽しいショービズでした。

 それぞれ配信外のライフスタイルも全く異なるvtuberさんだから大変さは想像を絶するものがありますが、演者の動きと背景アニメーションなど舞台演出がバッチリ決まるとどれだけすごいものができるのか、「はぇ~」と口をあけながら観ました。

 こういう音楽ライブだけじゃなく、3Dモデル+背景美術で、演出強化版声劇とか観てみたいなと思ってしまった。

 

 無料配信パートと、有料配信パートの切り替わり場所も見事だった。

 今回の『SitR⑥難波』では、無料配信パートだけでかなりおなか一杯になれるんですよね。登壇者6人が全登場して、ソロを披露する人もいれば、複数人コラボ曲を披露する人もおり、3D初お披露目の人もいれば、締めくくりの10曲目でコスト的にすごいものがまた投入されもして、一人のパフォーマーについてここまでを締めくくり更なる飛躍を予感させる物語性もある。

 逆にここからあと半分なにやるの? というところもあるんですが、そこからも盛りだくさんの内容で、しかもそこで区切ったのが必然に思える演出もある。

 有料配信1曲目は、スクリーンに投影された(劇場や映画館にあるような)赤い緞帳が開くところから始まります。そのアニメーションは、もともとは、その曲のために用意された演出というだけかもしれませんが、はからずも、

「ここから後半戦の幕開けですよ」

 と告げるかのような、このライブ全体に活きてくる演出材と成ってしまっていました。

 こういうのが毎度拝めるようになったら、ぼくの財布はすっからかんになってしまう……。

 赤い糸をあれこれする女神というモイラ様の設定と噛み合い、間奏のセリフによるアレンジも面白くってとてもよかったですね。

 

 

 とくに好きなのは、掴みバッチリ樋口楓(でろーん)による1曲目10曲目でろーんソロ、2曲目委員長ソロ、有料放送のしずりん先輩のソロ

 全体3曲目の、既存曲のJK組3人によるカバーは、曲選も世代なのできゅんきゅん来てしまったし、3人の振り付けもめっちゃそろっていて最高でした。『KANA-DERO』の民としては、でろりんで『God knows...』歌っていたあそこから今度はあの時代の曲を3人で、と物語性も勝手に見出してしまいもしました。

 でも一方で、

「ソロ→ソロ→ときて、そうですか……。しずりんソロから始まったから勘違いしてしまったわ……」

 と、梯子を外された感を覚えもしたわけですよ。正直ね。

 でも有料放送見て納得、

「あ、あの外し方は、この飛躍のための意図的なタメだったのか!」

 と思わせる圧巻の演出と歌でした。無観客公演は凛famにとっては不幸中の幸いでしたね。現場であんなん目の当たりにしたら倒れるひとが出るよ!!

 動くたびに足が攣る攣る言う出不精で(笑)、JK組でのハワイ旅行だって潜水艦ツアーとかも勇気の待機を決めた怖気づき屋で、『リングフィットアドベンチャー』だって渋りんしていたひとが、あれだけ歩きつづけて(あの振り付け、地味に筋肉にクると思う……)いろんな景色を移り行ったのは、行きたいと思ったのは何でなのか、誰がいたからなのかというお話よな……。

 会場のスクリーンでは紫がかった白いクリスタルとその周囲に無数の光が満ち満ちていましたが(、そしてさらには配信画面では紫コメントが無数に流れていましたが)、ぼくはクリスタルの光というよりも、『KANA-DERO』で自主的にペンライトを何本も配った人たちのことを思い出していました。

 良かったですね凛famの皆さん……。

 

 そこからの詩子おねえさんの新曲も、しずりん先輩の曲同様ここまでの配信活動の集大成といったパワーがあるんですが……なんなんすかねあの実家のような安心感(笑) はじめて聴いたとは思えない圧倒的「「「い つ も の」」」感。

 「♪26歳 契約社員というそんな歌い出しある!?と驚いてしまう、音源を手売りするヒップホッパーのような自分をレペゼンした強すぎる歌詞にたいして(幕間でのかざちゃんによる新曲評「自己紹介というか事故紹介だよね……」はほんそれでしたね)、歌と詩子をフォローする背景アニメも負けず劣らず強くって、詩子おねえさんが歌った『U.S.A』的なネオン感があったり、字幕の体裁がおねえさんが独特の世界を展開しているネタ動画シリーズ『最低すぎる美少女ゲームのヒロイン』のメッセージウィンドウをオマージュしたものだったり、『SUHMR』同様に演出のひとが詩子おねえさんの強火リスナーすぎる。

 ファン冥利に尽きる一曲で、良かったですねうたっこのみなさん。よかったんだよな……?

 

 

 総勢15人が出演し計23曲歌った『VtL両国』とくらべて『SitR追加難波』は6人で21曲と、一人当たりの出番がボリューミーで、このくらいのサイズ感がピッタリ良いかんじでした。

 (委員長のソロに近いトーク&歌イベント『みとなつ』や)でろーんのソロに近い『KANA-DERO』を観てきた自分からすると、『VtL両国』は多彩できらびやかでモチロンおなか一杯になったわけなんですが、どうしても一人一人の出番があっさりした印象が否めませんでした。和洋中なんでも並んでいるけど、一連のコース料理ではないといいますか。

「この料理うまいわ~! もう一皿おかわりしよ……アッこのジャンルはもうここでおしまいなんですね、あっこっちもうまいわ~! もう一皿おか……アッ」と。

 じゃあ各人それぞれもう一曲あったらどうかといえば、僕の体力はもたなかったでしょう。

 

 『SitR追加難波』は、各人にソロ曲が複数あり、しかも既存曲カバーもオリジナル曲もどちらだって歌ってもらえる。複数歌唱曲もJK組やBGクラブといったなじみの組み合わせに加えて、「この人たちが!」というサプライズ的組み合わせも(『VtL両国』同様に)あって……と、自由度・特別感もある。

 ぼくにとって色相の量も各色自体の濃淡も満足いく幅があって、これはとってもよかったです。

 

 

 ライブについて時系列順でふりかえってみる。(全曲ではないです)

 幕開けはランティスから1stシングルも出たばかりの樋口楓(愛称でろーん)による『樋口楓ファンメイドメドレー』。配信者をイメージした曲をファンが作ってそれを歌うという、1stライブ『KANA-DERO』でランティスプロデューサーを驚かせた文化を、凝縮したかたちでぶつけられることとなります。

 ウィキペディアで眺めてみて驚きましたが、本当にこのまとめぶりはすさまじいものがあり。まずでろーん初のファンメイド曲でにじさんじ配信者として最初の「歌ってみた」動画の曲でもあるという)、フル歌唱投稿時のかわいさに対して明るさの増した『Harmony!!』(2018/3/25、くろゑ)、次いで低いトーンでカッコよさを見せる『Maple Dancer』(2018/7/14、かずぺそ)、前段の「♪時よ 止まれよとおどけながら」の対比として流しめだった「♪叶わぬ願いと心に沁みる」をこそに大きくブレスして痛切に(しゃくり少な目に)ストレートに歌う『楓色の向こう』(2018/8/10、ehara)、節が強調されてより疾走感がでた『月夜ノ空』(2018/8/31、けんまる)『WISH!』(2018/11/19、senaru)、ここまでのコブシを利かせたパワフルな歌唱はここの透明感のためにあった『楓色の日々、染まる季節』(2019/1/12『KANA-DERO』で初披露曲、かずぺそ)、イントロから秒でサビに入った『MapleStep』(2019/11/3、かずぺそ)、ハモ同様あかるく高らかに歌い上げた『虹のキセキ』{2019/10/3(5/4)、たなとす}……と、ほぼほぼメドレーの順番=発表順という並びかた。樋口楓のデビュー当初=にじさんじ発足当初からここまでの2年間が走馬灯のように奏でられていきます。

 

 退場するでろーんと入れ替わりでスタタタタと現れたのは、ソニーSACRA MUSICに所属することとなった月ノ美兎委員長。

 委員長の小さな俯き姿に、ノイジーでさえあるイントロが大音響でがなりたて、それに負けないくらい巨大な画面演出がスクリーンいっぱいに瞬く。

 歌われたのは『アンチグラビティガール』(リンク先冒頭1:44試聴可能版)。『VtL両国』終演で発表されたにじさんじのアルバム『SMASH The Paint!!』収録の楽曲で、作曲した井上拓氏は『アイドルマスター』の楽曲も複数てがけたかたです。いちじき重度の『アイドルマスター』オタクで、井上氏を「TAKUINOUE神」と崇め、配信中にかわいい歌声の裏のエグい音作りについてオタク語りをしたりした委員長にピッタリの、えげつない楽曲でした。

 大スクリーン上部の横長スクリーンには字幕が表示され、そこのアニメーション・演出がまた凝っていて楽しい。〔先日委員長が実況プレイされていた『ICEY』をちょっと想起しました。{劇場版『くまのプーさん』(2011)といい、こういうの楽しいですよね}〕

 

 委員長でろーんと来たら次はにじさんじファン的には「やっぱり」「待ってました」という感じで)静凛先輩の登場です。ソロ曲ではなく、しずりん先輩・委員長・でろーんの3人"JK組"による『プレパレード』(3人で歌うのもこれまた「やっぱり」「待ってました」感)。3人それぞれ揃った振り付けでとてもよかったですね。

 

 続いた4曲目、詩子おねえさん&かざちゃんによる『スーパーウルトラハイパーミラクルロマンチック』 は、曲目もそうだけど字幕が面白い。

 もともとは、歌いあう二人の密な感情をうたった曲で、かざちゃんとメジャーデビューをしているプチ・フルールの片割れ御伽原江良さんがツイッター上で「寝取られた」(①と病みツイートをしてしまうのも無理ない曲なのですが(笑)、今回のライブはちょっと雰囲気がちがう。

 字幕が表示される合間にはさまれるアニメーションは、横長のスクリーンの端まで投影されるかわいらしい猫がポンポンといっぱい出てくるといった内容で、一見するとふたり/曲のかわいらしさを伸ばしていますが、しかし、詩子おねえさんがよく実況プレイしていていかがわしい言葉をしこたま仕込んでいる『ネコトモ』のキャラを思わせる図像だ。

 なにやら不穏な空気を感じていると、サビに表示されるアニメーションは……(笑)

 配信者のよくすなる「歌ってみた」動画を、詩子おねえさんはただアップするだけでなく自分のバックグラウンドをからめた替え歌にして投稿するなどをしてきた人物で、今回の『スーパーウルトラハイパーミラクルロマンチック』は、その発展形に思えました。

 歌詞こそそのままなのに、しかし配信者の性質によって上書きされてしまっている……という奇怪な読み替えが行われていて、おもしろかったです。

 刀の達人の振るうひとタチは、斬られた側が自分が死んでいることに気づかないみたいなアレがありますが、うたかざ『SUHMR』はその域に踏み込んでいる。といったら過言かもしれませんが、"ながら見"を許さない視聴覚どちらの情報も充実している演目は、発足当初は、

「キャラ捨ててゲームを取ったぞコイツ(=にじさんじアプリを利用して自身の顔を配信画面に表示させつつ&ゲーム実況配信をするにはマシンスペックが足らないので、にじさんじアプリを配信画面に投影することをやめることでパソコンの処理を軽くしたぞ、という、漫画アニメ的なキャラのガワをかぶれることが利点であったはずのヴァーチャルYoutuberからすると本末転倒な選択)

 と慄かせたにじさんじからすると、隔世の感があります。

 

 モイラ様の歌もよかった。

 雑談もゲームプレイもASMRも、おっとりゆったりした配信が主で、おっとりゆったりしてなかったら事故をしている{(トラック運転実況プレイ配信とか。このblogでも日記に書いたASMR配信とか)という、オブラートにつつまず言えばドンくささ)が目立ったモイラ様が、3Dの肉体を得てライブステージに立ったらどうでしょう、もちろんイメージ通りの優雅な所作を見せてくれつつも、(2つめのソロ曲など顕著ですが)歌唱中は意外や意外やたらキレッッキレのダンスを披露してくれてるではありませんか。(バレエとかやってたんだろうか?)

 凄いやらギャップが面白いやらで顔のにやけを抑えることができませんでした。

 

 折り返しの10曲目は、樋口ランティス楓のメジャーデビューCDから『MARBLE』

 「!」となったのが、焦茶氏の筆によるメジャー告知/CDジャケットイラストで印象的な、カッコよくて見栄えの良いあの衣装に身を包んでいたこと。

 ファンメイドメドレーからの『MARBLE』、それもメジャーデビュー時の衣装に身を包んで! 文字通り一皮むけた樋口楓の躍進を見せられたライブ前半戦でした。

 樋口楓というひとは本当にこう、ライブイベントを、資材人材を投じた豪華版"歌ってみた"ではなく、人生の足跡として物語れてしまうひとなんだなぁ……とほれぼれしてしまった。

(振付も、NHKのお正月でさえ動かなかったでろーんの左腕が今回はうごいていて、パフォーマンスも成長が見られた)

 

 有料配信ゾーンでの委員長ソロ曲は、これがまたよかったですね。

 委員長のアドリブ呼びかけ(=間奏に挟むのではなく歌詞改変)は、「画面の向こうのみんなまでぇ!!!」やら「コメント一緒に!」やら何やらと、会場に向けてというよりもパソコンの前のオタクたちに向けたパフォーマンスになっていて、それが幸か不幸か今回の無観客公演にぴったりで、とてもよかった。

{演者による呼びかけのなかには、(実際にはその場にいない)ステージの観客に向けた(だろう)ものもあり、だんだん聞いているうちにもの悲しい気分になってしまった}

 ライブとはなにか? なにを求めて観るのか?

 この辺は送り手受け手でいろんなスタンスがあるだろうから何ともですが、ぼくとしては(僕自身は現場には行かないにしても)いま・ここであの人々が生きているのだという実感がほしいタイプです。できうるかぎり生っぽいものがほしい。

 ディスプレイやMP4のデータとしてでなく、肉眼で鼓膜をじかに震わせてくれる存在としておなじ時空間に立ち会えることがひとつのウリであると考えるものにとって、やっぱり演者が歌っているのが生歌なのか否かはどうしても気になる部分の一つです。

 現実の演者さんであれば(たとえばEXILEとか)、もし歌自体が録音だったとしても、日本屈指のダンサー達による圧倒的な肉体&わけわからんレベルに豪華な舞台芸術のパフォーマンスを直に見ることができるために全く気にならない、それ以上のものを持ち帰ることができます。

 ガワが電子情報であるvtuberとなると観客はなにを持ち帰ればよいのか?

 ダンスや身振り手振りはその生っぽさを保証してくれない。

 スクリーンに投影された姿は、下手すればいま・ここでキャプチャされたわけでもなければリアルタイムレンダされたわけではない録画かもしれず、最悪、アニメーターによって動かされている可能性さえある。

 では歌は。あまりに巧すぎる(音程ピッタリ過ぎる)と、それはそれで録音か?/編集済み音源か? と思ってしまうし、「いやいや人間の可能性を低く見積もって人生楽しいか? それだけ練習を重ねただけなのでは?」という気持ちもある。

 では合間合間の掛け声? それはあるけれど、今回みたいな特殊な上演時には「?」と思ってしまうことがある。「でもでも掛け合いとかになると、ある程度事前に決めておかなければ間奏などの短い尺に収まらないだろうから、生で言ったとしても融通をきかせることができないのでは?」という気持ちもある。

 いろいろな要素を総合した"生っぽさ"がぼくにとって重要になるのだと思う。

{優れた演劇・ステージコメディアンは、ある役者が噛んだりセリフが飛んだりして別の演者が「台本を忘れてんじゃねーよ」 と返す……といった(観客にとっては)ハプニングと思えるシーンまで事前にどこでそうやるか段取り・練習したうえで臨むと言います。いわゆる仕込みを、仕込みと気づかせないほど自然にトチ(れるよう何度も練習をす)る。

 生っぽさもまた、ある種の技巧なのだろうとは思うわけですが、それはそれとして}

 歌声のブレスの多さ、呼びかけ、身振りなど、委員長のパフォーマンスはぼくにとって「生きてるなぁ」となりますね。

 委員長もまた新衣装で登場。去年ファンから公募し、2時間ちかい選評のすえに発表された、山吹色さんによるコスチューム。月ノ美兎の新しい看板であり、これからもずっと使っていけるものを……といった感じの旨でえらばれたそれで歌うのは、先日フルバージョン版の歌ってみた動画が投稿されたばかりの、iruさん作詞作曲おなじみ『Moon!!』

 いつもの衣装でプロの作曲による『アングラガール』をまず歌い、ファンから寄せられた新衣装でファンメイド曲(しかも、配信者のためにファンがつくった曲としてはにじさんじ内でも最古と云われる)『Moon!!』を歌って、「最初に歌われたときも、次に歌われたときも、何度歌われても毎度そう思っちゃうけど、まじのまじのまじでまじにバーチャルアイドルやんけ……」とまた新鮮に思わせてくれた委員長と。

 いつもの衣装でファンメイドメドレーをまず歌い、おなじみ焦茶さんの新衣装でプロデビュー曲を歌って、「かっこいいのは知ってたけどこれほどまでとは知らなかったぞ!?」と驚かせてくれた樋口楓と。

 ファンへの寄り添いと未踏の地への開拓と両面をすすむ/そしてそれぞれで見たこともない景色まで連れてってくれる、にじさんじ総体の力をかんじた公演でした。

 

 アンコールはこれは流石に言っていいでしょ、にじさんじではおなじみ大正義『Virtual to Live』でした。

 この『VtL』で良かったのが、一緒に同じ舞台で歌っている感がまじまじとかんじられるものだったこと。

 『VtL両国』版では、正直言って「これ一人ひとり別撮りしただけだろうから、パッと見にぎやかだけども……」という部分がありました。

 今回はJK組3人だったりそのほかのBGクラブ3人だったりが顔を見合わせて一緒に振り付けしたり{これだけだったら3人ずつで撮ったんだなとか意地の悪い考えが働きますが(笑)}、あるいはかえみと・師匠愛弟子(しずりん&森中)・うたモイの2人ずつで一緒にワイワイやったりしていたりと、演者6人がおなじ時空間を共有している感がありました。

 

 

0406(月)

 宿直日。

*1:『なめ、その敵 』Kindle版 66%(位置No.4781中 3107)

*2:『ミグ-25ソ連脱出』p.226

*3:『ミグ-25ソ連脱出』p.228